白井聡のレビュー一覧

  • 武器としての「資本論」

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    マルクスの資本論に関して、噛み砕いて説明している。非常にわかりやすい。

    冒頭の満員電車で30代サラリーマンが必死に資本論を読んでいたというエピソードが、どうも頭から離れない。資本論というのは、資本主義とはどういうものであるか?ということを示した本であり、別に革命を目指すようなものでもない。

    どうして我々労働者は、働いても報われないのか?という強烈な課題意識があると、資本論はスッと入ってくることがある。そういうことを言いたかったんだろうなと思う。

    資本論の解説としても有用であるものの、本書で面白かった箇所を引用する。

    >新自由主義が変えたのは、社会の仕組みだけではなかった。新自由主

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    2025年12月01日
  • 武器としての「資本論」

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    武器としての「資本論」
    著:白井 聡
    出版社:東洋経済新報社

    政治学者である、白井氏が資本論のエッセンシャルを解説されている書です。

    冒頭に、「生き延びるための『資本論』」とある。

    資本論挫折組としては、この上もないありがたい書であるが、こんな内容が含まれていたなんておもいもよりませんでした。

    また、3冊ぐらいかとおもっていましたが、岩波『資本論』は全9冊とあり、かなりの分量であったこと改めてびっくりしました。

    なぜ、資本論がこれまで読み継がれているのか、それは、経済概念の何かしらの本質をつかんでいるからこそ、今もなお、読まれるだけの価値があるという。それが、生き延びるための資本論な

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    2025年08月14日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    マルクスの入門書としては最もおすすめ。
    今流行りのトマピケティや斎藤らの資本論もこれを読んでいると理解が進むと思う

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    2025年07月14日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    久しぶりにマルクス勉強しました。いかに技術が進もうとも、生産力を向上させることを貫いている点は同じだという指摘がなるほどでした。

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    2025年05月15日
  • 武器としての「資本論」

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    読みやすさ★★★★☆

    マルクス関連書籍の中で一番わかりやすくて面白かったかも。
    剰余価値を日常生活レベルに噛み砕いて説明してくれたり、資本主義の始まりから終わりまで流れで書いてあるのが読みやすかったし、ある種のカタルシスも感じた。

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    2025年05月01日
  • 武器としての「資本論」

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    この一冊で資本論を理解できたとは到底思えないが、現代社会においての立ち回りや行動が変わるなあと思った良書。
    何度も読み返してより理解したい。

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    2025年04月09日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    分かりやすいし重要なポイントがぎゅうぎゅうに詰め込まれてる良著。
    マルクスの思想に近づくこと、それは人がどのようにしてこの時代を能動的に、人としての性を謳歌し、前向きに生きれるのかを考えることにもつながる。
    ソ連による共産体制の崩壊で、はい、もう終わりの姿勢では勿体無い思考の源泉がマルクスには宿ってる。

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    2025年03月16日
  • 鈴木邦男の愛国問答

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    「朝まで生テレビ」などにも出演していた独特の雰囲気の論客で右派活動家の鈴木邦男氏の気骨ある文章が詰まった遺言とも言える一冊。
    晩年は左右を超えるふしぎな立ち位置となった氏の思想に触れるには絶好の書とも言えましょう。
    本書を読んで思ったのは、鈴木氏は「気骨ある人」に対しては左右の思想を問わず尊敬の念を抱くことができる懐の深さを持ち合わせた人だと言うことだ。氏のことを面と向かって罵倒する無頼漢に対しても「骨がある人だ」と称賛を惜しまず、格の違いを感じる。第一、本書自体左派メディアに寄稿された原稿であり、いわゆる右翼と呼ばれていた鈴木氏がいかに柔軟な考え方を持っていたかをうかがい知ることができる。ゴ

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    2025年03月10日
  • 戦後政治を終わらせる 永続敗戦の、その先へ

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    政治の世界では、日本がアメリカに従属することは、半ば公然となっているらしい。日本の政治のカラクリを単刀直入に明らかにしている。

    アメリカの衰退は、1971年のニクソン・ショックあたりから表面化し、それを食い止めるために、一番言うことを聞きそうなところに、そのツケを回しはじめた。冷戦構造が終わった時点で、アメリカにとって日本はアジアのパートナーではなくなり、庇護する対象から収奪する対象になった。

    日本は無条件的な対米従属をしている合理的な理由がなくなったにも関わらず、それまでの依存と自立の志向が絡み合った対米従属構造が盲目的従属に深まっていくという摩訶不思議なことが起こった。日本には、アメリ

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    2024年12月12日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    わかりやすかった。
    資本を「不断で無制限の価値増殖運動」と定義し、相対的剰余価値の中に特別剰余価値(「技術革新によって得られる時限的な剰余価値」)を見出したところは大変興味深い。
    資本主義がさまざまな点で限界を迎えている今、これを人間社会の前史と捉えるマルクス経済学には、今読むべき意味がある。
    ただ労働価値説には疑問が残った。(東南アジアと西洋で同じ労働内容でも、賃金は違うじゃん…っていう。)

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    2024年10月04日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    今の社会を変えたいと思うなら選挙で政権を変えることに一生懸命になるのではなく、自分たちの手の届く範囲で当事者意識をもって運動することが重要だと感じた。そのためにコモンを見直し、それを自治していくことが大切だとわかった。身近なところから社会を変えていけると希望がもてた。

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    2024年08月31日
  • ニッポンの正体 漂流する戦後史

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     この本は政治学者の白井聡氏からジャーナリストの高瀬毅が意見を聞くという対談方式の本なのだが、白井氏の鋭さには感服する。聞き手の方が22歳も年上なのに、戦争直後のことをまるで見てきたかのように語る博識に驚く。そして日本が朝鮮戦争の終結を望んでいないことや、非核三原則を掲げながら、核を熱烈に欲しがっていることなど、痛烈に戦後社会の欺瞞を指摘している。
    これも必読の書だと思いました。

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    2024年06月23日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    (2016/10/15)
    中高生に、とあるが、我々大人が読んでも十分学べる内容。
    物事の考え方を、平易なことばでみごとに説明してくれている。

    小田嶋さんの成功者村上龍への食いつきは面白い。「会社員」という仕事がないと。
    村上龍は成功しているから会社員をはずしていると。
    確かに、13歳のハローワークに上がっている仕事で食っていける人はごくわずか。
    みな「会社員」として何とか生きている。

    白井さんの「意味」には際限はない、というのはなるほど。
    本能的欲求は限度があるが、誰も持っていないものを持つ、という欲求には切りがない。
    そこにはまったら最後だな。

    戦争中における「国」とは、国民でなく国体

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    2024年05月28日
  • 日本戦後史論(朝日文庫)

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    (2016/1/10)
    最近内田さん、白井さんの本をよく読ませていただいているが、
    この対談で新たな発見をしたのが
    「破局願望」、「自己破壊衝動」。
    アメリカの属国ということは何度も読んできたが、この概念は新しかった。

    坂の上の雲を追いかけて上ってきた明治日本がなぜ大東亜戦争で破滅の道を歩んだか。
    幕末に賊軍とされた東北勢などが薩長を追いやって権力の座に就き、それまでの明治維新日本を
    壊した、という。
    また、今の日本。戦前の天皇をアメリカにおきかえ、アメリカに褒められること、ご褒美をいただくことに
    期待して一所懸命やってきたが、なかなか認められない。
    そりゃそうだ。天皇と違って、アメリカは自

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    2024年05月28日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    人新世の「資本論」の斎藤幸平、「永続敗戦論」の白井聡、岸本聡子杉並区長ら
    そうそうたるメンバーが自治を語る、コモンを語る、自律を語る。

    正直難易度が高く、頭に入らないものもあった。
    一番理解しやすかったのは藤原辰史さんの農業の自治。

    古来人間は集って狩猟、農業を営んでいた。そこに自治があった。
    種の保管、水の確保、料理。
    最小単位の集団で、自分たちで取り決めをし、少しでも全体の収穫を大きくしようとした。
    ここに国が絡むと、年貢を納めることになるが、これを金銭で納めるようにすれば
    商売の考えが生まれ、余剰金で新しいものが買える。そこにも自治ができる。
    などなど、人類の歴史に根付いた自治の話は

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    2024年05月23日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    (2022/1/8)
    2020年、まだコロナ第2波くらい、オリンピック延期、という段階で書かれたアンソロジー。

    日本の知性が集結している。多くの方が参加している。

    読み始めたとき、それぞれのお名前の横に簡単な肩書しか書かれておらず、

    もう少し人物紹介すればいいのに、、、と思ったのだが、巻末にまとめて紹介されていた。

    この本は中高生向きなので、それぞれの著者を知らない可能性が高く、人物紹介が長いとかえって予断を持って読み始めてしまうので、避けたのかな、と推察。

    私は彼らの著作を結構読んでいるので、背景を知って読むとより立体的に読めた気がする。

    一つ一つのコラムにコメントをするのは野暮

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    2024年05月21日
  • 鈴木邦男の愛国問答

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    2023年、つい一年前に逝去した鈴木邦夫氏が残したコラム集。
    残念ながら生前の活躍はあまり把握しておらず、
    せいぜい右翼から左翼に転向したとか、彼こそ本当の右翼だ、
    程度しか聞いたことがなかった。
    彼の文章を読んでまず感じたのは、何とも愛すべき人物であった、
    ということ。「右翼」のイメージからか、こわもてを想像していた。
    そして、こちらは本質だが、いまの「右翼」が、いかにえせ右翼か、
    真に日本を愛する、ということはどういうことか、彼の文章からその本質を
    読み取ることができた。
    そもそも右左の定義もあいまい。
    自称右翼、自称愛国者もそのあたりは分かっていないのだろう。
    馬鹿の一つ覚えのように、日

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    2024年04月11日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    audible 。白井聡さんのマルクス入門書? 難しいけど大切なことだ。世の中では「包摂」という言葉がさも大事なこととして使われるが、働く者を取り込む資本の側が都合よく使うことには抵抗しなくてはならない。有名なトヨタのやり方がどれほど労働者を苦しめていることか。
    もっと勉強しよう。

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    2024年02月09日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    むずいぃぃ
    しかしなるべく分かりやすく書こうとしていることが伝わりました。

    資本の他者性
    資本とは人間にとって味方ではなく他者である
    つまり、人間が幸せになるために存在している訳ではないということ
    ただただ無限の価値増殖だけを目的にしている
    そして私達人間はいつのまにかその目的の手段となっている

    本来は人間の生活をより豊かにするものだったはずだが、今や新たな欲求を生み出すことでしか維持できない仕組みと理解した
    新たな欲求とは幸せを享受するものとして必要のない欲求

    頭の中整理するだけで精一杯だ
    但し、良いもの読んだ!

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    2024年02月07日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    人新世の資本論で説かれていたことを、さらに具体的にどうやって実現していくか。それを斎藤幸平氏だけでなくさまざまなジャンルの人も語っている。

    杉並区長の岸本聡子さんの章がとてもおもしろかった。
    「共生」や「協力」「包括」「共有」といった、女性的価値で政治や選挙のやり方、組織のあり方をかえていくフェミナイゼーション、地域社会や草の根から発する市民の集合的な行動を大切にして「水平的で多様でフェミニン」なら関係を気づくことを志向することの大切さ(97ページ)とケアの視点、特にフェミナイゼーションが今年の私のキーワードになりそう。

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    2024年01月09日