白井聡のレビュー一覧

  • 街場の平成論

    Posted by ブクログ

     内田樹篇の平成を振り返るエッセイ集。最初に内田氏が言っているように、自由に書いてもらったので統一感はないが、それぞれの書き手の専門分野に応じて、いろいろな平成の断面が見える。中には内田氏ファンである読み手の存在を忘れているのではないかと思われるものもあったが、総じて興味深く読めた。面白かったのはブレイディ氏の英国的「ガールパワー」と日本的「女子力」が全く真逆の意味になるという指摘だった。前者は、女が、女たちの支持を得て女たちをインスパイアすることだったが、後者は、女が、男たちの支持を得て男たちに愛されてほかの女たちより上に立つことだという、なるほど、双方の国民性の一端を垣間見せてくれている。

    0
    2025年10月13日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

    Posted by ブクログ

    分かりやすいし、おもしろかった。
    入門編としてありがたい。
    マルクスの文章は言い回しが難しくて、おれには何言ってっかわかんねぇ。
    しかしまぁ、一度くらいは資本論を読んでみたいが……。

    0
    2025年10月09日
  • 日本戦後史論(朝日文庫)

    Posted by ブクログ

    ・戦前日本の指導者層が退出せず、戦後も引き続き指導者層にとどまったことから、アメリカに対してモノが言えなくなった。以降、「永続敗戦」の歴史が始まっているとする。
    ・戦後日本がとった戦略は、「対米従属を通した対米自立」であるとする。これを「のれん分け」と表現するのが非常にうまいと思った。
    ・敗戦をうまく総括できないことから、東アジア諸国との関係もいまだにこじれる要因となっている。東西冷戦や日本の突出した工業力等を背景に、東アジアは日本に文句も言えなかったが、1990年くらいから潮目が変わってきた。
    ・終戦時に15歳前後で、間もなく徴兵という世代は、祖国のため米国に必ず勝つという思いを胸に終戦後は

    0
    2025年10月01日
  • 転換期を生きるきみたちへ

    Posted by ブクログ

    『13歳のハードワーク』がいちばん興味深くわかりやすい内容。これを最初の章に持ってくるべきでした。本当に中学生に読んでほしいと思うなら、まず読みやすい文章から載せるのがいいと思います。「こんな難しいこと書いてるオレってすごいでしょ、みんなついてこれる?」って思ってる大人の文章から始められると読もうとする気持ちがなくなります。
    中学生は小説以外の文章を読む機会が少ないし、意外とまじめなので本は常に最初から読もうとします。興味のあるところから読もうとは思いません。

    そしてこれを書いているおじさんたち、子どもがいるなら精一杯育児に関わったでしょうか?中学生、高校生の息子、娘にしっかり向き合ったとい

    0
    2025年09月20日
  • 主権者のいない国

    Posted by ブクログ

    著者の鋭利かつユーモラスな文章に舌を巻いた。
    曰く日本の戦前は天皇を家長とした家制度、戦後はアメリカがその座に成り代わったという主張。
    どちらも民はトップの愛を盲信して、不都合な真実を否認する歴史を続けている、らしい。
    言われてみると現代に渦巻く歪みの発端は確かに物事をなあなあで済ましてきたツケのように思う。
    省みない国家に発展が約束される道理はないのかもしれない。

    昨今、色々と閉塞感が漂うなか、世界規模で右傾化している状況を見るに、日本に限らず歴史は繰り返されざるを得ないのかと恐怖を感じる。
    本当なら環境問題や核兵器問題といった『重要だが喫緊でない?(すでに目前ではありそうだが)地球規模の

    0
    2025年06月04日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

    Posted by ブクログ

    岸本さんが実践されている「ミュニシパリズム」ボトムアップ型の地域主権主義がとても参考になった。
    排他主義的極右でもなく、左派的エリート主義でもない、トップダウン型の国家社会主義でもなく、全体主義的共産主義でもない。

    0
    2025年06月02日
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

    Posted by ブクログ

    かつて「戦前」は過ぎ去った時代の記憶にすぎなかった。だが近年その言葉がひそかに現実味を帯びはじめている。内田樹、白井聡は時代の曲がり角に立つ私たちの姿を浮き彫りにする。
     政治の劣化、分断する社会、言論の空洞化――それらは静かにだが確実に積み重なっている。私たちは「平和」という言葉に安住しすぎていないか。
     ふと目を凝らせばこの国の風景にひびが入っていることに気づく。
     今こそ見よ、この悲惨な現実を。未来の「戦後」を悔やむ前に声を上げる時だ。


    0
    2025年05月11日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

    Posted by ブクログ

    お金儲けや、そのお金を使って物や時間を消費することに全精力を使っていて、自分たちで自主的に行動して社会を変えていこうという気もない。全くの怠慢だ。
    上から何かをしてもらうことばかり考えて、自分たちは何もしようとしない。怠慢だ。
    資本主義に毒されてしまっている。このままではいけないと考えている人もいるにはいる。だってあまりにもいろいろなことがめちゃくちゃだから。行動に移せている人もいるが、仕事にクタクタになって、残りの時間スマホ見てる人が圧倒的多数だ。
    怠慢な人の1人である私だが、できることを見つけて少しずつ行動しよう。

    0
    2025年04月24日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

    Posted by ブクログ

    治外法権という言葉がある位、「自治」の線引きはデリケートな問題だ。コスモポリタニズム(地球市民主義)のような大きな枠組みで自治を行う方が、世界平和になって良いのではとも思ったが、結局は、自治単位が大きくなってもそれを不満とした紛争は無くならない。だからといって、自治単位が小さくなればなるほど、対立を招く可能性が増えるし、効率性も下がる。本件を考えるには、当たり前のことだが「自治単位の適切な設定」と「適切な運営」が重要である。

    資本主義には資本が資本を呼ぶように富を集中させる機能があり、それをもっての強者の理論がまかり通るようになり、弱者における「自治」を蔑ろにする部分がある。本書は、万人がコ

    0
    2025年01月09日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

    Posted by ブクログ

    地元に根強く残る金物屋さんや喫茶店の見方が180℃変わった。自治の意義・当事者意識をもって身近な所からでも(だからこそ)実践していくことの大切さを学んだ。

    0
    2024年11月28日
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

    Posted by ブクログ

    時々難しくて、時々わかりやすい。追いついてないことも多いけど、それはそれでよし、と内田先生は言ってくれるはず。
    広く知ろうとする、深く考えようとする、わからないことはわからないと言ってそれでよし、と思える。

    0
    2024年10月31日
  • 撤退論

    Posted by ブクログ

    何人もの人が論を挙げてくれているのだが、詰まるところは最後の平川さんのいうところが、今の自分にはスッとハマるように思う。本の最初で編者の内田さんが、一つの論を読み終わったらすぐ次に行かないで浸って欲しいというようなことを書いていたが、そしてその通りにやってみようとはしたのだが、生来の性格なのか、なかなか難しかった。
    最後の平川さんの論に準じるなら、こういう「性格」と思っているようなことでもシフトすることはできるのだろう。

    0
    2024年09月10日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

    Posted by ブクログ

    とても素敵な本。「自治」の実際が語られていて,なんか,やる気が出るような来ます。著者によっては,少し難解な部分もあるのですが…。

    最後の斎藤幸平さんの「「自治」の力を耕す〈コモン〉の現場」より,今の教育現場にも通じる話を引用します。

    …労働問題に取り組むNPO法人POSSEの代表である今野晴貴さんは,次のように指摘します。
     ブラック企業問題が解決しない原因は,労働法が存在しないからではない。むちゃくちゃな働かせ方を取りしまう法律自体は日本にもある。あるけれども,労働組合が弱体化した日本では,企業のほうが圧倒的に強く,労働者には力がない。そのせいで,法律の運用が形骸化し,「違法労働」がまか

    0
    2024年08月23日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

    Posted by ブクログ

    「当事者意識を持つこと」の重要性を実感しました。
    「自治」というテーマのもと、様々な分野における「自治」のあり方について論じられていました。
    特に、現代社会における「上から」の改革の限界を指摘し、真の社会変革は、一人ひとりが「当事者」となることから始まることを強調していました。

    この著書における「市民科学」の例は、この「当事者意識」の重要性を感じられます。専門家だけに任せるのではなく、市民自身が社会問題の解決に向けて積極的に行動を起こす「市民科学」の動きは、従来の「上からの」改革ではカバーしきれない問題に取り組む、新しい可能性を感じられました。
    p125~武器としての市民科学を (木村あや)

    0
    2024年08月15日
  • 武器としての「資本論」

    Posted by ブクログ

    マルクスの資本論は原典を読む能力も気力も無いので、解説本や何かの引用ばかり目にしている。佐藤優や斎藤幸平など。読む度に新たな発見もあり味わい深い。今回も、考えさせられた。

    一つは「包摂」という問題。本書では「阻害」について解説はないが、いずれも資本に組み込まれ、生産性の奴隷化を純粋化した境地だ。人間は、自らを道具として扱い、それ故に、労働に感情を持ち込めず、他者だけでなく、自分自身とも利害関係を意識する事となり、脱せない自分に無力感を抱えた存在となる。

    ー たぶん今「包摂」は、生産の過程、労働の過程を呑み込むだけでなく、人間の魂、全存在の包摂へと向かっているということです。クランスの哲学者

    0
    2024年08月14日
  • 資本主義とお金のしくみがゼロからわかる! マルクスの資本論 見るだけノート

    Posted by ブクログ

    強欲な資本主義、資本家をあからさまに支え、国民の困窮を知りながら社会保障関係費の削減ばかり推進する自公政権。根本がひっくり返ってませんか。しっぽ振る犬は相当美味しいエサがもらえるのでしょうね。
    そんなやり方でもうかなり衰退してきた日本をどうするのですか?

    0
    2024年07月11日
  • 武器としての「資本論」

    Posted by ブクログ

     本書では『資本論』における重要な概念を著者が丁寧に解説して、資本主義(資本制)の構造をとらえていくが、なかでも重要な概念が「商品」である。商品は近代以前から存在する「富」と異なり、資本主義社会以降に誕生したものである。マルクスは商品がある共同体の内部ではなく、自分たちが属する共同体とは別の共同体と接触して、しかも共同体の等価交換が成立することによって誕生したと考えた。ゆえに富=商品とみなした古典派経済学をマルクスは批判した。
     また本書では「包摂」という概念を説明しており、この包摂という現象を知ることで、資本主義社会をやめることが困難で、代わりとなる社会システムが見つからないのかがわかる。つ

    0
    2024年06月19日
  • 日本戦後史論(朝日文庫)

    Posted by ブクログ

    白井先生は初めて知った。過激な話もままあるが、読んでいて正論と思えることが大部分。
    反米マインドあたりは面白かった。
    ルサンチマン、ぱんとサーカス、神輿は軽くてパーがいい、知らない言葉もかなりあった。
    歴史的事実の隠蔽の構造の章でフランスの右翼化について言及しているあたりは、なるほど感があった。

    0
    2024年06月19日
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

    Posted by ブクログ

    自分はどちらかというと右よりの傾向にあるので、最初のうちの日本叩きにはムカムカしながら読んでいたが、どこかに日米地位協定が憲法より上にあるのが問題である云々あって、基本がそこなら同じでない?となって、あとは素直に読めた。ごもっともな内容でした。

    0
    2024年04月13日
  • 資本主義とお金のしくみがゼロからわかる! マルクスの資本論 見るだけノート

    Posted by ブクログ

    資本主義社会を考える
    資本家と労働者の関係が分かる

    資本家にとって大切なことはより短時間に多くの商品を生み出すこと。労働者の働きやすい環境を確保することでは決してない。

    0
    2024年02月16日