佐々木譲のレビュー一覧
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道警・大通警察署シリーズ第11弾。佐伯・津久井・小島の各チームがそれぞれ別の犯罪捜査の末、最後には1つの事件につながるパターンは今までのシリーズと同じだが、ここまで同じパターンが続くと、どのように繋がっていくのかも楽しみながら読むことができる。最近の本シリーズの中でも圧倒的にスリリングな展開で読書の手を止められないほど面白かった。主人公達も本作のラストで新しい道を歩むことになる。本書は道警シリーズのシーズン1の完結作との事だが、ラストに相応しい面白い物語だった。シーズン2のスタートを期待して待ちたい。
最近はノンフィクションを読む事が多く、それはそれで面白いが、やっぱりミステリー小説最高!と思 -
Posted by ブクログ
コロナ禍による規制が緩和されたばかりの札幌で起きた交通事故。駆けつけた機捜の津久井卓巡査部長は事件性を疑い捜査を開始する。
一方、法律事務所荒らしを調べていた三課遊軍の佐伯宏一警部補と新宮昌樹巡査は、この事件の根が意外に深いことを知り……。
『北海道警大通署』シリーズ10作目。
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札幌の中心部にあるショッピングモールの地下駐車場。買い物を終えた桂木陽一が、エスカレーターから少し離れた場所に停めた自家用車の運転席ドアを開けた瞬間だった。
背骨を折られたような強い衝撃を感じた桂木は、さらに突き飛ばされて車の中に倒れ込んだ。続いて倒されたシートから桂木の身体は後部座 -
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「近刊」の情報の中で本書を知り、題名の一部に在る「左太夫」に注目した。「玉虫左太夫」(たまむしさだゆう)という人物のことであろうかと思った。そして登場した本を入手した。思ったとおり、「玉虫左太夫」という人物の物語であった。
一般的には知名度が高くもないかもしれないが、激動の幕末を駆け抜けた、なかなかに傑出した人物であった。その人生を追い掛けるような感で、この「左太夫」が視点人物となる形で物語が展開する。読み始めると、頁を繰る手が停め難くなってしまう。
題名の一部に在る「左太夫」に注目したというのは、「玉虫左太夫」という名が記憶に残っているからだ。戊辰戦争の奥州の戦いでは、「何としても!」という