佐々木譲のレビュー一覧
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ネタバレ今日の1日で読みきった。
圧倒的民主主義の日本では共産主義、社会主義が好ましく捉えられていないので、これまで革命について深く知ることがなかった。そんな中でこの本を読んで革命も国のために行うというごく当たり前のことを知った。キューバの腐敗した政府から政権を取るために奔走したフィデル・カストロの物語は、自分に高揚感を抱かせてくれた。何度も頓挫しながら腐敗した政府をあらゆる手段で攻撃し続けて最終的に武力で打破したことが何よりも印象に残った。またキューバ危機についての理解も深まり、社会科の教員になるための知識が得られてとても嬉しい。
このカストロやヒトラーなど一国を大きく変革する人物は、言葉を巧みに使 -
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舞台は北海道。とある事件によってメンタルを病んでしまい休職中の刑事、仙道が主人公。療養中で暇を持て余している彼のもとへ、過去の事件で関わりのあった人々から依頼が舞い込む。休職中で警察権限を使えない仙道だが、警察関係の人脈と地道な調査によって事件を解決に導く…というパターンの連作短編集。
名前は知ってたけど初めて読む作家さん(多分)
最初、シリーズものの1冊かなと思ったけど違ったようだ。
表題作の「廃墟に乞う」は第142回直木賞受賞作。さびれた北海道の町の情景が哀愁を誘う。が、正直なんでこれが直木賞に選ばれたんだろう?と思った。
仙道は優しい人物なんだろうけど、なんだか人物像がぼんやりしていて -
Posted by ブクログ
道警シリーズ、第1シーズン完結編。
「笑う警官」から、どれくらいの年月が経っているのか、もう分からないけど、佐伯、津久井、小島の決断を描いた本作。
本筋から離れながらも、それぞれの場所で活躍を続ける3人だったが、そろそろ本筋に戻る時が迫る。
車輌盗難を捜査する佐伯、繁華街でスマホを奪われた少女の対応をする小島、機捜として立てこもり事件をスマートに解決する津久井。
相変わらず、三者三様活躍を続けているが、札幌近くの厚真で起きた強盗殺人事件が3人の追っている事件を結びつけていく。
今、警察物と言えばこれ!と言うぐらい出て来る「闇バイト」を扱いながらも、これまでの道警シリーズさもきちんと描かれ、40 -
Posted by ブクログ
太平洋戦争で敗戦を喫した4年後の1949年、GHQの統治が続く東京を舞台にして物語は始まる。
主人公の藤堂真樹は、陸軍中野学校出身の元破壊工作員、俗に云うところのスパイだった。
その真樹は、勤め先の労働争議の場で暴力を振るったとして現行犯逮捕され、警察に留置されていた。
そこに進駐軍の憲兵隊が現れ、真樹は身柄を引き取られる。
その真樹を、東京帝国大学の歴史学者である守屋淳一郎と理学部の和久田元教授がGHQから解放し、そして元工作員のキャリアを活かしての仕事を依頼する。
その仕事とは、満州事変が勃発する前の時代に遡り、関東軍の暴走を阻止して太平洋戦争に至らない工作を実行して欲しいと云う内容だった