佐々木譲のレビュー一覧

  • 警官の血(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    好きなミステリーランキングトップ5は間違いないと思えるくらい刺さった。
    綺麗に勧善懲悪で済むことはなかったが、和也が意趣返しの形で反撃出来たのは美しかった。

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    2026年10月05日
  • 警官の血(上)(新潮文庫)

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    昔ドラマで観た流星の絆を彷彿とさせる展開で凄く好みの感触。自分も小さい頃は警察官に憧れていたことを思い出したな...

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    2026年10月03日
  • 分裂蜂起

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    日露戦争に日本が負けていたら、というifシリーズ三作目。
    これが最後になるのかな?
     
    一つの殺人とロシア革命後の世界(日露関係はここは架空の関係になるわけですが)を組み合わせた、当時世界が恐れていた赤化の流れを組み合わせたもの。
     
    古い地図と、実際の地形を何度も確かめたんだろうな、という地理屋さん的には少し感心する作品です。
     
    最後の最後に正しい歴史へ一気に戻していくのはちょっと強引だったかも。

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    2026年06月07日
  • 分裂蜂起

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    この三部作は作者の集大成とも言える対策で、後世の人々が読んだら正しい近世日本史と思ってしまうかも。今も大国のわがままで石油が高騰してる。こんなきっかけで戦争が起こったりするんやから、人間というものは歴史に学ばないね。

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    2026年03月26日
  • 警官の血(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    親子三代、戦後史と共に歩む圧倒的な大河感に引き込まれた。犯人の意外性よりも、宿命に翻弄された祖父・父に対し、三代目の和也がノワール的なしたたかさで運命に抗う姿が対照的で良い。読後感が最高。

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    2026年03月15日
  • 樹林の罠

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    道警シリーズらしく、始めは複数の警察官がそれぞれ別の事件を抱えることからスタートする。それが一つの事件に繋がっていくという構成だが、その描き方は上手いなと感じた。派手さは無いものの小気味良いという表現がぴったり来るストーリーだった。

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    2026年03月03日
  • 佐伯警部の推理

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    道警シリーズ第2シーズン。
    赴任したばかりの函館で事件に着手。
    ひとつひとつしっかりと事件の核心に近づいていきます。
    いつもより地味ではありましたが濃厚な内容で満足です。
    次も楽しみです。

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    2026年02月12日
  • 警官の血(上)(新潮文庫)

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    (上下巻)

    「血」とは三代に亘って、地域警護に勤めた警察官の「血脈」を表す物語である。

    第一部 清二

    戦後の混乱を警戒して、警視庁は警官の大量募集をした。復員して定職のなかった清二は、それに応募して採用された。
    研修中に3人の親友ができ、希望通り谷中の派出所の巡査になる。公園には浮浪者が溢れ、孤児も住んでいた。
    ここで仲間同士の争いがあり、ミドリというホモが殺される。彼はこの事件の捜査を内偵していたが、捜査員でなく、巡査の身分では思うように進まなかった。
    派出所のすぐ裏にある天王寺の五重の塔が不審火で燃える。そのとき、不審な動きをする人物をつけていき、跨線橋から落ちて死ぬ。

    第二部 民雄

    父を尊敬し、自分も地域を守る警官になりたいと思っていた。成績が良かったが進学をあきらめかけたとき、父の同期で友人だった三人が「血のつながらないおじ」だと言って援助をし彼に高等学校の教育を受けさせる。
    無事、警察学校に入り訓練を受けることになったが、成績が優秀だったので、急遽北大に行けと言われる。そこではロシア語をべと命じられたのだが、内実は、北大内部の左翼グループの動きを探る役だった。
    この、学生生活と偵察員の二重生活は民雄を蝕み、精神を病む。
    やがて学生運動は鎮圧され、開放された彼は、父と同じ駐在所の警官になる。
    彼はなぜか殉職扱いされなかった父の死に強い不審を抱いてきた。
    だが、人質を取って立てこもった指名手配犯に向かっていき、射殺される。

    第三部 和也

    和也も大学を出て、地域警官になることを選んでいた。だが卒業間際に捜査官の素行調査を命じられる。
    彼が内偵を命じられた警官は、加賀谷と言った。加賀谷は一匹狼の刑事として数々の実績を上げていた、暴力団相手の刑事だった。和也は彼からさまざまな訓練を受ける。
    一方、祖父の不審死を父が探っていたことを知り、その遺志を継いで行こうとしていた。
    加賀谷は地域暴力団の顔になっている。やはり裏で繋がっているのだろうか。
    聞き込みで、父に援助した「三人のおじ」は亡くなったり引退していたりする。彼は当時のことを調べていく。



    警官三代の物語が、それぞれの時代背景の中でつながっているのが面白い。戦後の荒廃した街で生きている浮浪者や孤児に暖かいまなざしを向ける民雄。

    民雄は裏切りの生活の中で壊れていく。父が殉職扱いにならないという警視庁の判断のために、貧しい暮らしを余儀なくされた。しかし彼は父のような警官になることを目指した、だがあたら優秀な頭脳を認められたために特命を受けて利用される。貧しさ故といえるかもしれない。
    恵まれた頭脳が生かしきれない環境というものもあるだろう。

    和也もやはり組織の中では自由に生きられなかった、上司をスパイするという運命を受け入れなくてはならなかった。

    和也の最終章になって事件は解決するが、長い年月をかけた割にはあっけない。調査方法が進んだこともあるかも知れないが、話としてはいささか簡単すぎるように思った。
    祖父を殺したのは誰か、早くに思い当たる部分もある。

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    2026年02月04日
  • 地層捜査

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    現在から過去へ少しずつ遡っていく地味だけど堅実な捜査、昭和のノスタルジーを感じさせる荒木町という舞台に魅せられた
    荒木町歩いてみたくなった


    結末が相棒みたいだったな、、、所属が「特命」捜査対策室だし笑
    この場合水戸部が右京さんポジションだけど、、、

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    2026年01月28日
  • エトロフ発緊急電

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    プロローグ

    時は、1941年冬

    鈍色の空が低く垂れ込み、海は重たい鉄板のようにうねっている
    流氷の破片が軋む音が島全体のうめき声のように響く
    遠く、霧の向こうでカモメが嘶く
    その鳴き声は、希望ではなく恐らく警告か!?
    コントラストの強い影と光が交錯しこの島は今日も
    黙ってそこにいる

    そう、その島とは択捉島に他ならない!!!

    今、不穏な物語が始まろうとしている、、、



    本書
    『エトロフ発緊急電』1989年刊行圧巻の★5
    おびさんの本棚から
    おびさんのレビューでビビビッときた!!!

    最初の頁を捲る
    はしがき〜プロローグで物語は始まるがその時点で
    ノックアウトだ

    740頁にも及ぶ濃密且つ総重量も相当だが
    どの章も面白過ぎて箸休めや息継ぎが出来ない
    良い意味でアップアップしながら物語は終結へと
    一気に向かっていく

    本作は、真珠湾攻撃が主ではない
    そこに至るまでの過程や駆け引きが主だ
    また、日本が犯した数々の罪も赤裸々に描いている

    そして、各国の思惑や思想は前提にあるものの
    最終的にそこにあるものは、個だ!
    人間が決してあがらう事が出来ない、血や本能、
    そして愛という感情の前には誰もが平伏すのである
    作中に何度も登場する“アメイジング・グレイス”に
    なぞらえた、魂の歌、人間讃歌に他ならない


    日本冒険小説協会大賞
    日本推理作家協会賞
    そして山本周五郎賞の納得の3冠である!!!



    エピローグ

    荒れた岬の先、朽ちかけた監視塔が一本、空に向かって突き刺さる
    錆びた鉄骨は赤黒く、過去の緊張と血の気配を今も孕んでいるかのようだ
    足元の苔は濃く、湿った土と混じり合い、踏みしめるたびに鈍い音を立てる
    ここでは一歩一歩が、生きている証明であり、同時に島への挑戦でもある

    ただ、冷たい風と荒波、そして重苦しい静寂で、訪れる者の覚悟を試す

    この島で邂逅した登場人物たちは、何を思い
    何を護って生きてきたのか
    そして、何を糧に生きていくのか


    その答えは、我々読者に委ねられているのかもしれない




                         完

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    2026年01月21日
  • 分裂蜂起

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    歴史にifは禁物だが、この「抵抗都市」「偽装同盟」そして本作と続く、「もし日露戦争で日本が負けていたら」シリーズ3部作は、こちらの方がそうであった可能性が高いifとして、とても興味のそそられる題材で、本作はロシア革命前後を描く。事件自体よりも通底するロシアに占領統治されている日本の政治・世相の想像力という名の高い可能性の描写が抜群に面白く、現実と想像のミックス具合も秀逸。歴史フィクションとして存分に楽しめる。

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    2026年01月08日
  • 抵抗都市

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    日露戦争に敗れた日本というSF作品
    ロシアが進駐した東京で繰り広げられる警察物
    一体の身元不明の遺体があがり、殺人事件として捜査される過程でこの世界観が語られていく
    犯人を追うごとに明らかになる背景は、やがて反露暴動の陰謀に繋がっていくタイムリミットサスペンス

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    2025年12月30日
  • 佐伯警部の推理

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    「道警」シリーズの新シリーズ。佐伯宏一が札幌大通署から函館方面本部捜査課に警部として赴任。青函フェリーターミナルの付近の岸壁で起きた殺事件を追う。本領を発揮し丁寧に事件に向き合い捜査指揮をしながら犯人を追い詰め、行き着いた先は家族トラブルだった…。さすがの作者さん、さすなのシリーズ。満喫!

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    2025年10月18日
  • 佐伯警部の推理

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    待ってました、佐伯警部。さり気なく過去の同僚や事件にも触れる気配り。手に汗握るスピード感溢れる展開。幸福そうな家族の闇には唖然。推理小説としてもパワーアップ。ご無沙汰の函館、行かなくては。「函館の青柳町こそかなしけれ…」啄木のうた、心に浮かんだ。第二シーズンスタート、ご祝儀込みで星5つ。

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    2025年10月01日
  • 佐伯警部の推理

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    大好きな「道警」シリーズの佐伯宏一を主人公に据えた新作。舞台を函館に移して殺人事件の謎を追う。人物・会話のディテール描写が素晴らしく、長編なのに無駄のないところは変わらず。ただちょっと佐伯の推理が上手く回りすぎているところ(特にバイク窃盗の件)は気になるが、まあそれもご愛敬。

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    2025年09月26日
  • 佐伯警部の推理

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    ネタバレ

    佐々木譲の道警シリーズ。
    舞台は函館。
    これまでの舞台だった札幌はあまりなじみのない場所ですが、函館なら多少土地勘があるので、頭の中で風景を思い浮かべながら読むことができました。
    少しずつ方向を変えながら、最後に一気に畳みかける佐々木譲の警察小説らしく面白い作品。
    今回も、佐伯さん大活躍。
    そういえば、小島さんは出てこなかった。

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    2025年09月06日
  • エトロフ発緊急電

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    「エトロフ発緊急電」(佐々木譲)
    太平洋戦争の時の日米開戦の真珠湾攻撃前夜の話しでした。今の北方四島の択捉島に帝国海軍が秘密裡に集結してから奇襲攻撃を仕掛けた事は知りませんでした。史実に基づきその前夜の日米の緊迫した情報戦が筋立てですが、登場人物の全てが国家の単純なイデオロギーでは測れない奥行きを持っていて、その背景はまだ私には未消化です。冒険小説やスパイ小説というジャンルに収め切れない重厚な本に出会った気がします。

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    2025年06月29日
  • 北海道警察 11 警官の酒場

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    道警・大通警察署シリーズ第11弾。佐伯・津久井・小島の各チームがそれぞれ別の犯罪捜査の末、最後には1つの事件につながるパターンは今までのシリーズと同じだが、ここまで同じパターンが続くと、どのように繋がっていくのかも楽しみながら読むことができる。最近の本シリーズの中でも圧倒的にスリリングな展開で読書の手を止められないほど面白かった。主人公達も本作のラストで新しい道を歩むことになる。本書は道警シリーズのシーズン1の完結作との事だが、ラストに相応しい面白い物語だった。シーズン2のスタートを期待して待ちたい。
    最近はノンフィクションを読む事が多く、それはそれで面白いが、やっぱりミステリー小説最高!と思った一冊だった。

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    2025年04月04日
  • 北海道警察 11 警官の酒場

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    警官シリーズとりあえずの最終話、いつもの小気味良いストーリー展開で一気に読んでしまいました。最後の津久井さんの決断には拍手を送りたいですね
    また続編が読める日を期待しています

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    2025年03月22日
  • ストックホルムの密使(下)

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    堪能しました。原爆の非を言い立てる人は多いが、原爆が落とされなかったならば、本土決戦、国民皆兵となり原爆どころではない被害が出ていただろう。本作の軍継戦派の言葉を借りれば「2000万人」が兵として戦争に否応なく巻き込まれることになっていた。軍部の継戦派は国体護持などと口では唱えながら、国土を戦場に変え、国民を悉く殺し尽くす「一億玉砕」を祈念していた異常者の群れだった。国民がいない「国体」を護持するとは異常者の発想。

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    2024年12月16日