なぜ「格差社会」が生まれるのか。
なぜ自己啓発書を何冊読んでも救われないのか。
資本主義を内面化した人生から脱却するための思考法がわかる。
ベストセラー『永続敗戦論』『国体論』著者によるまったく新しい「資本論」入門!
経済危機が起こるたびに「マルクスの『資本論』を読もう!」という掛け声が上がる。でもどうやって読んだらいいのか。「資本論」の入門書は数多く刊行されている。しかし「資本論」を正確に理解することと、「資本論」を現代に生かすこととは同じなのか?
本書では「資本論」の中でも今日の資本制社会を考える上で最重要の概念に着目し、それが今生きていることをどれほど鮮やかに解明するかを見ていく。
【他の「資本論」入門書との違い】
◎マルクスの「資本論」そのものの解説ではなく、「資本論」の「キモ」の部分だけを紹介。
◎「資本論」の中でも最重要な「商品」「包摂」「剰余価値」「本源的蓄積」「階級闘争」を切り口に、なぜ今のような格差社会が生まれているのか、どうすれば「乱世」を生き延びられるのか、を考える。
【本文より一部抜粋】
実は私たちが気づかないうちに、金持ち階級、資本家階級はずっと階級闘争を、いわば黙って闘ってきたのです。
それに対して労働者階級の側は「階級闘争なんてもう古い。そんなものはもう終わった」という言辞に騙され、ボーッとしているうちに、一方的にやられっぱなしになってしまったというわけです。(第11講より)
Posted by ブクログ 2022年09月11日
ー 新自由主義が変えたのは、社会の仕組みだけではなかった。新自由主義は人間の魂を、あるいは感性、センスを変えてしまったのであり、ひょっとするとこのことの方が社会的制度の変化よりも重要なことだったのではないか、と私は感じています。制度のネオリベ化が人間ネオリベ化し、ネオリベ化した人間が制度のネオリベ化...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月19日
「資本論」の解説本の中では一番わかりやすいと感じた。資本主義は、ひたすらに生産性を向上させることを追求するものであり、その結果として労働の価値が低下するとの指摘が一番の学んだ点。
共同体の中では、富や労働の貸し借りが頻繁に行われ、人間的な付き合いもする。商品は共同体の間の交換によって発生していた(...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年10月09日
経済について知りたいと思って手に取ってみた本.著者について調べてみると左翼寄りの方で,政治的思想に染まりたくなかったためこの本を買うか迷ったが1つの意見としてとらえるために購入.結果として政治的思想は述べられておらず,資本主義社会ができた課程から現在においての問題点を述べている良書だった.
以下ア...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月02日
『資本論』とは何かというより、なぜ現代社会で『資本論』に触れるべきなのか、ということを考えさせてくれる一冊。内容も『資本論』そのものについて触れている部分よりも、現代社会を『資本論』の視点から捉えてリフレーミングして解説している部分が多い。
特に本書の「包摂」に関する記述には頷かされたし、しかもそれ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月02日
資本論、これまで何も理解していなかった。
人間は人間として存在しているだけで意味があるはずなのに、
新自由主義のもと、資本を生み出す存在こそが価値が高い、という
リベラリズム的な考え方に侵食されている。
今の自分がいる階級よりも上の階級にいくことが幸せであるとされているが、本当にそうなのか?
寅...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年04月30日
最近ハマっている『資本論』入門書。抜粋されているのを読むだけでも難解な『資本論』、先日読んだ『人新世の「資本論」』もこちらも分かりやすいが、『人新世の〜』が資本主義のもたらす環境負荷に帰結したのに対し、こちらは現代的な資本家vs労働者に重きを置いているように感じる。
最後は、「こんなものが食えるか...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年03月29日
示唆深い本でした。
赤地に黒字の表紙、でかでかと筆者の顔、あれやばい本かな?と思いつつ、中身は非常に分かりよい。
・マルクスの立場としては、資本主義は超歴史的(はるか昔から)というよりは、土地と労働力が商品となった時に生まれた、という話。
・資本主義の「包摂」は、労働の過程だけでなく、人間の魂まで...続きを読む