主権者のいない国

主権者のいない国

1,870円 (税込)

9pt

「なぜ私たちは、私たちの政府はどうせロクでもないと思っているのか。その一方で、なぜ私たちは、決して主権者であろうとしないのか。この二つの現象は、相互補完的なものであるように思われる。私たちが決して主権者でないならば、政府がロクでもないものであっても、私たちには何の責任もない。あるいは逆に、政府はつねにロクでもないので、私たちに責任を持たせようとはしない。
だが、責任とは何か。それは誰かに与えてもらうものなのか。そして、ここで言う責任とは誰に対するものなのか。それは究極的には自分の人生・生活・生命に対する責任である」
本文より抜粋


政治が国民にとって「災厄」となった絶望の時代を、私たちはどう受け止め、どう生きるべきなのか?

いま日本でもっとも忖度しない、ひよらない、おもねらない政治学者の最新論考!

国民を見殺しにして、お友だちの優遇や経済を優先する現権力の暴走の根源にあるものとは?
資本主義の「人間毀損」が行きついた果ての「命の選別」を受け流さず、顕在化した社会的モラルの崩壊に立ち向かうための必読書!

序章 未来のために想起せよ
第一章 「戦後の国体」は新型コロナに出会った
第二章 現代の構造――新自由主義と反知性主義
第三章 新・国体論
第四章 沖縄からの問い 朝鮮半島への想像力
第五章 歴史のなかの人間
終章 なぜ私たちは主権者であろうとしないのか

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主権者のいない国 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2021年12月22日

    コロナで騒ぐ国民に、本書でその前提を考えてほしい。

    「コロナが落ち着いてから」とかでなく、どうなったら騒がなくて良いと自分が判断するか、軸の無い、考えない、怠惰な国民性をよく表している。

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    Posted by ブクログ 2023年10月25日

    主権者たるためには、個々人の責任意識が必要
    日本って、いたるところで責任のなすりつけあいがされてる社会だなと、だから、究極的には政治に関心がないんだなとなんとなく納得した

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    Posted by ブクログ 2023年09月10日

    この本を読むまで、この国の〝国体“について真剣に考えた事は無かったような気がする。昭和天皇は国体護持という命題の虚構性、そしてこの虚構を成り立たせるためにどのような代償が払われたのかを熟知していたという。本著が言うように、日本国の象徴とされた天皇制のありようは明らかに戦前とは異なるが、日本人の精神性...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年01月25日

    ためになった
    これまできちんと考えてこなかったので
    未消化の部分が多い

    また時期をあらためて読み直したい

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    Posted by ブクログ 2021年10月18日

    自分自身の社会との関わり方を反省しました。
    自分は、社会に無関心な国民の一人であり、主権者であろうとしない態度が「憲政史上最悪の政権」を継続させている一因であるということを自覚することができました。

    日本の国家体制や新自由主義が結びついて無関心を生み出し、政治の質低下や文芸的感性の劣化などの問題に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年10月17日

    同じことの繰り返しが多いように思ったが、後半の朝鮮半島情勢、満州国に関する論考はなかなか興味深かった。

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    Posted by ブクログ 2021年09月25日

    本書を読んで国体というものについて理解を深めることができました。著者は本書で日本の戦前旧ファシスト勢力(国家主義者)が戦後に親米保守派へと転身して支配者の座(戦後の国体)に戻ったと述べていますが、安倍晋三による安定の第二次安倍政権が戦前の旧ファシスト勢力の流れを含むと考えるととても感慨深いものがあり...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年09月12日

    不正・無能・腐敗でまみれているのに、いかにも名宰相のような振る舞いをする低レベルな安倍晋三への辛辣かつ正確な評価で、久々に溜飲を下げた。
    それを許してしまった国民の「成熟の拒否」は痛感するが、どうするべきだろうか。このままでは日本の国力が落ちて、中流国から脱する事が出来ない。

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    Posted by ブクログ 2021年09月08日

    オリンピックが強行突破された時に
    自分自身の感情をなだめたくて
    読み始めた一冊

    同時に読んでいたのは
    池田晶子さんの
    「考える日々」

    やはり 考え続けることは
    大切なこと
    と 改めて思う

    苦々しき
    報道ばかりが続いている時に
    読み進めていたので
    なおさら 合点することが
    多かった

    オリムピ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年07月19日

    国民主権、となっているものの、国民に向き合った政権ではない状態が8年以上続いているのは何故なのか、読み解いてくれる本でした。「主権者たることとは政治的権利を与えられることによって可能になるのではない。人間が自己の運命を自らの掌中に握ろうとする決意と努力の中にしかない。」

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