佐々木譲のレビュー一覧

  • 勇士は還らず

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    内容(「BOOK」データベースより)
    サンディエゴで日本人男性が殺害され、妻子と友人たちが現場に向かう。だが警察の取調べに妻はなぜか口をつぐむ。遺留品には、1969年にサイゴンで起きた日本人爆死事件の切抜きが。事件の背景には札幌の新設校に集った男女六人の過去が、深く関わっていた…。「政治の季節」の青春と今を繋ぐミステリ長編。

    題名の意味は読むと納得。
    青春時代を共に過ごした仲間の一人が殺害されて、アメリカで皆集結する。なかなか考えにくいシチュエーションではありますが、その濃密な関係性がとくとくと語られて行きます。
    ハードボイルドでは無い、ミステリーなんだけれども捻りはかなり少なめ。
    ミステリ

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    2017年04月25日
  • 巡査の休日

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    道警シリーズの第4弾。
    これまでの道警シリーズとは少し違ってガッツリと重い物語ではない。
    ストーカーされていた女性・香里を護衛していた小島百合の活躍で逮捕された犯人が逃亡したことにより起こる様々な出来事を追っていく物語だ。
    中盤ですでに怪しげな人物は浮き上がってくる。
    前半で語られていたあるエピソードが犯人像と結びついて展開が読めてしまう。
    最終的に逮捕された真犯人の叫びがこの物語で一番印象に残った。
    手を差し伸べられる被害者と、誰も助けてくれない被害者。
    その差は何だろうと…。
    きっとそれは一歩踏み出す勇気なんだと思う。
    もしもあのとき自ら立ち去らなければ。
    もしもあのとき勇気を出してすべて

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    2017年04月08日
  • 回廊封鎖

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    法律の抜け道、グレーゾーンを最大にいかして成長してきたサラ金業者。
    追い詰められた債務者たちは多重債務に陥り、やがて自己破産へと転落していく。
    家庭は崩壊し、自殺にまで追い込まれた者たちも多い。
    物語は、けっして若いとは言えない元債務者たちの復讐劇である。
    清掃業者という立場を最大限に使い、次々とターゲットを殺害していく。
    香港に逃れていた元専務が来日するという噂は、彼らを復讐へと駆り立てる。
    搾取したという自覚はない。
    もちろん罪の意識もない。
    上手く立ち回ることが出来ないほうが悪い・・・元専務だけでなく「金がすべて」を行動の基準にしていた人間たちがたぶんこの時代にはたくさんいたのだろう。

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    2017年03月23日
  • 廃墟に乞う

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    短編集。
    ある事件によって休職を余儀なくされた仙道。
    心療内科の医師が、勤務復帰OKの診断を下さない限り、本来の勤務に復帰できない刑事・仙道。
    療養生活に入ってから11ヶ月が経ち、症状も改善した。
    それでも人事課は復帰を認めない。
    時間だけはたっぷりとある療養生活を送りながら、仙道は知り合いに依頼されたりたまたま遭遇した事件と関わっていく。
    当然事件は管轄の刑事が仕切っており、仙道は目立たぬように事件の筋を追っていく。
    警察手帳を持たない警察官には、多くの制約が課せられる。
    もちろん逮捕権はない。
    物語は仙道に復帰のきざしが見えたところで終わっている。
    彼には乗り越えなければならない記憶があり

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    2017年03月01日
  • ストックホルムの密使(上)

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    太平洋戦争末期。中立国スウェーデンでの戦争を終わらせようと苦悩する武官。
    しかし、日本本国では情報を握りつぶしてしまう。
    下巻での密使の活躍が楽しみだ。

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    2017年02月18日
  • 憂いなき街

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    ネタバレ

    評価は3。

    内容(BOOKデーターベース)
    サッポロ・シティ・ジャズで賑わい始めた初夏の札幌・市内で起きた宝石商の強盗事件を追っていた機動捜査隊の津久井卓は、当番明けの夜に立ち寄ったバー「ブラックバード」でピアニストの安西奈津美と出会う。彼女は、人気アルトサックス・プレーヤーの四方田純から声がかかり、シティ・ジャズへの出演を控えていた。ジャズの話をしながら急速に深まる津久井と奈津美の仲。しかし、そんななか中島公園近くの池で女性死体が見つかり、奈津美に容疑がかかってしまう…。大好評、“北海道警察”シリーズ、第七弾。

    第6弾を飛ばして読んでしまったが問題なし。登場人物のバックヤードは読んでい

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    2017年02月10日
  • 人質

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    道警シリーズ第6弾。
    小島さんがメインの巻。佐々木譲さんの本を沢山読んできた成果なのか、ストーリー展開が読めるようになってしまい…。早い段階で犯人が絞れてしまってまして(笑)ドキドキハラハラ感が無かったのが残念ですが、チームワークの良さはいつもながらで本当に安心して読めます。長正寺さんレギュラー入りですかね。どうやら津久井さんにマジ惚れしてしまいました。次巻も楽しみ。

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    2017年01月07日
  • 密売人

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    密売人…ね。なるほど。それにしても、残念ながら内から腐ってるんだね、道警は。佐伯、津久井が優秀な刑事である事を再確認した巻だった。ストーリー的にはちょっと地味だったけどね。新宿鮫読んだ直後だったからかな?

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    2016年12月21日
  • 制服捜査

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    道警察の不祥事により、大規模な移動が行われた。
    それによって、駐在所に単身赴任する事になった。

    連続短編集ですが、回を追うごとに
    ある種閉鎖空間である村の怖さが…。
    どれもこれも微妙に後味が悪い終わりですが
    すべての理由は一貫して、これかと。
    最後など、関係のない人間を巻き込んで、です。

    現実にありそうで、ぞっとします。

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    2016年11月28日
  • 代官山コールドケース

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    「地層捜査」の2年後の設定。1995年に起きた事件とそれから17年後の事件が次第につながっていく様子が霧が晴れていくよう。
    登場人物の目を通して時を超えて行ったり来たりの描写に懐かしさを覚えたり、現在の様子に想像を膨らませたりして楽しませてもらった。
    いかにせん、この作品と同様に、コールドケースとなった事件が、真実にたどりつけるケースが増えることを祈るばかり。

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    2016年11月16日
  • 鉄騎兵、跳んだ

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    短編5編。
    表題のモトクロスレーサーの話は作者がモトクロスを初めて見に行って面白そうだから書いた、というデビュー作。モトクロス狂だろうと思わせるような臨場感あふれるレース描写だったのに…驚き。
    他は公道レース、ツーリスト、漕艇、テニスを扱った4編。
    青春期にある青年の揺れる心や無謀さ、こだわりが面白い(最後のテニスの一編だけが大人の男女を扱っていて非さわやか)。
    勝利にこだわっているように見えて本当は完全燃焼することを求めている青年達の思いを疾走感に乗せて書いた作品たちは三十年以上経ても鮮やか。

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    2016年11月10日
  • 廃墟に乞う

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    直木賞受賞作って感じはしない。休職中の警官が、立ち寄った町の事件を解決していく短編集です。好みで言えば、制服捜査がいい。

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    2016年10月18日
  • エトロフ発緊急電

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     こちら「面白いおすすめ本」として記憶にあって、やっと読むことができた。すすめていたのが雑誌なのか小説のあとがきだったのかは不明。『エトロフ発緊急電』は太平洋戦争三部作の2冊目、他に『ベルリン飛行指令』『ストックホルムの密使』がある。この2冊もぜひ読んでみたいものだ。ところで『エトロフ発緊急電』は吉村昭著『大本営が震えた日』(新潮社 1968年)の日本軍が真珠湾攻撃に際し、敵軍の発見を恐れ北上海路を取った経緯が細かく小説になっているが・・・1989年新潮社発行された本書はこの本を参考にしているのだろうか、ちょっと気になる。

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    2016年09月21日
  • 暴雪圏

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    まずは、雪国って大変だ~と。いや、本心で。
    いろんな事件が同時進行で、登場人物が次々出てくるしで、少々混乱しながら読んだ。なるほど最後こんなふうにリンクするのか、お見事です。
    キャストが多すぎて、川久保巡査部長が存在感薄なのがちょっと残念だった。佐々木譲さんはラストをこんな風にするの多いな。

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    2016年09月15日
  • 警官の血(上)(新潮文庫)

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    「警官の条件」を先に読んでしまったので楽しめるか少し心配だった。安城家は三世代に渡って優秀な警察官だったのか…。しかし、だからこその悲劇に見舞われるという皮肉。上巻は淡々と進む。下巻に期待。

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    2016年08月30日
  • 制服捜査

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    話自体は1話で完結しているが
    それぞれがどこがでつながっている。

    淡々と話が進むので
    盛り上がりには今ひとつ欠けたが
    この作者の警察シリーズは
    どれも分かりやすいので
    さ~と完読。

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    2016年08月15日
  • 代官山コールドケース

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    分厚い。でもほとんどが同僚との会話か聞き込みの会話なので時間はかからない。前作同様、短い時間にあれよあれよと犯人を絞り込んでいく。時効前の捜査担当していた警察は無能か?
    それで最後は17年も逃げおおせていた犯人があっさりと落ちる。
    今回登場したパートナーの四十路婦人警官は再登場あるのか?その前に3作目があるのか?
    北海道警シリーズもだけど最近の作品は次が早く読みたいというワクワクがなくなってきた。

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    2016年07月26日
  • 代官山コールドケース

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    ネタバレ

    たった2日間の捜査の話。
    でも1つ1つの捜査を丁寧に描いているので、読みごたえあり。
    ただ、ひたすら捜査してるだけなので、たんたんとしている感じが。

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    2016年07月18日
  • 天下城(下)

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    完結。

    史実に即した物語である分、感慨深く読み進められた。小説というよりは、戸波市郎太という石積み職人の伝記を読んでいるかのような。

    ★3つ、7ポイント。
    2016.06.03.図。

    ※最大の山場は、「長篠の戦い」か。手に汗握って読み耽ってしまった。

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    2016年06月03日
  • 地層捜査

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    15年前の殺人事件の再捜査から、その原因となったさらに30年前の殺人事件に辿り着いた。
    そして15年前に疑われていた理由とは異なる事件の本質が見えてきた。
    四谷荒木町界隈の谷底に深く潜っていったような読後感。

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    2016年05月28日