佐々木譲のレビュー一覧
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ネタバレ2008/5/17 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2021/4/17〜4/21
1992年の作品。1986年、ソ連崩壊前のベルリンで、ココム違反の貿易を行ったとして、日系企業の社員である神崎哲夫は追い詰められる。さらには、殺人犯としても陥れられ、起死回生の一策として東ベルリンに亡命する。20年後、日本に居た関係者たちに神崎からと思われる手紙が届く。小樽港に集められた関係者たちが次々殺されていく。果たして・・・。ちょっと古い感じもするが、久しぶりにこういうタイプの小説を読んだ。90年代初頭は志水辰夫さんなど、こういう作品がたくさんあったなぁ。やっぱりこういうの好きだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ太平洋戦争開戦前夜、ヒトラーの無茶振りもとい要請で日本海軍は零戦2機をベルリンまで飛ばすことになる。インドやイラクの反英勢力と交渉してルートを確保し、曰く付きのパイロット2人が超長距離飛行に挑む。
3章で2人はやっと飛び立つが早々に敵陣営への情報漏洩が発覚する。が、どこから漏れたかは最後までわからない。登場人物の1人が謎の呼び出しを食らうが誰が何の目的で呼び出したかは最後までわからない。ミステリーだと思って読んでたのできっとこれらの真相が明らかになるんだろうなぁと期待したら(私の読解力不足かもしれないが)肩透かしを食らった。
冒険小説なら☆5だけどミステリーとしては☆2くらい -
Posted by ブクログ
アンソロジー作品『戸惑いの捜査線 警察小説アンソロジー』を読みました。
警察小説ばかりを収録したアンソロジー作品です。
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今を時めく警察小説の書き手が紡ぐ、傑作短篇集第2弾!
入れ墨の男とのトラブルが呼ぶ悲劇、若き警官が追う連続窃盗犯、動機のつかめない放火魔、30年前に解決したはずの事件に自首してきた男、突然駐在所勤務を希望した警官の真意、若き警視が挑む滅多刺し死体遺棄事件、スパイ容疑のかかったロシア人武官の追跡。人気作家7名が、それぞれに趣向を凝らした珠玉の警察ミステリー。
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2024年(令和6年)に刊行された作品です。
■弁解すれば 佐々木譲
■青い背広で 乃南アサ
■刑事ヤギノメ 松嶋智左
■三十年目の自首 大山誠一郎
■噛みついた沼 長岡弘樹
■ルームシェア警視の事件簿 櫛木理宇
■ケースオフィサー 今野敏
作家7名がそれぞれに趣向を凝らした珠玉の警察小説短編のアンソロジーです……人気シリーズのスピンオフから、最新書下ろし新作まで、警察小説の面白さがギュギュっと1冊に詰まっております、、、
療養明けの刑事、新人警官、公安警察……それぞれの警察官たちが、戸惑いながらも事件解決へと奔走していく姿は必見です。
バリエーション豊かな警察小説が収録されており飽きずに読めました……そんな中で特に印象的だったのは、
急性膵炎で長期入院していた巡査部長・弓木瞳が凶悪犯担当の刑事課一係に復職……一見弱々しい風貌の瞳だが、実は優れた観察眼から「ヤギノメ」という異名をもって市民の生活を脅かす連続放火を解決に導く松嶋智左の刑事ヤギノメ・シリーズの『刑事ヤギノメ』、
既に時効となっている30年前の殺人事件の犯人が自首……しかし、彼には当時鉄壁のアリバイがあった! 犯人が自首しようとした理由の意外性が愉しめる大山誠一郎の赤い博物館シリーズの『三十年目の自首』、
留置場管理課の巡査長である夫・雄吾が、山間部の滝場駐在所へ異動……夫は閑静な土地での生活にすぐ馴染み、休日は沼でボートに乗り釣りをして過ごしていたが、ある日、ボートから沼に落ちて溺死しそうになる! ベテラン交番相談員・百目鬼巴(どうめき ともえ)が関わる、異色の設定とカミツキガメの活躍?が印象的な長岡弘樹の百目鬼シリーズの『噛みついた沼』、
の3篇ですね……大山誠一郎の赤い博物館シリーズ以外は未読なので、他のシリーズ作品を読んでみたいですね。 -
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横浜が多国の共同租界になっていたら… 刑事を辞めた私立探偵のもとに人探しの依頼が来て―― 綿密で解像度の高い歴史改編SF小説
■あらすじ
第二次大戦後の横浜、講和条約として5カ国によって共同統治されることになった共同租界が舞台。元租界警察で、今は無免許の私立探偵を営んでいる長堂のもとに、ある女性から人探しの依頼が来る。
彼女の弟であり、IT企業に勤めているらしいのだが、無理やり拉致されてしまった可能性もある。果たして彼を見つけ出すことはできるのか…
■きっと読みたくなるレビュー
本作は時代設定は現代でありながらも、もし歴史が変わってたらという歴史改編SF。横浜がアメリカや中国など複数の国に共同租界されているパラレルワールドを描ています。
ただお話の主軸自体はシンプルな人探しであり、ハードボイルドな王道の私立探偵小説として一級品の仕上がりになっています。
まず舞台が「横浜」というのが最高にニクいですよね。少しばかり過去の外交交渉や政治の歯車が狂っていたら、本当にあり得たかもしれないと思わせてくれる。この緻密に構築されたパラレルワールドを、もっと隅々まで覗いてみたくなりますね。
実際の横浜の地理や歴史をすえながら、もしここが多国籍な租界地だったら、どんな街や社会が形成されていたか… ベテラン作家である佐々木譲先生の圧倒的な作り込みと想像力の手腕には驚きしかありませんね。
そしてリアリティへの追求が半端ないんすよ。複数の大国が同じ街にひしめき合っている以上、そこには当然、独自のルールや激しい駆け引きが存在する。
行政自治権や治外法権、それぞれの国が抱く策略、変動するパワーバランス、さらにはそこに絡んでくる日本政府の政治的思惑もあって… これらが綿密できめ細やかな設定で配置されており、解像度の高さには驚かされましたね。
探偵小説としての調査フェーズも、実にクールでシニカル。特に主人公である探偵長堂の、プロフェッショナルとしての仕事へのこだわりっぷりが、男臭くて最高にカッコイイんすよね。
クライアントの依頼を完遂するために、泥臭く粘り強く、知略を巡らせ、野生的な勘で危険を察知しながら、ギリギリの交渉で情報を獲得していく。このハードボイルドっぷりは、男子ならだれでも憧れちゃいますよね。
そうして地道な調査を続けるうち、背後に横たわる巨大できな臭い陰謀がジワジワと見え隠れしてくる。終盤にかけては、まさに古き良き極上の探偵小説を読んでいる贅沢感をたっぷりと味わえました。
■ぜっさん推しポイント
本作と出会えたことで、異国の権力が介入する租界という場所がいかに暮らしにくく、そこに生きる人々が不条理で大変な思いをしているかを擬似体験させられました。
この横浜が共同租界になっているという設定は、突飛なフィクションに思えるかもしれない。しかし現実でも沖縄には米軍基地が存在してるんすよね。
治外法権の壁に阻まれるもどかしさだったり、たびたび発生する基地絡みの事件だったりする構図は、現実のそれと変わりません。他人事ではない生々しさを感じざるを得ませんでした。