佐々木譲のレビュー一覧
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過酷な勤務で精神を失調し妻に暴力をふるうようになる民雄も、父と同じ谷中で駐在所勤務になる。
再び訪れる地元の人々との交流の日々。警官を志した時の思いが呼び起こされ、父・清二の死と清二が調べていた二つの事件の真相に辿り着いたと思しき中で、謎は謎のまま、時代は和也に引き継がれる。
祖父、父と同じ道を選んだ和也もその血ゆえに初配置から特殊な任務に就き、そして、三代に亘った謎解きと警察組織の在り方に同時に決着をつける。
全ての罪は相対的なものだと知り、町のお巡りさんの気分を忘れずに吹く和也のホイッスルの響き。
清二の実直さとも民雄の繊細さとも異なり最も警官になりそうになかった和也が最もしたたかに生き抜 -
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ネタバレ2008/5/17 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2021/4/17〜4/21
1992年の作品。1986年、ソ連崩壊前のベルリンで、ココム違反の貿易を行ったとして、日系企業の社員である神崎哲夫は追い詰められる。さらには、殺人犯としても陥れられ、起死回生の一策として東ベルリンに亡命する。20年後、日本に居た関係者たちに神崎からと思われる手紙が届く。小樽港に集められた関係者たちが次々殺されていく。果たして・・・。ちょっと古い感じもするが、久しぶりにこういうタイプの小説を読んだ。90年代初頭は志水辰夫さんなど、こういう作品がたくさんあったなぁ。やっぱりこういうの好きだ。 -
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1990年第8回 日本冒険小説協会大賞
1990年第43回 日本推理作家協会賞(長編部門)1990年第3回 山本周五郎賞
『ベルリン飛行指令』
『ストックホルムの密使』
と共に佐々木譲の戦争三部作の1作
そして、今日は真珠湾攻撃のその日。
本書冒頭の「はしがき」にも
〈1941年12月7日、オアフ島真珠湾の米国海軍太平洋艦隊基地が奇襲された〉
と始まり、歴史上の重大な瞬間へと読者を引き込んでいきます。
ストーリーの基軸は、真珠湾攻撃の情報がアメリカ側の日系人スパイによって事前に察知されていたのか、そして第二次世界大戦中の諜報活動とはどのように行われていたのか、という点にあります。
読み進 -
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佐々木譲『闇の聖域』角川文庫。
カッコいいタイトルに惹かれて購入。開戦前夜の満洲が舞台の警察サスペンス小説という触れ込みであるが、後半になると伝奇小説の趣きを見せてくる。しかし、それが災いしたようでどっち付かずの中途半端な作品に仕上がってしまったようだ。
さらには連続殺人を続ける犯人の動機やその正体が明らかにされぬまま結末を迎えたことで、全てが消化不良の読後感であった。
佐々木譲と言えば、警察小説のイメージが強いのだが、このような佐々木譲の伝奇小説を読んだのは初めてである。
開戦前の満州が舞台となる。大連駅近くの空き地で男性の遺体が見付かった。遺体の頸動脈には凶器不明の不審な裂傷が残