【韓国語多読10弾】警察小説の形式を借りた保安官モノ。主人公は北海道警察内の大人事異動のあおりを受け僻地の駐在所勤務となった元刑事。彼を保安官として機能させるため著者は彼岸荒れという春先の暴風雪による閉鎖空間を設定する。一見、さまざまな事件を並行して描いていくモジュラー形式に見えるが伏線と思われた出来事が何の受け手もないまま終わってしまう。ミステリとみればかなり唐突なエンディングだが西部劇と考えればこれも伝統的手法と言えよう。あの名作『シェーン!』も盛り上げるだけ盛り上げて瞬きする間もなく決闘場面が終る。