白井聡のレビュー一覧

  • 撤退論

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    衰退する日本をいかに撤退させるかについて、多様な論者たちが論じる一冊。
    サンクコスト、責任追及、同調圧力・・・撤退判断を妨げる要因はいくらでもあるが、どこで撤退の決断に踏み切るのか。
    最後の論者である平川氏の「撤退とは、行くか戻るかの二者択一ではなく、パラダイムシフトなのだ」というメッセージが一番ささった。

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    2025年02月10日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    コロナ下で思う事はそれぞれの人に沢山あったなと思い出させる本。
    エッセンシャルワーカーありがとうとメディアで流しつつ、近づくなと差別する。大事といいながら低収入を改善しようとしない。ありがとうと言っておけばこき使っていいと思ってるよね。これからは少子化でエッセンシャルワーカーがますます減ってくる。その際にどうするのかな。

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    2025年01月11日
  • 未完のレーニン 〈力〉の思想を読む

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     学生時代、ソ連の威光はだいぶ落ちていたが、レーニンは毀誉相半ばしており、ロシア革命への興味から、『国家と革命』も『何をなすべきか?』も読んだのだが、今回本書を読んでみて、いかに読めていなかったのかを痛感した。

     著者は、この2つの著作を精緻に読み解くことによって、レーニンの思想、国家・革命についての考え方を丁寧に辿っていく。決して読みやすくはないが、著者は一つ一つ順を追って論を進めていくので、諦めることなく読み進めていけば、これまで思いもよらない新しい地平に連れて行かれる。

     ただ、第3章、第4章ではフロイト思想との関係が論じられるのだが、抑圧されたもの、<死の欲動>についての議論は、正

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    2024年09月11日
  • 資本主義とお金のしくみがゼロからわかる! マルクスの資本論 見るだけノート

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    お金の勉強をしている最中なのと、資本論はよく耳にするのに中身を知らないと思ったのが本書を手に取るきっかけでした。資本論自体をいきなり読むのは数ページで挫折しそうで怖かったのでまずはこの本から選びました。全体像は漠然と捉えられて読みやすかったし個人的にはよかった。
    よく知ってる人からすれば、これでわかった気になるなと言われそうですが、ここから他の方の本も読んでいけそうなので入りとしては悪くないんじゃないかなと思いました。

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    2024年07月09日
  • 鈴木邦男の愛国問答

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    著者は本書では先進的な事を言っている訳でも、複雑な事を分かり易く噛み砕いている訳でもない。シンプルな事をそのままぶつけているだけだ。

    それでも著者の思いが感じられる理由として、右翼の旗は掲げつつもその延長線上に何か釈然としないものがあれば立ち止まり周りを眺め、納得出来るものがあればそれがいかに左翼の持ち物であっても採り入れる、懐の深さが挙げられると思う。

    やがては著者一個の愛国心として確固たるものとなっていく。右翼でもなく左翼でもない、鈴木邦男のこころ(一種の保守正道とも言えようか)が本書に書き連ねられている。

    ふたば書房紫野店にて購入。

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    2024年06月16日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    2024.04.20 読み応えがあった。コモンの自治が難しいという現実と、その一方で高い可能性があることを学ぶことができた。自分も実践しなければならない。

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    2024年04月20日
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

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    いつも通りの内田・白井節。物おじせずに真っ当なことを言っている。中国とは軍事力で対抗できないからアメリカ一辺倒にならずに付き合うべきとか、やっぱり時流に流されずにちゃんと考えることの重要性に気がつかされる。
    しかし、彼らも自覚しているだろうけど、このように主張しているだけではジリ貧なので、別の戦略・戦術も必要なんだと思う。

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    2023年11月21日
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

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    今回まとめて読んだ新書群は、ほとんど自分が書店で選んで入手したってこともあるんだろうけど、驚くほど似た主旨のものばかりになってしまった。興味の対象だから仕方ないとはいえ、もっと多方面的に選書しないとって、ちょっと反省。それはさておき、本書も内田印の安心の一冊。新たな戦前よろしく、もはや新たな戦中って主張にはドキッとしたけど、言われてみれば…ってところ。何を言ってもどうしようもないなら、いっそ行き着くところまでっていう、加速主義も確かに分からんこともないんだけど、やっぱり自分としては、あくまで内田さんの言うような、ソフトランディングを期待してしまいます。中高一貫でキャラが固定、体育座りは自分を縛

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    2023年09月07日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    2020年、COVID-19が席巻した世界では次々と社会の歪みが露呈した。そのコロナ期とポストコロナ期に、次世代の若者たちがどう生きるべきかを内田樹をはじめとした様々な年代の言論人たちが語る。

    内田さんが声をかけて集まった様々な分野の今をときめく著名人たちがコロナとコロナ後の世界をテーマに執筆しました。内田さんのセレクトだけあってみんなけっこう尖っていて(偏っていて)どれも読み応えのある内容でした。中学生向きということで平易な文章で一編が短いのも読みやすくていいと思います。そしてみんな分野が違うので、コロナ期というものを違う角度から見ているのも面白い。また、分野が違っても結局、多くの著者が今

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    2023年08月11日
  • 撤退論

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    少子高齢化社会でも経済成長を続けることは、お米が足りないのにおにぎりをもっと作れって言ってるようなものなのかな。無理よね。
    まず、無理を認めること。
    それから、資本主義社会の外の世界があることを知り、体験し、その世界の間でバランスをとっていくことが鍵だと思った。


    ・大切なことを持続させるために、我々はこれまでの手法からの撤退を学ぶべきなのである。
    ・社会の内と外、此岸と彼岸、文明と自然、常識と非常識などなど、二つの原理を行ったり来たりすることで、問題を「なんとなく」暫定的に解決する。これが地に足を着けることである。
    ・現代における下野とは、他社のニーズを全く気にせず、とにかく徹底的に主観を

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    2023年06月17日
  • 撤退論

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    撤退論。例によって内田樹から寄稿依頼された面々が思い思いに「撤退論」を論ずる。勢い、流れで私も持論を述べたくなるが、テーマ幅広し。一人一人に割かれるページ数が少なく浅い。興味深いのだが〝好奇心のインデックス“程度の本だ。

    切り口がそれぞれ。女性疫学者の三砂ちづるが、撤退の英訳withdrawalを、これは膣外射精という意味にもなるが、人口問題に絡めた性行為の撤退として私感を述べていた。少子化問題に対し、避妊を教育する自らへの疑問、近代化され、そもそも性行為の数が減っている事への警鐘。映画やドラマは見るもので、情報化・計画社会により、日常の起伏が減るように、恋愛や性行為がバーチャルのファンタジ

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    2023年04月02日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    感想
    なぜ今マルクスか。小難しい経済理論をこねくり回した訳でない。地球規模での厄災を予見し人類に警告を与えた。それが今実現しようとしている。

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    2023年02月18日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    中高生を想定読者とした、現在30代〜70代の20名からのメッセージ。今回のパンデミックであらわになった日本社会の欠陥について、こんなに不出来な社会を後続世代に遺すことになってしまった責任を感じ、補正しきれなかった悔しさがにじむ。

    世代が変わると考え方や行動も変わる。是非、現状を反面教師として欲しいです。

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    2023年01月05日
  • 撤退論

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    内田師範のお話以外あまり面白くありませんでした。面白くないのは、たぶん、書いてる人たちの表現力が頭良すぎて何がいいたいのかケムに巻かれたような気持ちになるからかもしれません。

    わかりやすすぎるのも、あれだし難解すぎるのもちょっと。

    正直に申し訳ございません。

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    2023年05月25日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    斎藤幸平さんの名前があったので読んでみた。
    一番心に残ったのは平川克美さんの文章だろうか。会社勤めするようになって当たり前のように見聞きしてきた経済合理性。原価を絞り、無駄を排除して、より低価格の製品を提供する。お客様の要望に応え、お客様が期待する以上の価値を生み出すこと。製造業をはじめ、経済はそのようにして成長するものだと思っていた。
    しかし、現在は総供給が総需要を上回っている状態。必要ないものを売るための広告やマーケティングなど、ブルシットジョブ(この本で言及してる人の多いこと!)が蔓延し、限られた利潤を確保するために「集中と選択」という言葉に現れるように、偏った資源配分をし、競争優位性の

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    2022年12月14日
  • 撤退論

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    撤退についての、さまざまな論者からの寄稿
    それぞれでいろんな発見も、驚きも
    (少し誇張しているのかもしれませんが)
    ありました。

    撤退の困難さはいろんなところで感じる昨今です。

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    2022年10月11日
  • 撤退論

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    撤退論 内田樹編 晶文社
    歴史のパラダイム転換に向けて

    題名に惹かれて手に取ってみたけれど
    前書きを読んで学者の限界を感じた
    まず仲間内で先生と呼び合うのをやめてからにしてほしい
    少子化がいけないと決めつけてからの話では
    答えが出ないだろう
    問題は噂されている
    権力を振りかざしている側の都合で
    少子化を作り出して不安をばらまいていることの真偽を
    確かめることが前提だろう

    識者とされた多くの人が原稿を寄せた中で
    唯一面白く読ませてもらったのは
    『個人の選択肢を増やす「プランB」とは何か』
    というタイトル始まるお話だ
    広い目線で現代文明が陥っている
    物質至上主義の問題の急所を捉えている
    いやも

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    2022年10月06日
  • 日本戦後史論

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    ところどころ、というか、要所要所で「ん?」となりがち。今の政治の出鱈目ぶりは保守の自己解体願望でーみたいな話が繰り返し語られるが、「無意識下で」といえば何でも言えてしまうので、こういう文系インテリ仕草はちょっとついていけない。

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    2022年07月09日
  • 長期腐敗体制

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    2012年~2022年初頭くらいまで(一部自民党55年体制の話もあり)の、10年間の日本の政治について分析された一冊(帯の「なぜいつも頭(トップ)から腐るのか」のインパクト大)。本書では、2012年に自民党が大勝してからこれまで続く政治体制(安倍晋三総理→菅義偉総理→岸田文雄総理)を「2012年体制」と表現して、2012体制が行ったアベノミクスや安全保障問題、コロナ対策などが著者の解釈で分析される。ここ10年くらいの日本の政治の本質を知りたい人にオススメ。

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    2022年06月29日
  • 長期腐敗体制

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    このタイトルは読みたくなりますよね

    最後の第五章は抜群に面白かったです
    自分のこれまで持ってなかった視点からの考察には
    なるほど、と唸らされ認識を深めるのにためになった

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    2022年06月16日