白井聡のレビュー一覧

  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    資本主義が行き詰まりを見せているのは周知の事実だが、本書はさらに一人ひとりが資本主義の包摂に取り込まれ、人間が自由に生きる判断力を失っていることを指摘する。そら恐ろしい状況である。早く抜け出なければ。

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    2023年06月18日
  • 撤退論

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    内田の依頼に応じた識者たちが人口減少の日本の撤退論を語る。



    それぞれある意味好き勝手に持論を書いている。

    これをここでまとめても意味はなかろう。

    自分の思う「撤退論」を書くことにする。

    識者の意見に影響を受けつつ。



    人口減少は先進国共通の現象であり、これを避けることはできない。

    異次元の少子化で児童手当増額などといいながら、

    扶養控除を廃止したり、社会保険料を増やそうとする政府の愚には呆れる。



    彼らにこそ撤退論が必要なのだ。

    高度成長時代の、人口増加時代の仕組を変えようとせずに小手先だけの政策を行う。

    前例に倣うことしかできない。

    更に省益優先、OBの天下り先優先で国有財産を財団法人に抱え込む。

    違う仕組みが必要なのだ。1年で50万人が減る国には。

    それができないのは、今の仕組のままの方が都合がいい輩が政府、財界の多数派を

    占めるから。何年か何十年かは持つかもしれないが、その多数派はどんどん減る。

    そして皆が貧しくなる。このままの仕組みでは。それは見えている。

    だって確実に人口は減るのだから。増やすには移民しかないのに、それは拒否するのだから。

    絶望しかない。

    撤退論、必要だ。

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    2023年05月29日
  • 撤退論

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    各界の著名人から内田樹氏が撤退について執筆を依頼し、まとめたもの。各専門分野からの種々の視点でどう考えているのかが分かり面白い。

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    2023年05月25日
  • 武器としての「資本論」

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    著者の「今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義 」で読んで、面白かったので、こちらも読んでみましたが、基本的には、同じ感じなのかな?

    こちらの方が、ページ数が多い分、説明が丁寧だし、現代の日本とどう関係するかという話しもあるので、分かりやすい。

    とくに「本源的蓄積」のところは、面白かった。そうか、歴史的にそういうことがあるから、資本主義がスタートするわけだ。

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    2023年04月14日
  • 長期腐敗体制

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    不正で、無能で、腐敗していた二〇一一体制(安倍、菅政権)について、その問題を克明に顕にしている。ここから日本はどう立ち直るべきなのか。

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    2023年02月28日
  • 長期腐敗体制

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    本書は、この10年近く日本政治の低迷·転落を概括的に論じたもので、その間の政治の中心には自民党が鎮座しており、うち7年は安倍政権が施政を行った。そしてその結果、内外政は大きく劣化したと述べている。

    凶弾に倒れたが、安倍元首相が言っていた「あの悪夢(民主党の)のような時代に戻って良いのですか?」には、ずっと引っ掛かっていた。
    この何十年も基本的に自民党が政権を握っていて、政治も経済等自民党がそのシステムを構築·運用してきた結果、バブル崩壊から全く浮上出来ず、技術立国や経済大国等恥ずかしくて言えない国になってしまっているのが実体だ。

    彼の合言葉となっていた、アベノミクスやその手法である「3本の矢」についても、殆ど成果が出ていなかったように思うし(円安誘導で輸出企業を中心に株価が上昇してはいるが)、何しろ実質賃金が下がり格差が拡大してしまっている。

    外交では、2019年ウラジオストクでの会談後には、安倍氏は「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」「ゴールまで、ウラジーミル、二人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか」と宣ったと言う。
    北方領土4島一括返還を国内で言っていたのに、いつの間にか2島返還に舵を切り、プーチンと会談にのぞんだが、「両国の関係改善のために、対米従属関係を見直す用意があるか」と言う主旨のことを言われ、答えられなかったと言う。
    それはそうだよな。だって米国大統領選挙戦期間中に安倍氏は米国を訪れ、勝者が決まっていないため、ヒラリー・クリントン氏とトランプ氏の両方を訪ねようとしたところ、日本の外交官から「トランプが勝つわけがないので、 クリントンのところにだけ行けば大丈夫」と言われ、トランプ氏には会わずにクリントン氏のみに挨拶して帰った。しかし結果はトランプ氏が勝ってしまう。外務官僚をどやしつけ、慌てふためいて就任前のトランプ氏のもとにゴルフクラブを持って参上した。そしてオバマ氏からは「大統領はまだ俺なんだけど」と不快を表明されたようだ。
    米国は重要なパートナーであることは間違いないが、一国の総理大臣がこれではね。

    それでも人気があった。その秘訣とやらも分かったような気がする。
    マーケティングを行い、IQが比較的低くかつ政権を何となく支持する人口の最大のボリュームゾーンであるB層の心を掴むのに長けていたのだ。例えば吉本と蜜月。また自民党とは真逆のリベラルな価値観を謳うフレーズを使ったキャンペーン、子供たちとのコラボ広告、若年層に人気のサブカルとのコラボ等を行い、巧く票を取っていたようだ。18歳からの選挙権も自民党から唐突に提案されたようだが、どうやらこの辺りから来ているようだ。

    主張や実績をよく見て、考えて投票すべきだな。

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    2023年01月23日
  • 武器としての「資本論」

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    資本主義ってそもそもなんだ?今どういう問題を抱えているんだ?ということが分かってよかった

    特に資本主義が人間の魂までをも包摂しつつあるというのは納得。

    ここから私の考えですが、資本主義による魂の包摂に個人のレベルで対抗するには
    •まず資本主義が我々の幸せのためにあるものではないと認識すること。
    •その上で効率をもとめすぎることや、誰かと競争して勝つ、人と比べて優劣をつけると言った、いわゆる資本主義的な価値観から脱出すること。
    •効率化によって切り落とされた手間暇と、それに伴う感情や愛着を取り戻すこと。(例えば料理をする、サブスクばかりでなくレコードを聞いてみる、コーヒーを入れる)
    =効率を求めれば「無駄」に見えてしまうものこそが豊かさであり、それを愛すること。
    •趣味を持ち、自らの心を涵養すること。
    •利害や損得を超えた友人やパートナーと出会い、助け合うこと。
    などが大事なのかなぁと思います。

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    2023年02月24日
  • 日本戦後史論(朝日文庫)

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    単行本で読んだのが 2015年
    あれから もう七年経った
    哀しいことに
    ここで 言い募られた
    「こんな国になってしまった」は
    まだ そのまま
    いや 
    ますます 悪く加速している気がする

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    2022年12月02日
  • 属国民主主義論―この支配からいつ卒業できるのか

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     属国というのはもちろんアメリカの属国である。
     尊皇攘夷ならぬ,尊米攘夷化する日本の現状を,二人が鋭く語っている。
     日本を大切にするはずの右翼が,我が日本の国土を放射能で汚染し,住めないようにした原発の再稼働に賛成したり,日本のあちこちにある米軍基地に賛成したりしている。これを持って右翼というのならば,右翼とは,我が祖国日本を,大企業やアメリカに売り渡すことを主張している団体ではないか。そんな気もしてくる。

    アレックス・カーさんが,「日本人は自分たちは伝統と自然を愛する民族だと言っているけれど,本当はまったく愛していないですよね,それは街並みを見ればわかる」という趣旨のことを書いておられますが,そのとおりだと認めざるを得ません。(本書271ペ)

     上の白井の言葉のあとで展開される「神社本庁と自民党の癒着」の話は,まさに,今話題になっている「旧統一教会と自民党との深い癒着」と似ている。
     神社本庁が,日本古来の神々を大切にしているとは到底思えないもん。跡継ぎ争いで生々しい血を流しながら地位に昇ったある大王(まだ天皇とは言っていない)が作らせた「日本書紀」「古事記」による似非神々を大切にすることが,我が祖国日本を大切にすることとは違うんだけどなあ…。このわたしを立たせてくれている土地は,日本という国ができる前からあったわけだしね。わたしたちのまわりには,自然の力があってそれこそ畏敬の念を持って感謝すべきものだし,人間の振る舞いを反省すべきものでしょう。そこに鳥居が立っているとかどうとかは,どうでもいいことのハズなんだけど,どうも明治政府以来の尊皇攘夷が払拭できていないんでしょうね。それがそのまま尊米攘夷となっているのでは,呆れてものもいえない!(By Kiyoshiro)
     

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    2022年11月01日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    面白かった〜
    30代から70代の、それぞれ生業が違う著者による寄稿集。
    世代によってか、なんとなく色が分かれてたのがまた興味深い。
    引用してるデータはもちろん、参考文献が結構かぶってるのも興味深かった。
    対象読者である大学生の知り合いに贈りたいし、こういうテーマについてよく話す友人にも読んでほしい。

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    2022年10月29日
  • 撤退論

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    資本主義的な競争では敗北した日本だが、現状はまだ物価が安くて住みやすい状況にあると思う。
    経済的な敗北を敗北と思わずに、実質的な豊かさを手に入れられる社会を作れるかが課題。
    私有から共有へ、共有する資産を豊かなものにしていきたい。

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    2022年10月23日
  • 撤退論

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    以前、立ち止まって交通整理することが必要ではないか、+はわかりやすいけど-が評価されにくくて敬遠されるというようなブログを書いていたので非常に興味深い題材でした。
    いろんな人が寄稿しているので中には読みにくいものがあったり、何を言ってるのか、何が言いたいのかがよくわからない人もいたけど、いろんな考え方があって面白く、中でも青木さんや想田監督、平川さんなどは近い考えで興味を持ちました。
    障害とは、健常とは、健全とは?頭が悪い、コミュ障、ノンデリ、自我の喪失、倫理観の欠落などと障害の差は?ふだん考えていたことが青木さんによって明文化されていました。
    常日頃、「誰が」という点に注目が置かれ、その中身に対しては二の次三の次だと感じることがあったが、政党名の威力がわかる調査結果はわかっていたとしてもやはり衝撃だった。
    私はよく岩田さんに共感することがあるんだけど、冷淡な人だと思われがちだというのを見て、自分も「冷めてるね」って言われたことを思い出した。笑
    ここでもうんざりするどころか、そうだよね~って思いながら読んでいましたよ…。
    アジカンのゴッチまで寄稿している幅広さにびっくり。
    みんながすべきことを人に求めるんじゃなくて、1人1人がわからないなりに自分にできることを考えるのが大事だと思います。
    先に目指す方向性があって、そのために何をするかって話であるので、ゴッチの考え方にもとても共感しました。
    終わり方や書き方の形式も独特で面白かったw

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    2022年10月20日
  • 長期腐敗体制

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    政治にあまり詳しくない私でも非常にわかりやすかった。特段、どちらのスタンスという訳ではないが、一方の意見だけ聞くと全体が見えないのだと思う。

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    2022年09月11日
  • 武器としての「資本論」

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    2020年4月刊。
    資本論からの紹介は冒頭と末尾くらいで中間部は関連したたとえ話など。勉強会での議論が元だというが、それらしくわかりやすい話にはなっている。

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    2022年09月10日
  • 長期腐敗体制

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    ネタバレ

    白井聡さんの新書。
    深堀TVの番組見て手に取った本。戦後からの日本政治の流れを大枠で把握する意味でもすごくわかりやすかった。

    インデックスは以下
     序章 すべての道は統治崩壊に通ず - 私たちはどこに立っているのか?
    第1章 2012年体制とは何か? - 腐敗はかくして加速した
    第2章 2012年体制の経済政策 - アベノミクスからアベノリベラリズムへ
    第3章 2012年体制の外交・安保保障Ⅰ - 戦後史から位置付ける
    第4章 2012年体制の外交・安保保障Ⅱ - 「冷戦秩序」幻想は崩壊した
    第5章 2012年体制と市民社会 - 命令拒絶は倫理的行為である
    あとがき

    著者は、2012年から始まった安部政権以降の政権を「2012年体制」と呼び、「政権」ではなく構造的な「体制」だと論じる。たしかに、その後の菅・岸田政権も、結局は安倍政権のコピーでしかない。岸田氏は宏池会なのでちょっと違う路線に見えるが、安部政権時代の官僚をそのまま登用しており、方針にたいした違いはない。安倍政権以上に方向性が定まっていないし。就任してから約1年間、ほぼ何もやってないもんな、この人。。

    この本を読んだ数日前に安部氏は殺害された。
    そして、現在のメディア(・・と言っても私はテレビは見ていないが)は安倍礼賛を繰り返しているらしい。おそらく神格化され、過去の実績(政策の是非、森友・加計、桜を見る会などの問題)を正当に評価する者はマスメディアではほぼ居なく(居られなく)なるだろう。

    この本に書かれている2012年体制で行われていたことは、日本をさらに「劣化」させた。元々劣化してたので、さらに止めを刺した、と言えなくはない。そして、著者もこの本で何度も語っているが、これは「安倍晋三」個人の問題ではない。この2012年体制は「現象」に過ぎず、本当の原因は一番最後の章で語られている、国民自身の「劣化」にある。それは、古くは小泉政権から始まり、2012年体制でも実施した「B層マーケティング」が結実した姿なのかもしれない。

    しかし、5章に書かれてる日経ビジネス(2021年12月27日号)の分析結果は衝撃的だったな・・安部氏の殺害を「民主主義の危機」とか言ってる人がいるが、そもそも日本は民主主義国家ではない、ということをはっきり示してる。選挙とかやる以前の問題だわ。。

    その分析を裏付けるように、このレビューを書いてる2日前に行われた参議院選挙は、当初の予定通り「自民党の圧勝」だった。多くの国民は、「バカ」のまま、「現状維持(国家として下降し続けること)」を選んだわけだ。

    私は、宮台真司氏の影響もあり、「加速主義」の立場を取る。
    今の政治含めた日本社会で既存権力(既得権益)を壊すことなど出来ないし、落ちるところまで落ちるしか改善する方法はないと思う。その過程で多くの弱い人が悲惨な目に合うから、著者の白井氏はこういった本で少しでもその痛みを和らげようとしているのは理解するし尊敬もする。「明日」を「今日」よりほんの少しでもマシにしようとする努力を、私も怠ろうとは思わない。

    しかし、崩壊は避けられないと思う。

    だが、崩壊したその先に「希望」があると思う。
    社会が崩壊すれば人が輝く。出来るだけ早い方が良い。そうなれば、それだけ早く回復できるのだから。

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    2022年07月15日
  • 武器としての「資本論」

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    資本主義の度合いが高まることは、共同体的世界の領域が狭まっていくこと

    共同体の外の権利が共同体を包み込み内部に浸透していくプロセス=包摂

    ネオリベラリズムでは、相対的剰余価値の追求がより加速した。
    人間を資本に奉仕する道具としか見ていない。という見方。

    資本主義=物質代謝の大半が商品によって媒介される。
    資本主義ではこの大半が際限なく高まってゆく性格を持つ。

    資本主義では原則が等価交換。
    労働の対価が労働力の所持者の維持のために必要な生活手段の価値。
    →賃金の生存費説

    だが、デフレマインドで必要の水準が下がっている。

    供給が増えても消費者=労働者が貧しいと買い手がいないため、国外にそれを求めることとなる。
    →帝国主義、世界大戦

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    2022年06月29日
  • 武器としての「資本論」

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    情報化社会を耳にして久しくなるが、そこに疑念を抱くどころか加速する現代、ファスト〇〇がその極地となるのか、もはや文化を "愉しむ" のではなく情報化して "知る" で満足してはいないか。"知らない" は恥ずかしいから "知る"。そこで完結する。思考の放棄に気付かない悲劇はこの国の教育に起因している。受験という "知識の詰め込み" は考えること、数多の解答を良しとせず、"これはこうだ" という方程式でしか教えない。だから学ぶ側は "知る" を優先する。知らないは不都合になる、疎外されたくない、と。そんな環境で育つと格差社会に打ちひしがれても、恵まれる手段を "知らなかった" 自己責任で諦める。それは間違っている。もちろん本書で "知る" こともあるが、大切なのは "思考" であると筆者は訴える。この社会に包摂されたままでいいのか。

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    2022年06月23日
  • 撤退論

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    内田樹さんの寄稿の依頼文をネットで読んで「撤退論」を手にした。岸田総理らの相変わらずの成長「必至」論は具体策も展望も欠くが、国民の側に立つはずの経済学者金子勝さんでさえ成長を説く。なんで目をつぶっているんだろうかと思う。
    16人の中では初めて知ったユウヘイキョウさんのプランBがよかった。探して読んでみたい。

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    2022年06月12日
  • 街場の平成論

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    平成元年は1989年、「ベルリンの壁」の撤去が始まった年であり、その後の東西ドイツ統一、ソ連を含めた東側陣営の崩壊、東西冷戦の終結へと向かっていく最初の年であった。また、この年の12月29日には、日経平均株価が38,915円の最高値をつけ、バブル経済の絶頂を迎えている。この年が絶頂であったということは、平成の時代を通じて、日本の経済は停滞あるいは衰退を続けていったということだ。
    平成が終わったのは、平成31年、2019年のことだ。昭和が終わり平成が始まったのは、昭和天皇のご崩御によったわけであるが、平成が終わり、令和が始まったのは、平成天皇・明仁天皇が自ら退位の意思を示されたからであった。
    平成の30年間というのは、どういう時代だったのか、ということを、内田樹をはじめとする論客たち、白井聡・平田オリザ・鷲田清一・ブレイディみかこ、といった人たちが論じた文章を集めたものが本書である。
    内田樹が最初に書いていますが、平成が始まる時にはソ連が崩壊する等とは全く考えていなかったし、その後、プーチンが登場して、再度、強権的な国家に逆戻りする等ということは思いもよらなかった。また、日本の経済の強さが、ここまであっけなく崩壊してしまうとは全く思っていなかったし、それが30年間も現在進行形で続くとは、全く考えていなかった。
    読んでみての感想は、ことほどさように、未来を予測することは難しいということである。日本の未来に対しては、今のところ暗い予測しかないが、もしかしたら、それがはずれるかもしれない、という超ネガティブな期待を感じた。

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    2022年06月11日
  • 撤退論

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    編者の内田さんは言わずもがな、斎藤さんもユウさんも、その単著では、まんま撤退について論じていたので、本作の内容も推して知るべし。その上で、個人的にもいかに撤退をソフトに行っていくかに興味深々だし、本書を読まない訳にはいかない。政治・経済などの大枠から始まり、だんだんそれぞれの専門分野へと視界が移っていき、最後にまた大きな枠に戻る、みたいな結構。撤退≒縮小を論ずる以上、広い視野の方がベターということはなく、それぞれの観点から興味深い撤退が語られる。どういう撤退が可能で、望ましいのか、立ち止まって考えるきっかけになる。

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    2022年05月09日