あらすじ
27年前の轢き逃げ事案、あれは〈殺し〉だったのか?
電気街・秋葉原に眠る“ある一族の秘密”が、時を経ていま目覚める――
警察小説の巨匠・佐々木譲が描く未解決事件【コールドケース】
◆あらすじ
1997年10月、神田明神下の路地で起こった轢き逃げ事案。被害者は秋葉原【アキバ】に根を下ろす一族経営の電器店の常務だった。
未解決のままだったこの事案に、2024年11月、〈殺し〉の可能性が浮上する。
警視庁捜査一課特命捜査対策室の刑事・水戸部と、地元・万世橋署の“やる気のない年上部下”柿本のバディは、電気街の歴史をかき分け真実をつかめるのか!?
主演・松重豊でドラマ化も果たした〈特命捜査対策室〉シリーズ、待望の最新刊!
◆シリーズ既刊
『地層捜査』
『代官山コールドケース』
(ともに文春文庫刊)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
27年前の轢き逃げ死亡事故時に現場から消えた腕時計が見つかった。
ここから警視庁捜査一課の水戸部と、所轄の交通捜査係の柿本が過去の事件を追う。
エイマックス創業の江間家の長男であった
和則の遺品から、次々に事件に関わった人間を探していくが、なんとも捜査は進展が見えない状態が続く。
この捜査の硬直状態がリアルであり、全てが簡単に解決しない結末は改めて現実味を感じる。
本作の煮え切らない結末のような警察小説も斬新で面白かった。
Posted by ブクログ
27年前の秋葉原での轢き逃げ事件が、本当は強盗殺人事件なのではないか。その再捜査を本庁捜査一課特命捜査対策室の刑事と所轄交通課の刑事ペアが追いかける。まるで舞台で密室劇を観ているようなストーリ展開は、証拠を違う視点で洗いなおして無罪判決に導く「十二人の怒れる男」のよう。立件に至らないことで逆に事件全貌を読者に委ねるやり方が非常にうまい余韻を残す。
Posted by ブクログ
こういう終わり方もあるのか、というのが正直な感想。
もちろん、悪い意味じゃない。
どう終わらせるんだろう、という部分で、何となく初めに想像がつきそうな終わり方から、わずかに変えながらゴール(?)に導かれる。
警察小説としては少し異端かもしれない。
Posted by ブクログ
実直な内容。
警察小説、ミステリ小説ではあるが、本質的には「人間関係小説」。
主人公を取り巻く2名の登場人物が、話が進むにつれて変化し、人間関係も変化していくところが丁寧に描かれていて興味ふかい。
再読度:中
Posted by ブクログ
27年前に秋葉原の電器販売店の38歳の常務が帰宅途中の路上で轢き逃げに遭い死亡した事件の真相を追う。
常務の姉の手元に戻った被害者の時計を手掛りに、本庁と所轄の担当警官たちが地道に事実を解き明かしていく。
大団円としなかったのはリアリティを追うが故か。
最後に姉の執念が実ったか。
Posted by ブクログ
真相が謎のまま残りページ数が少なくなってきてイヤな予感はしたが、的中してしまった。こういう小説は読者に余韻や謎を残すよりもどんでん返しなどで結論づける方が読後感がよいはず。
Posted by ブクログ
未解決事件を専門に捜査する特命捜査対策室シリーズ11年ぶりの三作。27年前に秋葉原で起きた轢き逃げ事件を水戸部と所轄のやる気のない年上部下柿本コンビが追う。証拠や記憶が風化する中、粘り強い操作の過程で明らかになったのは同族企業を営む被害者家族の複雑な関係だった…。ラストがスッキリ解決ならずでモヤモヤ。
Posted by ブクログ
27年前の交通事故は事故では無かった?
事故現場から消えていた腕時計が出てきたことをキッカケに、事件が動きだす。
動きだすのは良かったのですが、当時の捜査がダメだったのはともかく、やはり短時間にアレコレ出てきて、そこまで簡単に情報収集出来るのか?というのが、読んでいての違和感。
面白いんだけど、強引な感じがしました。あとは相棒になった交通課の刑事。最後、良い仕事をしたので少し見直しましたが、嫌な感じですね。
終わり方は、そういう形にするのかとびっくり。
Posted by ブクログ
佐々木さん作品は、だれることなくほぼ、読んでいる。
警察ものと言っても、今野さんのは合わず、佐々木さん一本。
地味、堅実といった空気感が終始あり、奇想天外、荒唐無稽に走らないのがいい。
正直言うと、7割までゆるゆるっと走ってきて、急にポイントをついて急展開‥ってずるいよなっていう感想。
水戸部が思った「美知子の行動」が事件の真相っていうのも面白い~読み終えた人にしか分からないだけに。
Posted by ブクログ
作者は、短気なのか?ってくらいポンポン話が進んでいくし、結論に辿りつくのも早い。文章もめっちゃ区切る。これは絶対短気の所業だな。
最後、江間のお姉さんが入院したあたりで残り3ページくらいになって、ほんまにオチつくんか!?と心配になりました。オチは結構いい感じやな〜と思ったけど、そこに割かれる文章の量がすくなーい!なので結構強引に感じました。
Posted by ブクログ
このところちょっと鬱々とした物語を読んできたので、刑事物は単純に推理にのめりこめるかなと思って読み始めた。
27年も前の未解決の交通事故案件に特命が挑むといった内容。秋葉原のいわば電気屋さんのお家騒動みたいなものだった。解決したのかと言えば、中途半端な結末で、全体に今一つの印象。
Posted by ブクログ
警察モノにもいろいろあるなぁと改めて思った。
本当にそうなの?刑事がストーリーを作り思いこんでない?と突っ込みたくなるところもあった。ベテランというか、場数を踏むと相手の表情の変化などから読める現実があるんだろうと思うし、刑事目線の物語であれば、なお、この人逮捕しようよ、と応援したくなったが…
結局そうはならなかった歯切れの悪さ、やはり間違いはなかったんだというもう一つの事件の始まり?
複雑な気持ちで終わりました。
Posted by ブクログ
タイトルの意味不明?27年前のこと思い出そうとしても無理!それ疑問に思ってたら、状況証拠はいっぱいあったんだから、お姉さん行動してたんじゃないかなぁ。
Posted by ブクログ
1997年10月に神田明神下の路地で起こった轢き逃げは、犯人の目星もつかずに未解決のまま27年が経っていた。
この被害者の姉が、亡くなった弟が身につけていた腕時計が出てきたと…
そこから警視庁捜査一課特命捜査対策室の刑事・水戸部と地元・万世橋署交通課の柿本が、調べることになる。
電気街である秋葉原に根を下ろす一族経営の電器店の常務は、轢き逃げだったのか…。
水戸部と柿本の意思疎通は上手くいくのか…?という危うい2人の捜査に気を揉みながらも地道に捜査を続けていくうちに浮かびあがってきたものは、やはりそういうことかとなるのだが、最後の結末はすっきりしなかった。
最後まで柿本に好感触を抱けなかったせいかも…。
Posted by ブクログ
読み終わった後思わず悲鳴をあげた。うっそ、こんな終わり方があるんだ、ちょっと酷い。
コールドケースの地層シリーズ第3段、水戸部さんが主人公で、今回は神田の27年前の轢き逃げ事件を再捜査。相変わらず読ませる文章は流石。読者に投げかける終わり方はちょっと頂けない。
Posted by ブクログ
特命捜査対策室シリーズ第3弾。
27年前秋葉原で起きた轢き逃げ事案に殺人事件の可能性が浮上し、万世橋署の交通課警官と合同捜査をすることになった警視庁特命捜査対策室の水戸部刑事。
古い轢き逃げ事故を殺人として立件する証拠を上げることができるのか……。
どことなくチグハグなバディ。やる気があるのかないのかよくわからない柿本と特命のエース水戸部。このページ数でどう決着をつける?と思ったらまさかの……。
まあ、無理やり決着をつけるよりは現実的なのかもしれないけど、警察小説としてはモヤっとするかな〜。最後に水戸部がつかんだ真実とそれに対する処し方はなかなかにハードボイルドで佐々木譲らしくはあったけどね。
Posted by ブクログ
27年前の轢き逃げ事件2人の刑事の追求とその幕引きまでの調査とその結末までだが証拠も無い事件ではたとえ犯人が解っても出来ない!さてどうするのかなと思っていたが---。