井上真偽のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
館をテーマにしたミステリアンソロジー。さまざまな読み心地だけれど、どの作品に登場する館も魅力的です。
お気に入りは恩田陸「麦の海に浮かぶ檻」。やはり大好きなあのシリーズ路線なので。この雰囲気がたまらなく素敵です。
井上真偽「囚人館の殺人」も凄かった! オカルト路線かと思いきや、最後まで読むとしっかり本格。ものすごく伏線がいろいろとあって、やられたなあ、と。事件の凄惨さと真逆の静かな読後感も印象的でした。
そしてこれまたある意味凄すぎるのが白井智之「首無館の殺人」。よくぞこれほど鬼畜でグロテスクなトリックを考えつくものだなあ……真似できません。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ非常に読みやすくてワクワクする話かつ普段普通に生きることができている私たちの生活について考えさせられるお話でした。
テーマは3つの障害を抱えた人の救助ということで非常に面白かったです。実在している人物を元にしているのか、どのような気持ちでこれを書いたのか非常に気になります。
もう一つのテーマとして"無理なもの"というテーマもありました。私も作中同様に、無理なものは無理と諦めるタイプです。まあそれが良いかどうかの議論は置いといてやはり人間というの限界があるとは思います。その中でどうやって楽しく満足できる人生を送ることができるのかが大事だと改めて思いました。
最後の伏線回 -
Posted by ブクログ
漫画チックなミステリ。ドラマ化したのも頷ける。
事件が起こる前にトリックを見抜き、仕掛けを無効化し、ターゲットに狙われていたことも感じさせない(主人公の一華がニブすぎるという見方もあるが)凄腕の探偵のお話。相続する遺産の額が5兆円という設定がファンタジーだし、登場人物の変テコな名前も漫画チックで、作者はドラマ化かアニメ化を初めから狙っていたのではと思わせる。
「早すぎる」解決も井上真偽ならではのロジックの積み重ねによって導かれているのでミステリ条件は備えている。
もう一つのこの作品の特徴は「タリオの法」だろう。「目には目を歯には歯を」という同害報復については「ハンムラビ法典」が人口に膾炙されて -
Posted by ブクログ
ネタバレやられたという感想が第一だ。
あらすじを読んだ時、「見えない・聞こえない・話せない」という三つの障がいを抱えた人間を、ドローンだけで救助するなんてどう考えたって「無理」な話だと、そう思った。
そう。「無理」だと思わせること。
それこそが、この作品がひっくり返す対象なのだ。
ミステリーは基本的に、誰が犯人なのかや、どんな手段なのかという部分をひっくり返そうとする。
しかしこの作品は、事件が起こる訳ではないので犯人は存在しないし、手段は全て、事細かに説明されている。だからこそ、読み手は「無理」だと思うのだ。
そしてその当然とも言える感想を、作品を通しての軸として捉え、読み手の心理ごとひっくり返す。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ極限状況における人間の可能性と、テクノロジーが切り拓く新たな救済のかたち――アリアドネの声は、その両者を緊密に結びつけながら、読者の感情と知性を鋭く揺さぶる力作である。
地下という閉ざされた空間、刻一刻と迫るタイムリミット、そして意思疎通の手段をほとんど奪われた被救助者。この過酷な条件設定は、単なるサスペンスの枠を超え、「他者と理解し合うとは何か」という根源的な問いを浮かび上がらせる。ドローンという無機質な存在が媒介となり、わずかな兆候や反応を手繰り寄せながら紡がれていく“対話”は、言葉の限界を超えたコミュニケーションの可能性を示唆してやまない。
また、物語の核にあるのは、単なる救出劇では -
Posted by ブクログ
「無理だと思ったら、そこが限界」
主人公だけでなく、読んでいてどこか自分自身にも響くフレーズ。
「見えない、聞こえない、話せない」の三つの障害を抱えた女性を、ドローンで救出する物語。終始、障害に加えて災害などで、一難去ってまた一難と緊迫した状況が続いて、目を見張るものだった。そして読みやすくて一気読み!
どんでん返しを売りにしているが、それ以上に勇気がもらえて、ヒューマンドラマ溢れる作品だった。救出するにあたって、主人公の葛藤や感情の変化に成長していく過程があって良かった。
まさかのラストにして、モヤモヤが解消されて全てが腑に落ちる!こんな形のどんでん返しは初めて。
“無理“という言葉