白井聡のレビュー一覧

  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    資本主義による大量生産、大量消費の時代は終わりつつある。この危機を乗り越えるためのキーワードは「コモン」である。私たちも生き方を見直さなくてはならない。

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    2023年12月05日
  • 日本戦後史論(朝日文庫)

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    単なる対米追従では……

    このお2人の対談本は続けて読みました。ナチス占領下のフランス・ヴィシー政権に関連するエピソーや、アベ政権にまつわる諸々などが印象に残る本でした。
    1年延期して開催した東京オリンピックも無駄でしたし、大阪万博も同様でしょう。
    薩長政治に対する恨みつらみも分かりますが、やはり長いだけだったアベ政権、褒めるところは何一つなく……2度にわたり、病気を言い訳にしての退陣で終わりました。
    アベ周りで贔屓されて出てきたのが例外なく碌でもない、というのも象徴的で、その劣化コピーがまだ居座っています……。

    #共感する

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    2023年12月02日
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

    ネタバレ 購入済み

    興味深い対談本

    国際情勢から今の日本の政治経済、教育やマスメディアの諸問題、割とじっくり語られていました。先日の文化放送の番組に白石氏が出演され、この本にも関連した話をされていたので買って読みました。
    維新は加速主義では?といったような指摘、おおむねあっていそうです。
    今の学校教育では分析知を持った人間、出てこなさそうとか、体育座りが演劇関係者も批判していたなとか、切り口は様々にある本です。
    マスメディアの劣化も、目も当てられないくらいですし。
    たぶん地方の真っ当な首長とかは、まだ可能性、あるでしょうね……。

    #共感する #深い

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    2023年12月01日
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

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    ほぼ同じ頃に出版された「鵺の政権」と比べ勉強になった朝日新書。熱い白井聡と大人の内田樹の対談だ。
    「5章日本社会の何が“幼稚 „か」で語られる教育の問題に共感したり反省したり。久しぶりに教師であった自分のことを振り返り、考えさせられた。
    お二人の熱さとクレーバーさのホンのわずかでも自分にほしい。

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    2023年11月22日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    「はじめに」から続く7章と「おわりに」まで、著者それぞれの立場や専門ならではの視点から、「コモンとは?」「自治とは?」を終始問われ考えさせられるのだが、事例が分かり易いし文章も読みやすく、押し付けがましくもないのでずんずん読める。これまでモヤモヤしていたことにやっぱりおかしいものはおかしいと言おうと思えたり、具体的なヒントも満載の一冊。

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    2023年10月23日
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

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    新しい戦前はタモリさんから始まったんですね。アメリカの没落、中国の動向、日韓、東アジア同盟。興味深い。

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    2023年10月13日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    『資本論』を解説しつつ、マルクスの分析した「資本主義とはなんたるか」を解いた一書。もちろんマルクスの思想全体を網羅したものではないが、資本主義の本質をめちゃめちゃ分かりやすく伝えてくれている。終盤、資本主義への憤りと、資本主義に包摂されている(己れを含めた)地球があまりに哀れになり涙した。やはり資本主義は悪である。

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    2023年09月15日
  • 武器としての「資本論」

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    資本論の入門として勉強になったが、著者の思想が影響された部分もあるので(思想自体を否定する意味ではない)この一冊で満足せず客観的に社会の遍歴を分析し、これからについて考えようと思えた本でした。

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    2023年07月09日
  • 未完のレーニン 〈力〉の思想を読む

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    ネタバレ

    浅学ながらレーニンの表層的な生業についても多くは知らない中で
    彼の打ち立てた思想を深掘りする本書はいかほど通読を重ねれば血となり肉となるかはその重厚さの前では判然としないものの
    版元(初出の講談社選書メチエ)への印象としてこのような学究の営みを、手近なものとして差し伸べてくれることへの信頼は一層深くなった。再読。

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    2025年02月07日
  • 撤退論

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    現在のシステムの潮流でのカタストロフィの生じる前の方向転換を撤退論としている。
    コモンの再生と撤退ということで、斎藤幸平が、『資本主義から撤退して里山に行くだけでは不十分。何故ならそのままでは、資本主義が里山を含めた環境を破壊するから。』と言っていたところに納得。彼はだからこそ資本主義は止めなければならないという。当方はまだ、サステナビリティは社会という形での対応が必要と思っている。戦争、技術進化などに対応する上で、経済を止め切ることはできないと思うため。

    撤退とは、単に行くか戻るかの二者択一を意味しない。そのような二者択一を自分に迫っている世界観とは、全く異なる世界観へのパラダイムシフトを

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    2023年05月03日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    ちょくちょく資本論やマルクスに触れた書籍に触れた中で本著は
    資本主義を巡る歴史的経緯の中で昨今取り沙汰される問題へのレンズとしてのマルクス思想のあり方を
    少ない紙幅の中で躍動的に記述しきっていて、同著者の他作品やマルクス関連本への中途に読むにはありがたいものになっている。

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    2023年04月10日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    講談社新書の100ページ+αで思想がわかる「今を生きる思想」シリーズのマルクス編。

    このシリーズは、最初、そんなページ数じゃあ無理だろうと思ったのだけど、これまで読んだフーコーとアーレントはどちらもなかなか秀逸だった。今、資本主義について考えているので、そんな関心からマルクスを読んでみる。

    本は126ページあって、帯にあるように「一気に読める」わけではない。が、全体像を概観したうえで、マルクスの「資本論」の1巻を読み解き、そしてその現代的な意味を語るという構成で、わかりやすいと同時にかなり刺激的であった。

    マルクスのいわゆる史的唯物論的な歴史観は、ツッコミどころ満載で、自分のなかでは批判

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    2023年03月25日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    めちゃくちゃ分かりやすい。本自体薄いのに内容はとても濃い。
    簡単すぎないので、斎藤幸平『ゼロからの『資本論』』や白井聡『武器としての「資本論」』のあとくらいに読むと、良い具合に脳みそが鍛えられそう。
    ラストの章は、ザ・白井聡。

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    2023年03月22日
  • 武器としての「資本論」

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    マルクス入門書としてのNo. 1クオリティ。
    文章も平易で、切り口、白井節感じるアイロニー、引用文献のいずれをとってもセンス抜群。
    マルクスってなに?という人に読んで欲しい一冊。
    中高生でも読み切れる内容。

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    2022年12月31日
  • 武器としての「資本論」

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    ネオリベによる魂の包摂を防ぐためには、感性の再建が必要。美味いものを食い、美しいものを見る権利があると信じること。

    産業革命がイギリス料理をまずくした。

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    2022年12月21日
  • 戦後政治を終わらせる 永続敗戦の、その先へ

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    『永続敗戦論』の、その先へとあるが、まさに『永続敗戦論』の要素をふまえているので、著者の主張の総まとめがコンパクトにまとめられていて、1冊目コレでもいいのではと思う。
    『戦後レジームからの脱却』をとなえた安倍晋三は、実際には「戦後レジームの死守」とも呼ぶべき政策を強行してきた。本当の意味での「戦後レジーム」とは? 「脱却」とは、と本書は問う。 
    本書に寄れば、「戦後レジーム」とは「永続敗戦レジーム」そのものである。日本はアメリカに対してのみ敗戦を認め、アジア方面に対しては認めていないという二重性のなかに生き続けている。しかし、アメリカにとって日本の重要性は決定的に低下した。アメリカに従属するこ

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    2022年10月09日
  • 日本解体論

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    タイトル通り!
    現代日本の病魔を裏付けをもって紐を解いていく。
    何でこんな日本になってきたのか通りを持って解明し、次に自分達(読者も)は何をすれば良いのかを問題提起しています。
    安倍元首相亡後の統一協会問題、岸ダメ政権、官僚を痛烈に批判する続編を是非是非期待したい!

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    2022年10月05日
  • 武器としての「資本論」

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    ー 新自由主義が変えたのは、社会の仕組みだけではなかった。新自由主義は人間の魂を、あるいは感性、センスを変えてしまったのであり、ひょっとするとこのことの方が社会的制度の変化よりも重要なことだったのではないか、と私は感じています。制度のネオリベ化が人間ネオリベ化し、ネオリベ化した人間が制度のネオリベ化をますます推進し、受け入れるようになる、という循環です。

    ですから、新自由主義とはいまや、特定の傾向を持った政治経済的政策であるというより、トータルな世界観を与えるもの、すなわち一つの文明になりつつある。新自由主義、ネオリベラリズムの価値観とは、「人は資本にとって役に立つスキルや力を身につけて、は

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    2022年09月11日
  • 長期腐敗体制

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    あの悲劇的な事件があった今こそ、情緒を排して安倍政権とは何だったのかを冷静に問わなければならない。今までずっと政治に関して薄々感じてきた違和感が鮮やかかつ冷静に描かれており、日本国民必読の書である。が、しかしこれを読んで「そうだそうだ、確かに安倍政権は何の成果もなかったし、寧ろ世の中は劣化した」と共感できる知性を持っている人は残念ながら少数派だろう。これも長年に亘る愚民化政策の成果であり、自民党の思い描いた通りの結果になっている。もう後戻りできないところまで行ってしまっているようにも感じる。非常に残念だ。

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    2022年08月25日
  • 武器としての「資本論」

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    「資本論」の解説本の中では一番わかりやすいと感じた。資本主義は、ひたすらに生産性を向上させることを追求するものであり、その結果として労働の価値が低下するとの指摘が一番の学んだ点。

    共同体の中では、富や労働の貸し借りが頻繁に行われ、人間的な付き合いもする。商品は共同体の間の交換によって発生していた(p.54-55)。近代資本主義が始まると、生産的労働が商品交換を介して行われるようになり、労働力が売り買いされるようになって、共同体の外の原理が共同体を飲み込んでいった(包摂)(p.60)。

    マルクスは、生産の目的が商品を売ることによる貨幣の獲得になること(形式的包摂)と、生産過程の全体が資本によ

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    2022年08月19日