佐々木譲のレビュー一覧
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道警シリーズの7作目。このシリーズ、順番違えて読んだりしてたけど、去年の夏に出ていたものにここで漸く追いついた。
今回は、札幌の夏の風物詩として定着したというサッポロ・シティ・ジャズの出演者を巡り、佐伯と津久井がジャズ好きでそれぞれがサックスとピアノを操るという最初の頃の設定を思い返させながらお話は進む。キャラクター設定は既に安定も、佐伯と小島の間には進展があるなど、少しずつの変化が加わり飽きさせない。
前半、肝になる話が見え辛いものの、今回はいつもと少しパターンが異なり“津久井の純愛”がメインテーマとなってからは、彼が追う事件を中心に一気呵成。相変わらず話の運びは巧い。
しかし、どんなに惚れ -
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道警シリーズの5作目。東京出張、往復の新幹線の中で読み進む。
この前7作目が出たけれど、6作目を読んだ時にこの本を読んでいないことに気がつき、その内読むわと思っていたのが今になる。
晩秋の釧路、函館、小樽で3つの死体があがるプロローグ。
その内、小樽の事件に機捜の応援で津久井が借り出される一方、佐伯+新宮は路上荒し、小島は少女連れ去りといういつもの日常の小事件に取り掛かる。
4人がランチを一緒にする中で、それぞれが担当する事件とプロローグの死体がつながりを見せ、そこからはそれぞれが並行する事件にあたりながら、最後はひとつに収斂するいつもの流れ。
相変わらずのテンポの良さで、それぞれの個性も最早 -
Posted by ブクログ
休職中の刑事にプライベートを通じて捜査依頼が来るというのはなかなか考えにくいのですが、日本では不倫調査ぐらいしかしない私立探偵の代わりにと考えれば若干リアリティーは有ったりします。
或る事件に関わってPTSDになってしまい、それを癒すための休職なのですが結構逆効果になりそうな内容も有ったりで、大丈夫か?仙道?と心配になる事もちらほら。
表題作がとにかく面白いのでお勧めではあるのですが、一番PTSDに悪いのではないかと思うような話でもありました。
表題作の題名は本の題名でもあるのである意味リーダートラックなのでさすがの出来で、廃墟と貧困と殺人が絡み合ってやるせない気持ちになりました。
僕にとっ -
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「警官の血」の続編というかスピンオフというか。3部の加賀谷刑事にスポットをあてた「その後」のお話。
作者にとって加賀谷が一作で使い捨てるには魅力的なキャラクターということだったんでしょうか。ひたすら渋くてかっこいい大人の男みたいな描かれ方をしてます。というか、そここそがこの小説の見どころなんじゃないでしょうか。
でも自分からすると、前作のラストで主人公の若い彼女を寝取って覚せい剤キメての情事を想像させ(結局してなかったわけですが)捨て台詞を吐いて物語を退場させられたラストからしてあんまり好感はなかったんですが。主人公からして、そのことも「あれはあれでしょうがなかったんだ」みたいにふわっとした -
Posted by ブクログ
感想は上下合わせてのものです。
3世代にわたる警官の物語。こういう読み応えのある話が結構好きです。それぞれの人物にドラマがありつつも、「初代の死の真相」という共通のテーマもあり縦軸もしっかりしてるし。
で、最終的にはその真相が明らかになるわけなんですが・・・結構早い段階でその真相ってなんとなく想像がついちゃって・・・その点は残念ながらちょっと興ざめ。そしてそれぞれの話とその真相をめぐる話が割と乖離しているようにも感じました。そりゃちょっとは話の接点はあるにせよ。
特に和也の話で顕著に感じました。加賀谷の話とか結構展開がありそうなのに。。
と思ったら続編みたいなのがあるんですね。そっちも読んで