白井聡のレビュー一覧

  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

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    かつて「戦前」は過ぎ去った時代の記憶にすぎなかった。だが近年その言葉がひそかに現実味を帯びはじめている。内田樹、白井聡は時代の曲がり角に立つ私たちの姿を浮き彫りにする。
     政治の劣化、分断する社会、言論の空洞化――それらは静かにだが確実に積み重なっている。私たちは「平和」という言葉に安住しすぎていないか。
     ふと目を凝らせばこの国の風景にひびが入っていることに気づく。
     今こそ見よ、この悲惨な現実を。未来の「戦後」を悔やむ前に声を上げる時だ。


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    2025年05月11日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    お金儲けや、そのお金を使って物や時間を消費することに全精力を使っていて、自分たちで自主的に行動して社会を変えていこうという気もない。全くの怠慢だ。
    上から何かをしてもらうことばかり考えて、自分たちは何もしようとしない。怠慢だ。
    資本主義に毒されてしまっている。このままではいけないと考えている人もいるにはいる。だってあまりにもいろいろなことがめちゃくちゃだから。行動に移せている人もいるが、仕事にクタクタになって、残りの時間スマホ見てる人が圧倒的多数だ。
    怠慢な人の1人である私だが、できることを見つけて少しずつ行動しよう。

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    2025年04月24日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    治外法権という言葉がある位、「自治」の線引きはデリケートな問題だ。コスモポリタニズム(地球市民主義)のような大きな枠組みで自治を行う方が、世界平和になって良いのではとも思ったが、結局は、自治単位が大きくなってもそれを不満とした紛争は無くならない。だからといって、自治単位が小さくなればなるほど、対立を招く可能性が増えるし、効率性も下がる。本件を考えるには、当たり前のことだが「自治単位の適切な設定」と「適切な運営」が重要である。

    資本主義には資本が資本を呼ぶように富を集中させる機能があり、それをもっての強者の理論がまかり通るようになり、弱者における「自治」を蔑ろにする部分がある。本書は、万人がコ

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    2025年01月09日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    地元に根強く残る金物屋さんや喫茶店の見方が180℃変わった。自治の意義・当事者意識をもって身近な所からでも(だからこそ)実践していくことの大切さを学んだ。

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    2024年11月28日
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

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    時々難しくて、時々わかりやすい。追いついてないことも多いけど、それはそれでよし、と内田先生は言ってくれるはず。
    広く知ろうとする、深く考えようとする、わからないことはわからないと言ってそれでよし、と思える。

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    2024年10月31日
  • 撤退論

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    何人もの人が論を挙げてくれているのだが、詰まるところは最後の平川さんのいうところが、今の自分にはスッとハマるように思う。本の最初で編者の内田さんが、一つの論を読み終わったらすぐ次に行かないで浸って欲しいというようなことを書いていたが、そしてその通りにやってみようとはしたのだが、生来の性格なのか、なかなか難しかった。
    最後の平川さんの論に準じるなら、こういう「性格」と思っているようなことでもシフトすることはできるのだろう。

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    2024年09月10日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    とても素敵な本。「自治」の実際が語られていて,なんか,やる気が出るような来ます。著者によっては,少し難解な部分もあるのですが…。

    最後の斎藤幸平さんの「「自治」の力を耕す〈コモン〉の現場」より,今の教育現場にも通じる話を引用します。

    …労働問題に取り組むNPO法人POSSEの代表である今野晴貴さんは,次のように指摘します。
     ブラック企業問題が解決しない原因は,労働法が存在しないからではない。むちゃくちゃな働かせ方を取りしまう法律自体は日本にもある。あるけれども,労働組合が弱体化した日本では,企業のほうが圧倒的に強く,労働者には力がない。そのせいで,法律の運用が形骸化し,「違法労働」がまか

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    2024年08月23日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    「当事者意識を持つこと」の重要性を実感しました。
    「自治」というテーマのもと、様々な分野における「自治」のあり方について論じられていました。
    特に、現代社会における「上から」の改革の限界を指摘し、真の社会変革は、一人ひとりが「当事者」となることから始まることを強調していました。

    この著書における「市民科学」の例は、この「当事者意識」の重要性を感じられます。専門家だけに任せるのではなく、市民自身が社会問題の解決に向けて積極的に行動を起こす「市民科学」の動きは、従来の「上からの」改革ではカバーしきれない問題に取り組む、新しい可能性を感じられました。
    p125~武器としての市民科学を (木村あや)

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    2024年08月15日
  • 武器としての「資本論」

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    マルクスの資本論は原典を読む能力も気力も無いので、解説本や何かの引用ばかり目にしている。佐藤優や斎藤幸平など。読む度に新たな発見もあり味わい深い。今回も、考えさせられた。

    一つは「包摂」という問題。本書では「阻害」について解説はないが、いずれも資本に組み込まれ、生産性の奴隷化を純粋化した境地だ。人間は、自らを道具として扱い、それ故に、労働に感情を持ち込めず、他者だけでなく、自分自身とも利害関係を意識する事となり、脱せない自分に無力感を抱えた存在となる。

    ー たぶん今「包摂」は、生産の過程、労働の過程を呑み込むだけでなく、人間の魂、全存在の包摂へと向かっているということです。クランスの哲学者

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    2024年08月14日
  • 資本主義とお金のしくみがゼロからわかる! マルクスの資本論 見るだけノート

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    強欲な資本主義、資本家をあからさまに支え、国民の困窮を知りながら社会保障関係費の削減ばかり推進する自公政権。根本がひっくり返ってませんか。しっぽ振る犬は相当美味しいエサがもらえるのでしょうね。
    そんなやり方でもうかなり衰退してきた日本をどうするのですか?

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    2024年07月11日
  • 武器としての「資本論」

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     本書では『資本論』における重要な概念を著者が丁寧に解説して、資本主義(資本制)の構造をとらえていくが、なかでも重要な概念が「商品」である。商品は近代以前から存在する「富」と異なり、資本主義社会以降に誕生したものである。マルクスは商品がある共同体の内部ではなく、自分たちが属する共同体とは別の共同体と接触して、しかも共同体の等価交換が成立することによって誕生したと考えた。ゆえに富=商品とみなした古典派経済学をマルクスは批判した。
     また本書では「包摂」という概念を説明しており、この包摂という現象を知ることで、資本主義社会をやめることが困難で、代わりとなる社会システムが見つからないのかがわかる。つ

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    2024年06月19日
  • 日本戦後史論(朝日文庫)

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    白井先生は初めて知った。過激な話もままあるが、読んでいて正論と思えることが大部分。
    反米マインドあたりは面白かった。
    ルサンチマン、ぱんとサーカス、神輿は軽くてパーがいい、知らない言葉もかなりあった。
    歴史的事実の隠蔽の構造の章でフランスの右翼化について言及しているあたりは、なるほど感があった。

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    2024年06月19日
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

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    自分はどちらかというと右よりの傾向にあるので、最初のうちの日本叩きにはムカムカしながら読んでいたが、どこかに日米地位協定が憲法より上にあるのが問題である云々あって、基本がそこなら同じでない?となって、あとは素直に読めた。ごもっともな内容でした。

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    2024年04月13日
  • 資本主義とお金のしくみがゼロからわかる! マルクスの資本論 見るだけノート

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    資本主義社会を考える
    資本家と労働者の関係が分かる

    資本家にとって大切なことはより短時間に多くの商品を生み出すこと。労働者の働きやすい環境を確保することでは決してない。

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    2024年02月16日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    マルクス難しいーーーー

    ・資本主義の崩壊を予言

    ・剰余価値を提唱

    ・労働価値説を展開 商品の価値が商品に費やされる労働時間によって決定されるという考え方

    ・政府の計画経済を提唱

    計画経済とは、資源を国有化し、中央政府の意思のもとであらかじめ策定した計画に基づき、資源配分をおこなう体制のことです。とくに、マルクスは恐慌時に銀行や工場などを国有化して対処することの必要性を説いています。


    マルクスの思想を学ぶことで資本社会のデメリットを学ぶことができる。

    労働者は、貨幣により自由を奪われ、労働によって価値が生まれた広告やブランドから欲求を促進され、経済は回るが、それは幸福とは結びつい

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    2024年02月16日
  • 武器としての「資本論」

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    ネタバレ

    【身近に考えるマルクスと資本主義】
    いろんな技術が発達して、より便利な社会になっているはずなのに、なぜ私たちはより忙しくなっているのか。

    資本主義の本質を知ることを通して、このような現象を理解することを試みている本。

    例えば、資本制社会が、生産性を不断に高めないといけないしくみであること。
    資本主義をマルクス的に定義するとしたら、物質の流れが商品を介して行われる社会らしい。

    そして、資本は価値を増やし続けて初めて成り立つものだから、限りなく商品の余剰価値を増やすために、効率化、労働力の低価値化、などが進められるとのこと。

    労働力に焦点を当てて考えると、
    資本家は、労働力が再生産される賃

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    2024年02月08日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    コモンを実際、社会においてどうやったら実行できるの?っていうことに回答するような本。それぞれの著者の具体的な取り組みや考え方が紹介され、大いに参考になる。
    民主集中制の危うさについて、斎藤さんから言及があるが、やはりボトムアップ的・水平的な関係性をいかに維持していくのかが大事なんだろうなと。

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    2024年02月07日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    自治という言葉は、本来素敵な言葉だったはずだが、なんだか最近は少し揶揄されているような気もする。自治会というのは煙たい存在だし、自治厨、なんて言葉もある。
    だが自治は大切な行為だし、言葉だ。
    コモンという言葉はまちづくりでよく聞かれるようになってきたが、広場っぽいスペースをとりあえず作って、はいコモンでございます、というものが多い。
    そんな状況でモヤモヤしている中、本書に出会った。
    全体的に実ある話であるが、「市場原理と贈与交換のブリコラージュ」という言葉に出会えたのがとても良かった。
    (本書の初出ではないが)

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    2024年02月04日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    後半パートだけ面白い
    暇と退屈の倫理学的な話で、「消費」に包摂されてしまってることの危険性を言っている

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    2024年01月29日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    みんなの共有財、コモンについての話の前に、今の現状は新自由主義によって生まれた資本主義はどう出来上がってきたか、白井聡さんの説明から始まります。
    60s-70s学生運動から始まったとされ、その中の日大紛争がまさか最近の日大理事長田中氏につながるとはびっくりですね。それに、反共産主義の統一教会、東大駒場寮や早稲田学生会館を取り壊した経緯、段々と学生運動は衰退しやっぱり綺麗な大学が魅力的になり、そして今では学食プリペで家族にも安心など、学生を孤立化させ、安心安全の無菌室へと誘導することで国の指示通りが一番安心だと信じ込ませた現在。なるほど、本当の自由がなくなっているのに、これだと気づかれにくいです

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    2023年12月12日