佐々木譲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
サンディエゴで日本人男性が殺害され、妻子と友人たちが現場に向かう。だが警察の取調べに妻はなぜか口をつぐむ。遺留品には、1969年にサイゴンで起きた日本人爆死事件の切抜きが。事件の背景には札幌の新設校に集った男女六人の過去が、深く関わっていた…。「政治の季節」の青春と今を繋ぐミステリ長編。
題名の意味は読むと納得。
青春時代を共に過ごした仲間の一人が殺害されて、アメリカで皆集結する。なかなか考えにくいシチュエーションではありますが、その濃密な関係性がとくとくと語られて行きます。
ハードボイルドでは無い、ミステリーなんだけれども捻りはかなり少なめ。
ミステリ -
Posted by ブクログ
道警シリーズの第4弾。
これまでの道警シリーズとは少し違ってガッツリと重い物語ではない。
ストーカーされていた女性・香里を護衛していた小島百合の活躍で逮捕された犯人が逃亡したことにより起こる様々な出来事を追っていく物語だ。
中盤ですでに怪しげな人物は浮き上がってくる。
前半で語られていたあるエピソードが犯人像と結びついて展開が読めてしまう。
最終的に逮捕された真犯人の叫びがこの物語で一番印象に残った。
手を差し伸べられる被害者と、誰も助けてくれない被害者。
その差は何だろうと…。
きっとそれは一歩踏み出す勇気なんだと思う。
もしもあのとき自ら立ち去らなければ。
もしもあのとき勇気を出してすべて -
Posted by ブクログ
法律の抜け道、グレーゾーンを最大にいかして成長してきたサラ金業者。
追い詰められた債務者たちは多重債務に陥り、やがて自己破産へと転落していく。
家庭は崩壊し、自殺にまで追い込まれた者たちも多い。
物語は、けっして若いとは言えない元債務者たちの復讐劇である。
清掃業者という立場を最大限に使い、次々とターゲットを殺害していく。
香港に逃れていた元専務が来日するという噂は、彼らを復讐へと駆り立てる。
搾取したという自覚はない。
もちろん罪の意識もない。
上手く立ち回ることが出来ないほうが悪い・・・元専務だけでなく「金がすべて」を行動の基準にしていた人間たちがたぶんこの時代にはたくさんいたのだろう。
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Posted by ブクログ
短編集。
ある事件によって休職を余儀なくされた仙道。
心療内科の医師が、勤務復帰OKの診断を下さない限り、本来の勤務に復帰できない刑事・仙道。
療養生活に入ってから11ヶ月が経ち、症状も改善した。
それでも人事課は復帰を認めない。
時間だけはたっぷりとある療養生活を送りながら、仙道は知り合いに依頼されたりたまたま遭遇した事件と関わっていく。
当然事件は管轄の刑事が仕切っており、仙道は目立たぬように事件の筋を追っていく。
警察手帳を持たない警察官には、多くの制約が課せられる。
もちろん逮捕権はない。
物語は仙道に復帰のきざしが見えたところで終わっている。
彼には乗り越えなければならない記憶があり -
Posted by ブクログ
ネタバレ評価は3。
内容(BOOKデーターベース)
サッポロ・シティ・ジャズで賑わい始めた初夏の札幌・市内で起きた宝石商の強盗事件を追っていた機動捜査隊の津久井卓は、当番明けの夜に立ち寄ったバー「ブラックバード」でピアニストの安西奈津美と出会う。彼女は、人気アルトサックス・プレーヤーの四方田純から声がかかり、シティ・ジャズへの出演を控えていた。ジャズの話をしながら急速に深まる津久井と奈津美の仲。しかし、そんななか中島公園近くの池で女性死体が見つかり、奈津美に容疑がかかってしまう…。大好評、“北海道警察”シリーズ、第七弾。
第6弾を飛ばして読んでしまったが問題なし。登場人物のバックヤードは読んでい