若松英輔のレビュー一覧
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若年層に向けて書かれた本だと思いますが大人が読んでも大変心に染みる言葉がたくさんありました。
大変読みごたえがあり、二百数ページの本ですがじっくり読んだので三日かかりました。
人によってこの本で大事だと思うところはさまざまあると思いますが、私がメモしたところを少しだけ書いておきます。
私も自分だけの一冊をみつけたいと思いました。
○「読書とは、信頼する人間と交わる楽しみであった」(伊藤仁斎)
本はいかに多く読むかが問題ではない。むしろ、どうやって「読み終わらない本」に出会うかが問題。
仁斎が『論語』を見つけたように、ぼくたちも「わたしの古典」を見つけて行かなくてはならない。
○「人は -
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若松英輔さんが東京の豊島岡女子学園中学校を訪れた授業。
詩の読み方が変わる授業です。
テキストは茨木のり子さんの詩。
若松さんは私たちにも詩を書いてみようと勧めています。
・書きさえすれば詩との関係はすぐによくなる。
・詩を読んで詩を書く。書いたらまた読む。それを繰り返す。そしてできるなら詩をめぐって信頼できる人と、たくさん話をするとよい。
・詩を書くことは「答え」を探すことではなく「問い」を見出すこと。必要なのは「答え」ではなく「応え」「手応え」のような実感。
・本当の「問い」と出会うことができればその「問い」がみなさんを人生の深みへと導いてくれる。
・困難はさまざまな思索と工夫を私た -
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2023/02/03
【感想】
日本に蔓延している“閉塞感”の原因について、最近考えている。その中で、似て非なるものを混同してしまっている現状を感じていた。
この本では、言葉とコトバ、命といのちは異なるというスタンスから始まる。どちらも前者はとても記号的で無機質なように感じる。
「コスパ」なんて言葉がもてはやされ、遂には「タイパ」という言葉も耳にするようになった。そんな社会では、殺伐としてしまうのもやむを得ないなぁ、なんて考えた。
この本を読んでいて一番思考したことの一つは「寛容さ」だ。この寛容さを考えたときに、最もしっくりした例えは“おみそ”だ。
子供の頃、友達の弟や妹たちと一緒に遊ぶとき -
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正月から良い読書体験ができた。信頼関係のある二人の対談集なので相補的に「コトバ」豊かな内容が広がっている。取り上げられたリーダーは、聖武天皇、空海、ガンディー、教皇フランシスコ、そして大平正芳。大平氏は「アー、ウー」の人というイメージだが、その「アー、ウー」に「コトバ」を生み出す思索があるというのは言い過ぎな感じもするが、氏の生き様も踏まえての評価では理解できた。ともに利他の研究家であるが、「利他というのは、自分が受け手になった時に始まる」「意識して利他の発信者になろうとすることは、逆に利他の暴力になる可能性が大きい」というのは日々の日常臨床では感じるところ。「いのちの政治学」というのは「私の
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「うめきは、姿を変えた祈りだと言うのです。自分以外の誰かのうめきを聞くことができた時、私たちは、それまで自分がうめくほかなかった試練の意味も、その時同時に感じるのかもしれません。」
「大津にとってキリスト教は思想ではなく、「道」でした。思想であれば、自分の実感と異なるものであったとしても、それを理解し、受け止めることができます。しかし、「道」の場合はそうはいきません。人はそこにあるものを単に考えるのではなく、生きることを求められるからです。大津は人生を賭してキリスト教を生きようとする。そうせざるをえない経験が彼にはある。しかし、その道の道しるべとでも言うべき進学は、彼と神ーーーすなわちイ -
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この詩集、読んでいて、あまりに愛しくて涙が出ました。
詩集で泣いたのは初めてかもしれません。
前作、『たましいの世話』のレビューにも書きましたが、若松英輔さんの詩には共感があります。
私もそう思うけれど、私にはとてもことばにできないことを見事に簡単なことばだけで美しい詩として表現してくれています。
日本で一番有名な詩人の谷川俊太郎さんがもし同じクラスの生徒だったとしたら、吹奏楽部で楽器を演奏しているかんじがします。
もう一人大好きな詩人、長田弘さんは美術部で美しい色彩に満ち溢れた絵を描いているような気がします。
そして、若松英輔さんですが、園芸部で植物に水やりをしたり、土に栄養をやったりし -
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〈本から〉
社会を離れて自然に帰るとき、そのときにのみ人間は本来の人間性にかえることができるというルソーのあの主張は、根本的に正しいに違いない。
自然の声は、社会の声、他人の声よりも、人間の本当の姿について深い啓示を与えうる。
人間に生きがいをあたえるほど大きな愛はない。
一個の人間として生きとし生けるものと心を通わせるよろこび。ものの本質をさぐり、考え、学び、理解するよろこび。自然界の、かぎりなく豊かな形や色や音をこまかく味わいとるよろこび。みずからの生命をそそぎ出して新しい形やイメージを作り出すよろこび。ー こうしたものこそすべてのひとにひらかれている、まじり気のないよろこびで
い -
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行政には、楕円形のように二つの中心があって、その二つの中心が均衡を保ちつつ緊張した関係にある場合に、その行政は立派な行政と言える。 大平正芳
(引用)いのちの政治学 リーダーは「コトバ」をもっている、著者:中島岳志、若松英輔、発行所:株式会社 集英社クリエイティブ、2021年、253
本来、危機的な状況に陥ったとき、一国のリーダーの発する言葉は、とても重たいはずだ。時としてリーダーは、新型コロナウイルス感染症拡大時における都市封鎖(ロックダウン)や飲食店の営業時間短縮要請など、国民に対して厳しい措置を取らなければならない。いや、国民への影響だけに留まらない。一国のリーダーであれば -
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なかなかの良書です。リーダーの言葉が重要視されるなか、自らの言葉で語り、統計上の「命」ではなく一人ひとり「いのち」に向き合った人物として、①聖武天皇、②空海、③ガンジー、④聖フランシスコ、⑤大平正芳、を取り上げて論評しています。
コロナ禍での独・メルケル首相の演説はつとに有名ですが、(原稿の棒読みではなく)こうした言葉が出てくるのは、「無私」であり他者の痛みが分かったうえでの「利他」であると論じています。
いずれの人物についても、歴史背景や文献・原典を精緻に考証しており、良心的な記述の読後感は「清涼感」という印象です。「終章」の結論として、「すべてのいのちを生かすために重要なのがリーダーの選び -
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筆者の豊かな読書経験から、単なる「読み方」や「読書の効能」に留まらず、そこから人生に行き詰まった人への指針にもなる本であった。
個人的にはハウツー本やネット、SNSといった短く、すぐ結論がわかるようなものを多く読んでいた時期にこの本に出会った。筆者が言うところの浅い呼吸ばかりしており(筆者もそれ自体を否定していない)、深い呼吸ができていなかった。本を多く読むよりも深く読むことが重要である。ではそのためには何が必要か、「深く読むためには深く書く必要がある」のだ。この本で紹介された本を購入した。難しいものも多いが、「たましい」と対話して読みたいと思う。各篇それぞれに味わいがあり、すべて紹介できない