佐々木譲のレビュー一覧
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1990年第8回 日本冒険小説協会大賞
1990年第43回 日本推理作家協会賞(長編部門)1990年第3回 山本周五郎賞
『ベルリン飛行指令』
『ストックホルムの密使』
と共に佐々木譲の戦争三部作の1作
そして、今日は真珠湾攻撃のその日。
本書冒頭の「はしがき」にも
〈1941年12月7日、オアフ島真珠湾の米国海軍太平洋艦隊基地が奇襲された〉
と始まり、歴史上の重大な瞬間へと読者を引き込んでいきます。
ストーリーの基軸は、真珠湾攻撃の情報がアメリカ側の日系人スパイによって事前に察知されていたのか、そして第二次世界大戦中の諜報活動とはどのように行われていたのか、という点にあります。
読み進 -
Posted by ブクログ
佐々木譲『闇の聖域』角川文庫。
カッコいいタイトルに惹かれて購入。開戦前夜の満洲が舞台の警察サスペンス小説という触れ込みであるが、後半になると伝奇小説の趣きを見せてくる。しかし、それが災いしたようでどっち付かずの中途半端な作品に仕上がってしまったようだ。
さらには連続殺人を続ける犯人の動機やその正体が明らかにされぬまま結末を迎えたことで、全てが消化不良の読後感であった。
佐々木譲と言えば、警察小説のイメージが強いのだが、このような佐々木譲の伝奇小説を読んだのは初めてである。
開戦前の満州が舞台となる。大連駅近くの空き地で男性の遺体が見付かった。遺体の頸動脈には凶器不明の不審な裂傷が残 -
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「北海道警シリーズ」のシーズン2。
津久井が撃たれた厚岸の事件から一年、警部に昇任し警察大学校での研修を終え、函館方面本部捜査課の課長補佐に配属された佐伯宏一。
函館の土地勘養うべく日々部下の運転する捜査車両で市内を走っているという設定からか、事件捜査に絡めての函館の道路や街の様子がかなり詳しく描かれる。それはそれで、行ったことがあると風景も浮かんでくるのだが、ちょっとその辺の説明がくどすぎて、肝心の事件が身に入ってこない。
事件捜査は佐伯が関係者に話を聞いたことが悉く事件の本筋だったりでなかなか都合がいいし、事件そのものも警察ものにありがちなスピード感とかワクワク感がなくて地味な感じ。
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三代に渡る警察官の物語完結編。
二代目の民雄は父と同じ谷中の駐在として赴任する。そこで父の死の真相、父が追っていた二つの殺人事件について調べていく。そこで父が死亡した当日の火災のときの写真を入手し、そこに知っている顔がある事に気がつく。その頃、立てこもり事件が発生し、ひとり現場に乗り込み、民雄もまた殉職する。
三代目の和也もまた警察官となる。和也もまた警務部のスパイとして密命をおびて内定を始める。
和也はついに、父や祖父の死の真相に迫っていく。真実の果てに彼がとった行動は、警察の組織人として、三代に渡り組織に翻弄されてきた末の、正に、しぶといものであった。