白井聡のレビュー一覧

  • 鈴木邦男の愛国問答
    2023年、つい一年前に逝去した鈴木邦夫氏が残したコラム集。
    残念ながら生前の活躍はあまり把握しておらず、
    せいぜい右翼から左翼に転向したとか、彼こそ本当の右翼だ、
    程度しか聞いたことがなかった。
    彼の文章を読んでまず感じたのは、何とも愛すべき人物であった、
    ということ。「右翼」のイメージからか、こ...続きを読む
  • ニッポンの正体 漂流を続ける日本の未来を考える
    「ニッポンの正体」2022年版。沈着冷静な学者と思っていた白井聡は実に熱い男だった。周りの怠惰を溶かすほど活躍してくれ。勉強になった。2024年版も必ず読む。
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義
    audible 。白井聡さんのマルクス入門書? 難しいけど大切なことだ。世の中では「包摂」という言葉がさも大事なこととして使われるが、働く者を取り込む資本の側が都合よく使うことには抵抗しなくてはならない。有名なトヨタのやり方がどれほど労働者を苦しめていることか。
    もっと勉強しよう。
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義
    むずいぃぃ
    しかしなるべく分かりやすく書こうとしていることが伝わりました。

    資本の他者性
    資本とは人間にとって味方ではなく他者である
    つまり、人間が幸せになるために存在している訳ではないということ
    ただただ無限の価値増殖だけを目的にしている
    そして私達人間はいつのまにかその目的の手段となっている
    ...続きを読む
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)
    人新世の資本論で説かれていたことを、さらに具体的にどうやって実現していくか。それを斎藤幸平氏だけでなくさまざまなジャンルの人も語っている。

    杉並区長の岸本聡子さんの章がとてもおもしろかった。
    「共生」や「協力」「包括」「共有」といった、女性的価値で政治や選挙のやり方、組織のあり方をかえていくフェミ...続きを読む
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)
    資本主義による大量生産、大量消費の時代は終わりつつある。この危機を乗り越えるためのキーワードは「コモン」である。私たちも生き方を見直さなくてはならない。
  • 日本戦後史論(朝日文庫)

    単なる対米追従では……

    このお2人の対談本は続けて読みました。ナチス占領下のフランス・ヴィシー政権に関連するエピソーや、アベ政権にまつわる諸々などが印象に残る本でした。
    1年延期して開催した東京オリンピックも無駄でしたし、大阪万博も同様でしょう。
    薩長政治に対する恨みつらみも分かりますが、やはり長いだけだったアベ政権、褒め...続きを読む
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

    興味深い対談本

    国際情勢から今の日本の政治経済、教育やマスメディアの諸問題、割とじっくり語られていました。先日の文化放送の番組に白石氏が出演され、この本にも関連した話をされていたので買って読みました。
    維新は加速主義では?といったような指摘、おおむねあっていそうです。
    今の学校教育では分析知を持った人間、出てこなさ...続きを読む
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く
    ほぼ同じ頃に出版された「鵺の政権」と比べ勉強になった朝日新書。熱い白井聡と大人の内田樹の対談だ。
    「5章日本社会の何が“幼稚 „か」で語られる教育の問題に共感したり反省したり。久しぶりに教師であった自分のことを振り返り、考えさせられた。
    お二人の熱さとクレーバーさのホンのわずかでも自分にほしい。
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)
    「はじめに」から続く7章と「おわりに」まで、著者それぞれの立場や専門ならではの視点から、「コモンとは?」「自治とは?」を終始問われ考えさせられるのだが、事例が分かり易いし文章も読みやすく、押し付けがましくもないのでずんずん読める。これまでモヤモヤしていたことにやっぱりおかしいものはおかしいと言おうと...続きを読む
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く
    新しい戦前はタモリさんから始まったんですね。アメリカの没落、中国の動向、日韓、東アジア同盟。興味深い。
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義
    『資本論』を解説しつつ、マルクスの分析した「資本主義とはなんたるか」を解いた一書。もちろんマルクスの思想全体を網羅したものではないが、資本主義の本質をめちゃめちゃ分かりやすく伝えてくれている。終盤、資本主義への憤りと、資本主義に包摂されている(己れを含めた)地球があまりに哀れになり涙した。やはり資本...続きを読む
  • 武器としての「資本論」
    資本論の入門として勉強になったが、著者の思想が影響された部分もあるので(思想自体を否定する意味ではない)この一冊で満足せず客観的に社会の遍歴を分析し、これからについて考えようと思えた本でした。
  • 撤退論
    現在のシステムの潮流でのカタストロフィの生じる前の方向転換を撤退論としている。
    コモンの再生と撤退ということで、斎藤幸平が、『資本主義から撤退して里山に行くだけでは不十分。何故ならそのままでは、資本主義が里山を含めた環境を破壊するから。』と言っていたところに納得。彼はだからこそ資本主義は止めなければ...続きを読む
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義
    ちょくちょく資本論やマルクスに触れた書籍に触れた中で本著は
    資本主義を巡る歴史的経緯の中で昨今取り沙汰される問題へのレンズとしてのマルクス思想のあり方を
    少ない紙幅の中で躍動的に記述しきっていて、同著者の他作品やマルクス関連本への中途に読むにはありがたいものになっている。
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義
    講談社新書の100ページ+αで思想がわかる「今を生きる思想」シリーズのマルクス編。

    このシリーズは、最初、そんなページ数じゃあ無理だろうと思ったのだけど、これまで読んだフーコーとアーレントはどちらもなかなか秀逸だった。今、資本主義について考えているので、そんな関心からマルクスを読んでみる。

    本は...続きを読む
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義
    めちゃくちゃ分かりやすい。本自体薄いのに内容はとても濃い。
    簡単すぎないので、斎藤幸平『ゼロからの『資本論』』や白井聡『武器としての「資本論」』のあとくらいに読むと、良い具合に脳みそが鍛えられそう。
    ラストの章は、ザ・白井聡。
  • 武器としての「資本論」
    マルクス入門書としてのNo. 1クオリティ。
    文章も平易で、切り口、白井節感じるアイロニー、引用文献のいずれをとってもセンス抜群。
    マルクスってなに?という人に読んで欲しい一冊。
    中高生でも読み切れる内容。
  • 武器としての「資本論」
    ネオリベによる魂の包摂を防ぐためには、感性の再建が必要。美味いものを食い、美しいものを見る権利があると信じること。

    産業革命がイギリス料理をまずくした。
  • 戦後政治を終わらせる 永続敗戦の、その先へ
    『永続敗戦論』の、その先へとあるが、まさに『永続敗戦論』の要素をふまえているので、著者の主張の総まとめがコンパクトにまとめられていて、1冊目コレでもいいのではと思う。
    『戦後レジームからの脱却』をとなえた安倍晋三は、実際には「戦後レジームの死守」とも呼ぶべき政策を強行してきた。本当の意味での「戦後レ...続きを読む