若松英輔のレビュー一覧

  • 詩集 美しいとき
    綺麗な言葉が綴られていた。

    大切なものが側にいなくなった時、

    心を慰めてくれる優しい詩。

    『悲しみは、何かを愛した、証だからである』
  • 詩集 美しいとき
    「たとえどんなに
    大きな成果が
    約束されているとしても
    数の世界に
    いのちを明け渡してはならない
    そこでは誰かがいつも
    おまえと誰かを比較する
    人間の価値を量化する」

    人生において大切にしたい言葉がまた増えた
  • 詩集 美しいとき
    この詩集、読んでいて、あまりに愛しくて涙が出ました。
    詩集で泣いたのは初めてかもしれません。

    前作、『たましいの世話』のレビューにも書きましたが、若松英輔さんの詩には共感があります。
    私もそう思うけれど、私にはとてもことばにできないことを見事に簡単なことばだけで美しい詩として表現してくれています。...続きを読む
  • 「生きがい」と出会うために 神谷美恵子のいのちの哲学
    〈本から〉
    社会を離れて自然に帰るとき、そのときにのみ人間は本来の人間性にかえることができるというルソーのあの主張は、根本的に正しいに違いない。

    自然の声は、社会の声、他人の声よりも、人間の本当の姿について深い啓示を与えうる。

    人間に生きがいをあたえるほど大きな愛はない。

    一個の人間として生き...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    近代的な「主体」を前提とした「利他」は利己の変奏に過ぎない。では、利他がたちあがる場とはどのようなものか。そのことを5人の論者がそれぞれのフィールドに引きつけて読者にわかりやすく説いてくれている。5人話はどれも本当に面白い。
  • いのちの政治学 リーダーは「コトバ」をもっている
    「大切な思いが『言葉』にならないことって、私たちにはよくあると思います。『言葉』にならないからといって、その思いが存在しないというわけではありません。時に沈黙の方が雄弁であることさえあります。」

    政治は観察するものではなく参与するもので、今の私たちはその参与意識が極めて低いのだと2021年最も強く...続きを読む
  • いのちの政治学 リーダーは「コトバ」をもっている
    行政には、楕円形のように二つの中心があって、その二つの中心が均衡を保ちつつ緊張した関係にある場合に、その行政は立派な行政と言える。      大平正芳 
    (引用)いのちの政治学 リーダーは「コトバ」をもっている、著者:中島岳志、若松英輔、発行所:株式会社 集英社クリエイティブ、2021年、253

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  • いのちの政治学 リーダーは「コトバ」をもっている
    なかなかの良書です。リーダーの言葉が重要視されるなか、自らの言葉で語り、統計上の「命」ではなく一人ひとり「いのち」に向き合った人物として、①聖武天皇、②空海、③ガンジー、④聖フランシスコ、⑤大平正芳、を取り上げて論評しています。
    コロナ禍での独・メルケル首相の演説はつとに有名ですが、(原稿の棒読みで...続きを読む
  • 本を読めなくなった人のための読書論
    ちょうど本を読めなくなっていた、本と向き合う時間が減っていた自分を見つめなおすために読んだ1冊。読めなくなった人がターゲットということもあり、ボリュームとしては非常に読み切りやすいボリュームだった。

    本書の中では「本をたくさん読むことのみが正義ではないこと」「1冊1冊と向き合うことの大事さ(書くこ...続きを読む
  • 読書のちから
    筆者の豊かな読書経験から、単なる「読み方」や「読書の効能」に留まらず、そこから人生に行き詰まった人への指針にもなる本であった。
    個人的にはハウツー本やネット、SNSといった短く、すぐ結論がわかるようなものを多く読んでいた時期にこの本に出会った。筆者が言うところの浅い呼吸ばかりしており(筆者もそれ自体...続きを読む
  • 14歳の教室 どう読みどう生きるか
    言葉とコトバ。
    言葉と沈黙。
    生と死。
    「と」という「あわい」に漂う、曰く言い難い何かを手探りで探すこと。
    言葉を介して、あるいは、沈黙を介して、みえない友人とつながること。
    じっくり考えていると、日常の狭い柵の中で埋没するように生きていた自分が、息を吹き返してつながりのなかに解放されてゆくのが感じ...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    医師は患者さんのために働くし、産業医は働く人のために働くので、利他的な職業でありそうですが、そこで利己的な利他を発動しがちなのもまた真だと思うので、メタな視点ってやっぱ重要なんだなあ、と思いました。
  • 別冊NHK100分de名著 読書の学校 若松英輔 特別授業『自分の感受性くらい』
    思わず手帳を開いて五行詩を書いてみました。自分との対話、言葉にならない言葉を読み取る心耳、心眼という言葉も印象に残りました。茨木のり子さんは元々好きな詩人ですが、若松さんは、違った角度での捉え方をたくさん示してくださりより深く理解できました。
  • 「利他」とは何か
    コロナ禍に「利他」が流行っているらしい。それを東京工大の「未来の人類研究センター」のメンバーで、この言葉の論考を集めた本。伊藤亜紗、中島岳志、国分功一郎、若松英輔、磯崎憲一郎と今はときめくかどうかは分からないが、私自身は共感を呼んでいる著者ばかり。それぞれの論考の切り口が興味深い。「利己」の反対は「...続きを読む
  • 別冊NHK100分de名著 読書の学校 若松英輔 特別授業『自分の感受性くらい』
    中学生対象の読書の学校を本に纏めてあるものだが、対象年齢は、限定されるものではなく、詩とは何か、生きるとは何かを問う、深淵なる自己との旅を応援してくれる一冊でした。

    若松秀輔さんの人生観は、自分の中に1番良い先生が眠っている、必要な言葉は自分の中にあるというもので、中学生、読者に、コトバ、詩を読み...続きを読む
  • 本を読めなくなった人のための読書論
    【4回目】オンライン読書会の機会を得ての4回目。もはや、私の読書論なのか、若松さんの読書論なのかがわからなくなってきている。本を読めないというのは、理由が合ってのことで、そこに喜びを見いだせなくなっているからであり、ムリをして読む必要はないとされている。おそらくだが、読めない理由の一つは、「身」が固...続きを読む
  • 考える教室 大人のための哲学入門
    哲学に興味があったから読んでみたんだけど、正直ちょっと難しい。
    でも哲学って楽しいなと純粋に思えた。

    思考すること、人と対話すること。
    それを諦めちゃいけないなと感じた。
  • 本を読めなくなった人のための読書論
    自分の読書はこれでいいのか、このまま読書を進めてもいいのか、と行き詰まったときに手にしました。

    「本が教えてくれるのは、新しい情報というよりも、すでに心の中にあるのに、私たちが見過ごしてしまっている何かである。」

    の一文に納得させられました。引き続き、孤独の時間を生み出したいと思います。
    202...続きを読む
  • 考える教室 大人のための哲学入門
    哲学に興味が出てきたので、入門として読みました。4章構成で読みやすく、入門にこの本を選んで正解でした。

    プラトン、ソクラテス、デカルト、ハンナアレント、日本人では吉本隆明が登場します。

    著名な哲学者の著作や言葉の一部が随所ででてきますが、正直なところ、読んでも何を言っているのかあまりわかりません...続きを読む
  • 悲しみとともにどう生きるか
    個人的に興味深い作者名が並んでいたこともあり、本屋で衝動買いしたもの。ただひたすら真摯に、悲しみと向き合ったからこそ到達し得た心境が、ことばで生きている諸氏によって語り起こされる内容は圧巻で、それぞれに異なった対峙方法にも関わらず、通底する温もりは十分に享受できる。心のどこかに本書の存在を認識してい...続きを読む