白井聡のレビュー一覧
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- パトリオットかつコスモポリタンであることを目指す
- 次は勝つために徹底した敗因分析が必要
- 日本は敗戦を否認した
- 中国への負債感を抱える日本
- ゴジラは近代化により抑圧されたものの象徴
- 日本人にはリセット願望がある
- 本土決戦すれば天皇制は廃止されていた。本土決戦派は実はそれを望んでいた
- 日本のモデルはシンガポール
- 政府の長期的政策は都市一極集中で地方は棄てる
- 対米従属を通じて対米独立を求める日本=のれん分け
- フランスヴィシー政権は対独協力政権であり枢軸国
- フランスの移民や極右の問題は敗戦の否認
- 韓国は発展したけど住みにくいからアメリカへ。日本は住みやすいから出て行かない
- 天皇制は異界に触れるものが存在した方がいいという経験から要請される
- 玉虫色の言明は自分の仮説を修正する機会を自分で禁じることになるので避ける -
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2020年の8月くらいに書かれた内田樹さん編のアンソロジー。
コロナをへてポストコロナに対しての中高生・大学生
に向けて30代・40代・50代・60代・70代の著作者が
指針というかメッセージ集です。
前書きの内田樹さんの『各代の著作者からの想定読者にたいするいうべき言葉は『ごめんなさい』』という部分は非常に
心に残る内容です。
20人の人からの言葉のなかで、一番よかったなあと思うのが、今回は平川さんでした。
昨年の8月と現在(2021年1月)とはまたフェーズが
変わってきているコロナの状態ですが。
やはりいろいろな矛盾が表出してきているなあと
思います。
たしかに、自分の息子も含めて、若い人たちには
今後この世界の変えられるものを、正しく変えていき
少しでも多くの人たちが生きやすい世の中にして
いってもらいたいと思います。 -
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ネタバレ白井聡氏の著作「国体論」に興味をもったものの、専門的な内容のため断念。本書は内田樹との対談形式で読み易くなっている。戦後日本を貫く呪縛。「対米従属を通じての対米自立」「敗戦の否認」「永続敗戦の構造は戦後の国体」 もちろん、いずれの敗戦国も敗戦の否認を行ってきたのであるが、日本とフランスは戦後の症状が重い。日本では戦争を指導していた人たちが戦後、ふたたび支配的な地位に留まり続けたことが歪みを生んでいる。親米的雰囲気は、かなり人為的に作られていった部分が多い。戦中派は明言しないものの、アメリカに勝つ!という目的を共有しており、代替戦争としての経済競争があった。戦後生まれが支配的となった現在、目的を失い倒錯した経済成長戦略を続けている。尊敬できるブルジョアジーがいない。「カタストロフ願望」 無謀な戦争は、実は日本人が日本を憎んでいたから、と述べたのは興味深かった。近代日本のトラウマは150年経ってもいまだに言語化されない。現代でも不合理な選択をし続けており、破局願望から逃れられていない。
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白井聡「武器としての資本論」が面白かったのでこちらも。永続敗戦論で書かれていた対米追従”永続敗戦レジーム”の話を縦軸に、日本の様々な問題に触れていく構成。
先日見た「三島由紀夫vs東大全共闘」で、両者は右翼と左翼で水と油かと思いきや実は共通の敵(嘘だらけの日本)がいたという展開があったが、ここでも、本来的に今の”愛国”は本当にそうなのか?という話が見られた。
あと、老害を生み出さないための昔の知恵として、昔はある程度の社会的地位に達した人は50歳くらいになると何か旦那芸を習ったものという話が面白かった。謡をやったり浄瑠璃をやったり俳句をひねったり参禅したり、元気の良い人は武芸をやったり。こういうお稽古事の1番いいところは初心者はとにかくシステマティックに師匠に叱られること。それなりの年齢になってある程度社会的立場に達するともう上の人から叱られるということがなくなる。これは知性にとっても感受性にとってもいいことではなく、人間は定期的に叱られて自分の「ダメさ」を自覚することが必要だ...みたいな話は納得すると同時に新たなことをはじめたいなと思うようになった。
かなり全面的に日本がダメダメなので暗い気持ちにもなるが、農業の話には少し希望が見えた。というのも、日本では国土の制約から大規模化ができず、降雨量も多く、素人の帰農を歓待する自治体さえあるため素人でも農業に参入できるという点において、これはアメリカでもフランスでもありえない日本だけの特徴なのではないか?という話。 -
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中高生にとって必読の書であるのはもちろん、私たち大人も読んでおくべき1冊。
以下、印象に残ったフレーズを。
「この世に『最低の学校』というのがあるとすれば、それは教員全員が同じ教育理念を信じ、同じ教育方法で、同じ教育目標のために授業をしている学校だと思います(独裁者が支配している国の学校はたぶんそういうものになるでしょう)。でも、そういう学校からは『よきもの』は何も生まれません。これは断言できます。」(p10:内田樹)
「疑うというのは『排除する』とか『無視する』ということとは違います。『頭から信じる』でもなく、『頭から信じない』でもなく、信憑性をとりあえず『かっこに入れて』、ひとつひとつの言葉を吟味するということです。そうすればおそらくみなさんは『なんとなく、身にしみ入る言葉』と『なんとなく、違和感がする言葉』を識別できるはずです。それくらいの判断力は生物である限りは備わっています。」(p14:内田樹)
「『わかった』というのはあまりいいことじゃないんです。人間同士では、『わかると、コミュニケーションが終わる』ということになっている。」(p38:内田樹)
「物理を専門にしておられて、科学についてすばらしい本を何冊も書いておられる山本義隆さんは、何のために勉強するのですかと尋ねられて『自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を言う。ただそのためだけに勉強するのです』と答えられました。これは、勉強だけでなく、科学という言葉にも、ぴったりとあてはまります。」(P184:仲野徹) -
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中学生、あるいは高校生ぐらいの読者を対象にしているシリーズの一冊。ほかの出版社の、ぼくは気に入っている「よりみちパンセ」のシリーズより少し年上の読者が想定読者か?
内容は、あれこれあるのだけれど、高橋源一郎の、アメリカの大統領だった、オバマの広島訪問演説に対する解説(?)が俊逸、さすが「ゲンちゃん」という内容で、記憶に残った。
内田樹の編集方針も悪くない。学校の先生方も通勤電車で、一つずつお読みになればいいのではないでしょうか。ここで、さまざまに指摘されている社会の変化の中で、教育が、それはあかんやろ、という方向を支えていることに、ギョッとなさるかもしれない。 -
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この本が出てから2年ほど間が空いているので、今頃読んで話題が古くなっているのではと危惧したのですが、私のそんな心配は全く当らず大変面白く読みました。
安倍政権も長期になっているため、安倍首相がニュースに登場するのは毎度のこと、野党という勢力も殆ど機能せず、自民党中心とした一党支配体制の下、最近は憲法改正にも意欲を見せる言動ありの最中に読む価値ありです。
今時マルクス、レーニン主義を言う人に30年ぶりに出会ったと内田先生に言わしめた白井さん、「永続敗戦論」の著者です。構造主義の見方から世の中を論ずる内田先生との対談形式のこの本は、予想に反してとても読み易く眼から鱗の話ばかりです。
戦後日本の国家戦略は、対米従属を通じて対米自立を果たすこと。これを内田先生はのれん分け戦略と評しています。徹底的にアメリカに負けて、アメリカに従属する姿勢しか考えられない日本の戦後社会。とても主権国家と言えない国の成り立ち。負けた原因を精査しないまま、社会の中枢に居座った支配層。その後、冷戦構造の中でアメリカ陣営に立ち同盟関係を結び70年。うやむやにした戦争責任が隣国の人たちから突きつけられる昨今。この本が出た後ですが、とうとうアメリカは本音を言う自国第一主義を唱えるトランプ大統領になり、今までのスタイルが通用せず、右往左往しているのでしょうが、ある意味これも日本にとっては良かったのかも?とも考えました。いつまでも何処までもついて行きますじゃあねえ…
最近は奥さんまで政治の舞台に出てくる安倍首相、心理的には親米を装いつつ反米のねじれた感情を持つ、多分人格が乖離しているのだろうと解説されている安倍さんの心理構造が特に面白かったです。また、歴史を顧みると、明治時代に遡る戊辰戦争以来のつけ、恨みが高じて自滅的な戦争に走ったこと。最近話題になった「忖度する」ことが大事であるために生み出される無責任な組織構造。無意識に破局を求めるカタストロフ願望、方丈記にあるような無常感が日本人の伝統的な感情であるが故の社会構造であること等々、表現は過激ですが、本質を突いているので、今の日本がどうしてこんな成り立ちであるのかよくわかりました。 -
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「永続敗戦レジーム」の白井聡氏による安倍政権のアメリカ追従路線の結晶化、鳩山元首相のなぜ政権交代が失敗したのかの自己分析、木村朗氏による沖縄の辺野古・独立運動の動きなど読み応えがありました。政権交代時に民主党がやろうとしていた根本的な政治改革を真に実現するための示唆に富む内容ですが、今の政治状況で野党のとるべき次の一手には言及はほとんどなく、それは今後に期待します。対米追従をやめるのにトランプ大統領の誕生はチャンスと捉えるべきですが、在留米軍の駐留費にとどまららず、GPIF(年金積立金管理運用)50兆円のアメリカのインフラへの投資など、あからさまな擦り寄りを続けて目を覆うばかりです。商売でいうところの撤退時の高値戦略に出ているのにそれを、自分から大量に購入しているのが安倍首相には分からないのです。
鳩山さんはオバマと本当ならもっとやりあえたと思いますが、対米従属を信奉する官僚がアメリカをおもんぱかったすえの怪文書(それから検察による政治資金問題)で失脚させられた。オバマは、序盤は軍産複合体とケンカしないためにヒラリーを国務長官にして黙認していたが、案の定色々問題を起こしてそれも理由に第二期は中東からなるべく引く多極化路線に転換した。鳩山さんは時代が少し早かったのかもしれない。
鳩山さんにはぜひトランプ以後の多極化する世界に必要な次世代の日本の政治家の育成を頑張ってほしいと思います。