佐々木譲のレビュー一覧

  • ストックホルムの密使(下)

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    ネタバレ

    佐々木譲の第二次大戦末期を舞台にした『諜報3部作』完結編の下巻。パリでナチに拘束された森四郎は流れついたストックホルムで大和田市郎大佐から極秘情報を託され、亡命ポーランド人のコワルスキとロシア経由で日本を目指す。捕縛の危機をなん度も脱しながら、モスクワで合流した小川芳子と国境地帯で満州軍に捕えられ、航空機で本国に送り届けられることになるのだが、その途上、運命の時間を迎えてしまう・・・。佐々木譲は「戻るべき処」を持たない者を書かせたら右に出るものがいないのではないか。組織に馴染めない、孤高の、意志を持ち合わせた、逆境に立つ人物を創造し、抵抗感を覚えながらも「やるべきこと」をやらせようとする。『ベ

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    2011年11月19日
  • ベルリン飛行指令

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    こういう戦争小説が読みたかった。蛮行が横行し泥沼化する戦争を主人公の目と海軍上層部の空気でしっかり批判していながら、戦争加害者小説にも被害者小説にも収まらない、読み応えのある戦争小説としてしっかり読みすすめられる。当時のインド・イラクの状況については初見の事も多く勉強にもなった。ただ、この小説の色には不必要なんだけど、安藤の空での活躍のシーンがもっと読みたいと単純に思ってしまう。

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    2011年09月24日
  • ユニット

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    ネタバレ

     少年犯罪にDVと重たいテーマだけど、ぐんぐん読める。最後に悪い奴らが全部懲らしめられて、苦しんでいた人に希望が見えるのが小説の救い。

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    2011年09月18日
  • ワシントン封印工作

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    真珠湾攻撃・・・その一点に向かって両国の思惑に振り回される二人の若者の話
    ラストは佐々木譲先生らしい思い切ったエンディング

    読むべし!

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    2011年09月11日
  • 巡査の休日

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    ネタバレ

    パズルが1つ1つハマっていくような気持ちのよさがある。
    小島百合には「ほらほら、そこに!」と思い続けた。
    巡査の休日のビール、おいしそうだ!
     不祥事事件についてはもうこれ以上は引き伸ばせない感じだけど、北海道のこまごました事件だけでも十分楽しめる。
    よさこいソーランがこんな大掛かりなのも初めて知ったし。

    「思い当たる理由はあったが、小島百合はそれを口にしなかった。」
    思い当たること、いろいろ考えてしまう。
    こういう書き方にするところがニクい。

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    2013年08月27日
  • 勇士は還らず

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    ネタバレ

    2011/8/5 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2025/2/5〜2/13

    14年ものの積読本。
    ベトナム戦争の頃に高校生だった6人組。1人がベトナムで爆死してしまうが、同行の男が姿を消す。爆死した男の子供を身ごもっていた女と結婚した仲間が、およそ30年後、縁もゆかりもないサンディエゴで射殺されてしまう。果たして男はなぜサンディエゴに行ったのか、また彼を殺したのは誰なのか。
    謎が謎を呼ぶ展開で面白かったが、最後はちょっとなぁ、と少し残念な感じ。

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    2025年02月13日
  • ベルリン飛行指令

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    かなりおもしろい。男のロマンですね。それをロマンと感じる自分も男ですw
    日独伊同盟直後、2機の零式戦闘機がベルリンにいったという噂があった。
    それで佐々木さんが調べ、限られた証拠や証言の中から物語におこしたもの。

    佐々木さんは文章がうまい。安心感ハンパない。

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    2011年07月30日
  • 天下城(上)

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    穴太衆・・・信長の城を初め
    多くの石垣を積み上げてきた集団

    城に仮託して理想を求める男の
    姿を佐々木先生が描き出してます

    本当にあったかのように読者を導く
    作家の力を味わってください

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    2011年06月18日
  • 五稜郭残党伝

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    全1巻。

    幕末、五稜郭で幕軍が降伏するとこから
    物語はスタート。
    タイトル通り、五稜郭の残党の話。
    逃走劇。

    近年発掘された、歴史と合わない遺留品を基に、
    小説としての自由な発想で描かれた時代もの。

    おもしろい。

    短いので、やれ思想だなんだって深さはそんな無いけど、
    行き当たりばったりで事件に巻き込まれ、
    だんだんと思う所がある感じになってくる主人公達。
    ベタだけど爽快で切ない。
    後書きにもあるけど、
    日本の幕末に時代を移した西部劇。

    実際、こんだけ大きな歴史の転換期に立ち会ったら、
    どんな風に動けんのかなと思った。
    自分が。

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    2011年06月13日
  • 天下城(下)

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    戦国時代を背景としているが、主人公は武将ではなく、石積み職人。数奇な運命を辿りながら、近江の石積み、穴太衆の職人としての道を切り開き、天下の名城・安土城を築くまでにいたる主人公・戸波市郎太の一代記である。単なる石積みではなく、戦における攻守の戦略に基づき、かつ風雅をも兼備えた石垣作りの様はとても興味深かった。有名な武将、合戦がいくつも登場するが、それを石積み職人から見るのも面白い。こういう本を読むと、各地の城巡りをするのもいいかなと思う。

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    2011年06月10日
  • ユニット

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    山口県光市母子殺害事件をモチーフにしているのか。二人の関係者が徐々に近づいてくるドキドキ感がよかった。
    とにかく、DVの旦那が怖い・・・

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    2011年05月28日
  • ユニット

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    重く苦しい運命によって自らの「ユニット」を望まずして失ってしまった人々が、新たな出会いからふたたびユニットを作り上げていく。人生は一期一会。

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    2011年05月26日
  • ユニット

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    ネタバレ

    登場人物は
    17歳の少年に妻を陵辱され乳飲み子まで殺され人生を投げ出した男、真鍋。
    警察官の夫のDVに耐え切れず子供と共に逃げてきた、裕子。
    ひょんなことから彼らを雇うことになった工務店店主、波多野。
    真鍋の妻子を殺害し7年の刑期を終え出所してきた、川尻。
    妻の出奔に憤りが収まらない警察官、門脇。

    犯した罪と少年法の処罰に納得が出来ない男が復讐に目覚める。
    裕子の夫・門脇は刑事という立場を利用し裕子の跡を追う。
    追う者、追われる者のスリリングな展開に、犯罪被害者の心情や家族のあり方を盛り込んだ快作でした。

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    2012年01月22日
  • ストックホルムの密使(上)

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    9/4:やっと読み終えた。第二次世界大戦超末期において如何に戦争を終わらせるか、という歴史的に大きなターニングポイントを国内の海軍、陸軍、ストックホルムの武官、ポーランド人を通じて描いている。
    陸軍、憲兵の思考硬直っぷりには辟易してしまうが、憲兵と山脇の議論は一見の価値あり。
    当時の日本の上昇志向、乾いているってのは強み。方向性まちがっていたけど、今の日本を見るとみんなビチャビチャに浸かっててなんの力も生まれない。
    8/23:読み始めた。

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    2010年09月04日
  • 鉄騎兵、跳んだ

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    z2が出た頃cb750に乗る主人公はそのバイクに出会い、公道でレースをする。
    主人公は勝負に負け、自分が率いていたバイクチームもバラバラになっていく。そこで主人公はまたz2に勝負を仕掛ける。
    z2とcb750のみの観客のいないレースは主人公の勝利で幕を閉じる。
    以前に負けたときにいた仲間はどうしたと問われた主人公は、あいつは死んでしまったよ。警察の取り締まりから逃れようとしてと答える。

    もうチームは解散していた。
    勝利ではあったが自分は何の為に戦ったのだろうと自問する主人公のみが残る。

    というように全編レースを主題にした作品。
    佐々木譲の処女作。
    レーサー特有の焦燥感が非常に繊細に描写され

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    2010年07月10日
  • 鉄騎兵、跳んだ

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    約30年振りに復刻。表題作は警察小説の名手である作者のデビュー作。バイクレースに関わる人もバイクを知らない人にもお勧めできます。

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    2010年06月30日
  • ストックホルムの密使(下)

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    第二次世界大戦シリーズ3作目。上下巻。前の2作と比べると、物語自体が長いこともあり前半に大きな動きはありません。上巻の後半から物語が加速してゆきます。シリーズを通して登場する人物の個性がここにきて「あぁ、これで3部作も終わりなのだ…」と言う感慨を後押しします。

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    2010年06月23日
  • ベルリン飛行指令

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    圧倒的な空軍力を持ちながら、BATTLE of BRITAIN を征しえなかったドイツ。
    ヒットラーの鶴の一声で、航続距離の長い零戦の評価試験を行うことになり、
    日本から長躯、2機の零戦がドイツを目指す。

    長距離飛行試験のくだりは『大空のサムライ』を、
    日本からドイツへの飛行経路は神風の欧州訪問飛行を参考にされたのだろう。
    零戦の空輸飛行の描写自体はあっけないが、それ以前の、
    太平洋戦争突入前夜の日本の世相描写が興味深かった。

    ラスト・シーンの描写が鮮やかで、
    残った燃料の霧を撒き散らしながら砂漠目指して蒼穹を舞い落ちる
    僚機の増槽が目に見えるようだった。

    本作品の前日譚『鷲と虎』もお奨

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    2012年11月13日
  • 屈折率

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    先が読めないのでのめり込む。登場人物の個性が豊かで飽きない。ガラス工芸も画家もアーチストの本質は皆同じなんだなぁ。そうゆう世界で生きたいなぁ、と思いました。

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    2010年06月04日
  • 鉄騎兵、跳んだ

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    佐々木譲のデビュー作短編集が文春文庫版で復刊しての登場。表題作はデビュー作にしてオール読物新人賞受賞作。「初めての応募が新人賞受賞」ではなくて「初めて書いた小説が新人賞受賞」なのだからその非凡さが伺える。後の佐々木譲小説の根幹になる「反権力」の視点こそ登場しないがもう一方の柱である「常にフェアであること」という思想は全作品に通じている。表題作こそ、「どこの新人作家だ」って感じはしますが、デビュー作掲載から8ヶ月で書き下ろしたとは思えない完成度。

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    2011年08月19日