佐々木譲のレビュー一覧
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気に入っているシリーズの新作というのは、「遠方の友人知人の消息を知る」という感じで愉しく読むのだが、本作もそういう例に漏れない作品で、とにかく大変に愉しかった。
作品の主な舞台は札幌である。多分、中央警察署がモデルと見受けられる大通警察署に、盗犯担当の佐伯刑事と部下の新宮刑事、少年課の女性警察官である小島刑事が在る。そして機動捜査隊に在る佐伯刑事の古くからの仲間である津久井刑事、更に津久井の上司である長正寺警部が居る。こういう人達が主要な作中人物である。
シリーズ初期の作品は、警察部内での厄介事が在って、そういう中で仲間達が密かに奮戦するというような内容だったが、次第に意外な展開を見せる事件を -
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ずーっと前(25年くらい前かな?)、NHKのドラマで見てから、ずっと原作を読みたいと思っていた。
昭和16年の日米開戦前夜の話。
1月、連合艦隊司令長官 山本五十六は、ある大胆な作戦を立てる。それは、もし日米開戦が避けられないことだとしたら、開戦初日に米国太平洋艦隊をハワイで撃滅するしか方法はないということであった。この決意を海軍大臣に対して手紙に書き、信頼出来る部下に手渡しさせる。そこから、秘密裏にハワイ奇襲攻撃の作戦は進めていたはずだった。
しかし、秘密は微かな穴から漏れる。東京のある教会のアメリカ人宣教師の元へある日本人から「日本はハワイを奇襲攻撃するつもりだ。」という情報が伝えら -
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ネタバレ警官の血とセットで最高得点。
ぜったい警官の血から読みましょう。
思えば、警官の血で、加賀谷というキャラは違和感がありました。
親子三代にわたる敵とは無関係でした。
警官の一つの姿として、和也の咬ませ犬となるには、妙にキャラが立ちすぎていました。
もったいないというより、妙に浮いていました。
その異物が、この作品で、これほどまでに生きてくるとは…
あまりないことですが、読後即2度読みしました。
「一人前にしとけばよかった」は最後の「手間かけさせやがって」につながります。
健康診断に引っかかったと思える描写ではフラグが立っていました。
作者の職人芸ですね。
回収されていない部分もあります。
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(上下巻)
「血」とは三代に亘って、地域警護に勤めた警察官の「血脈」を表す物語である。
第一部 清二
戦後の混乱を警戒して、警視庁は警官の大量募集をした。復員して定職のなかった清二は、それに応募して採用された。
研修中に3人の親友ができ、希望通り谷中の派出所の巡査になる。公園には浮浪者が溢れ、孤児も住んでいた。
ここで仲間同士の争いがあり、ミドリというホモが殺される。彼はこの事件の捜査を内偵していたが、捜査員でなく、巡査の身分では思うように進まなかった。
派出所のすぐ裏にある天王寺の五重の塔が不審火で燃える。そのとき、不審な動きをする人物をつけていき、跨線橋から落ちて死ぬ。
第二部 民雄 -
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セールスマンが訪ねた家で遺体を発見したことから事件の捜査が始まり、途中で「警視庁VS埼玉県警」というような“張り合い”という要素や、「連続不審死?!」と報じられて騒がれるというような曲折も交えながら事件や捜査が展開する。そういう意味で面白い「事件モノ」、「警察モノ」である。が、本作はそこに留まらない!逮捕された被疑者が起訴され、公判ということになり、逮捕後から登場の弁護士が活躍する「法廷モノ」という展開を見せる。
非常に贅沢な、盛沢山の内容を含む作品で、本当に頁を繰る手が停まらなくなる。週末に一気に、殊に土曜日は昼から夜に敢えて時間を設けて夢中で読んでしまった…広く御薦めしたい!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ベルリン飛行司令」「エトロフ発緊急電」に続くやつ。エトロフ〜では出てこなかった安藤大尉が出てきて、安藤大尉!!!ってなります。
ストックホルムからの密使、いつになったら密使出てくるん…?と思いながら読み進め、上巻の最後でやっと放たれます。下巻は、えー!どうなるのー!先が気になるぅぅー!と、引き込まれました。
ソ連参戦や原爆投下などの史実はわかっているので、先が読めると言えば読めるのですが、史実と創作が上手い具合に絡み合い、そそそそれでどうなっちゃうの???と、先を知ってるのに先がわからないという面白さがありました。
面白かったー!