井上真偽のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前作、「その可能性はすでに考えた」に引き続き、奇蹟を求める探偵、上苙 丞(うえおろ じょう)再び馳せ論じる!
続刊での舞台は望まぬ婚姻による恨みから男らを毒殺し、自らも毒死を遂げた伝説が残る、祟り神であり守護神である「カズミ様」を祀る因習ある村。
そこで催された結婚式にて盃を回し呑みした親族の男3人と犬1匹が毒殺される事件から物語は始まる。
前作以上に1つの事件に対する多角的視点とそれに対する反証が綿密に描かれていて、著者のトリックアイデアノートを思う存分に取り込んだであろう内容となっています。正直読み返しながらじゃないと頭が追いつきませんでした。
今作からでも楽しめますが、前作を読んで作品のテンポ感とか文体が馴染んだ人にはなおオススメです。
人の悪意や欺瞞が溢れる中でも希望の存在を忘れない作風は、同作者の別作品、「アリアドネの声」にも反映されているのでミステリー要素少なめで読んでみたい方はそちらも是非。
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Posted by ブクログ
漫画チックなミステリ。ドラマ化したのも頷ける。
事件が起こる前にトリックを見抜き、仕掛けを無効化し、ターゲットに狙われていたことも感じさせない(主人公の一華がニブすぎるという見方もあるが)凄腕の探偵のお話。相続する遺産の額が5兆円という設定がファンタジーだし、登場人物の変テコな名前も漫画チックで、作者はドラマ化かアニメ化を初めから狙っていたのではと思わせる。
「早すぎる」解決も井上真偽ならではのロジックの積み重ねによって導かれているのでミステリ条件は備えている。
もう一つのこの作品の特徴は「タリオの法」だろう。「目には目を歯には歯を」という同害報復については「ハンムラビ法典」が人口に膾炙されており「タリオ」というワードはあまり知られていない。この探偵が「タリオの法」に基づく「トリック返し」をする理由は最後に明らかになるが、この探偵が長い年月の中で技術を伝承された特殊技能職だという設定がまた漫画チックで面白い。
続編の刊行も可能な終わり方になっているが、はてさてシリーズ化されるのかどうか。