井上真偽のレビュー一覧

  • 恋と禁忌の述語論理

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    ネタバレ

    p.161
    謎中毒者 (addicted to riddle)

    面白かった!のめり込んだ!
    けど最後に実は親戚では無かったオチはいただけない…
    そこはもう本当の甥と叔母でいいよ
    タイトルに禁忌のって書いてあるし

    0
    2024年03月31日
  • 恋と禁忌の述語論理

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    名探偵が披露する名推理に潜むバグを瞬時に見抜く天才学者
    4つの事件とエピローグで明かされる本当の目的で二重構造のミステリー
    がっつり「数理論理学」の難解な講義を読む…ことをクリアできるかできないか…それが問題だ
    □P:この本を最後まで読めたらクリアできた
    True or False

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    2024年02月14日
  • 新世代ミステリ作家探訪~旋風編~

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    前作も読んだけど、やっぱり面白いなぁ。
    デビュー10年以内という条件がいいのかも。

    記憶が薄れたからかもだけど、前作のほうが読み応えがあったかなあ。作家さんも好きな人が多く。

    読者遍歴聞くと似通った感じになるならかなぁ。

    0
    2023年12月21日
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

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    白井智之作品のために購入
    したがって評価と感想は単品のもの

    【首無館の殺人】白井智之
    梔子クチジロウ くちなしくちじろう
    倒叙モノかと思いきや…

    他の作家作品は後ほど読みます…たぶん

    0
    2023年11月23日
  • 恋と禁忌の述語論理

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    そうか、これもミステリなのか…というのが正直な感想。これまであったような、事件が起こって探偵が謎を解決して…そこで終わるのではなく、さらにその探偵の推理が正しかったのかどうかを論理学的に証明する――はぁ~よく考えますねと感心(^^; 超ド文系のワタクシ、数式を見て一瞬ぎょっとしましたが、論理学初心者の主人公がストーリーテラーであるのでちゃんと解説もあって、結構面白く読めました。文庫版を読んだんですが解説にもある通り、中編3編をエピローグが串刺しにする構図――これはお見事です!ていうかコレ、続編あるんですよねっ⁈

    0
    2023年11月22日
  • 特選 THE どんでん返し

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    神様が良かった。
    そういうのも神様というのか…という驚きと
    リアルな感じが読む手を進めた。

    五篇入っているのでハマらないものもあるけど
    お得感はあるかなと言った感じ。

    0
    2023年11月21日
  • ベーシックインカムの祈り

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    ミステリーという形で読者に飽きさせない工夫をこらしつつ、近代的な諸技術について考えさせられる一冊。ミステリのようで、ミステリじゃない。エンタメ本でもあり、教養本でもある。そんな不思議な本でした。

    0
    2023年09月26日
  • 恋と禁忌の述語論理

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    「推理」でなく「検証」。

    始めは「?」でしたが、読み進めていくうちに、なるほどと唸りました。
    解説にも書かれていましたが、数式とか出てきて、ド文系の僕からしたら「うっっ」ってなりかけましたが、それでも読み進めていくうちに、ちょっとずつ分かるようになりました。

    そして何より面白い。
    難解なトリックを見破ると言うのがミステリの王道で本書も同じですが、アプローチの仕方が今まで読んできたミステリと全然違う。
    数理論理学的に矛盾する部分を分かりやすく、整理して数式にしているのがすごく面白い。
    硯さんに惚れました。

    井上真偽さんの作品はまだ『その可能性はすでに考えた』を読みましたが、すごく作者の頭の良さが滲み出てました。
    圧倒的な知性で読者をボコボコにするのですが、それでいて分かりやすいし面白い。
    大好きな作家さんになりました。

    0
    2023年07月23日
  • ベーシックインカムの祈り

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    近未来の世海を題材にした小説。
    言の葉の子らは、AI
    存在しないゼロでは、遺伝子組み換え
    もう一度、君とでは、AR
    見に見えない愛情では、エンハンスメント
    ベーシックインカムへの祈りは、ベーシックインカム
    を題材として、ミステリーを絡めて展開していく。

    個人的なお気に入りは、もう一度君と。二重のARで、ありがちな結果でしたが、楽しめました。

    未来は、決して楽園でないと思わずにいられないのは、過去の歴史が物語ってきたからでしょうか。
    技術の進歩は常に人の倫理観が伴うと思うと、ベーシックインカムの導入もまた考えてしまいます。

    0
    2022年12月31日
  • 聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた

    購入済み

    あ

    今回のもめちゃくちゃ面白かったです。ただ、難しいところは読み飛ばしてしまうのですが、エンターテイメントです。

    0
    2022年10月07日
  • その可能性はすでに考えた

    あ

    購入済み

    あ

    面白かったです。「探偵が早すぎる」を読んで他の作品も読みたくなり購入しました。すごく難しいし、荒唐無稽なストーリーですが本当に面白かったです。

    0
    2022年10月01日
  • 探偵が早すぎる (上)

    あ

    購入済み

    あ

    ドラマが大好きで原作も気になって読んでみました。めちゃくちゃ面白かったです。大好きです。続きも楽しみです。

    0
    2022年09月08日
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

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    ネタバレ

    恩田陸氏の理瀬シリーズ目当てに。
    他の人のコメントで 他作品もシリーズの短編ありとの事にて気になる。
    どれも 短編ながら、妙に記憶に残るであろう作品達。


    はやみねかおる『思い出の館のショウシツ』
    →テンポ良くスイスイ読める。主人公が本が読めないのは理由があるのだろうか?

    恩田 陸『麦の海に浮かぶ檻』
    →ヨハンの短編といい、短編ながら満足の一作。

    高田崇史『QED~ortus~ ―鬼神の社―』
    →難しい。。けれど、逆の立場の神を だからこそ奉るって発想は驚いた。

    綾崎 隼『時の館のエトワール』
    →ラストのセリフ、ページをめくっての1行で 紙ならではだなぁ。。

    白井智之『首無館の殺人』
    →個性的な世界観。スッキリ終わるかと思いきやラストのどんでん返し。

    井上真偽『囚人館の惨劇』
    →こちらもどんでん返し。 ナルホド。。

    0
    2022年05月11日
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

    購入済み

    恩田陸目当てで読みました。それだけを評価するならとても良かったし、知りたかった部分を読めて満足です。
    しかしそれ以外の作者はグロテスクなものもあり、ちょっと面白いとは言えませんでした。

    0
    2020年02月14日
  • 探偵が早すぎる 上下合本版

    購入済み

    ドラマ派の意見です

    ドラマ版が面白かったので、原作も拝読したクチです。
    まず驚きだったのは、探偵・千曲川を始めとする各キャラクターは、原作の方がぶっ飛んでいるということ。
    滝藤さんがマトモに見える不思議…!

    普段ライトノベルを読まないので、そういったキャラクター造形に少々抵抗がありましたが、畳み掛けるようなトリック返しは面白く、特に後半はテンポ良く読めました。
    合本版でこそ読むべき作品かもしれません。

    ただしドラマ版とはかなり別物で、あの泥臭くも小ネタ満載の、深夜ドラマ感を期待すると肩透かしです。

    ラノベ風味でも全然構わない、ついでにちょっと百合風味なラストがお好みの方には、とてもオススメです。

    0
    2020年01月24日
  • 恋と禁忌の述語論理

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    ネタバレ

    上苙丞シリーズの3作目かと思っていたのですが、青髪の探偵はなかなか登場せず、新シリーズかな?と勘違い……しかけたところでようやく登場し、安心。

    しかし、1章と2章(レッスンI、レッスンII)に登場する花屋探偵とオラオラ女探偵、そして主人公格の硯さんも個性が強烈。彼らの言動を見ている(読んでいる)だけで十分面白く、上苙は元は本作からのスピンオフだったらしいので、先の3人を主人公にしたシリーズが出てもおかしくないと思うほど。

    何より数理論理学を用いての推理が新鮮で良いですね。著者が大学時代、専攻していたんですかね。他の作家には書けない内容かと。

    検証の内容は十分に理解できていない(十分どころか、十分の一も理解できている自信はないです(涙))のですが、上苙シリーズ前2作に登場したキャラに劣らぬインパクトの登場人物たちと意外過ぎる真相に、十二分に楽しませてもらいました。

    0
    2025年09月28日
  • 恋と禁忌の述語論理

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    ネタバレ

    ○ 総合評価  ★★★★☆
    〇 サプライズ ★★★☆☆
    〇 熱中度   ★★★☆☆
    〇 インパクト ★★★☆☆
    〇 キャラクター★★★★☆
    〇 読後感   ★★★☆☆
    〇 希少価値  ★☆☆☆☆

     論理学で「探偵」の推理を検証するという一風変わったミステリ。正確にいうと、「レッスンⅠ スターアニスと命題論理」では、探偵役の藍前あやめは、妹である藍前ゆりを納得させるために「過失」であるという強引な推理をしている。「レッスンⅡ クロスノットと述語論理」と「レッスンⅢ トリプレッツと様相論理」では、それぞれ森帖詠彦が考えた完全犯罪を検証してもらっているという構成となっている。よって、名探偵による推理を検証するというとやや語弊があるが、作品の構造としてはまさに「名探偵の推理」を「論理的に検証」している。
     構成は非常に面白い。まずは短編ミステリとして謎と探偵による推理を提供する。この部分だけで短編ミステリとして成立している。その探偵役の推理を、森帖詠彦の叔母とされている「硯」が論理的に検証する。この「論理的に検証する」の部分に、「命題論理」、「述語論理」、「様相論理」といった論理学についての解説を含まれている。計算式もほんの少し取り入れながら、結構本格的に「論理学」についてのレッスンがされる部分は新鮮。この点は、この作品のオリジナリティとして高い評価をしていいと思う。
     問題は個々の短編のミステリとしての弱さ。「レッスンⅠ スターアニスと命題論理」は、「しきみ」と「スターアニス」の違いを知り、殺人の故意があったと言えるのか。それとも過失なのかというもの。謎解きの鍵が、犯人とされる女性(蜜川ほのり)は、しきみが日本に自生しないことを知っていたというもの。トリックと言えるほどでもなく、ひねりもない。短編ミステリの完成度としてはやや低めと言わざるを得ない。「レッスンⅡ クロスノットと述語論理」は、共犯者まで用意しているが、殺人犯が被害者に変装し、殺人があった時間をずらすことで、別の人物=オーナーシェフの日笠深都音を犯人だと誤信させるというもの、「レッスンⅢ トリプレッツと様相論理」は双子という使い古されたガジェットを使った、雪の上の足跡のトリックを使っただけの作品。いずれも短編ミステリとしての完成度は低め。硯による推理の検証という点が非常に目新しいだけにこの点が残念
     また、硯による検証部分も、読んでいて面白いと感じる表現ではあるが、それでも退屈に思える部分がある。作中では「ナイトメアモード」として茶化しているが、読者の多くが読み飛ばす部分があると思う。
     総じて、作品の雰囲気、全体の構成で勝負しているミステリであり、細かい部分やミステリとしての核の部分に難がある。あとは、「論理学」に興味を持てるか。完全に理解できなくても「論理学」についてのウンチクを楽しく読める人なら評価は高めだろう。
     個人的には「論理学」についてのウンチクを楽しく美むことができた。硯や詠彦のキャラクターも好き。好みの作品なので評価は★4で。
    ★ メモ
    ★ レッスンⅠ スターアニスと命題論理
     森帖詠彦から、硯に対し、毒殺と事故死を論理的に見分けることは可能か?という質問がされる。詠彦が5月に参加した女子大OBの女子会で事件は起こった。庭のしきみ(強い毒性を持つ)の木がスターアニス(マレーシア料理などで使われるスパイス)だと誤解され料理に使われてしまった。詠彦は、既に「探偵役」が推理し、解決したこの事件について、「探偵」の推理の検証を硯に依頼する。
    ● 探偵、藍前あやめの推理
     容疑者3人には全員、被害者を殺害する動機がある。被害者に恋人を寝取られた馬場園美香。都築志穂はかつて流産をしており、その原因に被害者が関係していた。蜜川ほのりは同性愛者で、被害者に振られていた。三人に共通するのは被害者が妊娠したことを恨んでいるという点。スターアニスには子宮収縮作用があるので、スターアニスを食べさせて流産させるのが目的だったと考える。そうすると、わざわざしきみを食べさせて殺害するまでの動機はない。よって、本件は事故…という推理
    ● 硯による検証
     藍前あやめの推理は「温い」という。拠って立つ公理の恒真性がいささか心もとない…と。ポイントは「必要のない行為を行った。ならば行為は故意ではない」とぴう部分。事実的根拠も含んでいないし、世間一般の共通認識でもない。
     故意か過失かを見極める基準を「相手が死ぬ可能性を認識していたにもかかわらず、あえてその行為をしたかどうか」。容疑者のうち蜜川は、スターアニスが日本の野山に自生していないことを知っていながら、嘘を言っている。自分が料理に使ったはずのない木の実をあえて使ったと偽り料理に混入させた。よって、蜜川には殺意があったと判断
    ● 物語の結末
     藍前あやめは、あえて「事故」だという推理をしたのかもしれない。本当に「故意」だったとしても誰も幸せにならない。そこで、事故だと強引な推理をした。
     藍前ゆりに真相を伝えるかどうかは詠彦に委ねられる。
    ● スターアニスと命題論理の登場人物
    都築志穂
     自宅をパーティ会場として提供した人物。バツイチ。家事手伝い
    蜜川ほのり
     東南アジア系の母親を持つハーフ美人。生粋の関西育ち。ゲーム会社勤務
    馬場園美香
     アジアンカフェの雇われ店長。料理をしていた。
    三月さえり
     被害者。元商社OL。再就職をしていた。
    藍前あやめ
     フラワーショップ「アリストロキア」の店長。「花屋探偵」。「花占い推理」を行う。藍前あやめの推理のポイントは動機
    ★ レッスンⅡ クロスノットと述語論理
     イタリアンカフェレストラン「アマトリーチェ」のあるビルの1階の女子トイレで、「アマトリーチェ」の女性従業員である中川アリーナが殺害される。トイレは誰でも利用可能。凶器は「アマトリーチェ」のネクタイ。特注のネクタイ。被害者は友人Aと友人Bと食事をする約束をしていた。友人Bはアマトリーチェに客として来ていた。探偵役の中尊寺有の推理におけるポイントは、被害者がネクタイをしていたかどうか。Bさんにネクタイを貸したので、被害者はネクタイをしていなかった…という仮説を立てる。中尊寺の推理では犯人はオーナーシェフの日笠
    ● 硯による検証
     硯は、中尊寺の推理は「古典論理的」には正しい公理と正しい推論規則で結論を導きだしている妥当な証明だと言う。しかし、直観主義論理では妥当な証明ではない。直観主義論理とは、「排中律」を取り除いた論理。硯は「ヘンペルのカラス」の説明で対偶による証明の危うさを説明する。硯は、「犯行時の被害者は、ネクタイをしていたかしてなかったかのどちらか。それを証明の出発点にしてはいけない」という。「犯行時刻と思われる時間帯、被害者は既にこの世に存在しなかったとしたら?」。硯は、詠彦の話から3つの違和感を覚えたと説明する。「オーナーに無断でネクタイを貸すか」、「勤務中に携帯電話で欠席のメールを送ったのはなぜか」、「日笠シェフが本当に犯人なら、なぜ彼女は商店街の防犯カメラを見なかったのか」。硯の推理では犯人はBと共犯者。共犯の目的はネクタイの誤推理を利用して店員の誰かを犯人にすること。詠彦は、硯が何らかの事実を持ち出す前に、中尊寺の推理の弱い点を指摘した点に衝撃を受ける。
    ※ ヘンペルのカラス
     対偶を利用すると、直接カラスを見ることなく、カラスが黒いことを証明できるというもの
    ● クロスノットと述語論理の登場人物
    中尊寺有
     現役女子大生にして経営戦略コンサルタントにして俺っ子にして剣の達人で名探偵。森帖詠彦の剣道サークルの先輩。天才。女性
    日笠深都音
     イタリアンカフェレストラン「アマトリーチェ」の女性オーナーシェフ。死体の第一発見者
    中川アリーナ
     被害者
    海東
     東京でカレー屋をチェーン展開している実業家。中尊寺有に助言を受け、大阪で出店をしようとする。しかし、オープン日を間近に迎え、入居予定のビルで殺人事件が起こる。
    ★ レッスンⅢ トリプレッツと様相論理
     双子のどちらかの犯行であることを示唆する証拠は出ている。しかし、犯人を特定しようとするとどうしても矛盾が生じてしまうという事件。金桜館で、芸能人で、同館を相続した資産家の申神蓮花が殺害される。申神蓮花のマネージャーである周防の目撃証言、足跡、死亡推定時刻を考え合わせると、双子のどちらかにしか犯行は実行不可能に見えた。上苙丞は、申神蓮花のマネージャーである周防が犯人と推理する。周防は偽証していたと。トリックは足跡の起点を周防が泊っていた部屋の側にある桜の木のところとするもの。
    ● 硯による検証
     「赤いケープを着た双子の1人を見た」という発言から、周防の証言は偽証でないと推理。「知らないものは偽証できない。実際に見たのだろう」と。周防が偽証をしていないとすると、犯行ができたのは双子。硯は、様相論理で真相を解き明かす。上苙丞の推理は古典論理学の世界では正しい。しかし、様相論理の世界では…矛盾すら生じていない。「詠彦が午前6時にイリナと館内にいた」ことは絶対的。しかし、周防が証言する「午前6時に館外を歩く姿を見た」のは「イリナが館外にいた可能性があった」ことを示すに過ぎない。真相はイリナとオリガが足跡のトリックを使い、併せて3往復をしていた。実行犯はイリナ
    ● トリプレッツと様相論理の登場人物
    上苙丞
     都内で探偵業を営む自称27歳。キリスト教で言うところの7つの大罪の象徴で、将来起こる不吉な出来事を予見する「未来予知能力」を持つ。
    姚扶琳(フーリン)
     在日華僑。金貸し。上苙丞に1億円以上の金を貸している。
    士道夏海
     元郵便局員。今は上苙丞の助手
    鈴木多恵
     可愛いメイド服を着た高齢の家政婦
    申神蓮花
     「金桜館」の現当主。上苙丞に「あるロシアの小説にちなんだ「絵の謎」を説く」という依頼の依頼主。鈍器で頭部を殴打され、家電のコードで手足を縛られた上、椅子に座らされ絞殺される。
    周防梨乃
     蓮花が所属する芸能尾事務所のマネージャ。堅実な印象の眼鏡の女性
    申神衣莉奈
     双子の妹。蓮花の父寿太郎の甥の子。母と祖母を不慮の事故で無くなったので、寿太郎が引き取った。右足首をねん挫しており、左足にも軽度の障害がある。
    申神小里花
     双子の姉。蓮花の父寿太郎の甥の子。母と祖母を不慮の事故で無くなったので、寿太郎が引き取った。現在は右腕を包帯で吊り、左目を眼帯で覆っている。
    ★ 進級試験「恋と禁忌の……?」
     殺人事件の検証の相談に来た詠彦に対し、硯は、「お願いだから完全犯罪なんて目論まないで。他人のために殺人の計画を練るなんて、詠彦くんが考えている以上に罪が重いことなんだよ……?」という。硯がそのように考えたきっかけは、「トリプレッツと様相論理」の事件の相談を2か月待てなかった点。その点から考えると他にも気になる点があった。そもそも藍前姉妹は3人姉妹ではないか。最初の相談の事件についての藍前姉妹の悲しみぶりも踏まえると、最初の事件の被害者は藍前ゆりの姉。その事件が故意であったことをゆりに伝えたため、ゆりが復讐を計画したのではないかと推理した。そうすると2つ目と3つ目の相談の事件はトリックの構造が同じ。被害者が1名で一人の実行犯と一人の共犯。そして最初は犯人が特定されず、次に別の人間に嫌疑がかかるという構成になっている。硯はそのことを解き明かし、詠彦に殺人も殺人ほう助もせず、ゆりを説得することを約束させる。ラストは詠彦と硯が甥と叔母の関係ではないのではないか…と思わせる描写で終わる。
    ★ 登場人物
    ● 硯
     主人公、森帖詠彦の叔母と思われる女性。乞われてフランスの大学に行き、論文の引用件数が日本人で年間トップになるほどの革新的な研究を成し遂げた超才媛。作品中で姓は出てこない。
    ● 森帖詠彦
     主人公。理系の大学生
    ● 藍前ゆり
     森帖詠彦の幼馴染

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    2019年01月15日
  • 聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた

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    ネタバレ

    〇 総合評価  ★★★★☆
    〇 サプライズ ★☆☆☆☆
    〇 熱中度   ★★★★★
    〇 インパクト ★★★★☆
    〇 キャラクター★★★★☆
    〇 読後感   ★★★★☆
    〇 希少価値  ★☆☆☆☆

    〇 評価
     結婚式で、盃を回し飲みしたところ、回し飲みをした人物のうち毒死した者と、毒死しなかった者が交互に出る。また、侵入してその酒を飲んだ犬も死亡する…という不可能状況が魅力的な謎として提示される。
     序盤は、結婚式に参加したメンバーによる推理合戦。使われた毒が花嫁が持っていた砒素だったことから、花婿の姉妹は花嫁を疑う。その場に訪れたのは、結婚式に参加していた少女、双葉の依頼を受けて花嫁の嫌疑を晴らしにきた少年探偵、八ツ星聯。あまたの仮説をことごとく退け、誰が犯人か分からない状態で1章が終わる。
     2章は場面がガラッと変わり、中国の裏社会のボス的存在である沈老大(シェン)が現れる。結婚式で、巻き添えのように死亡した犬はシェンの愛犬だったという。その犬を殺害した犯人に復讐するために、シリーズキャラクターでもある元中国裏社会の住人、金貸しである姚扶琳(フーリン)に拷問を依頼する。しかし、フーリンこそ結婚式の場で、自分の会社に損害を与えた俵屋家の人物を殺害しようと計画した黒幕だった。シェンの前に八ツ星聯が現れ、改めて推理をする。結婚式の後の推理合戦以上に「可能性」だけを示す、荒唐無稽な推理が連発。カヴァリエーレ枢機卿から、無礼のお詫びとして提供されたというエリオ・ポルツォーニや、フーリンのかつての相棒、儷西(リーシー)などの仮説に八ツ星は圧倒されるが、上苙丞が登場し論破。シェンはフーリンが少女や家政婦を庇おうとしたことからフーリンの犯行を疑うが、上苙はフーリンが黒幕として計画した殺害計画が失敗していたことを示す。上苙は、人間3人の殺害は奇蹟。犬の殺害はエリオが仕込んだ毒のせいだと示す。
     しかし、最後に真相は花嫁の父と花嫁の叔母の共犯だったことが分かるというオチ
    前作「その可能性はすでに考えた」と同じように奇蹟の証明をしようとする話だが、前作よりはゲーム的なノリ、推理対決という要素は減っている。前作は推理対決という様相だったので、上苙の「対戦相手」としてキャラクターが立っていたが、今回はそこまでのキャラクターはいない。しかし、その分、物語の展開としてはバラエティに富み、話全体として飽きさせない。今作も「推理対決」だとマンネリ感も出ただろうから、この展開はよいと思う。
     問題は、前作でも思ったことだが、真相の弱さだろう。荒唐無稽な仮説に対し、まじめな論理で対抗していく途中のシーンの面白さに比べ、真相が凡庸すぎる。前作以上に凡庸。被害者サイドに犯人がいた可能性を考えないで奇蹟というのはなんとも無茶だ。途中の論理も、「花嫁が厳重に管理している砒素を使ったのは誰かに濡れ衣を着せようとしているから」という前提で、濡れ衣を着せることができる相手がいない犯行を否定している点が疑問。論理的にはそれで正しい論理かもしれないけど、花嫁が厳重に管理していた毒を使って全員が共犯とか、あり得る気がする。物証などで否定するわけでもなく、濡れ衣を着せる相手がいないから全員犯人はあり得ないとか、やや納得しにくい推理ではある。
     とはいえ、魅力的なキャラクターによる仮説・推理といった謎解きシーンが連発される展開は、やはり面白い。読んでいるときの充実感はなかなか。真相にもっと意外性があれば傑作になっていたと思う。★4で。
    〇 メモ
    〇 概要
     「聖女伝説」が伝わる里で行われた婚礼の場で、同じ「盃」を回し飲みした出席者のうち、毒死をした者と何事もなかった者が交互にでる「飛び石殺人」が発生する。
    死亡したのは花婿である俵屋広翔、花婿の父である俵屋正造、花嫁の父である和田一平と犬のムギ。死因は砒素中毒
     姚扶琳に無理矢理くっついてこの村に来ていた八ツ星聯という少年が推理を行う。
    後日、姚扶琳に、中国の裏社会の大ボス「沈老大」から「拷問」をして容疑者から犯人を割り出してほしいとの依頼がある。沈老大は可愛がっていた「犬」を殺害した犯人を見付けてほしいという。その「犬」は、先の婚礼の場で死亡した「ムギ」だった。
     双葉達の拷問を防ぐために八ツ星聯が現れる。八ツ星は、上苙丞がこの事件は奇蹟だと言っているという。ここで、改めて仮説の否定が始まる。
    〇 八ツ星聯の推理
     事件のポイントは2つ。「どうやって花嫁の砒素を入手するか」と「どうやって被害者3名及び犬を『飛び石』で殺すか」。関係者の証言をまとめると事前に花嫁の砒素を入手可能だったのは「アミカ」(俵屋愛美珂。花婿の上妹)、「キヌア」(俵屋絹亜。花婿の下妹)、「紀紗子」(俵屋紀紗子。花婿の母)、「花嫁自身」(和田瀬那)の4名
    〇 橘翠生(愛美珂達の従兄弟)の推理
     「奇数番殺害説」。盃を飲む向きは前の人の逆になる。奇数番と偶数番は飲む方向が違う。奇数番が殺害されている。単独で犯行を実行できるのは奇数番で死ななかったアミカと推理
    〇 アミカの推理
     「時間差殺人説」。被害者が倒れたのは演技。橘翠生が介抱するときに毒を飲ませた。橘翠生は紀紗子と不倫をしていた。砒素は紀紗子を通じて入手
    〇 橘光江(橘翠生の母)の推理
     「一人前犯行説」。花婿はアミカが、花婿の父は花嫁が、花嫁の父はキヌアが毒を仕込んで殺害したという推理
    〇 キヌアの推理
     「犬故意乱入説」。花嫁と山崎双葉(式に参加していた少女)の共犯。双葉が犬を乱入させた。
    〇 八ツ星聯の推理。4つの仮説の否定
     犯行に花嫁の砒素が利用されていたところから否定。犯人が花嫁であれ、花嫁以外であれ、犯行に花嫁の砒素を使った目的は「自分以外の誰かの犯行に見せかけること」。アミカが酒を飲んだと証言していることから、自分に嫌疑を向けている。これは犯人であれば取るはずがない行動。よって「奇数番殺害説(アミカ単独犯説)」が否定される。「時間差殺人説(翠生・紀紗子共犯説)」は、花嫁とキヌアの行動が予想できない以上、アミカか双葉に濡れ衣を着せようとするはず。しかし、アミカに濡れ衣を着せようとするなら蔵の翡翠を使うはず。双葉に濡れ衣を着せようとするなら、「アミカが何回も音を立てて啜った」と紀紗子が証言するのはおかしい。よって、誰かに濡れ衣を着せるという行動を取っておらず、この仮説も否定できる。「一人前犯行説(アミカ・花嫁・キヌア複数犯説)」は、花嫁とキヌアには濡れ衣を着せる相手がいない。キヌアが犬に裂けを飲ませることで、自分が犯人と分かる可能性を上げている。犯人の行動に矛盾があるので、この仮説も否定できる。「犬故意乱入説(双葉・花嫁共犯説)」は、花嫁が砒素盗む機会を与えていないことから、誰かに濡れ衣を着せようとしていると思えず、否定できる。「全員共犯説」は、翠生にしか濡れ衣は着せることができない。しかし、翠生は砒素を入手できず、濡れ衣を着せることができない。よって否定できる。
    〇 沈老大主宰の葬儀でのエリオ・ボルツォーニの仮説
     花嫁は毒(黄色ブドウ球菌)を利用し、アミカの体調不良を引き起こした。そうすることで、花嫁は砒素を盗む機会をアミカ達に与えた。そうすると「犬故意乱入説(双葉・花嫁共犯説)」は否定できない。
    →上苙丞による否定。燃やすごみにピザが出ていない。犬が食べた。そうすると犬が元気なのはおかしい。
    〇 儷西の仮説
     毒婦の花嫁と、それを糾弾するミトリダテスの娘たち。犯人は花嫁。しかし、殺害しようとした相手がアルセニック・イーター(砒素嗜食者)だったので死ななかった。花嫁はそのため自白しなかったというもの。この説は花婿の妹たちと母(俵屋家側)を殺害するために出した説。儷西は花婿の妹たちと母がアルセニック・イーターであるかどうかを見極めるために砒素を飲ませようとした。
    →砒素耐性があったとしても、毒を仕込んだのが花嫁側なら俵屋家側がそのことを告発しない事実に説明がつかない。俵屋家側が犯人の場合は、彼女らが花嫁の叔母に高価な着物を着せる理由がつかない。よって否定できる。
    〇 エリオの仮説
     黄金の衝立の婚礼。あるいはその光の陰より忍び寄る、屋根裏の暗殺者。犯人は家政婦。酒の回し飲みのときに、天井から毒を入れた。毒を入れるには管を使った。管はグレア現象(眩しい光を見たときに視覚障害を起こす現象)で気付かれなかった。よりばれにくくするために、散瞳薬入り目薬を仕込んだ。
    →家政婦は外出しており、その時間は屋敷にいなかった。そのことは「ゴムサンダル」がアルコールで濡れていたことから分かる。
    〇 姚扶琳の犯行
     姚扶琳は酒器に仕掛けをし、男女の盃の飲み方の違いを資料したトリックを仕込んだ。酒を上下2層に分け、下に毒水の層を作った。着脱式の仕掛けを工作し、共犯者る家政婦に仕込ませた。
    →このトリックは実際には仕込まれていなかった。家政婦がミスをしていた。家政婦は逃亡しようとしていたのだ。それは家政婦が酒器を回収する時間がなかったのに酒器から仕掛けが見つからなかったことから分かる。姚扶琳は、家政婦から嘘の報告を受け、騙されていた。
    〇 上苙丞による奇蹟の証明(要約)
    〇 犯人が厳重管理の花嫁の砒素をわざわざ使ったのは「誰かに濡れ衣を着せようとしている」から
    〇 被害者が酒を飲んだ経路は盃、酒、直接のいずれか
    〇 摂取経路が盃の場合 9通りの実行犯の可能性があるが全て前提に矛盾する。
    →既に否定されていないパターンを要約で否定
    〇 摂取経路が酒の場合
    〇 銚子に細工をする場合としない場合に分けて証明
    →全て矛盾
    〇 摂取経路が直接の場合
    →犯行可能な人物なし
    〇 摂取経路が翠生の場合
    →共犯者がいても矛盾する。
    〇 人為以外の自然的・偶発的理由もない。
    〇 ゆえに奇蹟
    〇 犬(ムギ・ピンキー)が死んだ理由
     犬の首輪に毒が仕込まれていた。シェンが晩酌をしていたら死亡していたはずだった。その毒がアルコールで溶けて流れ、それを飲んだ犬が死んだ。犬まで検視されなかったので発覚しなかった。なお、エリオは仮死状態になる薬を使って逃亡したと思われる。
    〇 真相
     真犯人は花嫁の父親。共犯者は叔母。叔母に身代わりさせて娘の砒素を盗んだ。アミカに罪をきせようと髪の毛を仕込んだがその髪の毛を家政婦が取り除いたため、事件が混乱した。
     つまりこの事件は、花嫁の父が仕掛けた毒と姚扶琳が仕掛けた毒が巡り巡って互いにぶつかり合い、一方では存在しないはずの毒の効果を生み出し、一方では存在したはずの物証を抹消した-この化学反応が起こり奇蹟のように見えていたのだ。

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    2018年12月21日
  • 探偵が早すぎる (上)

    Posted by ブクログ

    犯罪が起こる前にトリックを暴く最速の探偵、千曲川光。事故に見せかけて女子高生の相続人を殺そうとする親族たち。次々と仕掛けられる、完全犯罪――アレルギー、毒蜘蛛、ハロウィンゲームはすべて未然に防がれる。しかも、神のものは神に、カエサルのものはカエサルに、という聖書の御言葉の引用とともに行われるトリック返し。ドラマで観たコミカルな調子はそのままに一気読みさせられる原作。秀逸でした。

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    2026年01月12日
  • 探偵が早すぎる (下)

    Posted by ブクログ

    四十九日法要での戦い。寺にて焼香のときに1件、墓場にて納骨のときに2件のしかけ。ホテルでは、入口の回転ドア、エスカレーター、廊下の配管工事、水槽前、換気ダクト、エレベータ、会食の料理、そして、最後の大仕掛け。ドラマでのトリックをはるかに上回る大量の数、規模の大きさの殺人未遂。すべて未遂にするところが未然防止探偵のわざ。あまりにも忙しくてトリック返しもできず。密度の濃いミステリーでした。

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    2026年01月12日