井上真偽のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
館をテーマにしたミステリアンソロジー。さまざまな読み心地だけれど、どの作品に登場する館も魅力的です。
お気に入りは恩田陸「麦の海に浮かぶ檻」。やはり大好きなあのシリーズ路線なので。この雰囲気がたまらなく素敵です。
井上真偽「囚人館の殺人」も凄かった! オカルト路線かと思いきや、最後まで読むとしっかり本格。ものすごく伏線がいろいろとあって、やられたなあ、と。事件の凄惨さと真逆の静かな読後感も印象的でした。
そしてこれまたある意味凄すぎるのが白井智之「首無館の殺人」。よくぞこれほど鬼畜でグロテスクなトリックを考えつくものだなあ……真似できません。 -
Posted by ブクログ
"奇蹟"の存在を信じる探偵、上苙(ウエオロ)。
そんな彼のもとを訪れた依頼人は、10年以上前に山村で起きたカルト教団の集団自殺事件の唯一の生き残りである元少女だった。
彼女には当時首を斬られた少年に抱えて運ばれた記憶があり、そんな常識的にありえない事件の真相を調査してほしいと依頼する。
残っている情報は、当時の資料と依頼人が当時書いていた日記のみ。
ウエオロは、首のない状態で人を抱えて運ぶという"奇蹟"を証明するために「人知の及ぶあらゆる可能性を全て否定」しようと試みる。そんな彼の前に現れる刺客たちは荒唐無稽ともいえるようなあらゆるトリックを提示し、それ -
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ドローンについての知識が乏しく読み返したりしていたので、緊迫した状況そのままに読み進めるのは難しかった。でも知識がなくても分かるように書いてくれているのはありがたい。
「できない」ことの証明は(医学的にはどうなのか分からないけど)難しい。
無理、だから他の「できる」方法を探して実践する。他者目線からはその人が「できる、している」ことをもって、「できない」ことを推測するほかない。白杖で足元を確かめながら歩いている(できること)から、目が見えないのかな、とか。
「無理だと思ったらそこが限界」というのは、安西先生の「諦めたらそこで試合終了」みたいな意味かと思ったけど、最後まで読むと「無理だと思う -
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街の空気ごと味わう連作ミステリー。
ぎんなみ商店街という舞台がとても生き生きしていて、読み進めるうちに「事件を追っている」というより、この街の日常に立ち会っている感覚になる。登場人物のキャラクターが本当に魅力的で、特に三姉妹の掛け合いは自然体で心地よい。それぞれの距離感や言葉選びに、家族ならではのリアリティがある。
商店街の人々との交流も印象的で、誰かが誰かをさりげなく気にかけている、その空気感が温かい。派手な展開で引っ張るタイプではないけれど、その分、人の表情や関係性がじわじわ効いてくる。
同じ出来事でも視点が変われば見え方が変わるはずで、BROTHER編を読むことで、この物語がどう広がる -
Posted by ブクログ
井上真偽さん、ありがとうございました。
こりゃ、2冊読まなきゃダメな作品ですっ。
どちらか一冊でも・・・なんて嘘っぱちじゃい!
1➕1が3にも4にもなる作品です。
連作短編が好きな人にはオススメできそうです!
sister1話からbrother1話、brother2話から
sister2話へ、sister3話からbrother3話へ
読みました。
最初と最後はこの選択でよかったです!
brother3話を読むまではsisterが良かったけど
brother3話はこれまでのモヤモヤ回収、
スッキリマックス!でbrother編も良かった!
ただ、ほんタメのお二人の解説コメント、
ほぼほぼ被