井上真偽のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
井上真偽作品の中で、一番面白かったです!
三重障害の救助という難題に対し、次々と繰り出されるアイディアが見事です。
ストーリー展開や疑惑が生まれるタイミングも絶妙で、最後の種明かしには拍手喝采しました!
最初は少し鼻についた中川さんの前向きさも、読み進めるうちに印象が変わり、最後には「本物の偶像だな」と感じるほどに。
主人公を縛り続けた言葉の呪いが、段階的に解けていく描き方もすごくよかったです。
「人間を救うのは、最終的に〝人間〟なのだ。」
解説にあったこの言葉が作品全体を表しているようで、とても好きです。
技術を駆使した救助劇でありながら、最後まで人間の力を描いたこの小説に、ぴったりの一文だと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「見えない、聞こえない、話せない」人をどう救助するか。 地下からの救出作戦の成功の鍵は主人公の操作するドローンが握っている。
物ごとの見方・考え方の多様性。何度も耳にして、それが大切だと口では言えて、分かった気になってしまうけれど、どうしても自分のこれまでの生き方による思い込みによるフィルターはかかってしまう。作中の「無理だと思ったらそこが限界だ」という言葉の解釈を通じて、改めて自分の思い込みに気付かされた。救助対象の女性に対する周囲の疑惑も、自分が生きて、感じてきた世界を元に生み出されていた。その価値観をラストに大きな感動と共にどんでん返しでぶち壊してくれる。
2026年下半期ベストの本だった。 -
Posted by ブクログ
かつてこれほどまでに読者の心を掴む小説の「要素」をふんだんに詰め込んだミステリがあっただろうか。
単なるミステリの枠を超えた上質な読書体験を味わうことができた。
まず、ミステリが人を惹きつける取っ掛かり。それは舞台設定の巧妙さであろう。
この小説は地下で身動きが取れなくなった「見えない・聞こえない・話せない」の三重障がいを抱えた女性をドローンを使って救出するというあらすじ。ここですでに読者の心は鷲掴みにされる。
そんなことは果たして可能なのか?ページを開いて答えを確認したくなる。
つぎにここでもミステリやサスペンスでの王道といえる要素、時間制限である。
読者は時間や環境に追われ、リミットがありその制限内にミッションを終わらせようと奮闘する主人公に感情移入をし、応援する。
太古の昔から使われてきた手法ではあるが、わかりやすく読者の心を惹きつけるのだ。
そして、この小説の最も重要な要素。それが最高級の人間ドラマである。
文庫の解説を担当されている「けんご」さんが指摘されたように、健常者も障がい者も平等に暮らせるようにと作られた地下施設では様々なハイテク技術が登場する。しかし、地下に置かれた彼女を、そして読者を最終的に救ったのは間違いなく、人の心であった。
ぜひ、本文を読んでその体験に出会ってほしい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレおもしろかった!◎
集団自殺や少年少女の関係……胸が痛くなる事件だったけど、登場人物がコミカルというか『キャラクター感』があって、重くなりすぎず読めた。
重くなりすぎず読めたとはいえ、ドラマの『trick』を観た後みたいな、ずーーんとした気持ちは残る。多重解決で新しいトリックがどんどん出てきて、それが否定されて…って、ミステリとしてはとても面白かったけど、わたしにとってはなかなか重かったなー。
この事件の1つの可能性にすぎないけれど、最後に語られた可能性は泣けた。こうであってほしいな。
悲惨な可能性だけじゃなくて、探偵が希望を見出してくれたことがわたしにとっても救いだった。
著者をwikiで調べたらクビキリサイクルが好きって書いてあった。確かに西尾維新っぽさを感じて納得。