佐々木譲のレビュー一覧

  • 雪に撃つ

    Posted by ブクログ

    道警シリーズはとにかく読み応えがある。長万部駅近くでベトナム人女性2人が老夫婦と孫娘に助けられるところから始まるドラマは、札幌での車の窃盗事件と発泡事件に切り替わり、大通署の佐伯と新宮のコンビ、機動捜査隊の津久井と滝本のコンビが事件を追う。そこに大通署少年係の小島百合が家出少女の保護で絡んでくる。事件の構図が見えてくる頃には、ハラハラドキドキの展開も最高潮に達する。最後に、佐伯と小島百合の関係が終わりを迎えるくだりはちょっと切ないハードボイルド感がある。

    0
    2021年01月19日
  • 廃墟に乞う

    Posted by ブクログ

    休職中の刑事が事件解決。…そんなのアリ?
    とはいえ面白かった。
    事件の捜査員の捜査はもちろん、彼らのプライドを傷つけることなく事件解決。本当に仙道孝司は出来た人間だ。
    それぞれの事件も背景に良くも悪くも人間らしいものがあり、事件解決もホワッとした何か考えさせるような締めくくりで、そこが仙道とリンクしてるようでよかった。

    0
    2020年12月08日
  • 警官の血(上)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    暗い内容だが、その奥深さを目の当たりにしている。前半、清二が戦後すぐに下町で警官として勤務し、後半は清二の子・民雄が父親の自殺の真相を知るべく警官となり暴いてゆく。前半の清二は戦後の混乱期の土埃の匂いのする中、ホームレスと関わりながら警官として生きていく。妻の多津がとても賢明で夫を支える姿に共感。後半の民雄、亡き父親の友人に支援を受けながら高校まで卒業し、警官となり北海道大学で長期間の囮捜査員として勤務。精神的に厳しい捜査により不安神経症となり日々苦労する。警官や家族の苦労は見えないが壮絶な仕事ですね。

    0
    2020年08月15日
  • 警官の血(下)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    安城清二(祖父)、民雄(父)、和也(本人)の警察官三代に渡る長編。清二の不審死を民雄、和也が真相を暴く。犯人は途中から分かったが、壮絶な変態でした。時代背景によって警察官の役割は多様で、また警察官としての在り様が警察官個人のパーソナリティに大きく依存する。それが警察官の血となり遺伝していく。最後、和夫が犯人の子(キャリア)と対峙するが、警察官としての在り様が遺伝しているのだなと実感。和夫の場面、加賀谷、永見由香が逮捕され緊張感がほぐれた。佐々木譲さん2作目ですが。松本清張とかぶる重厚感。超おすすめ。

    0
    2020年08月15日
  • 真夏の雷管

    Posted by ブクログ

    道警シリーズ第8弾、かな?

    道警シリーズは…というのか…佐々木譲さんの小説はどれも面白い。その中でも、道警シリーズは、すでに思い入れのあるキャラクタたちが動いてくれるので、物語にすんなり入ることができるので話の進行に集中できる。

    家出少年、鉄道マニア、そしてテロを推測させる様々な情報…。佐伯を軸とした窃盗事件の捜査と、百合を軸とした家出万引き少年の捜索が、少しずつ絡みながら進んでいく物語。

    道警シリーズを最初から一気に読み返したくなりました。

    0
    2020年01月23日
  • 沈黙法廷(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    セールスマンが訪ねた家で遺体を発見したことから事件の捜査が始まり、途中で「警視庁VS埼玉県警」というような“張り合い”という要素や、「連続不審死?!」と報じられて騒がれるというような曲折も交えながら事件や捜査が展開する。そういう意味で面白い「事件モノ」、「警察モノ」である。が、本作はそこに留まらない!逮捕された被疑者が起訴され、公判ということになり、逮捕後から登場の弁護士が活躍する「法廷モノ」という展開を見せる。

    非常に贅沢な、盛沢山の内容を含む作品で、本当に頁を繰る手が停まらなくなる。週末に一気に、殊に土曜日は昼から夜に敢えて時間を設けて夢中で読んでしまった…広く御薦めしたい!!

    0
    2019年11月17日
  • 警官の血(下)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    あらすじ
    安城民雄は、駐在として谷中へと還ってきた。心の傷は未だ癒えてはいない。だが清二が愛した町で力を尽くした。ある日、立てこもり事件が発生し、民雄はたったひとりで現場に乗り込んだのだが-。そして、安城和也もまた、祖父、父と同じ道を選んだ。警視庁捜査四課の一員として組織暴力と対峙する彼は、密命を帯びていた。ミステリ史にその名を刻む警察小説、堂々たる完結篇。

    0
    2019年11月05日
  • 警官の血(上)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    あらすじ
    昭和二十三年、警察官として歩みはじめた安城清二は、やがて谷中の天王寺駐在所に配属される。人情味溢れる駐在だった。だが五重の塔が火災に遭った夜、謎の死を遂げる。その長男・安城民雄も父の跡を追うように警察学校へ。だが卒業後、その血を見込まれ、過酷な任務を与えられる。大学生として新左翼運動に潜りこめ、というのだ。三代の警官の魂を描く、空前絶後の大河ミステリ。

    0
    2019年11月05日
  • ストックホルムの密使(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「ベルリン飛行司令」「エトロフ発緊急電」に続くやつ。エトロフ〜では出てこなかった安藤大尉が出てきて、安藤大尉!!!ってなります。

    ストックホルムからの密使、いつになったら密使出てくるん…?と思いながら読み進め、上巻の最後でやっと放たれます。下巻は、えー!どうなるのー!先が気になるぅぅー!と、引き込まれました。

    ソ連参戦や原爆投下などの史実はわかっているので、先が読めると言えば読めるのですが、史実と創作が上手い具合に絡み合い、そそそそれでどうなっちゃうの???と、先を知ってるのに先がわからないという面白さがありました。

    面白かったー!

    0
    2019年10月09日
  • 警官の掟(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    流石の佐々木譲さんという読み応えのある作品でした。
    所轄の捜査と本庁の捜査が交互に進んでいくのが最初は読みづらさを感じたが、段々と引き込まれていき一気読み。犯人がわかってからの急展開にビックリし、凄いラストでした。

    0
    2019年09月04日
  • 真夏の雷管

    Posted by ブクログ

    道警シリーズ 一時は下降線になったと思ったけど 前作くらいから盛り返してきた感じ。今回もすぐ引き込まれて一気に読んだ。このシリーズ 佐伯と百合の色恋はかすかに憎からず思ってるよくらいで十分じゃない?わたし的にはなくてもいいくらいだけど。その方がチーム感が出て このシリーズの良さが際立つと思うんですケド。
    人生はしょっぱいなと。

    0
    2019年08月25日
  • 真夏の雷管

    Posted by ブクログ

    <北海道警察シリーズ>の新作である。『笑う警官』、『警察庁から来た男』、『警官の紋章』、『巡査の休日』、『密売人』、『人質』、『憂いなき街』と意外に長く続いているシリーズということになる。各シリーズに登場する御馴染みな面々は、この『真夏の雷管』でも健在である。
    御馴染みの面々が扱う「一寸した事案」というのが在って、幾つかの出来事がパズルのピースというようになって、それらが次第に組み合わさって少し大きな画になって行くという、このシリーズらしい展開となる。
    万引きに及んだ、少し不審な様子の少年…個人経営の園芸用品の店で起きた肥料の盗難…そんな事案が「とんでもない?!」ことに結び付いてしまう。近年の北海道の、JRの色々な事柄や、「子どもの親になり切れない?」というような保護者という問題と、“社会派”な要素も加わる。
    札幌が舞台の物語で、個人的には“土地勘”が在り、作中に出て来る場所に関して「これは…明らかにあそこがモデル…」と判るモノも幾分在った。更に…終盤に出て来る札幌周辺の列車の様子も、非常によく判る感じだ…そういうことも手伝って、少し強く入り込んで、夢中になって読んだという一面も在った。
    非常に愉しい一冊!!

    0
    2019年07月15日
  • 代官山コールドケース

    Posted by ブクログ

    著者の”ユニット”が非常に良かったのでこれも読んでみた。本書も一歩一歩謎が解かれていくに巻き込まれます。代官山のことを想像しながら読みました。表紙のデザインもすごくおしゃれ。

    0
    2019年03月30日
  • ユニット

    Posted by ブクログ

    著者お得意の北海道を舞台にしたハードボイルド群集劇。主要人物は5人。妻子を殺された男と殺した男、DV夫の警察官とその被害者の妻、そして妻に逃げられた工務店経営者。

    「類は友を呼ぶ」の通り、共通点を持った彼らは、出会い、足りない部分を補い合う「ユニット」を組む。

    少年犯罪に家庭内DVと作品発表時の社会ネタを盛り込み、5人の距離がジワジワと狭まってくる展開はスリリングだ。そして、逃げるユニット対追うユニットの息もつかせぬたたみかけの末、一気に完結。このスピード感は快感。

    悪役側の加速するやり過ぎ感がハンパないが、それもまた本作品の魅力。

    0
    2019年01月30日
  • 制服捜査

    Posted by ブクログ

    警察小説は弁護士ものとかと同じく蘊蓄ものに含めるべきかとも思うが
    警察であるという立場が重要で
    医者と医療関係者の違い
    教師と教育関係者の違いともいえるか
    この作品についてはひとのだめちんなところを上手く拾った
    暗黒ミステリとしてまず普通の出来か
    もう少し舞台の特殊さを浮き上がらせずに普通に書けると思う
    が警察小説というのはこういうものかもしれない

    0
    2019年01月09日
  • 代官山コールドケース

    Posted by ブクログ

    現在発生した事件を契機に17年前の事件を追ううちに、更に別の事件と繋がる。現在発生した2件の事件発生のタイミングが都合良すぎるかな?って思うけど、後半から中断できないくらいの面白さ。

    0
    2018年10月16日
  • 暴雪圏

    Posted by ブクログ

    猛吹雪の日に、暴力団組長宅から現金を奪い殺人を犯した男、不倫を清算したい女、事務所の現金を持ち逃げした男、義父から逃れるべく家出した少女、等々がペンションに集まる。そこに至るまでの警察を含めた個々のストーリー、が絡み合い、エンディングへ向う。佐々木譲の警官の血以来の傑作。

    0
    2018年10月16日
  • 代官山コールドケース

    Posted by ブクログ

    1995年、日本中の警察がオウム事件に忙殺される中、代官山で女性が殺害される。その直後、被害者女性の恋人が変死し、彼が犯人ということで事件は決着する。

    それから17年後、川崎市で強姦殺人事件が発生。その現場から発見されたDNAは代官山事件で残されていた持ち主不明のDNAと一致する。

    代官山事件は「コールドケース」扱いとなるが、今さら捜査ミスを公にできない警視庁は水戸部警部補と朝香巡査部長の2人に密命を下す。

    結局、2人の活躍で17年前の事件は解決するのだが、それに要したのはわずか2日。2人が優秀すぎるのか、当時の捜査が杜撰すぎたのか。それはさておき、このスピード感が本作品の魅力。警察組織内の個々があうんの呼吸で協力し合い、事件の真相にたどり着く。読み応えがある、清々しいミステリー小説だ。

    この小説を横山秀夫が書いたら、警察内部で足の引っ張りあいで盛り上がるんだろう。

    0
    2018年08月28日
  • 武揚伝 決定版(上)

    Posted by ブクログ

    文庫で、三巻。(上)は、榎本武揚(まだ釜次郎)が開陽丸に乗って、オランダを出発する所まで。勝海舟(まだ麟太郎)が嫌な奴に描かれているのも、印象的。
    幕末に早くも留学し、海外と日本の差異を見る。自分のしたいことと、時代が自分に求めていることを、考える。
    いつの時代も、置かれた状況や立場が違っても、畢竟、悩むのはそこである。

    0
    2018年08月10日
  • 警官の条件

    Posted by ブクログ

    いやあ〜〜よかった!加賀谷さんいいです。『警官の血』もよかったけど『警官の条件』グイグイ一気に読んでしまいました。最後の方はどうなるのか読んでしまいたい気持ちともったいなくて一気に読んでしまいたくない気持ちと。結局は結末が知りたくてすぐ読んでしまいました。最後は涙モノでした。最後の方であの場所から消えた野島と和也の対決を是非続編で期待します。

    0
    2018年07月18日