【感想・ネタバレ】時を追う者のレビュー

あらすじ

時を遡り、目指すは開戦阻止! 終戦から四年が経った一九四九年、元破壊工作員の藤堂直樹は歴史学者の守屋淳一郎に連れられ物理学者、和久田元に会う。二人からの思いがけない依頼とは、戦争を始めた者たちを排除し、開戦を阻止すること。――どうやって? 戸惑う直樹に二人は、「開戦前の過去に行って帰って来られる場所」があると告げる。日本が破滅する“未来”を変えるため時を遡る、元破壊工作員と仲間たちの決死行開始!

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Posted by ブクログ

佐々木譲『時を追う者』光文社文庫。

佐々木譲の作品としては非常に珍しい、タイムトラベルにより過去に遡り、歴史を変えようとするSFのような冒険小説であった。

遥か昔、光瀬龍の『夕映え作戦』や半村良の『戦国自衛隊』、筒井康隆の『時をかける少女』などタイムトラベル物の小説が流行った時代があったが、今の時代にタイムトラベル物を読んでみると、あの頃の読書の楽しさが蘇えるようだった。

歴史を変えることは出来ないということは最初から分かっているのだが、心の中にはどうにか歴史を変えてくれたらという思いもあった。


陸軍中野学校出身の元破壊工作員の藤堂直樹は、終戦から4年後の1949年に歴史学者の守屋淳一郎により収監されていた警察署から連れ出され、物理学者である和久田元と面会する。

藤堂は、2人の学者から開戦前の過去に遡り、戦争を始めた首謀者たちを排除し、開戦を阻止して欲しいという突拍子もない依頼を受ける。最初は学者たちの依頼を拒んでいた藤堂であったが、のっぴきならないトラブルに巻き込まれ、やむ無く元部下の与志と千秋を伴い、過去に行くことを決意する。

藤堂と与志、千秋は学者たちの導きにより、予定していた時代とは少しズレた1931年に辿り着く。さっそく3人は満州に渡り、戦争を始めた陸軍参謀たちを排除すべく、行動を開始する。

そして、歴史は変わる……

本体価格1,100円
★★★★★

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2026年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昭和24年、敗戦後の世界から昭和5年に戻れる「タイムマシン」(作中では機械ではない)の存在を知った大学教授が主人公にそこへ飛んで戦争の首謀者を排除し戦争を阻止できないかと持ち掛ける。
そんな荒唐無稽な話を主人公が信じるわけもなく、押し問答が続き、時代を遡行するまでがちょっと冗長と感じたけれど、それでもそうせざるを得ない状況にちゃんとなっている。また大陸へ渡ってからの情景や事前準備の描写も少々長いが、作戦が実行される直前になると俄然活劇っぽくなって興奮を誘う。
一気に話が進み、首謀者排除をほぼ成功させ戻ってみると戦争はより酷い結果で終わっていた。ここまでなら歴史改変や仮想戦記で時々ある。
主人公はそこで「ほぼ」成功でやり残した部分も完遂するためもう一度タイムマシンをくぐることにするがその結果は物語冒頭と変わらない昭和24年に戻ることができた。結局何も変わらなかったのかと徒労感におそわれる主人公だが、個人レベルではほんのちょっとだけ変わっていたというところで完結。絶望的でもなく輝かしくもなく殆ど元通りの日本に昭和6年の主人公の足跡が見えるだけというところでちょっと安堵感。

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2026年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

満州の地図を載せているからには、かなり細かく舞台が描かれてるのだろうが、建物などの描写が正直いまいちピンと来なかった。変わった歴史をいろいろ見てみたかった身としては、1パターンしか変わらなかったのが少し不満が残る。しかし、歴史改変物は整合性が難しいだろうから、やり過ぎずに満州という舞台を戦後すぐの人達の目線から描いたのは良かったのではないかなと思う。満州は日本の傀儡国家というなんとなくの知識を持ってた身としては、その国を構成していた要素を物語を通して少しでも知れたのは良かった。

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2026年05月16日

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