佐々木譲のレビュー一覧

  • ストックホルムの密使(上)

    Posted by ブクログ

    9/4:やっと読み終えた。第二次世界大戦超末期において如何に戦争を終わらせるか、という歴史的に大きなターニングポイントを国内の海軍、陸軍、ストックホルムの武官、ポーランド人を通じて描いている。
    陸軍、憲兵の思考硬直っぷりには辟易してしまうが、憲兵と山脇の議論は一見の価値あり。
    当時の日本の上昇志向、乾いているってのは強み。方向性まちがっていたけど、今の日本を見るとみんなビチャビチャに浸かっててなんの力も生まれない。
    8/23:読み始めた。

    0
    2010年09月04日
  • 鉄騎兵、跳んだ

    Posted by ブクログ

    z2が出た頃cb750に乗る主人公はそのバイクに出会い、公道でレースをする。
    主人公は勝負に負け、自分が率いていたバイクチームもバラバラになっていく。そこで主人公はまたz2に勝負を仕掛ける。
    z2とcb750のみの観客のいないレースは主人公の勝利で幕を閉じる。
    以前に負けたときにいた仲間はどうしたと問われた主人公は、あいつは死んでしまったよ。警察の取り締まりから逃れようとしてと答える。

    もうチームは解散していた。
    勝利ではあったが自分は何の為に戦ったのだろうと自問する主人公のみが残る。

    というように全編レースを主題にした作品。
    佐々木譲の処女作。
    レーサー特有の焦燥感が非常に繊細に描写され

    0
    2010年07月10日
  • 鉄騎兵、跳んだ

    Posted by ブクログ

    約30年振りに復刻。表題作は警察小説の名手である作者のデビュー作。バイクレースに関わる人もバイクを知らない人にもお勧めできます。

    0
    2010年06月30日
  • ストックホルムの密使(下)

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦シリーズ3作目。上下巻。前の2作と比べると、物語自体が長いこともあり前半に大きな動きはありません。上巻の後半から物語が加速してゆきます。シリーズを通して登場する人物の個性がここにきて「あぁ、これで3部作も終わりなのだ…」と言う感慨を後押しします。

    0
    2010年06月23日
  • ベルリン飛行指令

    Posted by ブクログ

    圧倒的な空軍力を持ちながら、BATTLE of BRITAIN を征しえなかったドイツ。
    ヒットラーの鶴の一声で、航続距離の長い零戦の評価試験を行うことになり、
    日本から長躯、2機の零戦がドイツを目指す。

    長距離飛行試験のくだりは『大空のサムライ』を、
    日本からドイツへの飛行経路は神風の欧州訪問飛行を参考にされたのだろう。
    零戦の空輸飛行の描写自体はあっけないが、それ以前の、
    太平洋戦争突入前夜の日本の世相描写が興味深かった。

    ラスト・シーンの描写が鮮やかで、
    残った燃料の霧を撒き散らしながら砂漠目指して蒼穹を舞い落ちる
    僚機の増槽が目に見えるようだった。

    本作品の前日譚『鷲と虎』もお奨

    0
    2012年11月13日
  • 屈折率

    Posted by ブクログ

    先が読めないのでのめり込む。登場人物の個性が豊かで飽きない。ガラス工芸も画家もアーチストの本質は皆同じなんだなぁ。そうゆう世界で生きたいなぁ、と思いました。

    0
    2010年06月04日
  • 鉄騎兵、跳んだ

    Posted by ブクログ

    佐々木譲のデビュー作短編集が文春文庫版で復刊しての登場。表題作はデビュー作にしてオール読物新人賞受賞作。「初めての応募が新人賞受賞」ではなくて「初めて書いた小説が新人賞受賞」なのだからその非凡さが伺える。後の佐々木譲小説の根幹になる「反権力」の視点こそ登場しないがもう一方の柱である「常にフェアであること」という思想は全作品に通じている。表題作こそ、「どこの新人作家だ」って感じはしますが、デビュー作掲載から8ヶ月で書き下ろしたとは思えない完成度。

    0
    2011年08月19日
  • 新宿のありふれた夜

    Posted by ブクログ

    警察小説の著書特集の棚で見つけた。著者は良く知られた方ですよね~映画化作品あるし。でもそっちは買う気にならずに、冒頭パラ読みしてすぐ購入決定。設定展開がモロ好み。すらっと読めた。脇を固めるキャラをもっと深くエピソード絡めて書けばもっと面白いんじゃ…と思ってしまう。加筆してくれても全然いいんだけども(笑)

    0
    2010年05月28日
  • ストックホルムの密使(下)

    Posted by ブクログ

    面白かった、と余韻に浸れる作品。第2次大戦3部作のトリを飾るに相応しいボリュームに、苦もなくスッキリと読ませる文体は素晴らしい。後半でドタバタ展開する状況に振り回される四郎には、ちょっと同情。

    0
    2010年03月27日
  • ストックホルムの密使(上)

    Posted by ブクログ

    面白かった、と余韻に浸れる作品。第2次大戦3部作のトリを飾るに相応しいボリュームに、苦もなくスッキリと読ませる文体は素晴らしい。後半でドタバタ展開する状況に振り回される四郎には、ちょっと同情。

    0
    2010年03月27日
  • ハロウィンに消えた

    Posted by ブクログ

    日米文化摩擦が招いた悲劇を扱ったミステリー。他の著作と同様最後まで一気に読んでしまう面白さ。読後感もいい。

    0
    2013年10月26日
  • 冒険者カストロ

    Posted by ブクログ

    革命の象徴としてはゲバラが真っ先に挙げられ、イデオロギー的理由もあるだろうけど、カストロ中心で語られることは少ない。

    しかしながら、長年に渡ってキューバを指導してきた実績から見ても、とんでもない指導力、カリスマ性の持ち主であることには間違いない。その一端を見られれば、と思って読み始めた。

    0
    2010年06月06日
  • 警官の血(下)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    過酷な勤務で精神を失調し妻に暴力をふるうようになる民雄も、父と同じ谷中で駐在所勤務になる。
    再び訪れる地元の人々との交流の日々。警官を志した時の思いが呼び起こされ、父・清二の死と清二が調べていた二つの事件の真相に辿り着いたと思しき中で、謎は謎のまま、時代は和也に引き継がれる。
    祖父、父と同じ道を選んだ和也もその血ゆえに初配置から特殊な任務に就き、そして、三代に亘った謎解きと警察組織の在り方に同時に決着をつける。
    全ての罪は相対的なものだと知り、町のお巡りさんの気分を忘れずに吹く和也のホイッスルの響き。
    清二の実直さとも民雄の繊細さとも異なり最も警官になりそうになかった和也が最もしたたかに生き抜

    0
    2015年08月23日
  • 冒険者カストロ

    Posted by ブクログ

    キューバ革命のリーダーであるフィデル・カストロの半生が書かれています。キューバ危機についてもわりと詳しく書かれています。

    今年でキューバのトップの座を降りたカストロ。子どもの頃に感じたカストロのイメージは、冷血な独裁者というものだったが、完全な偏見だったと感じた。勇気ある熱血な指導者だったのは間違いない。

    世界の常識となりつつある資本主義と真正面から戦い続けた国の今後が非常に気になる。

    0
    2009年10月04日
  • 駿女

    Posted by ブクログ

    義経自害後の奥州合戦を描く。義経の落胤を巡って頼朝を描く佐々木史観が興味深い。一族を滅亡させた頼朝に果敢に挑む蝦夷との混血少女由衣の活躍が物語をひっぱる構成がすばらしく、飽きさせない。

    0
    2013年10月26日
  • ベルリン飛行指令

    Posted by ブクログ

    太平洋戦争開戦前、海軍航空隊の凄腕パイロット2名が、新鋭機「零式艦上戦闘機」を対英戦まっただ中のベルリンへ、敵勢力圏を突破し空輸するという物語。警察モノで昨今有名な著者ですが、このあたりのジャンルも巧いですね(警察モノ読んだこと無いけど・・・)。ストーリーもリアリティ抜群で、スケールも大きく、おもしろかったです。ただ、終わり方がちょっと寂しいというか、もう少し爽快感みたいなものがほしかったなぁ、と。

    0
    2011年09月25日
  • ユニット

    Posted by ブクログ

    冒頭のシーンはかなりグロイ。一気に主人公に感情移入するほどに加害者を憎悪させる描写だ。少々厚みのある本だけど一気に読ませてしまう。悪を徹底的に悪にしきっている所が、小気味いい。これなら「何が善で何が悪か」なんて考えないで、ストレートに入っていける。でも、一気に読ませるだけのエンタメ小説で終わらない、何かが残る作品。

    0
    2011年09月04日
  • 夜にその名を呼べば

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2008/5/17 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2021/4/17〜4/21

    1992年の作品。1986年、ソ連崩壊前のベルリンで、ココム違反の貿易を行ったとして、日系企業の社員である神崎哲夫は追い詰められる。さらには、殺人犯としても陥れられ、起死回生の一策として東ベルリンに亡命する。20年後、日本に居た関係者たちに神崎からと思われる手紙が届く。小樽港に集められた関係者たちが次々殺されていく。果たして・・・。ちょっと古い感じもするが、久しぶりにこういうタイプの小説を読んだ。90年代初頭は志水辰夫さんなど、こういう作品がたくさんあったなぁ。やっぱりこういうの好きだ。

    0
    2021年04月21日
  • 夜にその名を呼べば

    Posted by ブクログ

    16年ぶりの再読。初めて読んだときは、結末にやや拍子抜けした覚えがあるのですが、今回は一部ハード、反面ロマンティックな描写もある物語をじっくり味わうことができました。気になったことを一つ。登場人物の一人に海外からの郵便物が送られてくるのですが、管轄の郵便局名が実際とは(おそらく)違っているように思います。小さいことですが。

    0
    2012年07月08日
  • 雪に撃つ

    Posted by ブクログ

    道警シリーズ9番目。
    お馴染みのメンバーが札幌の雪まつり前夜祭に起こった自動車窃盗事件から始まった拳銃発砲事件に望む。
    雪まつりは地元以外にも観光客が多数訪れる一大イベントである。
    そんな中、これ以上の発砲等で大きな事件が起こるのは防ぎたい道警。
    メンバーたちは雪まつりどころではないが、道警らしいイベントが舞台なのは、なかなか興味深い。

    2025.12.15

    0
    2025年12月15日