佐々木譲のレビュー一覧

  • 憂いなき街

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    面白かった
    道警シリーズ第七弾!
    前作に引き続き、エンターテイメント作品として楽しめました。

    今回のメインは津久井卓巡査部長。
    事件解決に加え、今回は佐伯と百合の仲が一歩進みます。そして津久井の純情物語

    ストーリとしては
    宝石強盗事件を捜査している津久井はブラックバードでジャズピアニストの安西奈津美と出会います。
    ジャズで盛り上がる二人は一夜の仲になりますが、明らかになる奈津美の過去..
    奈津美はサッポロシティジャズに出演し再起をかけようとしていますが、殺人事件の容疑がかかります。
    アリバイがあいまいな奈津美
    任意でも引っ張られてしまえばステージには間に合わず、ピアニストとしての再起もかな

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    2021年11月06日
  • 廃墟に乞う

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    ネタバレ

    私の好きではない短編集と知らずにbookoffで購入。
    正直、ぼちぼちでした。

    そもそも、短編集が好きではない理由は内容が浅いから。
    起承転結で言えば、それが1サイクルで終わるものが多いし、
    承から転の間が短いので浅く感じてしまいます。

    この方の長編は何冊も読んでいて、重たい空気で起承転承転承転と
    繰り返しながら、捜査が進んでいくのですが、
    やはり短編なので起承転結の1サイクルで事件解決している。

    それを除けば、面白かったとは言えると思います。

    備忘録として内容を少し書いておくと、
    メンタルを患ってしまった刑事仙道の休職中の話。
    休職中という曖昧な立場なので、各方面から相談がきて、

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    2021年10月26日
  • 人質

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     『道警大通署』シリーズ6作目。再読。

          * * * * *

     今回も政治家の腐敗や高級官僚の不遜さ、さらに権力組織の醜悪さと、巨悪を扱った点で読み応えがありました。

     残念だったことは2点ありました。

     1つ目は、物語が心理戦の様相で展開するため、ダイナミックさには乏しかったことです。
     2つ目は、佐伯の推理と百合の洞察が事件解決の原動力となるのに、2人の登場頻度が高いとは言えず、全体的に低調なままクライマックスを迎えてしまったことでした。

     その理由はいずれも、人質事件をメインにした作りであることから来ていて、主要人物の動きを制約する設定で物語を作ることの難しさを感じま

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    2021年10月30日
  • 地層捜査

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    未解決事件の再捜査。過去の資料を紐解きながら現場を這う。それはまさに地層を掘り返していくかのような、執念の推理と捜査劇。
    見えてきた一筋の光をこじ開けながら、少しずつ少しずつと真実に近づいていく緊迫感、臨場感は申し分ない。水戸部と加納の絶妙なコンビ。

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    2021年10月03日
  • 夜を急ぐ者よ

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    偶然の出会いから生まれた恋、そして数年後の偶然の再開。ここまではなんだかとてもロマンチックなラブストーリーの予感もあるが、そう簡単にさせないのが佐々木さん(笑)
    そこにハードボイルドストーリーが重なれば、ラブストーリーも雲ゆきが怪しくなってくる。決して叶わぬ恋に終るだろうなと。そしてまた不運な結末になるのだろうなとあらゆる想像が掻き立てられる。結末は読んでからのお楽しみで。
    クライマックスでは謎を残すシーンもあり、更に読者の想像力は膨らむ。

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    2021年09月25日
  • 制服捜査

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    骨ばった作品もいいが、こういった方から力を抜いたシリーズは好き。川久保氏のシリーズになっているみたいだから、チョイスしなきゃ。
    「逸脱」「遺恨」「割れたガラス」「感知器」「仮装祭り」何れも北海道の寂れている(であろう)エリアが舞台
    共通して感じるのは典型的な閉鎖空間、入って行きにくい「俺ら」が町
    口を挟めないだけに、白でも黒と言わざるを得ない、時には傷が出来るような事件と化すが、警察沙汰になることを避けるのでお偉方が直々もみ消してきた過去。
    たださえでも「黙ってろ」扱いの駐在・・なまじっか実力があるだけに川久保の動きが爽快。

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    2021年08月20日
  • 新宿のありふれた夜

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    以前住んでたし、好きな新宿、もう2年も行ってなくて、強烈になつかしかった。スピード感と、小説の世界を展開するのに必要十分な人物描写、バランス良いように感じた。加えて、インドシナ難民や日本の難民受け入れ体制の酷さについても織り込まれ、社会的な背景もきちんと伝わるようにできている。いつもの(サビれた)バーの最後の日に居合わせた人達が、自分のものさしを信じて人助けする姿が清々しい。映画化したら、いいかも。リンはゆきぽよがいいかもしれない、と思いつき。

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    2021年08月14日
  • 沈黙法廷(新潮文庫)

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    どうしても、黒川さんの「後妻業」と重ねてしまう。面白みで言えば、あちらに軍配が上がるかな・・が、こちらもなかなかボリュームからしてもリーダビリティあり。
    高齢の独身、金アリ男性と家事代行兼デリヘルもどき?というと下世話な興味も募るのだろうか・・でもあるあるの内容だった。

    警察小説プラスの法廷モノ、表題は後者で付いているが。審理を傍聴した経験がないものにとってはリアル感有りのなかなか、面白いものだった。

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    2021年08月11日
  • 雪に撃つ

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    道警シリーズらしいが、追っているファンでならずとも、佐々木氏の警察モノ好きには安定した面白みで読ませる。

    モジュラー型展開、ラストに向けて収斂していく展開に無駄がなく、変に饒舌な小ネタ挟んでいないのは私好み。

    中盤過ぎても大きな事件起きるわけでなく、札幌雪祭りの前哨戦に向け、きな臭い事件が散髪し、佐伯、新宮、津久井、長正寺らの臨場感はやり取りの会話でビシバシ感じる。

    終えてみれば警察モノ情景ストーリー・・一気読みさせる内容はあった。

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    2021年08月05日
  • 廃墟に乞う

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    1 本書は佐々木讓氏の作品です。佐々木氏は、北海道シリーズや「警察の血」等の警察小説を得意にする作家です。本書は、主人公の仙道刑事が活躍します。6編からなる短編連作の警察小説で、直木賞を受賞してます。
    2 この「廃墟に乞う」の犯人である古川は、極貧の中で育ちました。母親は、体を売って金を稼ぎ、2人の子供を育てるという生活でした。そうした中で、主人公は、“母親が食うに困って、幼い妹をダムに投げ込んで殺そうとする異常な光景”を目撃する。さらには、子供を残したまま、失踪した母親を許せず、同じように体を売って生活している、風俗嬢を殺してしまう。最後は、犯人がダムに投身自殺して、物語は終わります。

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    2021年06月30日
  • 雪に撃つ

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    大通警察署シリーズですね。いくつかの筋が同時に進み、最後の最後で全て重なります。他のシリーズ同様、面白かったですが、もう少し人間関係(佐伯刑事と小島百合)の描写があってほしかったかな。

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    2021年06月13日
  • 廃墟に乞う

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    第142回直木賞受賞作品
    でも、ちょっと物足りない
    短編連作の警察小説です

    ストーリとしては、PTSDとなった刑事の仙道が休職中にプライベートとして携わる6件の事件の物語
    ドンパチはありませんが、一つ一つの事件の裏側にある人間臭さ、どろっとしたところ、ほわほわした仙道が明らかにしていきます。

    ■オージー好みの村
    ニセコで起きた殺人事件。その容疑者としてあるオーストラリア人があげられます。その容疑者の容疑を晴らしてほしいという女性の願い。
    殺人事件の真相と、このオーストラリア人が守ろうとしていたものとは?
    そして依頼人の想いとは?

    ■廃墟に乞う
    13年前の事件と同様の手口でデリヘル嬢が殺害

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    2021年05月29日
  • 廃墟に乞う

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    佐々木譲がこの作品で直木賞を受賞したとき正直今さら感があった。本人も永年勤続表彰の意味もあったのではないかと言ったそうだ。そう、だからこの作品を代表作と勘違いしてはいけない。期待し過ぎてはいけない。心身衰弱で休職中の敏腕刑事仙道が完全プライベートで捜査する、あるいは相談に乗って事件を解決に導く短編集。トリックとか意外な犯人といった話ではない。人生の光と影とか生き様、そしてどこかセンチメンタルな、そんな昭和な短編集である

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    2021年05月21日
  • 暴雪圏

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    え…!これで終わり?と言う唐突な最期、勿論不消化感。
    読む「ドキュメント12時間」という展開。最近かなり有名になった「爆弾低気圧~ホワイトアウト」の凄まじい描写が作品全体を覆っている。筆者モノを愛する理由⇒ページターナー炸裂だ。白い雪に赤いダウンジャケットの色彩、金庫強盗と反社会組織、精神的に不安定な女性とセックス・金をモチベーションにし世の中を斜めに泳ぎ切ろうとする安っぽい男の点景がフォーカスされて行く。警察モノというものの、川久保巡査のフォルムはどうかすると流れに呑まれ、物足りなかった。でも「制服警官」の作風は好きなので引き続き、読んで行こう。

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    2021年04月07日
  • 雪に撃つ

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    道警シリーズ

    札幌雪祭り前日の慌ただしさの中、佐伯・小島・津久井それぞれが事件に搬送する。
    終盤に向けて、それらが1つの流れにまとまっていくのだが、直接3人が絡むシーンが少なく残念。
    お決まりのブラックバードのシーンも少なく、佐伯・小島の関係も微妙な展開になりそうだし、今後は更に少なくなりそう。

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    2021年04月02日
  • 雪に撃つ

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    北海道警シリーズ第9弾。


    さっぽろ雪まつり前日に起こった車両の盗難事件を追う盗犯係の佐伯と新宮、カーチェイスからの発砲事件を追う機捜津久井、釧路の家出少女の保護に奔走する生安の小島、大通署のいつものメンバーそれぞれの追う事件が次第に一つに集約していく。

    断片情報がパズルのピースのようにはまって、事件の概要が明らかになっていく快感。そして、舞台は大通公園の雪像前。逃げる犯人、追う警察。
    相変わらずいつものメンバーの活躍だけで解決するようなご都合主義は否めないが、シリーズのファントしては満足。

    ただ、札幌周辺や市内の地名の記載が詳しすぎて現地に詳しくない者には臨場感もなければ、スピード感も

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    2021年03月23日
  • 砂の街路図

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    いまいち
    街が主人公の物語
    そう考えるべき

    ストーリとしては、
    父親の死の真相を知るために、北海道の運河町に旅立った岩崎。
    20年前に父親が家族を残し、その町の運河で溺死体といて発見。
    父親はなぜ、その町に行ったのか?

    なかなか話をしない当時の人たち。
    ようやくたどり着いた人物から、法科大学の漕艇部の女性の葬儀に参加するために訪れたことを知ります。
    なぜ、葬儀に参加しに来たのか?
    そして、なぜ、死んでしまったのか?
    父親の大学時代に起きた漕艇部の事件。
    その真相は?
    といった展開です。

    これでもかというぐらい、街の詳細な描写が続きます。
    ななめ読みして読み飛ばしてしまった(笑)
    しかし、

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    2021年03月06日
  • 雪に撃つ

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    久しぶりの道警シリーズで楽しみにして読んだのがいけなかったのか。いつものメンバで紆余曲折も知っていて読んだ割にはすごく物足りない出来。
    consaさんのレビューに100%同意します。転載させていただきます。
    「複数視点で事件を追って最後に収斂というストーリーなのだが読み手は全ての情報を知ってしまうのでもどかしさを感じる。全員が万遍なく活躍したが逆に物足りないのが率直な感想。」

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    2021年03月04日
  • 雪に撃つ

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    02月-25。
    道警シリーズ。雪まつりの前日、自動車盗難、外国人の置き引き被害、女子高生の家出と、事件が相次ぐ。
    対応する佐伯・小島たち。。

    うまく繋がっていく様はさすがの筆力。
    主人公達の関係、立場も少し変化の兆しが。

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    2021年02月26日
  • 沈黙法廷(新潮文庫)

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    何冊か読んでいる作家さんで面白いものが多かったので読書再開のリハビリをかねて。緻密な描写はリアル感があってさすがというところ。

    ノンフィクションでも読んでいるかのような錯覚。ただその分、ネットで事件記事を読んでるように淡々としていてドラマ感は薄いかも。

    警官の血とかに比べると熱さ低し。

    とはいえ捜査から逮捕、裁判までをこのボリュームで一気に読ませる筆致は凄いの一言。

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    2021年02月24日