若松英輔のレビュー一覧
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柳宗悦は西田幾多郎と井筒俊彦の間に居るということを本書『宗教とその真理』は強く感じさせる。若松英輔氏の『霊性の哲学』を読んで以来、どうしても柳宗悦の「哲学におけるテンペラメント」を読まなければならないと思っていた。もちろんその文章が本書のハイライトとも言えるものであることは間違いないのだが、本書を実際に読んでそこに至るまでの向上道とも言うべき論述に評者は意表を突かれた。白樺の運動の中で連載された論考を集めたものでありながら、本書は一冊の書物として類まれな柳宗悦の堂々たる主著であることを知らされるのである。
西田幾多郎の『善の研究』に内展involutionと外展evolutionという言葉 -
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日本で初めて利他の言葉を使ったのが、平安時代の空海まで遡る。
空海の自利利他、最澄の忘己利他の概念からはじまり、道元の愛語、仏教と儒教の利、仁とは何か、不言実行と知行合一、天道、二宮尊徳の誠の道の実践、エーリッヒフロムの愛するということなど、類似概念や東洋を主とした世界の思想家の概念を丁寧に見ていく。
利己主義と自己愛は正反対のものだとフロムはいう。利己主義は、「自分を愛さなさすぎるため、自分の中に充実を感じられず、そのために利己的になっている」という指摘はなるほど!と唸った。
結論の「利他には等しさが必要です。そして、そのためにはまず、他者を愛するように、自分を愛し、信じることが大切なので -
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[BOOK]2023.12.5 若松英輔「生きる哲学」
2023年12月07日04:35全体に公開 みんなの日記28 view
ちょっと読み応えのある本でした
彼の「考えて」「生かす」哲学は、とても多岐にわたり
(^O^)にはたして、太刀打ちできるかと
最後までふあんでしたが
最後に「書く」「読む」ことの示唆を
与えてくださったので、
ここを礎に
ちょっと、哲学ということを
考え直してみようかと
思います
皆さんも、ご参考までに(^^♪
smile(^O^)
若松英輔の究極の「生きる哲学」
「書く」とは、コトバを通じて未知なる自己と出会うことである。「書く」ことに困 -
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本書は神学という営みがどういうものであるかを問いかける書。哲学と神学との関わりはあまり日常的に意識されることはない。しかし哲学の中に神学的な問いかけがあり、神学の内に哲学的な洞察が含まれることを、本書は明示してくれる稀有な本である。著者の二人の対話の中で持ち寄られる本がちょうどその時を掬い取るようにして、言葉が下りてくるような体験を読者もまた経験できるであろう。
教皇フランシスコの「無関心のパンデミック」への応答としての、祈り。一見近寄りがたく思われるグァルディーニ枢機卿の祈りについての洞察が特に印象的であった。代表する神学者と評されながらもあまり触れることのできない方であるが、陰に陽にその -
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先月から同人活動を始めた。
ほんの些細なきっかけで小説を書き始め、数人に感想をもらい、一喜一憂して小躍りするうちにイベントに出たいと思うようになった。
けれど、本にして売るのは評価される素晴らしい方々の領域であり、自分如きが志すのは烏滸がましいのではないかと思っていた。
けれど、"黄金の針"と"転機と動機"を読み、私も筆者の仲間になりたいと思った。一介の小市民がそうなれるかは、甚だ疑問ではあるけれど、それでも願うことをやめないと決めた。
筆者は、私にとっての安岡たりえた。
貴方はその事を知らないまま生きていくと思うけれど、本当に感謝している。
あ -
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悲しみ、特に愛する人を喪った悲しみを知る人に、強くお勧めできる一冊。
悲しみを知ることで、初めて本当の生を知る。
悲しみを知ることで、本当の私に初めて出会う。
強い悲しみを経験することは、何か簡単には言葉にできない、ある種の究極的な真理に、気づく権利が与えられるということなのかもしれない。
この本では、悲しみについての様々な思索が、古今東西の哲学や文学、特に詩歌をよすがに、とても豊かな情感とともに、そしてとても優しい筆致で、したためられている。
「悲しい」と書いても、「愛しい」と書いても、「かなしい」とよめる。悲しみには、その深い深いところで、ただ悲痛なだけではない何かがあって、そしてそれは、 -
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ネタバレ一編一編に重みがあるエッセイ集だった。サラッと読んでしまうには勿体ない。就寝前に毎日一編ずつ読みたいと思える、そんな本だった。
良書誕生の条件が面白かった。条件のうちのひとつに「その本が読む者の変化に耐えうること」とある。その視点で考えたことがなかったので新鮮だった。読み手の変化に耐えられるとは、器が大きくないと達成できない。年月を経て何度読んでも新たな発見があるような本は、そう出会えるものではなく、だからこそ大事にしなければと思う。
私は読み通すことを自分に課しているので、著者の域にはまだ達せない。ここで紹介されている書籍は、なかには読んだことのあるものがあったけれど、私には深く読み解くこと -
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先月の中頃、平日の17時ごろに母の入院している病院より連絡があった。
癌で緩和ケアを受けていた母の容体が思わしくないと。
看護師さん曰く、明日を迎えるのは難しいだろうとの事だった。
急いで準備をして電車に乗ったが、思考が停止してしまっており、病院の最寄駅に向かう最中も不思議と気持ちは凪いでいたのを覚えている。
ただどうにもこうにも心細くて、少しでも気の紛れるものはないかと近くの本屋さんに立ち寄った際、最初に目に留まったのがこの本だった。
悲しみの秘義とはなんだろう。
なんと無く、底の見えない悲しみを閉じ込める秘密が書かれているような気がして、ぼーっとした頭で購入した。
病室に到着して目に