佐々木譲のレビュー一覧
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第二次大戦秘話三部作の2作目。
最初は本当に多くの登場人物が出てくるし、場所も東京、択捉島、アメリカと様々なので、どこで、どのようにすべてが繋がって関係してくるのかが分からないため、読むスピードが遅くなりがちなのですが、だんだんと関係性が見えてくると、スパイ活動を中心に描いているので面白くなっていきました。
日本の情報をつかむためにアメリカから潜入する主人公ですが、様々な危険を潜り抜けながら逃げ回ったりするので、ハラハラ、ドキドキする場面がある一方で、日本の南京大虐殺の描写もあり、現在もまだ戦争を続けている国のニュースのことを思い出し、余計に戦争のむごさを感じました。
この時代の愛国心、 -
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佐々木氏のIF小説は本当に面白い。日露戦争に日本が破れてロシアの属国となっていたらという過去のIF小説も面白かったが、本作は近未来の日本が内戦状態になり、国連平和維持軍が統治するIF小説で、本当に有り得そうな恐怖をもって一気に読ませてもらった。現在の全ての面で衰退しつつある日本の姿から、この小説の舞台設定が全く想像できなくはないということが最も恐ろしい。かつこの舞台設定の中での脱出逃避行のリアルさと劇的なラストまでの持っていき方は、流石に名人芸の域。最後の主人公の被弾を「弾傷ではなく、悔恨と恥辱と無念が、胸を内側から張り裂いた」と書き切る何ともドラマティックな幕切れに胸が熱くなった。
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気に入っているシリーズの新作というのは、「遠方の友人知人の消息を知る」という感じで愉しく読むのだが、本作もそういう例に漏れない作品で、とにかく大変に愉しかった。
作品の主な舞台は札幌である。多分、中央警察署がモデルと見受けられる大通警察署に、盗犯担当の佐伯刑事と部下の新宮刑事、少年課の女性警察官である小島刑事が在る。そして機動捜査隊に在る佐伯刑事の古くからの仲間である津久井刑事、更に津久井の上司である長正寺警部が居る。こういう人達が主要な作中人物である。
シリーズ初期の作品は、警察部内での厄介事が在って、そういう中で仲間達が密かに奮戦するというような内容だったが、次第に意外な展開を見せる事件を -
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ずーっと前(25年くらい前かな?)、NHKのドラマで見てから、ずっと原作を読みたいと思っていた。
昭和16年の日米開戦前夜の話。
1月、連合艦隊司令長官 山本五十六は、ある大胆な作戦を立てる。それは、もし日米開戦が避けられないことだとしたら、開戦初日に米国太平洋艦隊をハワイで撃滅するしか方法はないということであった。この決意を海軍大臣に対して手紙に書き、信頼出来る部下に手渡しさせる。そこから、秘密裏にハワイ奇襲攻撃の作戦は進めていたはずだった。
しかし、秘密は微かな穴から漏れる。東京のある教会のアメリカ人宣教師の元へある日本人から「日本はハワイを奇襲攻撃するつもりだ。」という情報が伝えら -
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ネタバレ警官の血とセットで最高得点。
ぜったい警官の血から読みましょう。
思えば、警官の血で、加賀谷というキャラは違和感がありました。
親子三代にわたる敵とは無関係でした。
警官の一つの姿として、和也の咬ませ犬となるには、妙にキャラが立ちすぎていました。
もったいないというより、妙に浮いていました。
その異物が、この作品で、これほどまでに生きてくるとは…
あまりないことですが、読後即2度読みしました。
「一人前にしとけばよかった」は最後の「手間かけさせやがって」につながります。
健康診断に引っかかったと思える描写ではフラグが立っていました。
作者の職人芸ですね。
回収されていない部分もあります。