佐々木譲のレビュー一覧
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前作「制服捜査」で登場した川久保篤巡査部長が再び活躍する。前作は連作短編という形だったが、本作は長編。シリーズものではあるが、本作単体でも十分に楽しめる。
全く何の脈絡もない登場人物が、爆弾低気圧という自然の猛威の影響で徐々に一か所に集約されていく、登場人物それぞれの動き(登場人物それぞれの視点から描かれている)が何かに導かれるように焦点を結ぶ様は、読んでいてついのめり込んでしまう。
ただ、登場人物それぞれの視点からの内容が多いので、川久保篤巡査部長シリーズではあるが、必然的に川久保巡査部長の登場部分は少ない。そこが少し物足りない気もするが、余韻を残した終わり方をしているところが気になる -
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事件の真相は、半分くらい読んだとろろでもうヨメてしまった。でも、何回かしか行ったことはないけれど四谷荒木町はとても雰囲気のある印象的な町だったので、その町の歴史や住人たちの記憶・人生が絡まりあって展開するストーリーを、最後まで興味を失わずに読めた。花街があったというのはなんとなく知っていたけれど、花街があった時代を自分だけで想像することは難しいので、こんな時代があの町に…と思うと、とても面白かった。
解説者が「都市小説」という言葉を後書きで使っていて、警察小説というより、その方がしっくりくるなと思った。その町に降り積もった時間の地層を少し掘り起こして見せてもらったよう。また四谷荒木町を訪ねてみ -
Posted by ブクログ
道警シリーズの8作目。
ずっと音沙汰なくてどうなっているかと思っていたが、文庫本としては約4年振りの登場に新古本屋で購入。
万引きで補導しながら事情聴取中に逃げられた少年を探す小島に、園芸店の窃盗犯を追う佐伯と新宮。
いつもながらに小事件を扱う3人だが、それぞれの事案が結びついて大きな事件になっていくという、いつもの流れ。
まあ、ネタは分かりやすく想像がつくが、そんなことより、作者の熟練の捌きで進む物語のテンポやお馴染みの人間関係を楽しむのが、このシリーズの一番の興趣ということか。
硝安がなくなっても焦りもしない警察の上のほうやら、退職者の個人情報ダダ漏らしのJR北海道など、ボンクラなとこ