井上真偽のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
極限状態に置かれた人たちが、限られた情報と時間の中で懸命に生きようとする姿に、ぐっと引き込まれる。
特に心に残ったのは、「見えること」がすべてを知ることではなく、見えないものを想像し、誰かの言葉を信じることにも大きな意味があるということ。
緊迫した展開にページを繰る手が止まらない一方で、物語の奥には、人を思いやる気持ちや、誰かを信じることの尊さが描かれている。
普段当たり前のように使っている「声を聞く」「見る」「伝える」という行為も、この物語を通すと少し違ったものに思えてくる。
目に見えないものに耳を澄まし、相手を想像すること。
人と人とのつながりの大切さを、感じた。 -
Posted by ブクログ
前作では、同じ事件をSister編とBrother編で違う角度から見せる仕掛けがかなり印象に残っていたので、今回はどんな見せ方をしてくるのか楽しみにしていました。
今回は五枚の絵をめぐって三姉妹と四兄弟がそれぞれ考えていくのですが、知っている童話が題材だからこそ、「そんな意味にも取れるのか」と感心させられました。
最初はバラバラに見えていた出来事が、少しずつ一つにつながっていく感じも気持ちよく、気付けば絵の細かい部分まで自分なりに考えながら読んでいました。
ただ個人的には、三姉妹と四兄弟は別々の視点で描くためにも、2冊に分けて話が進む前作のスタイルの方が好きで、前作の仕掛けがかなり斬新だった分、今回は少し素直な構成に感じてしまい、「もうひとひねり欲しかったな」と思うところもありました。
それでも、七人のやり取りや商店街の空気がやっぱり好きで、謎解き以上に「またこの人たちに会えた」という嬉しさが残りました。
シリーズを追うほど登場人物に愛着が湧いてきて、次はどんな事件に巻き込まれるのか楽しみになる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
障害を持っている方を助けるのにドローンを使用する時代になったが、最後は人間に頼るのである。
無理だと思ったらそこが限界と言うことばがでてくるが、後半には意図することが変わることで主人公の心が変わるのがとても良い。
一気読み確定です。
巨大地震が地下都市を襲い、女性が遭難。しかも、彼女は「見えない、聞こえない、話せない」三つの障害を抱えていた。頼みの綱は一台のドローン。操縦士のハルオは、遠隔から要救助者を発見し、安全地帯まで誘導するという前代未聞の作戦を任される。迫る浸水。猶予は六時間。女性の未来は脱出か、死か――。想像の限界を超える、傑作ミステリー。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ違和感は感じながらも、詠彥くんの全体の動機、この小説の全体構造は思いもよりませんでした!面白かった!
硯&詠彥の出てくる、数理論理学大系の参考書としての続篇がほしいかも。きっと楽しいです。
20年近く前に隈部正博先生著の「数学基礎論」を一辺通りだけ齧り、「ゲーデルの不完全性定理」の存在意義の上っ面に辛うじて触ったことがあるだけの僕が書いても誤解だらけの生意気な評にしかならないだろうけど、硯さんみたいな家庭教師がいてもあの程度しか数理論理学の存在意義と守備範囲についての理解に踏み込めないセンスの詠彥くんは、学習能力的に人物像設定ミスかも?
セリフではおバカで地の文では賢い。硯さんがいて、詠彥くんに地の文でのあの知能があったらもっと上達するよね?
僕の理解の浅さもあるんだろうけど、硯さんが数理論理で詠彥くんの物語の欠陥を突く論理はどれも完璧として、そこから違和感なくスムーズに真相修正の物語に繋がってたのはウエオロの事件だけに感じれちゃいました。あとのとこは、ほんのり、メタ的な動機的な意味で数理論理学を引っ張りだす事自体について、存在意義的説得力に欠けるシチュエーションというかオチに見えちゃったかも?プロット的には絶対要るやつなんだなってのは分かってて読みすすめはしたんですけども。
まあ、でも着地的にはちゃんとゴールに連れてきてもらえた感じで楽しかったです。
詠彥くん&硯さんお幸せに♬