白井聡のレビュー一覧

  • 日本戦後史論(朝日文庫)
    (2016/1/10)
    最近内田さん、白井さんの本をよく読ませていただいているが、
    この対談で新たな発見をしたのが
    「破局願望」、「自己破壊衝動」。
    アメリカの属国ということは何度も読んできたが、この概念は新しかった。

    坂の上の雲を追いかけて上ってきた明治日本がなぜ大東亜戦争で破滅の道を歩んだか。...続きを読む
  • 転換期を生きるきみたちへ
    (2016/10/15)
    中高生に、とあるが、我々大人が読んでも十分学べる内容。
    物事の考え方を、平易なことばでみごとに説明してくれている。

    小田嶋さんの成功者村上龍への食いつきは面白い。「会社員」という仕事がないと。
    村上龍は成功しているから会社員をはずしていると。
    確かに、13歳のハローワーク...続きを読む
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)
    人新世の「資本論」の斎藤幸平、「永続敗戦論」の白井聡、岸本聡子杉並区長ら
    そうそうたるメンバーが自治を語る、コモンを語る、自律を語る。

    正直難易度が高く、頭に入らないものもあった。
    一番理解しやすかったのは藤原辰史さんの農業の自治。

    古来人間は集って狩猟、農業を営んでいた。そこに自治があった。
    ...続きを読む
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ
    (2022/1/8)
    2020年、まだコロナ第2波くらい、オリンピック延期、という段階で書かれたアンソロジー。

    日本の知性が集結している。多くの方が参加している。

    読み始めたとき、それぞれのお名前の横に簡単な肩書しか書かれておらず、

    もう少し人物紹介すればいいのに、、、と思ったのだが、巻末にま...続きを読む
  • 鈴木邦男の愛国問答
    2023年、つい一年前に逝去した鈴木邦夫氏が残したコラム集。
    残念ながら生前の活躍はあまり把握しておらず、
    せいぜい右翼から左翼に転向したとか、彼こそ本当の右翼だ、
    程度しか聞いたことがなかった。
    彼の文章を読んでまず感じたのは、何とも愛すべき人物であった、
    ということ。「右翼」のイメージからか、こ...続きを読む
  • ニッポンの正体 漂流を続ける日本の未来を考える
    「ニッポンの正体」2022年版。沈着冷静な学者と思っていた白井聡は実に熱い男だった。周りの怠惰を溶かすほど活躍してくれ。勉強になった。2024年版も必ず読む。
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義
    audible 。白井聡さんのマルクス入門書? 難しいけど大切なことだ。世の中では「包摂」という言葉がさも大事なこととして使われるが、働く者を取り込む資本の側が都合よく使うことには抵抗しなくてはならない。有名なトヨタのやり方がどれほど労働者を苦しめていることか。
    もっと勉強しよう。
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義
    むずいぃぃ
    しかしなるべく分かりやすく書こうとしていることが伝わりました。

    資本の他者性
    資本とは人間にとって味方ではなく他者である
    つまり、人間が幸せになるために存在している訳ではないということ
    ただただ無限の価値増殖だけを目的にしている
    そして私達人間はいつのまにかその目的の手段となっている
    ...続きを読む
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)
    人新世の資本論で説かれていたことを、さらに具体的にどうやって実現していくか。それを斎藤幸平氏だけでなくさまざまなジャンルの人も語っている。

    杉並区長の岸本聡子さんの章がとてもおもしろかった。
    「共生」や「協力」「包括」「共有」といった、女性的価値で政治や選挙のやり方、組織のあり方をかえていくフェミ...続きを読む
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)
    資本主義による大量生産、大量消費の時代は終わりつつある。この危機を乗り越えるためのキーワードは「コモン」である。私たちも生き方を見直さなくてはならない。
  • 日本戦後史論(朝日文庫)

    単なる対米追従では……

    このお2人の対談本は続けて読みました。ナチス占領下のフランス・ヴィシー政権に関連するエピソーや、アベ政権にまつわる諸々などが印象に残る本でした。
    1年延期して開催した東京オリンピックも無駄でしたし、大阪万博も同様でしょう。
    薩長政治に対する恨みつらみも分かりますが、やはり長いだけだったアベ政権、褒め...続きを読む
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

    興味深い対談本

    国際情勢から今の日本の政治経済、教育やマスメディアの諸問題、割とじっくり語られていました。先日の文化放送の番組に白石氏が出演され、この本にも関連した話をされていたので買って読みました。
    維新は加速主義では?といったような指摘、おおむねあっていそうです。
    今の学校教育では分析知を持った人間、出てこなさ...続きを読む
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く
    ほぼ同じ頃に出版された「鵺の政権」と比べ勉強になった朝日新書。熱い白井聡と大人の内田樹の対談だ。
    「5章日本社会の何が“幼稚 „か」で語られる教育の問題に共感したり反省したり。久しぶりに教師であった自分のことを振り返り、考えさせられた。
    お二人の熱さとクレーバーさのホンのわずかでも自分にほしい。
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)
    「はじめに」から続く7章と「おわりに」まで、著者それぞれの立場や専門ならではの視点から、「コモンとは?」「自治とは?」を終始問われ考えさせられるのだが、事例が分かり易いし文章も読みやすく、押し付けがましくもないのでずんずん読める。これまでモヤモヤしていたことにやっぱりおかしいものはおかしいと言おうと...続きを読む
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く
    新しい戦前はタモリさんから始まったんですね。アメリカの没落、中国の動向、日韓、東アジア同盟。興味深い。
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義
    『資本論』を解説しつつ、マルクスの分析した「資本主義とはなんたるか」を解いた一書。もちろんマルクスの思想全体を網羅したものではないが、資本主義の本質をめちゃめちゃ分かりやすく伝えてくれている。終盤、資本主義への憤りと、資本主義に包摂されている(己れを含めた)地球があまりに哀れになり涙した。やはり資本...続きを読む
  • 武器としての「資本論」
    資本論の入門として勉強になったが、著者の思想が影響された部分もあるので(思想自体を否定する意味ではない)この一冊で満足せず客観的に社会の遍歴を分析し、これからについて考えようと思えた本でした。
  • 撤退論
    現在のシステムの潮流でのカタストロフィの生じる前の方向転換を撤退論としている。
    コモンの再生と撤退ということで、斎藤幸平が、『資本主義から撤退して里山に行くだけでは不十分。何故ならそのままでは、資本主義が里山を含めた環境を破壊するから。』と言っていたところに納得。彼はだからこそ資本主義は止めなければ...続きを読む
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義
    ちょくちょく資本論やマルクスに触れた書籍に触れた中で本著は
    資本主義を巡る歴史的経緯の中で昨今取り沙汰される問題へのレンズとしてのマルクス思想のあり方を
    少ない紙幅の中で躍動的に記述しきっていて、同著者の他作品やマルクス関連本への中途に読むにはありがたいものになっている。
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義
    講談社新書の100ページ+αで思想がわかる「今を生きる思想」シリーズのマルクス編。

    このシリーズは、最初、そんなページ数じゃあ無理だろうと思ったのだけど、これまで読んだフーコーとアーレントはどちらもなかなか秀逸だった。今、資本主義について考えているので、そんな関心からマルクスを読んでみる。

    本は...続きを読む