白井聡のレビュー一覧

  • 日本解体論
    タイトル通り!
    現代日本の病魔を裏付けをもって紐を解いていく。
    何でこんな日本になってきたのか通りを持って解明し、次に自分達(読者も)は何をすれば良いのかを問題提起しています。
    安倍元首相亡後の統一協会問題、岸ダメ政権、官僚を痛烈に批判する続編を是非是非期待したい!
  • 武器としての「資本論」
    ー 新自由主義が変えたのは、社会の仕組みだけではなかった。新自由主義は人間の魂を、あるいは感性、センスを変えてしまったのであり、ひょっとするとこのことの方が社会的制度の変化よりも重要なことだったのではないか、と私は感じています。制度のネオリベ化が人間ネオリベ化し、ネオリベ化した人間が制度のネオリベ化...続きを読む
  • 長期腐敗体制
    あの悲劇的な事件があった今こそ、情緒を排して安倍政権とは何だったのかを冷静に問わなければならない。今までずっと政治に関して薄々感じてきた違和感が鮮やかかつ冷静に描かれており、日本国民必読の書である。が、しかしこれを読んで「そうだそうだ、確かに安倍政権は何の成果もなかったし、寧ろ世の中は劣化した」と共...続きを読む
  • 武器としての「資本論」
    「資本論」の解説本の中では一番わかりやすいと感じた。資本主義は、ひたすらに生産性を向上させることを追求するものであり、その結果として労働の価値が低下するとの指摘が一番の学んだ点。

    共同体の中では、富や労働の貸し借りが頻繁に行われ、人間的な付き合いもする。商品は共同体の間の交換によって発生していた(...続きを読む
  • 撤退論
    「まえがき」の内田樹の文章の衝撃たるや。
    21世紀末には、総務省の中位推定で、日本の人口は4700万人に。7000万人も減るという。
    そして、この事実を国は知ってはいるが、「このシナリオを国民に対して開示する気がない」にっちもさっちもいかなくなってから、我々に、さて、「日本は沈みつつありますが、生き...続きを読む
  • 撤退論
    涙あり、衝撃あり。15通りのメガネをかけさせてくれる、とても有意義な一冊。
    一人ひとりの論考をじっくり味わいたい、でも面白すぎるし文章の量も程良いのでもう1人読みたい、もしくはこの人の別の著書を早く読みたい、そんな気持ちになった。
    新しい時代がそこまで来ている、そんな予感がしてくる。
  • 属国民主主義論―この支配からいつ卒業できるのか
    対談というのは面白いもんだね。普通に著書を読むよりもどんな人間たちなのかがよく分かる。二人の考えることほとんど納得だ。
  • 未完のレーニン 〈力〉の思想を読む
    レーニンという人物が何故、資本主義、国家をこの世から暴力革命という非民主的な方法で破壊して、ソビエトという民主体制を作る矛盾した事をしたのか?、コレ全てがレーニンによる完全な論理によって行動されていた事を示してくれる驚愕の名著。
    レーニンの革命はまだ終わるどころか始まってもいなかった事を購読後我々に...続きを読む
  • 武器としての「資本論」
    ー資本主義とは。
    富は資本主義以外の社会でも存在するが、その富が商品という形で発生するのが資本主義の特徴。商品は共同体間の交換。後腐れのない等価交換。
    労働に関しても商品として扱われるようになっているのが近代。もともと労働ってのは共同体的な作業(富の生産作業)だったが、それが共同体外の活動(=商品の...続きを読む
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ
     内田樹さんんが呼びかけて「中高生向き」に書いてもらった,オムニバス本。わたしが知っていた人は6~7人だが,それぞれの呼びかけが面白かった。
     本書のメッセージは,30代~70代の年代別に分かれていて,70代なんて,中高生が大人になった頃はほとんど現役ではないわけで,だからこそ,なにを呼びかけている...続きを読む
  • 未完のレーニン 〈力〉の思想を読む
    めちゃめちゃおもしろい!
    白井聡の初めての著書の文庫化だが、今文庫化してくれた講談社ありがとう!の気持ちが溢れる。

    レーニンの著書に明るいわけではないので、この読解が新しいのかどうか、判断はできない。
    でもはじめてレーニンのやりたかったこと、やろうとしたこと、やったことの意味がわかり、めちゃくちゃ...続きを読む
  • 主権者のいない国
    コロナで騒ぐ国民に、本書でその前提を考えてほしい。

    「コロナが落ち着いてから」とかでなく、どうなったら騒がなくて良いと自分が判断するか、軸の無い、考えない、怠惰な国民性をよく表している。
  • 転換期を生きるきみたちへ
    数年前に1度読んだが、内容を忘れてしまったので再読。
    様々な立場の方々が、先の見えない転換期にあたり、中高生に向けて「根元的に物事を考える」ために書かれた本。

    刺さるメッセージはたくさんあったが、特に刺さったのは「13歳のハードワーク」だった。
    たしかに「夢=職業」にしてる人が圧倒的だなー、と思っ...続きを読む
  • 武器としての「資本論」
    経済について知りたいと思って手に取ってみた本.著者について調べてみると左翼寄りの方で,政治的思想に染まりたくなかったためこの本を買うか迷ったが1つの意見としてとらえるために購入.結果として政治的思想は述べられておらず,資本主義社会ができた課程から現在においての問題点を述べている良書だった.

    以下ア...続きを読む
  • 武器としての「資本論」
    『資本論』とは何かというより、なぜ現代社会で『資本論』に触れるべきなのか、ということを考えさせてくれる一冊。内容も『資本論』そのものについて触れている部分よりも、現代社会を『資本論』の視点から捉えてリフレーミングして解説している部分が多い。
    特に本書の「包摂」に関する記述には頷かされたし、しかもそれ...続きを読む
  • 武器としての「資本論」
    生き延びたかったら読んだ方がいい。マルクスといえば共産主義でとんでもないことになると考えてるそこの若いあなた!本当のコミュニズムを知らないんだよ。金に取り憑かれたジジイたち、いや資本主義に、そう教育されただけなんだ。まだ可能性があるから…
  • 武器としての「資本論」
    資本論、これまで何も理解していなかった。


    人間は人間として存在しているだけで意味があるはずなのに、
    新自由主義のもと、資本を生み出す存在こそが価値が高い、という
    リベラリズム的な考え方に侵食されている。
    今の自分がいる階級よりも上の階級にいくことが幸せであるとされているが、本当にそうなのか?
    ...続きを読む
  • 武器としての「資本論」
    最近ハマっている『資本論』入門書。抜粋されているのを読むだけでも難解な『資本論』、先日読んだ『人新世の「資本論」』もこちらも分かりやすいが、『人新世の〜』が資本主義のもたらす環境負荷に帰結したのに対し、こちらは現代的な資本家vs労働者に重きを置いているように感じる。

    最後は、「こんなものが食えるか...続きを読む
  • 主権者のいない国
     VUCAの環境と長い閉塞感の日本の政治と経済。本書に記された戦後の歴史的背景は根深く、これからも道は険しいとものがあると感じた。
    •戦後の国体とは、戦前の天皇制国家体制の構造が配線を機にその頂点を天皇から米国へと入れ替えながら生き延びてきたことを捉えるための概念。
    •朝鮮戦争こそ戦後日本のかたちを...続きを読む
  • 武器としての「資本論」
    示唆深い本でした。
    赤地に黒字の表紙、でかでかと筆者の顔、あれやばい本かな?と思いつつ、中身は非常に分かりよい。

    ・マルクスの立場としては、資本主義は超歴史的(はるか昔から)というよりは、土地と労働力が商品となった時に生まれた、という話。
    ・資本主義の「包摂」は、労働の過程だけでなく、人間の魂まで...続きを読む