佐々木譲のレビュー一覧

  • 雪に撃つ

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    気に入っているシリーズの新作というのは、「遠方の友人知人の消息を知る」という感じで愉しく読むのだが、本作もそういう例に漏れない作品で、とにかく大変に愉しかった。
    作品の主な舞台は札幌である。多分、中央警察署がモデルと見受けられる大通警察署に、盗犯担当の佐伯刑事と部下の新宮刑事、少年課の女性警察官である小島刑事が在る。そして機動捜査隊に在る佐伯刑事の古くからの仲間である津久井刑事、更に津久井の上司である長正寺警部が居る。こういう人達が主要な作中人物である。
    シリーズ初期の作品は、警察部内での厄介事が在って、そういう中で仲間達が密かに奮戦するというような内容だったが、次第に意外な展開を見せる事件を

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    2022年05月23日
  • 雪に撃つ

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    道警シリーズ最新作。
    佐伯警部補を中心にいろんな事件が一つの方向にまとまっていく。
    いつもながら面白くてあっという間に読破です。
    新しい出会いの新宮刑事。
    そして小島さんと佐伯警部補の今後は?

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    2022年01月19日
  • 警官の掟(新潮文庫)

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    引き込まれた。
    同期の破多野と松本。
    7年後の彼らの再会はとても悲しいものだった。
    文章から目が離せない状態で最後まで読んでしまいました。

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    2021年12月25日
  • 雪に撃つ

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    ベトナムから来た留学生が、どこからか逃げて通りすがりの人に助けてもらうところからスタートします。

    一つ一つの事件に、それに関わる道警シリーズおなじみの登場人物が加わり、最後に向かってまとまっていくのはさすがです。

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    2021年11月21日
  • エトロフ発緊急電

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    ずーっと前(25年くらい前かな?)、NHKのドラマで見てから、ずっと原作を読みたいと思っていた。
     昭和16年の日米開戦前夜の話。
     1月、連合艦隊司令長官 山本五十六は、ある大胆な作戦を立てる。それは、もし日米開戦が避けられないことだとしたら、開戦初日に米国太平洋艦隊をハワイで撃滅するしか方法はないということであった。この決意を海軍大臣に対して手紙に書き、信頼出来る部下に手渡しさせる。そこから、秘密裏にハワイ奇襲攻撃の作戦は進めていたはずだった。
     しかし、秘密は微かな穴から漏れる。東京のある教会のアメリカ人宣教師の元へある日本人から「日本はハワイを奇襲攻撃するつもりだ。」という情報が伝えら

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    2021年06月13日
  • 雪に撃つ

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    安定のシリーズ。モジュラー型の話運びは日本版フロスト警部の風情すらただよう(ほめすぎ)。本編最後で主人公はある決断をする。やや唐突なのだけれど、シリーズが「人生こそがミステリ」との境地なのかな。

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    2021年04月01日
  • エトロフ発緊急電

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    国際謀略小説のなかで、日本人が残した逸品。
    太平洋戦争の始まりに踏み込んだ作品。めのつけどころがさすがと。佐々木譲にはまることになったきっかけになりました。

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    2021年03月28日
  • 警官の条件

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    ネタバレ

    警官の血とセットで最高得点。
    ぜったい警官の血から読みましょう。
    思えば、警官の血で、加賀谷というキャラは違和感がありました。
    親子三代にわたる敵とは無関係でした。
    警官の一つの姿として、和也の咬ませ犬となるには、妙にキャラが立ちすぎていました。
    もったいないというより、妙に浮いていました。
    その異物が、この作品で、これほどまでに生きてくるとは…

    あまりないことですが、読後即2度読みしました。
    「一人前にしとけばよかった」は最後の「手間かけさせやがって」につながります。
    健康診断に引っかかったと思える描写ではフラグが立っていました。
    作者の職人芸ですね。

    回収されていない部分もあります。

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    2021年03月09日
  • 雪に撃つ

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    道警シリーズはとにかく読み応えがある。長万部駅近くでベトナム人女性2人が老夫婦と孫娘に助けられるところから始まるドラマは、札幌での車の窃盗事件と発泡事件に切り替わり、大通署の佐伯と新宮のコンビ、機動捜査隊の津久井と滝本のコンビが事件を追う。そこに大通署少年係の小島百合が家出少女の保護で絡んでくる。事件の構図が見えてくる頃には、ハラハラドキドキの展開も最高潮に達する。最後に、佐伯と小島百合の関係が終わりを迎えるくだりはちょっと切ないハードボイルド感がある。

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    2021年01月19日
  • 廃墟に乞う

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    休職中の刑事が事件解決。…そんなのアリ?
    とはいえ面白かった。
    事件の捜査員の捜査はもちろん、彼らのプライドを傷つけることなく事件解決。本当に仙道孝司は出来た人間だ。
    それぞれの事件も背景に良くも悪くも人間らしいものがあり、事件解決もホワッとした何か考えさせるような締めくくりで、そこが仙道とリンクしてるようでよかった。

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    2020年12月08日
  • 警官の血(上)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    暗い内容だが、その奥深さを目の当たりにしている。前半、清二が戦後すぐに下町で警官として勤務し、後半は清二の子・民雄が父親の自殺の真相を知るべく警官となり暴いてゆく。前半の清二は戦後の混乱期の土埃の匂いのする中、ホームレスと関わりながら警官として生きていく。妻の多津がとても賢明で夫を支える姿に共感。後半の民雄、亡き父親の友人に支援を受けながら高校まで卒業し、警官となり北海道大学で長期間の囮捜査員として勤務。精神的に厳しい捜査により不安神経症となり日々苦労する。警官や家族の苦労は見えないが壮絶な仕事ですね。

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    2020年08月15日
  • 警官の血(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    安城清二(祖父)、民雄(父)、和也(本人)の警察官三代に渡る長編。清二の不審死を民雄、和也が真相を暴く。犯人は途中から分かったが、壮絶な変態でした。時代背景によって警察官の役割は多様で、また警察官としての在り様が警察官個人のパーソナリティに大きく依存する。それが警察官の血となり遺伝していく。最後、和夫が犯人の子(キャリア)と対峙するが、警察官としての在り様が遺伝しているのだなと実感。和夫の場面、加賀谷、永見由香が逮捕され緊張感がほぐれた。佐々木譲さん2作目ですが。松本清張とかぶる重厚感。超おすすめ。

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    2020年08月15日
  • 巡査の休日

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    いくつもの事件が絡まってるのか絡まってないのか…全部解決でめでたしめでたし笑 しかしながら ここまでキャリアが悪者になると笑える。小島百合と佐伯…バツイチの恋愛かけひきは拗れすぎて、可愛らしくも思えた。

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    2020年02月21日
  • 警官の血(下)(新潮文庫)

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    (上下巻)
    「血」とは三代に亘って、地域警護に勤めた警察官の「血脈」を表す物語である。

    第一部 清二

    戦後の混乱を警戒して、警視庁は警官の大量募集をした。復員して定職のなかった清二は、それに応募して採用された。
    研修中に3人の親友ができ、希望通り谷中の派出所の巡査になる。公園には浮浪者が溢れ、孤児も住んでいた。
    ここで仲間同士の争いがあり、ミドリというホモが殺される。彼はこの事件の捜査を内偵していたが、捜査員でなく、巡査の身分では思うように進まなかった。
    派出所のすぐ裏にある天王寺の五重の塔が不審火で燃える。そのとき、不審な動きをする人物をつけていき、跨線橋から落ちて死ぬ。

    第二部 民雄

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    2020年02月05日
  • 真夏の雷管

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    道警シリーズ第8弾、かな?

    道警シリーズは…というのか…佐々木譲さんの小説はどれも面白い。その中でも、道警シリーズは、すでに思い入れのあるキャラクタたちが動いてくれるので、物語にすんなり入ることができるので話の進行に集中できる。

    家出少年、鉄道マニア、そしてテロを推測させる様々な情報…。佐伯を軸とした窃盗事件の捜査と、百合を軸とした家出万引き少年の捜索が、少しずつ絡みながら進んでいく物語。

    道警シリーズを最初から一気に読み返したくなりました。

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    2020年01月23日
  • 沈黙法廷(新潮文庫)

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    セールスマンが訪ねた家で遺体を発見したことから事件の捜査が始まり、途中で「警視庁VS埼玉県警」というような“張り合い”という要素や、「連続不審死?!」と報じられて騒がれるというような曲折も交えながら事件や捜査が展開する。そういう意味で面白い「事件モノ」、「警察モノ」である。が、本作はそこに留まらない!逮捕された被疑者が起訴され、公判ということになり、逮捕後から登場の弁護士が活躍する「法廷モノ」という展開を見せる。

    非常に贅沢な、盛沢山の内容を含む作品で、本当に頁を繰る手が停まらなくなる。週末に一気に、殊に土曜日は昼から夜に敢えて時間を設けて夢中で読んでしまった…広く御薦めしたい!!

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    2019年11月17日
  • 警官の血(下)(新潮文庫)

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    あらすじ
    安城民雄は、駐在として谷中へと還ってきた。心の傷は未だ癒えてはいない。だが清二が愛した町で力を尽くした。ある日、立てこもり事件が発生し、民雄はたったひとりで現場に乗り込んだのだが-。そして、安城和也もまた、祖父、父と同じ道を選んだ。警視庁捜査四課の一員として組織暴力と対峙する彼は、密命を帯びていた。ミステリ史にその名を刻む警察小説、堂々たる完結篇。

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    2019年11月05日
  • 警官の血(上)(新潮文庫)

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    あらすじ
    昭和二十三年、警察官として歩みはじめた安城清二は、やがて谷中の天王寺駐在所に配属される。人情味溢れる駐在だった。だが五重の塔が火災に遭った夜、謎の死を遂げる。その長男・安城民雄も父の跡を追うように警察学校へ。だが卒業後、その血を見込まれ、過酷な任務を与えられる。大学生として新左翼運動に潜りこめ、というのだ。三代の警官の魂を描く、空前絶後の大河ミステリ。

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    2019年11月05日
  • ストックホルムの密使(下)

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    ネタバレ

    「ベルリン飛行司令」「エトロフ発緊急電」に続くやつ。エトロフ〜では出てこなかった安藤大尉が出てきて、安藤大尉!!!ってなります。

    ストックホルムからの密使、いつになったら密使出てくるん…?と思いながら読み進め、上巻の最後でやっと放たれます。下巻は、えー!どうなるのー!先が気になるぅぅー!と、引き込まれました。

    ソ連参戦や原爆投下などの史実はわかっているので、先が読めると言えば読めるのですが、史実と創作が上手い具合に絡み合い、そそそそれでどうなっちゃうの???と、先を知ってるのに先がわからないという面白さがありました。

    面白かったー!

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    2019年10月09日
  • 警官の掟(新潮文庫)

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    流石の佐々木譲さんという読み応えのある作品でした。
    所轄の捜査と本庁の捜査が交互に進んでいくのが最初は読みづらさを感じたが、段々と引き込まれていき一気読み。犯人がわかってからの急展開にビックリし、凄いラストでした。

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    2019年09月04日