白井聡のレビュー一覧

  • 長期腐敗体制
    白井聡さんの新書。
    深堀TVの番組見て手に取った本。戦後からの日本政治の流れを大枠で把握する意味でもすごくわかりやすかった。

    インデックスは以下
     序章 すべての道は統治崩壊に通ず - 私たちはどこに立っているのか?
    第1章 2012年体制とは何か? - 腐敗はかくして加速した
    第2章 2012年...続きを読む
  • 武器としての「資本論」
    資本主義の度合いが高まることは、共同体的世界の領域が狭まっていくこと

    共同体の外の権利が共同体を包み込み内部に浸透していくプロセス=包摂

    ネオリベラリズムでは、相対的剰余価値の追求がより加速した。
    人間を資本に奉仕する道具としか見ていない。という見方。

    資本主義=物質代謝の大半が商品によって媒...続きを読む
  • 武器としての「資本論」
    情報化社会を耳にして久しくなるが、そこに疑念を抱くどころか加速する現代、ファスト〇〇がその極地となるのか、もはや文化を "愉しむ" のではなく情報化して "知る" で満足してはいないか。"知らない" は恥ずかしいから "知る"。そこで完結する。思考の放棄に気付かない悲劇はこの国の教育に起因している。...続きを読む
  • 撤退論
    内田樹さんの寄稿の依頼文をネットで読んで「撤退論」を手にした。岸田総理らの相変わらずの成長「必至」論は具体策も展望も欠くが、国民の側に立つはずの経済学者金子勝さんでさえ成長を説く。なんで目をつぶっているんだろうかと思う。
    16人の中では初めて知ったユウヘイキョウさんのプランBがよかった。探して読んで...続きを読む
  • 街場の平成論
    平成元年は1989年、「ベルリンの壁」の撤去が始まった年であり、その後の東西ドイツ統一、ソ連を含めた東側陣営の崩壊、東西冷戦の終結へと向かっていく最初の年であった。また、この年の12月29日には、日経平均株価が38,915円の最高値をつけ、バブル経済の絶頂を迎えている。この年が絶頂であったということ...続きを読む
  • 撤退論
    編者の内田さんは言わずもがな、斎藤さんもユウさんも、その単著では、まんま撤退について論じていたので、本作の内容も推して知るべし。その上で、個人的にもいかに撤退をソフトに行っていくかに興味深々だし、本書を読まない訳にはいかない。政治・経済などの大枠から始まり、だんだんそれぞれの専門分野へと視界が移って...続きを読む
  • 資本主義とお金のしくみがゼロからわかる! マルクスの資本論 見るだけノート
    資本はひたすら増殖を目指す。
    まるで癌細胞のようじゃない?
    増え続けること自体が目的。

    昔読んだダイエーの本、
    売上1兆円達成の記念イベントを
    催したとき、
    会長がバチで大太鼓を叩くと
    太鼓の皮が破れ、
    中に仕込んであったのが
    新しい大太鼓。そこに書かれていた
    スローガンが、
    次の目標は売上2兆円...続きを読む
  • 武器としての「資本論」
    最初から2/3ほどは資本論で定義された重要な概念についての解説、最後の1/3で資本論の視点からこれまでの歴史を見直して、現代社会を分析する

    最初はとにかく読みづらい 書かれている日本語も分かりづらい 新出の概念は別の資料にあたって調べないと理解できない
    少し進んでは戻って読み直して、やっと理解でき...続きを読む
  • 武器としての「資本論」
    『資本論』で明らかにされている資本主義の分析を、現代社会に照らし合わせて、さまざまな社会的な矛盾などがどこから生じてくるのかということを明らかにしている。『資本論』からは、まだまだ汲み取るべきところが多々あるのだ。
  • 武器としての「資本論」
    新自由主義がもらたす、人間の骨抜き化。

    以下メモ

    ・剰余価値の生産方法の変革(=新自由主義/ネオリベラリズム)で、包摂の度合いが高まり魂の包摂も広がる

    ・新自由主義改革によって資本家は肥え太り、労働者は戦後獲得してきた権利(終身雇用、企業における共同体主義「社員は家族だ!」)を次々と失った

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  • 主権者のいない国
    ためになった
    これまできちんと考えてこなかったので
    未消化の部分が多い

    また時期をあらためて読み直したい
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ
    中高生向けとして編まれた本
    私は三十代のおっさんだが、内田さんをはじめとした学者、活動家の方々がどういうメッセージを送るのか興味深く読めた。
  • 武器としての「資本論」
    【感想】
    『資本論』は、資本主義経済を批判的に考察したマルクスの著作である。
    資本論が刊行されてから150年近く経つ今、当時よりも一層ラディカルに資本主義が進行している。もちろん弊害も多発しており、そうした「現代社会の暗部」にフォーカスを当てながら、マルクスの論を再考していくのが本書の目的だ。身近な...続きを読む
  • 主権者のいない国
    自分自身の社会との関わり方を反省しました。
    自分は、社会に無関心な国民の一人であり、主権者であろうとしない態度が「憲政史上最悪の政権」を継続させている一因であるということを自覚することができました。

    日本の国家体制や新自由主義が結びついて無関心を生み出し、政治の質低下や文芸的感性の劣化などの問題に...続きを読む
  • 主権者のいない国
    同じことの繰り返しが多いように思ったが、後半の朝鮮半島情勢、満州国に関する論考はなかなか興味深かった。
  • 武器としての「資本論」
    オーディオブックで拝聴。
    20世紀で終わったと思ってたマルクス主義。だが資本主義の仕組みを紐解いたマルクスの資本論は、新自由主義隆盛の現代であっても、色褪せない部分があるというのはよくわかった。

    難解な資本論を現代のグローバリズムの課題と照らし合わせながらわかりやすく説明しているのがこの本の凄いと...続きを読む
  • 主権者のいない国
    本書を読んで国体というものについて理解を深めることができました。著者は本書で日本の戦前旧ファシスト勢力(国家主義者)が戦後に親米保守派へと転身して支配者の座(戦後の国体)に戻ったと述べていますが、安倍晋三による安定の第二次安倍政権が戦前の旧ファシスト勢力の流れを含むと考えるととても感慨深いものがあり...続きを読む
  • 主権者のいない国
    不正・無能・腐敗でまみれているのに、いかにも名宰相のような振る舞いをする低レベルな安倍晋三への辛辣かつ正確な評価で、久々に溜飲を下げた。
    それを許してしまった国民の「成熟の拒否」は痛感するが、どうするべきだろうか。このままでは日本の国力が落ちて、中流国から脱する事が出来ない。
  • 主権者のいない国
    オリンピックが強行突破された時に
    自分自身の感情をなだめたくて
    読み始めた一冊

    同時に読んでいたのは
    池田晶子さんの
    「考える日々」

    やはり 考え続けることは
    大切なこと
    と 改めて思う

    苦々しき
    報道ばかりが続いている時に
    読み進めていたので
    なおさら 合点することが
    多かった

    オリムピ...続きを読む
  • 日本戦後史論(朝日文庫)
    日本戦後史論 内田樹×白井聡

    白井氏の提唱する永続敗戦レジームなどの新しい概念があり、面白かった。日本は、歪な戦後史を辿っているという認識のもと、現代の諸問題を読み解いていく。戦後、アメリカの冷戦対応に伴い、日本は戦前の官僚体制を温存したまま、戦後を迎えた。そして、東条英機をはじめとする戦犯の首を...続きを読む