あらすじ
17歳の少年に妻を陵辱され、殺された男、真鍋。警察官である夫の家庭内暴力に苦しみ、家を飛び出した女、祐子。やがて二人は同じ職場で働くことになる。ある日、犯人の少年の出所を知った真鍋は復讐を決意。一方、祐子には夫の執拗な追跡の手が迫っていた――。少年犯罪と復讐権、さらには家族のあり方を問う、テレビドラマ化もされた傑作長篇!
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Posted by ブクログ
序盤であまりに悲惨な状況にとても苦しくなりました。
妻と幼い子を未成年に殺害された真鍋。
警察官の夫にDVを受け続け逃亡する祐子と晴也。
手に汗握る展開に引き込まれていきました。
現実でも起こっている未成年の残虐な事件や家庭でのDV。
重い内容です。
読み応えは最高でした。
Posted by ブクログ
著者お得意の北海道を舞台にしたハードボイルド群集劇。主要人物は5人。妻子を殺された男と殺した男、DV夫の警察官とその被害者の妻、そして妻に逃げられた工務店経営者。
「類は友を呼ぶ」の通り、共通点を持った彼らは、出会い、足りない部分を補い合う「ユニット」を組む。
少年犯罪に家庭内DVと作品発表時の社会ネタを盛り込み、5人の距離がジワジワと狭まってくる展開はスリリングだ。そして、逃げるユニット対追うユニットの息もつかせぬたたみかけの末、一気に完結。このスピード感は快感。
悪役側の加速するやり過ぎ感がハンパないが、それもまた本作品の魅力。
Posted by ブクログ
妻を殺害された真鍋と、夫のDVから逃げる祐子。真鍋の妻を殺害した川尻と、祐子の夫である門脇。彼らがそれぞれ出会い、一方は癒され合い、一方は協力してそれぞれのターゲットを狙い、追跡を始めます。
復讐心に取り憑かれた真鍋がそれだけを生き甲斐に立ち直るも、祐子との出会いと彼女と過ごす中で復讐心を消し去り、また祐子自身も傷ついた心が癒されて行く様は感動的。
一方、支配欲の固まりである門脇が警察官という立場と社会的信用をフル活用し、祐子を追跡する様子の異常さには戦慄が走るほど。そして少年院を出ても人として根本的に何も変わっていない川尻の人間としてのカスさ加減…そして、コイツらが“ユニット”を組み、真鍋&祐子の“ユニット”を追う様はとてもスリリングで、序盤からエピローグまで、一時もダレることなく読破することができました。
かなり前にドラマにもなっているそうなのですが、まず機会ないと思いますがチャンスがあったら観てみたいなぁ。
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7年前に妻と生まれて間もない娘を、当時未成だった少年に殺された真鍋。
少年は成人であれば死刑だったが未成年ということで無期懲役になった。
その日から真鍋は仕事への意欲も失くし、酒に溺れる日々を送っていた。
一方、警察官の夫にDVを受けている、主婦で5歳の息子を持つ祐子。
暴力を受け病院に行くと医師には警察に届けた方がいいと勧められるが、その後の報復が怖くてとても出来ない。
だが、とうとう耐えかねて家を出る。
そんな2人が工務店の社長と、たまたま駅でのある事故に遭遇したことから、その社長の元で働くことになる。
ただ、2人に忍び寄る黒い闇。
おぞましい悪意に目を覆いたくなる後半。
あまりにも衝撃的。
2025.11.5
Posted by ブクログ
読みたい本に登録していた小説。やっと見つけて読んでみた。
嫁子を殺された男と夫の暴力から逃げる女の逃走劇は緩急が凄くあっという間に読み終わってしまった。誰にでもオススメできる一冊だと思う。
ユニットというタイトルは最後までしっくりこなかった、、
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はじめて読む佐々木譲さん。
最初は文章が合わないかも…と思いながら読んでいたけど、怒涛の展開でいつの間にか夢中になってしまった。
なかなかスリリングな話。
Posted by ブクログ
面白かったです。終わり方もグッド。次も読んでみようと思います。犯人の言葉ですが「世の中にはとことん犯罪者ってやつがいる。更生なんてできっこないって人間が」そのとおりだと思います。未成年の凶悪犯罪者なんてほぼ全てがそういった人間でしょう。育ち方が原因だとしても更生できない人間を社会に置いておいてはいけません。それと、仇討ちは法的に認めて良いのかも知れません
Posted by ブクログ
一気に読ませる作品だった。従来の警察モノとは少し毛色が変わったもの・・こんな悪徳警官がいないとは限らないと思わせられたり。
中盤部迄、善と悪との色がくっきり分かれた形での展開ゆえ、読むほうも悪の凄まじさ、善の抜けっぷりでハラハラドキドキ。
ラストに向けての最期まで一気に駆け抜ける展開は「出来すぎ」、偶然が重なりすぎとの言い方もあるだろうと思ったけど、この爽快感は何!っていう程の感想。
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
十七歳の少年に妻を凌辱され殺された男、真鍋。警察官である夫の家庭内暴力に苦しみ、家を飛び出した女、祐子。やがて二人は同じ職場で働くことになる。ある日、少年の出所を知った真鍋は復讐を決意。一方、祐子にも夫の執拗な追跡の手が迫っていた。少年犯罪と復讐権、さらに家族のあり方を問う長編
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17歳の少年に妻子を殺害された男性、犯行時未成年であったがゆえに7年で仮出所した犯人。警察官である夫の暴力から逃げている女性、職権濫用して妻を偏執的に追う夫。
追うものと追われるものの展開が非常にスリリングで、はらはらしながら読みすすんだ。崩壊した家庭と再生される“ユニット”、最後まで目が離せない作品。
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ハラハラドキドキで一気に読めましたが、最後が…呆気ないかなぁ。悪い奴はお仕置きがあってしかるべきだけど、もうちょこっと、というか一山欲しかったかな。
Posted by ブクログ
妻子を17歳の少年に殺されてしまい、以降自暴自棄な日々を送っていた真鍋篤。そして警察官であるはずの夫から毎日のように暴力をふるわれ、ついに幼い子供と共に逃げ出した門脇祐子。ある駅で人が転落した現場に偶然居合わせ、その救助に手をかしたことが縁で同じ就職先に決まり、2人はやがて・・・。
息もつかせぬ展開で、一気読みした。追われる側となってしまった真鍋と門脇が”ユニット”になるのは予想通りとしても、まさかあの2人もユニットを組むことになろうとは。祐子の夫の警察官が無茶苦茶すぎて怒り心頭。さすがにここまで狂っているのは小説の中だけかと思うけれど、近いようなのはきっとあるのだろう。こういう施設の必要性を強く感じた。最後はハードボイルドちっくに派手な展開となってしまったが、2人と子供には幸せになってほしかったので、結果的には満足。ただ、少し心情として「うーん?」と思ったのは真鍋の気の変わりよう。加害者少年の出所してからの行動や、実際対峙した時のあの姿を見て、どうして気が済んでしまったのか。決して反省しているようには見えなかっただろうし、あまつさえ必要以上に反撃までしてきたのに。就職がふいになった事実も真鍋は知らないはず。それ以上に祐子の存在が心の中で大きくなっていたと言われたらそうなのかもしれないが、あまりにもそのあたりの描写があっさりな気がした。
Posted by ブクログ
児童虐待、ドメスティックバイオレンス、若者の無軌道で理不尽な犯罪、熟年離婚。
それらを取り込んだ、人間のもがきの話。
群像劇の装いもある。
奥田英朗の「邪魔」や「最悪」を思い出した。
最悪の結果になりませんように、と願いながら読み進む。
ラストはちょっと安い映画のようだったけど、波多野さんがいい人でよかった。
波多野さんだけがまともでしっかりしていた。
大家族が築けるといいな。
Posted by ブクログ
片道10分の通勤電車の中だけでよんでいたので毎回続きが気になって仕方なかったな~
展開が早く、伏線の張り方も絶妙なので
まったくだれることなく最後まで読み切りました。
これなら映画化しても見ごたえのある作品になるのでは?
多分原作を裏切る映画にはならないと思うんだけどw
他の本も読んでみたいジャンルのものもあったので
書店で見てみようと思います。
Posted by ブクログ
少年犯罪にDVと重たいテーマだけど、ぐんぐん読める。最後に悪い奴らが全部懲らしめられて、苦しんでいた人に希望が見えるのが小説の救い。
Posted by ブクログ
登場人物は
17歳の少年に妻を陵辱され乳飲み子まで殺され人生を投げ出した男、真鍋。
警察官の夫のDVに耐え切れず子供と共に逃げてきた、裕子。
ひょんなことから彼らを雇うことになった工務店店主、波多野。
真鍋の妻子を殺害し7年の刑期を終え出所してきた、川尻。
妻の出奔に憤りが収まらない警察官、門脇。
犯した罪と少年法の処罰に納得が出来ない男が復讐に目覚める。
裕子の夫・門脇は刑事という立場を利用し裕子の跡を追う。
追う者、追われる者のスリリングな展開に、犯罪被害者の心情や家族のあり方を盛り込んだ快作でした。
Posted by ブクログ
冒頭のシーンはかなりグロイ。一気に主人公に感情移入するほどに加害者を憎悪させる描写だ。少々厚みのある本だけど一気に読ませてしまう。悪を徹底的に悪にしきっている所が、小気味いい。これなら「何が善で何が悪か」なんて考えないで、ストレートに入っていける。でも、一気に読ませるだけのエンタメ小説で終わらない、何かが残る作品。
Posted by ブクログ
まず…序盤で『あぁ〜こんな展開になるんだろうな』と想像がつきます。
が、!!!安心してください、多分、想像を超えてくれます^ ^
4人の目線でかなり早いペースで進んでいくので、すいすい読めちゃう。
途中の思い違いであったり、偶然が重なったり…そして終盤のスピードはすごい!
で、タイトルにもなってる『ユニット』
被害者ユニットvs.加害者ユニット
そんな感じですかね〜。
楽しく読ませていただきました♪
Posted by ブクログ
さまざまな問題を抱えた人々が
どのようにつながっていくのかを
最後まで楽しめた。
ただ、最後の最後は尻すぼみな
きれいすぎる感じがしたので、
少し残念だと思う。
とはいえ、
社会的問題として取り上げられる「DV」と
賛否両論ある「少年法」を
うまく融合させてある作品である。
Posted by ブクログ
面白かった
少年犯罪と復讐劇とあったので、少年法に対する被害者尾復讐劇と思っていたら、ちょっと違ってました。
しかし、これはこれで楽しめました。
ストーリとしては
17歳の少年に妻子を殺され、自堕落な生活を送っていた真壁。
DVの警察官の夫から逃げてきた裕子。
そんな二人を職場で受け入れた工務店の社長の波多野。
無期懲役だった少年乃武夫が7年ほどで出所。それを知った真壁は復讐を決意します。
一方、DV警察官の門脇は警察官の職権を利用して裕子の行方を追いかけます。
乃武夫のくずっぷり、門脇の悪役っぷりがすごい(笑)
さらに門脇の執拗な追跡が狂気(笑)
真壁の復讐派は結果的に乃武夫の殺害には至りませんでしたが、襲撃された乃武夫は逆に真壁を殺害しようと行方を追います。
乃武夫と門脇の追跡から真壁と裕子は逃れることができるのか?
といった展開です。
んで、結末は意外にあっけなくあっさり終わっちゃいました(笑)
ちょっと残念
ま、想定通りと言えばそうですが
もうちょっと考えさせられる物語かと思いましたが、どちらかというと追跡サスペンス系でした。
Posted by ブクログ
久しぶりに本を読む楽しさを思い出した。
壊れた家族同士が新たな家族を作る。破綻と再生。心がほっこりします。
一方、犯罪者たちは救いようがない。当然の報いとして、個人的には満足のラストです。
Posted by ブクログ
相変わらず先を知りたくてページをまくるのがもどかしいほどです。信じたくはないですが時々世の中にはびっくりするぐらい非道なことを平気で行える人がいますね。その反面こういう良い人もいるんだなあとホッとすることもあるわけですが。
最後までドキドキしながら読みました。
面白かったです。
Posted by ブクログ
犯罪被害者の男性と、刑事の夫のDVから逃れる女性と、両者とあるきっかけで知り合い支援する工務店社長が「良い主役」。で、無期懲役を7年で仮出所してきた殺人犯の元少年と、とてつもなく自己中の刑事が「悪い主役」。この人物たちの視点で描かれるストーリー。良いモンと悪モンが、とてもわかりやすい構図になってます。悪モンはとことん悪印象な表現に終始してます。「ユニット」も、良い方と悪い方が出てくるのですが、悪い方のユニットは偶然にしても都合よすぎというか、なんか出木杉君なカンジです。っていうか、ユニットという言葉を文中に登場させるのも、なんか唐突なかんじで若干違和感あります。タイトルが先にありきだったのか・・・。あと、佐々木作品はまだあんまり読んでないのですが、人物造形というか、その辺がちょっと物足りない・・・。なんか感情移入しにくいですね。しかしながら、長編なのに一気に読める作品ではありました。そのへんは、善と悪の構図が分かりやすいという点も大きいのでしょうが。おぉ、思いがけず長文になってしまった。