【感想・ネタバレ】地層捜査のレビュー

あらすじ

1995年に東京・荒木町で起きた老女殺人。確たる手がかりもなく、未解決のままだったこの事件が、2010年の公訴時効撤廃を受けて再捜査の対象となる。捜査一課の水戸部と、以前この事件を担当していた地域指導員加納は、当時の捜査本部が着目した土地トラブルを追いながら、かつては芸妓、後に置屋の女将として生きた老女とこの街の記憶に目を向けていく。そう、事件の「地層」を掘り起こすのだ??。『廃墟に乞う』で直木賞を受賞した警察小説の名手が放つ待望の新シリーズ、いよいよ開幕!

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Posted by ブクログ

とても地味な捜査ではある。
そこをとても丁寧に調べ上げていく水戸部刑事。
相談員の加納はかなり怪しく、何かを隠しているのかと思っていたら…
派手さはないですが、とても良かったです。

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2023年04月22日

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街の古いことや、事件当時の事情を知る加納と組み、水戸部は未解決案件に挑む…「事件の後の展開」が鍵なのか、「事件に至るまでの何か」が鍵なのか、様々な出来事が地層のようになっている。水戸部は順次それらを調べ上げ、事の真相に近付く…
非常に面白かった!!

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2016年01月15日

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シリーズ第1作。

無能なキャリア管理官を侮辱したせいで受けた謹慎処分が解け、迷宮入り事件を担当する特命捜査対策室に異動となった警視庁水戸部刑事。

今はなき四谷三丁目付近の花街荒木町で1995年に起きた老女殺害事件の再捜査を、定年退職した老刑事とともに命じられる。

現場は南北を外苑東通りと新宿通り、東西を車力門通りと杉大門通りに囲まれ、狭い路地や坂道が入り組む小さな街区。

捜査を進めるにつれて古の生業や人間関係、家並み、賑わいなどが眼前によみがえってくる。

薄皮を一枚一枚剥ぐように進む捜査。
当初地上げ関連かと思われた事件の真相には特に意外感がないが、警察小説としてはむしろ妥当。

グーグルマップと首っ引きだが、現代(作品執筆時)と過去の荒木町を存分に疑似体験できる。

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2025年04月07日

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コールドケース物の小説。やり手の刑事と退職した元刑事がバディを組んで過去の未解決事件を追う。かつて栄えた夜の街の描写が鮮やかで、そこに生きて来た人々の歴史を思い浮かべる。地味なのに堂場人物全てが主役の様な味わいをもつ。読んで良かった。

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2024年11月23日

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⚫︎サクッと読める警察小説の金字塔
⚫︎どう読んでも文章に素人感がない。本当かは別にして、非常に現実感がある。上手い。
⚫︎サラッと聞くとなんでもない話が、目線を変えると浮かび上がってくる面白い仕掛け。
⚫︎癖のある町内の真相に迫っていく過程が非常に興味深い。
⚫︎あまりにも町内の描写が細かくて驚いた。実際の街に一部フェイクでも入れているのか…
⚫︎狭いが故にみんな知り合いだし、何かを、誰かは見ている、知っているというのが鍵になる。

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2024年07月06日

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殺人事件の時効が撤廃されたことに関連して、法改正以前であれば既に時効が成立していた15年以上前の殺人事件についての再捜査を描いた作品。

神楽坂界隈が舞台になっているのですが、嘗ての花街の光と影を振り返るような話になっていますね。いまも神楽坂は、人気のある街ですが、いまの神楽坂と嘗ての神楽坂は全然違う感じですね。

変わらないのが、そこに住んでいる人たち。それの悲しい人間関係が、浮き彫りにされたような気がします。

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2023年03月30日

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謹慎処分を受けていた刑事水戸部は、退職刑事の加納と組んで、15年前の未解決事件の再捜査を始める。
年月を経ての聞き込みでその当時には聞こえてこなかった事も耳に入る。
30年前の事件が絡んでいたと分かる。
犯人のめぼしも付いたのだが、最後に結果は書かれていないので想像するしかない。

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2022年11月20日

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こういうタイプの警察小説は嫌いじゃないです 古い町で色んな人が絡んだ事件は面白いで、私は好きです。しかしながら このタイプは所詮コールドケースの二番煎じです。古い事件だからどうしても複雑な内容になる。前半ダラダラ 最後はさっと 難しいでしょうが
そんな物語を作って欲しい。

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2021年07月14日

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ネタバレ

昭和50年代の荒木町の人間模様に起因した殺人事件の話です。
当初は当時の時代背景から地上げ屋絡みの事件と絞り込まれていた。ただ、再捜査の結果、時代だけではなく、花街という特殊な地域背景が見出され、事件の解決に至る。
時代による人の感情の変化。現代人と当時の人。
なかなか、そういう観点で面白かったですね。

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2018年08月13日

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地図に弱い私は最初冒頭の周辺地図を何度も見ながら読んでいたが、だんだんどうでもよくなり自分なりのイメージで読めた。さて、最終的にに水戸部はどういう結論を出したかなと気になるところです。第2作目も期待したい。

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2018年06月07日

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街の歴史、時代の空気を味わいながら楽しめる警察小説。女性は大抵水商売、ヤクザがらみ、パソコン弱い感がわかる描写が、佐々木譲氏の小説に出てくると自分はいつもながらグッとくる。

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2017年11月26日

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ネタバレ

四ッ谷荒木町が舞台。何度か訪れたことがあるけれど、お屋敷町だった 程度の知識しかなかった。事件を通して語られる過去の情景がリアルで入り込めた。
事件の筋を変える水戸部の視点に無理を感じさせなかったのは、当時の情景、背景がリアルだったからだろう

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2017年11月01日

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法改正によって、これまでの事件に対する時効はすべてなくなった。
上司の命令により15年前の未解決事件(荒木町老女殺人事件)の再捜査をすることになった水戸部。
事件当時とは街の様相も変わり、関係者もみな一様に年を重ね、中にはすでに死亡している者もいる。
タイトルの「地層捜査」とは、地層に埋もれた遺物を発掘して歴史を探っていくように、時間の経過とともに埋もれてしまった事件を掘り起こしひとつずつ洗い直していく・・・といった意味だろう。
すでに引退し捜査協力員として再捜査に加わった加納がいい。
古き時代の刑事像そのままのスタイルで捜査していく姿と、水戸部のいまふうの捜査の違いが面白かった。
もしも本当に法改正が実施され、すべての時効がなくなったとしたら・・・。
諸手を挙げて賛成する人たちと、反対する人たちに分かれることは目に見えている。
加納が言うように、被害者側のひとつの区切りとして時効が果たしている役割はあるようにも思う。
時間とともに薄れていく記憶、風化していく事件。
変わらないのは関わった人たちの中に眠る様々な感情だけなのかもしれない。
張り巡らされた伏線がひとつになり、思いがけない真実にたどり着いく。
まったく違った視点からの捜査も、ときには必要なときもある。

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2017年02月24日

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15年前の事件の再捜査は地道な聞き込みや昔の調書を読み直していくところから始まる。まったくドラマチックな展開もなくミステリー小説としてどうなんだろうと思うくらいで、なかなか読み進めなかった。残り4分の1になってもどうやってこの話は終わるのだろうと思っていたが、読み終わってのしみじみ感はどうなんだ。定年になった加納と若き水戸部のコンビはその後姿を思い浮かべたくなる。
しかしたぶん読み返すことはないだろう。もう一度この何も無いような道筋をたどりたいとも思えない。

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2016年05月30日

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「代官山コールドケース」の前作。四谷荒木町そのものが主人公ともいえる作品。


無能なキャリアに歯向かって謹慎となった若き刑事・水戸部は迷宮入り事件を担当する「特命捜査対策室」に配属された。15年前の四谷荒木町の殺しを再捜査せよ。専従捜査員は水戸部ただ一人。退職刑事を相棒に、水戸部は町の底に埋もれた秘密と嘘に肉薄してゆく。静かな余韻を響かせる警察小説シリーズ第一作。

相棒の加納元刑事が魅力的。

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2016年03月27日

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迷宮入りした事件を捜査する特命捜査対策室に謹慎明けで配属された刑事が15年前の事件を捜査する。まるで堂場氏の作品みたいだと思い、気になって調べてみたら本当にこんな部署があるんですね。なんでも小説から発想を得た組織だとか。
佐々木氏の警察ものというだけで安心感を感じますが、期待通りきっちり仕上がっています。

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2015年12月21日

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私は佐々木譲さんの物語の綴り方がきっと好きなんだな。

裏表紙を見ずに、作者名だけで手に取った作品。最初の数ページを開いてみれば、そこには東京・四谷の地図が…。そいう、舞台は四谷。そして、解決すべき事件は、15年前の殺人事件。

捜査としてはとても地味。昔を知る人から話を聞く。言葉の中からつながる糸を探していく。派手さもスリルもないのに、なぜかどんどん引き込まれる。人間と、人間関係と、そしてその中にある人情と…。

新シリーズなんですね。主人公である30代の刑事・水戸部は謹慎を解かれたばかり。無能キャリアに歯向かって謹慎処分になったという秘めた熱さを持つ男。派手さはないけど実直な魅力あり。シリーズ第2弾も読みたくなった。

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2015年04月24日

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 時効事件を再捜査する「特命捜査対策室」シリーズ第一作。
 今回の舞台は荒木町。非常に狭い地域で起きた殺人事件の再捜査。被疑者が全く浮かんでいない中の捜査ということもあり、最初から難航する。地上げ絡みか、はたまた怨恨か。いろいろな可能性が考えられる中、当時は見えていなかった人間関係も見えてくる。様変わりしたから、かえって見えてくるものもある。そうしたことに気付かされる作品。

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2025年06月17日

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佐々木譲さん、刑事ものの新シリーズ。所謂、コールドケースもの。時効がなくなった日本でかつて発生した老女殺人事件の真相を追う、というそれだけの話ながら流石に読ませる。東京の荒木町の風土や事件が起こった時の時代背景や登場人物の掘り下げ方などベテランでなければ書けないように丹念に描いていく。佐々木さんは事件と発生した土地との関連性を結びつけるのが上手いように思う。あっさりとした中にも深い余韻が感じられバーで飲んでいるような読書体験が楽しめる。

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2025年01月18日

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地層捜査という題名につい惹かれて読んでみた。地層の様に時が重なり、その重なりに埋もれてしまった事件が露わになっていく‥‥昭和の混沌とした夜の街を浮かび上がらせなんともいえない。定年後の相談員の想いと現役捜査員の想いがたまらなく哀愁を感じる。

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2024年02月25日

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警視庁、時効切れ事件が法改正で再浮上。それこそ、地層の化石発掘ならぬ事件掘り起しの展開。
四ッ谷、20世紀終わりごろと言えば地上げ屋、札束で頬を殴る的な世情の中で「失踪」の語の下に消えた人もいたろうなと思わせる臭気。遡ること25年、清張が書いた黒革の手帖程の生臭さがなく、すっきり佐々木節は鮮やか。

戦後、生き残った「最後」の芸妓やおかま、旦那など世相がじっくりページに浮かび上がって来た。
水戸部と組んだ男、加納は捜査員、一歩退いた立ち位置ながら清張にも出てきたような【臭い何か】をかぎ取る人物。
「代官山コールドケース」の味わいを思い出させてくれた。
とは言うものの、持ち込んだ渡辺という男。勲章を貰えていないと言うだけの根拠で捜査って始まるかなとは思ったかったるさが残る。

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2021年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『火刑都市』みたいなのを読みたいなーと思っていて。
いつだったか、これのドラマを見て意外によかったのを思い出したのがきっかけ。

読み終わってみると、これはドラマの方がよかったかもなーと。
ドラマを見たのはずいぶん前だから、うろ覚えのところもあるんだけど、原作よりも小鈴や国枝、そして鈴佳の人となりが描かれていたように思う。
また、原作には出てこない鈴佳の妹も出てきて、登場人物たちの愛憎や淡い夢、哀しさに味があった。
一方、原作は場所の匂いこそ濃厚なものの、そこにあった小鈴をめぐる事件がうまくからんでないって言ったらいいのかなー。
それが過去のことだけに、欲や愛憎のどろどろさが妙にさらっとしすぎちゃった気がする。

そのため、ただでさえ地味な話が、地味、地味、地味、地味、地味ぃ~とエピソードでつながって。
最後に、瓢箪から駒ならぬ、その地味からまたまた地味ぃ~駒が見つかって。
ま、それは登場人物たちからすると、ちょっと湧くことなんだけど、でもストーリー的には全然湧かない、みたいな(^^ゞ

最後の最後の真相(?)も、やっぱり地味ぃ~に語られて、その辺りと鈴佳の淡い夢の対比を前面に出したドラマの方がお話としては上手かったなーなんて思った。
もっとも、それを、2時間ドラマにありがちな話に落とし込んじゃっただけ、と言ってしまうならその通りなんだろうけどさw

ストーリーはともかく、鈴佳が昭和29年に荒木町の花街に12歳で売られてきたという境遇にどきりとした。
主人公の刑事は、それを聞いて「戦後のことですよね」と聞き返す。
それを言ったスナックのマスター(ママか?w)は、「まさか、もう当時は人身売買なんてあるわけない、と言うんじゃないでしょうね」と言う。
それに対して主人公が「いえ」と短く答える、その展開。
それって、たぶん著者が読者に“戦後に人身売買がなかったなんて思ってないよね?」と問いかけているんだろうなって思うのだ。
いや、著者だって、たぶんこの本を読もうと思う読者なら、ちょっと前まで人身売買があったことを漠然と知っているはずだと思っているのだろう。
だから、スナックのマスター(ママ?w)の口を通して、「そんなこと、忘れちゃった?」と読者に問うているんだと思う。
貧困とか、格差とかって、今の日本ではよく聞くけど。でも、ついこの間まで日本(人)は貧乏だったということって、意外と忘れられているor知らないような気がするんだけど、どうなんだろう?

あと、最後の方で、主人公に協力している元刑事の加納が言う、「殺しの理由は、男と女の間のしょうもない結末、バブルの頃の、相続遺産をめぐっての身内の殺し。
わずか8万円の借金のことで人を殺した一件もあったな。人の馬鹿さ加減とかあさましさの、最後の後始末をやっているのが自分のような気もした」というのも、思わず「うーん…」と言っちゃうというか……。
それは、例の京王線の事件が、まさに加納の言う“人の馬鹿さ加減とかあさましさ”の“しょうもない結末”だったように感じるからなんだけど。
いや、殺人事件なんて、いつの時代も“人の馬鹿さ加減とかあさましさ”だと思うのだ。
現に、“自殺は怖いから死刑になりたくて人を殺した”なんて事件、ぱっと思い浮かべてもいくつか思いつくわけだ。
ただ、それにしても、“人の馬鹿さ加減とかあさましさ”の“しょうもない結末”が、どんどんエスカレートしているような気がする。

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2021年11月13日

Posted by ブクログ

未解決事件の再捜査。過去の資料を紐解きながら現場を這う。それはまさに地層を掘り返していくかのような、執念の推理と捜査劇。
見えてきた一筋の光をこじ開けながら、少しずつ少しずつと真実に近づいていく緊迫感、臨場感は申し分ない。水戸部と加納の絶妙なコンビ。

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2021年10月03日

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事件の真相は、半分くらい読んだとろろでもうヨメてしまった。でも、何回かしか行ったことはないけれど四谷荒木町はとても雰囲気のある印象的な町だったので、その町の歴史や住人たちの記憶・人生が絡まりあって展開するストーリーを、最後まで興味を失わずに読めた。花街があったというのはなんとなく知っていたけれど、花街があった時代を自分だけで想像することは難しいので、こんな時代があの町に…と思うと、とても面白かった。
解説者が「都市小説」という言葉を後書きで使っていて、警察小説というより、その方がしっくりくるなと思った。その町に降り積もった時間の地層を少し掘り起こして見せてもらったよう。また四谷荒木町を訪ねてみたくなった。

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2019年12月29日

Posted by ブクログ

事件の本当の姿が明るみになっていく物語は引き込まれながら読んだが、この事件を再捜査しようという動機部分はなんだか弱い感じがした。そこだけはどうしても共感できない部分。

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2019年10月07日

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無能なキャリアに歯向かって謹慎となった若き刑事・水戸部は迷宮入り事件を担当する「特命捜査対策室」に配属された。15年前の四谷荒木町の殺しを再捜査せよ。専従捜査員は水戸部ただ一人。退職刑事を相棒に、水戸部は町の底に埋もれた秘密と嘘に肉薄してゆく。

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2018年06月17日

Posted by ブクログ

奇しくも、過去の事件を捜査する小説が続いてしまった。
新宿荒木町で、15年前に起きた殺人事件。
この迷宮入り事件を、時効が廃止されたことにより担当することになった若き刑事。
退職刑事と相棒を組み、事件現場周辺を渉猟する。
荒木町の詳細な叙述は、まるでガイドブックのようで、思わず区分地図の該当ページを取り出し見比べながら、読み進んだ。事件そのものよりも、かつての荒木町の雰囲気が印象に残る読後。

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2018年02月04日

Posted by ブクログ

謹慎中だった刑事の水戸部に、殺人事件の時効廃止に伴い15年前の事件の再捜査が振り分けられた。
相棒は当時の捜査本部にも参加していた退職刑事の加納が相談員として当てられた。
当時は花街として芸者たちもいて賑やかだったというが、その中に埋もれていた事件と秘密。
突き止めた真実は、長い年月の経過と共に意味を変えていた。

2017.11.5

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2017年11月05日

Posted by ブクログ

新宿荒木町の変遷と戦後花街の盛衰など、勉強になった(笑)。

最後、主人公の選んだ選択はどちらだったのか?シリーズものらしいので、続巻でそれとなく示してくれると嬉しいかな。

★3つ、7ポイント半。
2017.10.01.古。

主人公の過去・・・・人間の屑のようなキャリア警官との経緯が気になるため、続巻も追うことになる予感。

道警シリーズの新刊も、早く読みたいな。

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2017年10月02日

Posted by ブクログ

15年前の殺人事件の再捜査から、その原因となったさらに30年前の殺人事件に辿り着いた。
そして15年前に疑われていた理由とは異なる事件の本質が見えてきた。
四谷荒木町界隈の谷底に深く潜っていったような読後感。

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2016年05月28日

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