白井聡のレビュー一覧

  • 未完のレーニン 〈力〉の思想を読む

    匿名

    購入済み

    よい

    レーニンの思想を著者の解釈を通して知ることができます。オススメの著作です。
    レーニンはすごい考えた人なのだなと思いました

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    2026年09月23日
  • 武器としての「資本論」

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     かなりいい本だった。資本論の入門としても詳細にマルクスの思想が書かれていて勉強になった。
     資本主義の社会を生き抜くためのまさに「武器」として資本論は今必要なのかもしれない

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    2026年08月07日
  • 武器としての「資本論」

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    ネタバレ

    絶対マルクスの資本論を読めない私でも面白く読めた。
    続編出ないかなぁ。

    富と商品は違う
    アダムスミスとマルクス

    商品を増やしても富が増えるかは別

    資本主義による包摂
    形式的包摂から、実質的包摂
    この包摂は終わりがなく、私たちは魂まで包摂されるのでは

    資本主義の内面化
    かつては、「ハマータウンの野郎ども」、デコトラのように、労働者階級にも自分たちの階級への文化、誇り、愛着があった。そこから、駆け上がることは目標憧れであり、しかし嫌悪すべきことで葛藤があった。
    しかし、現代の我々は階級を駆け上がることを肯定的にしか捉えていないのではないか。

    スキルがないから低賃金 低賃金だから価値が低い
    そういう価値観も内面化しているのか。。。



    商品の二重性 富や財とは違う
    使用価値 質
    交換価値 量

    資本主義では、労働もまた、労働力商品
    具体的有用労働 質
    抽象的人間労働 量

    労働力によって余剰価値を作れるのは、
    労働に形成される価値が、労働力の価値より大きいから。
    生み出す価値が給料より大きいから。

    労働力の再生産に必要な労働時間によって規定されている。
    この「必要」は弾力性がある。
    労働者が贅沢を「必要」と考える必要がある。
    それは、歴史的背景や文化的背景が決める

    イギリスの食文化
    エンクロージャーや共有地の私有化
    庶民が共有地から食材を取ったり、祭りを開いたりできなくなった。食文化も途絶えた。
    文化は富裕層など一部の人間だけでは維持できない

    生産性の錯覚
    必要労働時間 賃金分の生産をする時間
    剰余労働時間 資本のため

    奴隷制「ご主人様のために働くのやる気出ない」

    封建制「ご主人様の畑は適当に耕すけど、自分の畑は頑張る」

    資本制「自分のために仕事は全力」
    資本制は必要労働時間と剰余労働時間が区別できない。


    絶対的剰余価値 ひたすら労働時間を長くする 一定の「必要」の限界がある。休み 単身赴任無理
    相対的剰余価値 生産力の増大
    これが、イノベーション
    かつては、相対的の方を伸ばそうとしてたこともある。。。
    しかし、イノベーションしても結局すぐ追いつかれるため、一瞬しか美味しくない。
    →外国貿易と同じ、時限的利潤は時間的差異があるから生じる

    フォーディズム
    中流階級作って消費者にしてみんなで豊かになろう!
    終わった。その代わりに、ネオリベ

    色々取り上げる
    リキッドモダニティ
    かつて、ソリッドモダニティだったのは、家や家電など売りたいものもソリッドだった。

    労働力商品の価値の引き下げは、絶対的余剰利益の追求への回帰である。なぜなら、使い倒すから。

    本源的蓄積 資本主義の原罪
    土地から労働者を剥がす
    はじまりの労働者
    生産手段(家業)からも身分制からも自由

    資本主義は資本家と自由な労働者が出会わないと始まらない

    戦争は有効需要の不足への特効薬


    階級闘争をしよう!
    資本家を憎まない
    「必要」をもっと拡大しなきゃ。

    再分配機構の逆利用
    例えば、良い公立小学校は金持ちしか住めない地域にある。みんなの税金で、、、
    これって、「良い教育は私立で」よりヤバい

    あと、金持ちというか資本家にかかる税金は労働者より低かったりする

    マルクスは今後資本家間でも富の集約が進み没落したりして、どんどん限界が近づき破裂する

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    2026年02月08日
  • 武器としての「資本論」

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    マルクスの資本論に関して、噛み砕いて説明している。非常にわかりやすい。

    冒頭の満員電車で30代サラリーマンが必死に資本論を読んでいたというエピソードが、どうも頭から離れない。資本論というのは、資本主義とはどういうものであるか?ということを示した本であり、別に革命を目指すようなものでもない。

    どうして我々労働者は、働いても報われないのか?という強烈な課題意識があると、資本論はスッと入ってくることがある。そういうことを言いたかったんだろうなと思う。

    資本論の解説としても有用であるものの、本書で面白かった箇所を引用する。

    >新自由主義が変えたのは、社会の仕組みだけではなかった。新自由主義は人間の魂を、あるいは感性、センスを変えてしまったのであり、ひょっとするとこのことの方が社会的制度の変化よりも重要なことだったのではないか、と私は感じています。

    社会にとって有用なスキルがなければ、低賃金に甘んじるしかなく、それは自己責任だよね?という考えそのものが浸透している現代は、すっかりその価値観に毒されてるなと。

    最近まで高みの見物をしていたホワイトワーカーも、その例外ではなくなってきた。お前は生成AIよりも有用であることを証明できるのか?という命題を突きつけられるからである。

    改めて人間にとっての価値とは?という根源的な問いに向き合う時、それが現代の階級闘争なのかもなと。

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    2025年12月01日
  • 武器としての「資本論」

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    武器としての「資本論」
    著:白井 聡
    出版社:東洋経済新報社

    政治学者である、白井氏が資本論のエッセンシャルを解説されている書です。

    冒頭に、「生き延びるための『資本論』」とある。

    資本論挫折組としては、この上もないありがたい書であるが、こんな内容が含まれていたなんておもいもよりませんでした。

    また、3冊ぐらいかとおもっていましたが、岩波『資本論』は全9冊とあり、かなりの分量であったこと改めてびっくりしました。

    なぜ、資本論がこれまで読み継がれているのか、それは、経済概念の何かしらの本質をつかんでいるからこそ、今もなお、読まれるだけの価値があるという。それが、生き延びるための資本論なのです

    資本制社会とは、商品の生産と交換が行われている社会、商品の生産、流通、消費を通じて行う社会が資本主義社会である。

    その原則のもとに、資本論は、唐突に商品で始まる。

    次に商品に対して、労働。まるで簿記である

    商品交換のよいところは、あとくされがないこと、それに対して、共同体内部でのやりとりは、あとくされあり

    剰余価値を生み出すことが、資本主義のキモである。

    教育の荒廃の最大の原因は教育の商品化である。教育の商品化をやめない限り、教育は立て直せない

    資本はとにかく増えること、増えることで豊かになるということは資本の目的ではない。増えることこそ、資本の目的である

    機械は人を楽にしない。機械が、AIが働いてくれるから、人はもう働かないでよい、とはならない
    資本主義の下では絶対にそうならない。どんどん機械化が進んでいるのに、私たちの労働が時間の面では全然楽になっていないのが、その証拠です。

    日本の労働者階級は過去30年間ずっと退却し続けている

    資本のために、生産性をあげているのに、自分のために、生産性をあげているのだという錯覚がある

    技術革新はなぜ人を幸福にしないのか

    生産性が上がるということは、労働価値が下がるということ

    生産性向上とは、労働のダンピングです。

    国内の高い労働力から海外の安い労働力に置き換える
    日本政府がやろうとしている外国人労働者受け入れも同様、安価な労働力の輸入

    日本の高度成長が終わったのは、農村の過剰人口に基づく労働力を使い果たしから。要するに安い労働力がてにはいらなくなったから。

    イノベーションによって生まれる剰余価値は、たかが知れている

    資本家が安価な労働力で商品を生み出すと、いずれ、商品を買う人がいなくなってしまいます。
    そこで、労働者=消費者戦略、そのためには、労働者にある程度厚遇しないと、資本家も共倒れになってしまいます。

    労働者と、資本家との格差の拡大を解消する方法

     マルクスは、階級闘争といっている、いわば戦争です
     そして、国家の介入で平等化を図ること、社会保障政策です

    富は次第に少数の資本家に集約されていく、それによって資本主義は進んでいく
    その先にあるのは、窮乏、抑圧、隷従、堕落、搾取といっています。
    さらにその先にあるのが、その状況を是正する出来事になります。

    資本家に人格はいらない。資本が人格化されているだけだ。
    つまり、資本論には、二面性がある。階級闘争VS構造主義である

    労働者階級を破壊してしまうこと、産業化が、大衆文化を破壊してしまうことにつながる
    そして一度破壊されてしまうと、そのダメージからは、容易に立ち直ることはできない

    つまり、生産力を爆発的に上昇させ、かつての人類には想像すらできなかったような物質的な豊かさをもたらしながら、そのただ中に、貧しさを作りだしてしまっている。

    目次

    はじめに 生き延びるための「武器」としての『資本論』

    第1講 本書はどのような「資本論」入門なのか
    第2講 資本主義社会とは? ――万物の「商品化」
    第3講 後腐れのない共同体外の原理「無縁」 ――商品の起源
    第4講 新自由主義が変えた人間の「魂・感性・センス」 ――「包摂」とは何か 
    第5講 失われた「後ろめたさ」「誇り」「階級意識」――魂の「包摂」 
    第6講「人生がつまらない」のはなぜか ――商品化の果ての「消費者」化 
    第7講 すべては資本の増殖のために ――「剰余価値」
    第8講 イノベーションはなぜ人を幸せにしないのか ―― 二種類の「剰余価値」 
    第9講 現代資本主義はどう変化してきたのか ――ポスト・フォーディズムという悪夢 
    第10講 資本主義はどのようにして始まったのか ――「本源的蓄積」 
    第11講 引きはがされる私たち ――歴史上の「本源的蓄積」 
    第12講 「みんなで豊かに」はなれない時代 ――階級闘争の理論と現実
    第13講 はじまったものは必ず終わる ――マルクスの階級闘争の理論 
    第14講 「こんなものが食えるか!」と言えますか? ――階級闘争のアリーナ

    ISBN:9784492212417
    判型:4-6
    ページ数:292ページ
    定価:1600円(本体)
    2020年04月23日第1刷発行
    2020年07月17日第7刷発行

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    2025年08月14日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    マルクスの入門書としては最もおすすめ。
    今流行りのトマピケティや斎藤らの資本論もこれを読んでいると理解が進むと思う

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    2025年07月14日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    久しぶりにマルクス勉強しました。いかに技術が進もうとも、生産力を向上させることを貫いている点は同じだという指摘がなるほどでした。

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    2025年05月15日
  • 武器としての「資本論」

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    読みやすさ★★★★☆

    マルクス関連書籍の中で一番わかりやすくて面白かったかも。
    剰余価値を日常生活レベルに噛み砕いて説明してくれたり、資本主義の始まりから終わりまで流れで書いてあるのが読みやすかったし、ある種のカタルシスも感じた。

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    2025年05月01日
  • 武器としての「資本論」

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    この一冊で資本論を理解できたとは到底思えないが、現代社会においての立ち回りや行動が変わるなあと思った良書。
    何度も読み返してより理解したい。

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    2025年04月09日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    分かりやすいし重要なポイントがぎゅうぎゅうに詰め込まれてる良著。
    マルクスの思想に近づくこと、それは人がどのようにしてこの時代を能動的に、人としての性を謳歌し、前向きに生きれるのかを考えることにもつながる。
    ソ連による共産体制の崩壊で、はい、もう終わりの姿勢では勿体無い思考の源泉がマルクスには宿ってる。

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    2025年03月16日
  • 鈴木邦男の愛国問答

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    「朝まで生テレビ」などにも出演していた独特の雰囲気の論客で右派活動家の鈴木邦男氏の気骨ある文章が詰まった遺言とも言える一冊。
    晩年は左右を超えるふしぎな立ち位置となった氏の思想に触れるには絶好の書とも言えましょう。
    本書を読んで思ったのは、鈴木氏は「気骨ある人」に対しては左右の思想を問わず尊敬の念を抱くことができる懐の深さを持ち合わせた人だと言うことだ。氏のことを面と向かって罵倒する無頼漢に対しても「骨がある人だ」と称賛を惜しまず、格の違いを感じる。第一、本書自体左派メディアに寄稿された原稿であり、いわゆる右翼と呼ばれていた鈴木氏がいかに柔軟な考え方を持っていたかをうかがい知ることができる。ゴリゴリの「右翼」の方は本書を読んで「売国奴!」と罵るかもしれないが、きっとそれさえも雲の上の鈴木邦男は「敵と認めてくれてありがとう」と受け止めるのだろう。ほかの著作も読んでみたい。

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    2025年03月10日
  • 戦後政治を終わらせる 永続敗戦の、その先へ

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    政治の世界では、日本がアメリカに従属することは、半ば公然となっているらしい。日本の政治のカラクリを単刀直入に明らかにしている。

    アメリカの衰退は、1971年のニクソン・ショックあたりから表面化し、それを食い止めるために、一番言うことを聞きそうなところに、そのツケを回しはじめた。冷戦構造が終わった時点で、アメリカにとって日本はアジアのパートナーではなくなり、庇護する対象から収奪する対象になった。

    日本は無条件的な対米従属をしている合理的な理由がなくなったにも関わらず、それまでの依存と自立の志向が絡み合った対米従属構造が盲目的従属に深まっていくという摩訶不思議なことが起こった。日本には、アメリカの収奪攻勢に抵抗せず、迎合することで権益を得る人々が政界、官界、財界、学会、メディアに多数存在している。日本の永続敗戦レジームの担い手たちは、自らを守ってきた権力構造を維持するためならば、あらゆる富を売り払うということに全く躊躇しない。

    アメリカの差し金と言えるものには、郵政民営化、普天間基地移設問題などたくさんある。安倍政権が進めた特定秘密保護法、武器輸出三原則撤廃、原発再稼働、集団的自衛権行使容認、TPPなどの一連の政策は、アメリカのシンクタンクが発表した第三次アーミテージ・ナイ・レポートの完全コピーだった。戦後の日本は、憲法の制約を盾にすることによって、アメリカの軍事戦略に100%付き従うことを避けてきた。安倍政権は憲法解釈を変えて集団的自衛権を行使できることにして、対米追従に対する歯止めを自ら捨ててしまった。

    永続敗戦レジームは存在根拠を失っているので、崩壊するのは時間の問題である。日本国民が自らの手で必要な改革を成し遂げ、社会と政治を変化させ、ソフトランディングさせなければ、戦争や経済崩壊の形でハードランディングすることになる。

    新自由主義は、右傾化、反知性主義、ポピュリズム、排外主義などの発生に深く関係している。新自由主義によって再び階級社会化が進むと、国民統合は危機に陥るため、国家の側がナショナリズムのイデオロギーを利用して再統合を図ろうとする。それが目くらましにであることに気付かせないように、反知性主義の雰囲気を蔓延させ、小難しい意見は端から間違っていると決めつける。

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    2024年12月12日
  • 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義

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    わかりやすかった。
    資本を「不断で無制限の価値増殖運動」と定義し、相対的剰余価値の中に特別剰余価値(「技術革新によって得られる時限的な剰余価値」)を見出したところは大変興味深い。
    資本主義がさまざまな点で限界を迎えている今、これを人間社会の前史と捉えるマルクス経済学には、今読むべき意味がある。
    ただ労働価値説には疑問が残った。(東南アジアと西洋で同じ労働内容でも、賃金は違うじゃん…っていう。)

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    2024年10月04日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    今の社会を変えたいと思うなら選挙で政権を変えることに一生懸命になるのではなく、自分たちの手の届く範囲で当事者意識をもって運動することが重要だと感じた。そのためにコモンを見直し、それを自治していくことが大切だとわかった。身近なところから社会を変えていけると希望がもてた。

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    2024年08月31日
  • ニッポンの正体 漂流する戦後史

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     この本は政治学者の白井聡氏からジャーナリストの高瀬毅が意見を聞くという対談方式の本なのだが、白井氏の鋭さには感服する。聞き手の方が22歳も年上なのに、戦争直後のことをまるで見てきたかのように語る博識に驚く。そして日本が朝鮮戦争の終結を望んでいないことや、非核三原則を掲げながら、核を熱烈に欲しがっていることなど、痛烈に戦後社会の欺瞞を指摘している。
    これも必読の書だと思いました。

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    2024年06月23日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    (2016/10/15)
    中高生に、とあるが、我々大人が読んでも十分学べる内容。
    物事の考え方を、平易なことばでみごとに説明してくれている。

    小田嶋さんの成功者村上龍への食いつきは面白い。「会社員」という仕事がないと。
    村上龍は成功しているから会社員をはずしていると。
    確かに、13歳のハローワークに上がっている仕事で食っていける人はごくわずか。
    みな「会社員」として何とか生きている。

    白井さんの「意味」には際限はない、というのはなるほど。
    本能的欲求は限度があるが、誰も持っていないものを持つ、という欲求には切りがない。
    そこにはまったら最後だな。

    戦争中における「国」とは、国民でなく国体だ、と書く山崎氏。
    ・・まあこれは先日読んだ伊藤氏の本で、掟を破られて黙っているのはおかしい、で反論されそうだが。

    中年日本にアベノミクス成長戦略は怪我をする、という想田氏。
    勝手に中年になってしまったのだ。少子化を進めて。

    学べます。

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    2024年05月28日
  • 日本戦後史論(朝日文庫)

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    (2016/1/10)
    最近内田さん、白井さんの本をよく読ませていただいているが、
    この対談で新たな発見をしたのが
    「破局願望」、「自己破壊衝動」。
    アメリカの属国ということは何度も読んできたが、この概念は新しかった。

    坂の上の雲を追いかけて上ってきた明治日本がなぜ大東亜戦争で破滅の道を歩んだか。
    幕末に賊軍とされた東北勢などが薩長を追いやって権力の座に就き、それまでの明治維新日本を
    壊した、という。
    また、今の日本。戦前の天皇をアメリカにおきかえ、アメリカに褒められること、ご褒美をいただくことに
    期待して一所懸命やってきたが、なかなか認められない。
    そりゃそうだ。天皇と違って、アメリカは自国のことしか考えない。
    いっそアメリカの51番目の州になるほうが大統領になるチャンスも生まれ、よい。
    それが出来ないのは天皇制があるからと、アメリカ通を自慢する人が威張れなくなるから。

    そうした矛盾だらけの日本を破壊したいという願望があるのではないか、
    だから突っ走る安倍さんをとめないのでは。
    あたかも老舗の二代目、三代目が街の復興を邪魔するように、、、
    原発も同じだよなぁ。

    なんてカタルシスにとんだお話し。

    こういう見方が出来る、ということは知っておいたほうがいい。
    今の日本、皆知ってか知らずか、単純な方向に突っ走りすぎる。

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    2024年05月28日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    人新世の「資本論」の斎藤幸平、「永続敗戦論」の白井聡、岸本聡子杉並区長ら
    そうそうたるメンバーが自治を語る、コモンを語る、自律を語る。

    正直難易度が高く、頭に入らないものもあった。
    一番理解しやすかったのは藤原辰史さんの農業の自治。

    古来人間は集って狩猟、農業を営んでいた。そこに自治があった。
    種の保管、水の確保、料理。
    最小単位の集団で、自分たちで取り決めをし、少しでも全体の収穫を大きくしようとした。
    ここに国が絡むと、年貢を納めることになるが、これを金銭で納めるようにすれば
    商売の考えが生まれ、余剰金で新しいものが買える。そこにも自治ができる。
    などなど、人類の歴史に根付いた自治の話は分かりやすかった。

    岸本杉並区長も、区長が一人で考えるのでなく、区民の声が区政を動かす、
    その流れをどう作るか。実験を進めてほしい。

    ・・と考えていくと、今の国政が自治とは程遠いことがよくわかる。
    国民の声を聴かず、省庁、大企業の思惑だけで多額の税金が動き、
    ものの見事にムダ金になる。
    前明石市長泉氏の成功の真逆をしている国。
    日本に相対的貧困者が15%もいる、というのは明らかにおかしい。
    やれ五輪だ外苑再開発だ大阪万博だと無意味な金、一部に利権が流れる金の使い方
    をする前に、能登半島支援もあれば、貧困層への対応があるだろう。
    少子化を問題視しながら、若者や子を持つ家庭に手を差し伸べない。
    大学に稼げと言い、奨学金という名の借金を学生に負わせる。
    あ、自治と話がずれてきた。
    いいたいのは、世襲議員と偏差値エリート官僚には、市民の声を聴く気がない、
    ということ。
    そんな奴らに国を任せてはいけない。
    というか、国の単位がでかすぎるのだ。
    今こそ道州制だ。
    まさに地方自治体だ。
    ・・・自治体もろくな職員がいない、という説もあるが、市民が見ている。
    距離が近い。空気が伝わる。
    国には外交と防衛だけやってもらって、それ以外の金の使い方は各道州に任せれば
    よい。
    逆にそうしないと東京一極集中がますます進み、地方が死ぬ。
    地方が死ぬ、ということは文化が死ぬ、ということだ。
    美味しいものも食べられなくなる。それでいいのか。

    ・・・この本の趣旨、斎藤氏の趣旨から反れたかもしれないが、
    私の問題意識だ。


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    2024年05月23日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    (2022/1/8)
    2020年、まだコロナ第2波くらい、オリンピック延期、という段階で書かれたアンソロジー。

    日本の知性が集結している。多くの方が参加している。

    読み始めたとき、それぞれのお名前の横に簡単な肩書しか書かれておらず、

    もう少し人物紹介すればいいのに、、、と思ったのだが、巻末にまとめて紹介されていた。

    この本は中高生向きなので、それぞれの著者を知らない可能性が高く、人物紹介が長いとかえって予断を持って読み始めてしまうので、避けたのかな、と推察。

    私は彼らの著作を結構読んでいるので、背景を知って読むとより立体的に読めた気がする。

    一つ一つのコラムにコメントをするのは野暮なので辞めておくが、一番心を動かされたのは、雨宮処凛さんのコラム。

    ペット連れの要生活保護者をどう支援するか。役所は「犬を処分してから来い」と言い放つ。

    確かにその考えは自分の頭の中にもある。生きるか死ぬかの状態で支援を求めるのにペットなんて贅沢!と。

    しかしその一方、モノではなく生きているペットを捨てる、殺すなどできるはずもないと、、、

    我が家にも猫がいるが、極端に憶病なので、地震で避難所に行くことになったらどうなるのか?いやそもそも避難所が受け付けないか、、

    話戻ってそうした人を支援する彼女たち。当然お金が必要。これをどう集めるか。

    自分は寄付できるか?

    日ごろ人の役に立ちたい、などと言っていても、そこに目が向くか。

    反省。





    それに関連して、ベーシックインカムに注目するコラムもいくつか。

    クソ面白くない仕事をAIに任せる。

    イギリスをダメにした高福祉、働かなくても食えることに劣等感、感情を持たせるようにしたサッチャー。これは今の日本にもある。生活保護を受けづらくする。

    しかし金はあって暇がある、という状態が様々な文化を生む側面もある。

    オリザさんも別の切り口ではあるが、不要不急の芸術の必要性を訴える。



    ・・・もしAIが何でもやってくれて、富がうまく社会に分配されるようになれば、人々は金のためにあくせくするのではなく、本当に人の役に立つために、自分の好きなことをして働けるのではないかな。

    なまじ労働が貨幣価値に代替されるから、怠ける人が出るのでは、、、



    いくつかのコラムからそんなことを感じた。



    あ、それと、「椎名林檎になるための方法を教えてくれるのはどこの学校か?」と真剣に聞く大学生がいたという話は衝撃的だった。増田聡さん。

    正解が学校にある、と思っている日本の教育システムの膿のような話。



    。。。しかし、こういう本があるということは、日本の知性が捨てたもんじゃないことの証でもある。希望はある。

    こんなコロナ禍ではあるが、前を向いて生きていきましょう!

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    2024年05月21日
  • 鈴木邦男の愛国問答

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    2023年、つい一年前に逝去した鈴木邦夫氏が残したコラム集。
    残念ながら生前の活躍はあまり把握しておらず、
    せいぜい右翼から左翼に転向したとか、彼こそ本当の右翼だ、
    程度しか聞いたことがなかった。
    彼の文章を読んでまず感じたのは、何とも愛すべき人物であった、
    ということ。「右翼」のイメージからか、こわもてを想像していた。
    そして、こちらは本質だが、いまの「右翼」が、いかにえせ右翼か、
    真に日本を愛する、ということはどういうことか、彼の文章からその本質を
    読み取ることができた。
    そもそも右左の定義もあいまい。
    自称右翼、自称愛国者もそのあたりは分かっていないのだろう。
    馬鹿の一つ覚えのように、日本は悪いことはしてない素晴らしい国、
    周辺国は酷い国、と決めつける。
    所詮人間のすること、集団のすること、ろくでもないことをするのだ。
    私は昭和20年の欧米が日本の一般市民に対して行った仕打ちは決して許せないし、
    同様に日本軍隊がアジアで行った蛮行も許してはいけないと思う。

    先日謝罪論を読んだときに、安倍首相が米国議会で行った演説、
    謝罪はここまでにしよう、に改めて違和感がある、とコラムに記したが、
    鈴木さんも同様のことを書いていた。自分から堂々というなと。

    要するに反知性なのだ。猛々しいことをおっしゃる方々は。
    そのくせ日米安保大賛成、軍事協力します!なのだ。
    なんでアメリカの属国でいることに疑問を覚えないのか。
    軍事力を持つのはあり得ると思うが、だったら自国だけで戦える力を持て、だ。
    アメリカべったりはありえない。NATOに入る、ってなら別だろうけど。

    こういう、自分で考える人がどんどん減っていくような気がしてならない。

    そういえば、最近の左翼転向、といえば、古谷経衡だな。

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    2024年04月11日