若松英輔のレビュー一覧

  • 詩集 美しいとき

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    詩というのは透明な手紙。その言葉でもってしか伝えられない思い。何千年も昔から変わらない普遍的なことのように思えた。
    さほど遠くないうちに、いつかは土に還ってゆくのだから、いっそ消えてしまいたいほどの苦しみも、有限な時のなかで、得難き美しいときだと思えたら。

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    2022年02月19日
  • 詩集 美しいとき

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    綺麗な言葉が綴られていた。

    大切なものが側にいなくなった時、

    心を慰めてくれる優しい詩。

    『悲しみは、何かを愛した、証だからである』

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    2022年02月11日
  • 詩集 美しいとき

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    「たとえどんなに
    大きな成果が
    約束されているとしても
    数の世界に
    いのちを明け渡してはならない
    そこでは誰かがいつも
    おまえと誰かを比較する
    人間の価値を量化する」

    人生において大切にしたい言葉がまた増えた

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    2022年02月04日
  • 詩集 美しいとき

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    この詩集、読んでいて、あまりに愛しくて涙が出ました。
    詩集で泣いたのは初めてかもしれません。

    前作、『たましいの世話』のレビューにも書きましたが、若松英輔さんの詩には共感があります。
    私もそう思うけれど、私にはとてもことばにできないことを見事に簡単なことばだけで美しい詩として表現してくれています。

    日本で一番有名な詩人の谷川俊太郎さんがもし同じクラスの生徒だったとしたら、吹奏楽部で楽器を演奏しているかんじがします。
    もう一人大好きな詩人、長田弘さんは美術部で美しい色彩に満ち溢れた絵を描いているような気がします。
    そして、若松英輔さんですが、園芸部で植物に水やりをしたり、土に栄養をやったりし

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    2022年01月27日
  • 「生きがい」と出会うために 神谷美恵子のいのちの哲学

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    〈本から〉
    社会を離れて自然に帰るとき、そのときにのみ人間は本来の人間性にかえることができるというルソーのあの主張は、根本的に正しいに違いない。

    自然の声は、社会の声、他人の声よりも、人間の本当の姿について深い啓示を与えうる。

    人間に生きがいをあたえるほど大きな愛はない。

    一個の人間として生きとし生けるものと心を通わせるよろこび。ものの本質をさぐり、考え、学び、理解するよろこび。自然界の、かぎりなく豊かな形や色や音をこまかく味わいとるよろこび。みずからの生命をそそぎ出して新しい形やイメージを作り出すよろこび。ー こうしたものこそすべてのひとにひらかれている、まじり気のないよろこびで

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    2022年01月27日
  • いのちの政治学 リーダーは「コトバ」をもっている

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    「大切な思いが『言葉』にならないことって、私たちにはよくあると思います。『言葉』にならないからといって、その思いが存在しないというわけではありません。時に沈黙の方が雄弁であることさえあります。」

    政治は観察するものではなく参与するもので、今の私たちはその参与意識が極めて低いのだと2021年最も強く感じたことだった。リーダーが変わってもそれを選ぶ私たち自身が変わらなければ何一つ問題は解決されないのだ、受け手側に問題があるのだ、と知ることができた。

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    2022年01月06日
  • いのちの政治学 リーダーは「コトバ」をもっている

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    行政には、楕円形のように二つの中心があって、その二つの中心が均衡を保ちつつ緊張した関係にある場合に、その行政は立派な行政と言える。      大平正芳 
    (引用)いのちの政治学 リーダーは「コトバ」をもっている、著者:中島岳志、若松英輔、発行所:株式会社 集英社クリエイティブ、2021年、253

    本来、危機的な状況に陥ったとき、一国のリーダーの発する言葉は、とても重たいはずだ。時としてリーダーは、新型コロナウイルス感染症拡大時における都市封鎖(ロックダウン)や飲食店の営業時間短縮要請など、国民に対して厳しい措置を取らなければならない。いや、国民への影響だけに留まらない。一国のリーダーであれば

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    2021年12月04日
  • いのちの政治学 リーダーは「コトバ」をもっている

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    なかなかの良書です。リーダーの言葉が重要視されるなか、自らの言葉で語り、統計上の「命」ではなく一人ひとり「いのち」に向き合った人物として、①聖武天皇、②空海、③ガンジー、④聖フランシスコ、⑤大平正芳、を取り上げて論評しています。
    コロナ禍での独・メルケル首相の演説はつとに有名ですが、(原稿の棒読みではなく)こうした言葉が出てくるのは、「無私」であり他者の痛みが分かったうえでの「利他」であると論じています。
    いずれの人物についても、歴史背景や文献・原典を精緻に考証しており、良心的な記述の読後感は「清涼感」という印象です。「終章」の結論として、「すべてのいのちを生かすために重要なのがリーダーの選び

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    2021年11月11日
  • 読書のちから

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    筆者の豊かな読書経験から、単なる「読み方」や「読書の効能」に留まらず、そこから人生に行き詰まった人への指針にもなる本であった。
    個人的にはハウツー本やネット、SNSといった短く、すぐ結論がわかるようなものを多く読んでいた時期にこの本に出会った。筆者が言うところの浅い呼吸ばかりしており(筆者もそれ自体を否定していない)、深い呼吸ができていなかった。本を多く読むよりも深く読むことが重要である。ではそのためには何が必要か、「深く読むためには深く書く必要がある」のだ。この本で紹介された本を購入した。難しいものも多いが、「たましい」と対話して読みたいと思う。各篇それぞれに味わいがあり、すべて紹介できない

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    2021年10月31日
  • 14歳の教室 どう読みどう生きるか

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    言葉とコトバ。
    言葉と沈黙。
    生と死。
    「と」という「あわい」に漂う、曰く言い難い何かを手探りで探すこと。
    言葉を介して、あるいは、沈黙を介して、みえない友人とつながること。
    じっくり考えていると、日常の狭い柵の中で埋没するように生きていた自分が、息を吹き返してつながりのなかに解放されてゆくのが感じられる。こうして感想を書きながら、自分の中で正体を変えてゆく自分の蠢きが、わかる。
    そういう本にまた一冊、出会うことができた。
    若松先生の言葉に直に触れた子どもたちは、その後、どんなことを感じながら生きているんだろう?
    たくさんのプラトンたちのコトバも聞いてみたいと思った。

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    2021年10月15日
  • 別冊NHK100分de名著 読書の学校 若松英輔 特別授業『自分の感受性くらい』

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    思わず手帳を開いて五行詩を書いてみました。自分との対話、言葉にならない言葉を読み取る心耳、心眼という言葉も印象に残りました。茨木のり子さんは元々好きな詩人ですが、若松さんは、違った角度での捉え方をたくさん示してくださりより深く理解できました。

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    2021年09月05日
  • 別冊NHK100分de名著 読書の学校 若松英輔 特別授業『自分の感受性くらい』

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    中学生対象の読書の学校を本に纏めてあるものだが、対象年齢は、限定されるものではなく、詩とは何か、生きるとは何かを問う、深淵なる自己との旅を応援してくれる一冊でした。

    若松秀輔さんの人生観は、自分の中に1番良い先生が眠っている、必要な言葉は自分の中にあるというもので、中学生、読者に、コトバ、詩を読み書く事で、自分と向き合うことを提案されていました。
    生きることに誠実になり、より深く自分と向き合うことに、詩が助けになるよ、ということで、読み終わると言葉を紡ぎたくなります。

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    2021年08月09日
  • 本を読めなくなった人のための読書論

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    【4回目】オンライン読書会の機会を得ての4回目。もはや、私の読書論なのか、若松さんの読書論なのかがわからなくなってきている。本を読めないというのは、理由が合ってのことで、そこに喜びを見いだせなくなっているからであり、ムリをして読む必要はないとされている。おそらくだが、読めない理由の一つは、「身」が固くなっているからなのではないか。また、読めない理由は「外部」ではなくて、自分の内にあるとも。探さなければならないのは、自分のための「コトバ」であって、それは自身の内側にこそあるのだとされている。感銘深い。

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    2021年07月05日
  • 考える教室 大人のための哲学入門

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    哲学に興味があったから読んでみたんだけど、正直ちょっと難しい。
    でも哲学って楽しいなと純粋に思えた。

    思考すること、人と対話すること。
    それを諦めちゃいけないなと感じた。

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    2021年05月11日
  • 考える教室 大人のための哲学入門

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    哲学に興味が出てきたので、入門として読みました。4章構成で読みやすく、入門にこの本を選んで正解でした。

    プラトン、ソクラテス、デカルト、ハンナアレント、日本人では吉本隆明が登場します。

    著名な哲学者の著作や言葉の一部が随所ででてきますが、正直なところ、読んでも何を言っているのかあまりわかりませんでした。
    そこで終わらずに、著者の若松英輔さんがそれはどんなことを言っているのか端的に伝えてくださるので置いてきぼりにならず、楽しみながら読むことができました。

    この本を読んで、本を読むということは自分の中に問いを持つこと、著者と会話することなのだと知りました。
    哲学への姿勢というのも、僅かですが

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    2021年01月22日
  • 悲しみとともにどう生きるか

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    個人的に興味深い作者名が並んでいたこともあり、本屋で衝動買いしたもの。ただひたすら真摯に、悲しみと向き合ったからこそ到達し得た心境が、ことばで生きている諸氏によって語り起こされる内容は圧巻で、それぞれに異なった対峙方法にも関わらず、通底する温もりは十分に享受できる。心のどこかに本書の存在を認識しているだけで、ずいぶん楽に感じられる、そんな座右の一冊。

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    2021年01月12日
  • 弱さのちから

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    東日本大震災のとき、何も出来なくてもどかしかったこと、今回のコロナでむしろ動けなくなって、自分がダメになりそうだった。今まで「自分に武器を持ちなさい」と諭され、生き抜く事ばかりに執着していた自分が、武器も使えない、増やせない状況で気がついたのは、筆者と同じ「弱い自分をうけいれる」ことだった。もう自分は生きていて、揺るがないものがどんな形で、自分がどんな人間が認識することが必要なんだろう。と思った。若松先生の詩や文章はじっくりと自分と向き合う姿が伝わってきて好きだし、神谷美恵子さんの著者の解説などもとてもわかりやすく、過去の翻訳家だと思っている。そんな先生が、等身大の自分を曝け出したこの本はある

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    2021年01月06日
  • 不滅の哲学 池田晶子

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     池田の生誕60年に合わせ装いを新たに出版された本書。〝哲学の巫女〟を自任し強靭なる〝哲学エセー〟を開拓した池田の哲学の本質を天性の〝哲学的詩魂〟に見、若松もまた独自の〝批評的詩魂〟においてその定位を試みる。永遠の相の下、類例のない濃密な思索の交感があった。科学的認識のみによっては到達しえない豊饒なる境地。生前、池田は予言していた。日常の言葉で真を語る存在の出現を。若松が紛れもなくそのひとりであることを確信した。

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    2020年12月29日
  • NHK「100分de名著」ブックス 石牟礼道子 苦海浄土 悲しみのなかの真実

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    ネタバレ

    『苦海浄土』はまだ読んだことがない。まだそこまで手が出ない。熊本という場所に生まれ育ち、小さいころからその病の名前を聞いていて、石牟礼さんの名前もどこそこで聞いてきたのに、ようやくそちらに意識が向くようになったのは最近のことだ。
    このあいだ、高群逸枝さんについて書かれた(というか厳密にはそのご主人との交流の部分が大きかったが)本を読んで、石牟礼さんにも最初の一歩というものがあったのだという「親しみ」のようなものを感じ、ようやくすこしだけ近づくことができてきたような気がする。でも、まだ全集を手に取るには畏れ多い。そんな私みたいな人間が入門書としてこの本を手に取るのは非常に有益だと思った。

    そし

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    2020年11月07日
  • 霧の彼方 須賀敦子

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    ネタバレ

    霧の向こうに住みたい、だよね、と思って読んだら結構違った。そうか、私が読まなくなった時期がちょうど亡くなった時期だったから気がつかなかったんだ。久しぶりで評伝をちゃんと読んだ。

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    2020年11月06日