若松英輔のレビュー一覧

  • 詩集 愛について

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    ネタバレ

    最近詩集にはまっていたので、気になっていた本を読んでみた。「愛について」という題名から、恋愛の楽しい事について書かれていると思い込んでいたが、実際に読んでみると別れてしまった恋人の事であったり、死別した相手の事であったり、辛い気持ちを詩にしたものもあり、愛は哀しみも含まれるものであると再認知した。恋愛のキラメキ、誰かを想うこころの輝かしさ、失う絶望、全てが詰まった1冊。詩集は短い言葉数で心にぐっとくるから素晴らしい。いつも詩集の作者の頭の中を覗きたくなる

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    2026年03月27日
  • 悲しみの秘義

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    恐しみに出会った時に読む本。
    一宮沢賢治、須賀敦子、神谷美恵子、リルケ、プラトン、小林秀雄、ユングらの、死者や哀しみ、孤独について書かれた文章を読み解き、
    悲しみは排除すべきものではなく、人間を深くする経験であると語る。

    「涙は、必ずしも頬を伝うとは限らない。悲しみが極まったとき、涙は涸れることがある。深い懇しみのなか、男気をふりしぼって生きている人は皆、見えない涙が胸を流れることを知っている。」
    「人生には悲しみを通じてしか開かない扉がある。悲しむ者は、新しい生の幕開けに立ち会っているのかもしれない。単に、悲しみを忌むものとしてしか見ない者は、それを背負って歩く者に男者の魂が宿っていること

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    2026年03月25日
  • 本を読めなくなった人のための読書論

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     さて、本作は読書論と銘打たれているが、個人的には詩集の面が強いと感じる。本を読めんくなった時のハウトゥー本とての位置付けかと思っていたが、本作はどちらかと言うと、本を読めなくなった時どのような心持ちでいるのか、読めなくなった事実をどのように受け入れていくのかの心持ちが述べられている。持論であるが、本を読むことは習慣であり、習慣維持の半分は精神論が肝だと思っている。根性で本を開くとか、一日絶対一冊読むとかではない。いかに「楽しく感じられるか」である。辛いことは続けられないし、嫌な思い出になる。だから、習慣にしたいことは無理やりやらないし、楽しいと思える努力をする。故に、本書のある種本を読まない

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    2026年03月10日
  • 考える教室 大人のための哲学入門

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    吉本隆明さんの本を読みたくなった。色々な角度から、考えてきた人たちの本を読んで、自分も世界を捉え、考えてみたい。

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    2026年03月04日
  • 悲しみの秘義

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    ネタバレ

    静かで力のある言葉がたくさんあった。
    読め、書け、情報を集めるのではなく自分のうちなる部分で考えろ。しかし人生(本文中では信仰)は考えるより歩け、生きろ。そこからしかわからないことがある。

    繰り返し言われているのは、語り得ない言葉(あるいはコトバ)の存在。そして、読むことの力。事実、若松さんは様々な詩や本を引用しながら書いているが、そこから思索を深めていく姿はまさに「読む」ということが「コトバを発する」ことに直結している姿を見せてくれている。

    最後にちょっといい文章を引用しておく。
    「やわらかな日の光にふれ、小さな呼吸をする。全身を小さな力が貫く。そのとき私たちは今日も生きてみようと、内な

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    2026年03月02日
  • 詩集 美しいとき

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    ストレートな表現で、全体を通して省カロリーで読み進めることができるため、何度も繰り返し味わいたくなる詩集。
    とりわけ印象に残ったのは「頭がいい人」という作品。大切な人のために何もしてあげられないと言って涙を流す姿を「初めて手を合わさずに祈る人の姿を見た」と表現する一節は、鮮明な情景を立ち上がらせ、心震わせる。

    意識の中で自己と他者の境界が曖昧になる美しい瞬間をすくい取った、ショートフィルム集のような作品。

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    2026年02月11日
  • 悲しみの秘義

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    数々の引用と共に進んでいくエッセイ。
    静謐な雰囲気の漂う美しい文章。

    ー 読み手は、書き手とは異なる視点から作品を読み、何かを創造している ー

    という一文が、読書の楽しみをひと言で表しているような気がして何だか嬉しくなる。

    愛する妻を失った筆者の物語のパートは、
    悲しく、愛しかった。

    ストレス社会に生きて日々擦り切れている私たちの心に寄り添って癒してくれる一冊です。

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    2026年02月06日
  • 光であることば

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    光だったー、人生が四季なら今はいつだろう。春の終わりくらいかな、それとも夏の真っ只中か。おもしろいなー。

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    2026年01月31日
  • 探していたのはどこにでもある小さな一つの言葉だった

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    「人は捜しているものを見つける」という言葉のとおり、私は、このようなエッセイを捜していたのだと感じた。

    抽象的な表現を理解するのが苦手だ。詩は私にとって難しい。かと言って、小説ではなく、もっと端的に、作家たちの考えに触れたいと思ってきた。エッセイを読めばいいのかと気づいた。

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    2026年01月18日
  • 宗教の本質

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    「概念の鍵では「宗教」の扉は開かない。」P306


    往復書簡してみてぇーって思った笑
    宗教関連のテーマに沿って仏教徒とキリスト教徒がそれぞれ手紙でやり取りする形式になっている。持ち合わせている知識と考え方が非常に深い。そんな感想しか出ない俺が浅い。

    結局、宗教は知識として勉強できるような類のものではなくて、それ自身を全身全霊で「生きる」ような飛躍が宗教の語りには必要になる。有無ではなく要不要に関わるから、現代社会のような道具としての宗教は本質を外していて「死せる概念」となってしまっている。イサク奉献のエピソードは、常に宗教観に影響を与えてくれそう。


    俺の勘違いは以下の部分。

    「宗教は

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    2026年01月02日
  • 宗教の本質

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    僧侶にして宗教学者としても著名な釈先生と、生まれる前からのキリスト者である若松さんが交わした書簡による対話。「話す」「施す」「笑う」など、挙げられたキーワードを宗教的視点で語り合う。

    釈先生の書簡に対し若松さんが応えるという形式なので、どうしても後から述べる若松さんの意見のほうが強めに残る。個人的に興味深いと思ったのは「共同体」というテーマだが、いずれのテーマも一度のやり取りで終わる。深める、掘り下げるというところまではいかないのが少し残念。

    私が本書で宗教の本質を垣間見たと思ったのは、最後に収録された対面での会話である。釈先生が述べた教え子のエピソードに対して、若松さんが「私たちの生は現

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    2025年12月30日
  • 自分の人生に出会うために必要ないくつかのこと

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    日本経済新聞に2023年4月から2024年3月まで、「言葉のちから」として連載されたものから27篇を選び一冊の本にしたもの。

    〝言葉〟の持つちから、面白さが詰まっていて、何度でも手に取りたくなる本でした。

    一篇はどれも「誰かの言葉を引用した作品」になっており、例えば…
    武者小路実篤『沈黙の世界』より引用
    ──言葉の世界に住んでいると、沈黙の世界がなつかしくなる

    など、作家や哲学者の言葉が多く取り上げられている。

    他に面白いと思ったのは、
    『念い(おもい)を深める』
    の一篇で「おもい」を表現する漢字が沢山あるということ。
    思い、想い、意い、憶い、惟い、顧い、懐い、忖い、恋い…
    それらを熟

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    2025年12月29日
  • 八木重吉詩集

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    八木重吉の詩集ですね。
    八木重吉(1898~1927、東京生まれ)二十九歳で亡くなった近代詩の彗星。
    編集は、若松英輔さん(1968年、新潟県生まれ)
     
     生前に発表された詩集は『秋の瞳』一冊だけです。
     自分で編集した『貧しき信徒』は、亡くなられてから発刊されました。それと、残された多くの『詩稿』とキーツ、ブレイクの『訳詩』から精選された詩集です。
     いずれも短い詩は、『生きること、在るへの愛しみとかなしみに満ちている。人間の内奥にある霊性が、読む者にはたらきかけてくる。』と、編者が語り掛けています。

          「胡蝶」

     へんぽんと ひるがへり かけり
     胡蝶は そらに まひのぼる

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    2025年12月19日
  • 本を読めなくなった人のための読書論

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    ネタバレ

    「印象に残った言葉をノートに書き写す。引用ノートを作る」

    まさに私が日頃やっていることです。本を読んで共感した言葉をノートに書き出しています。私の方法は間違っていなかったと確認できました。

    「『読む』と『書く』は呼吸の関係。よく吸う(読む)ためには、よく吐く(書く)ことが重要」

    なるほどそういう関係なのかとわかりました。手前みそですが、私はそれができている方なのではないかと思います。

    今現在、私は本を読めなくなっていませんが、読めなくなったって焦らずにその気持ちに向き合っていけばいいとわかりました。

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    2025年11月15日
  • 「利他」とは何か

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    「贈与」や「利他」がタイトルに含まれる本が増えていますね。

    現代に生きる私たちは、交換や利己によっぽど疲れているのでしょうか。

    ただ「贈与」や「利他」に漂う胡散臭さがあるのも事実。

    結局人間は純粋に利他的には生きられないのではないか。

    最近、私の考えていたことです。

    この本を読んで、その考えは合っていると感じるとともに、
    利他は意図せずしっかりと存在することも実感できました。

    それは自分という器を誠実に生きるということ。

    自分が全力になれることを全力でやることが、人類の歴史や系譜に奉仕することになるという作家・磯﨑憲一郎さんの言葉は、私たちの迷いを幾分和らげてくれるのではないでし

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    2025年11月13日
  • 悲しみの秘義

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    いまこうして言葉にするのがとても難しいです。
    どんな言葉を出しても、野暮ったくて、じれったくて。無理やり言葉にすること自体、どこか間違いのような気さえしてしまいます。

    以前、Eテレの「理想的本箱」という番組で、「もう死にたいと思った時に読む本」の一冊として紹介されていた本書。その時の印象が強く、そう思った時に読んだらいいと思っていたけど、いつ来るかわからないし、「死にたいと思った時に読め」と言われる本とは、一体どういう本なのか、気がつけば、読む手が伸びていました。

    一番心に残っているのは、「愛すること」と「悲しむこと」は表裏一体であるということ。愛することで、すでにその内側で悲しみも育んで

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    2025年11月13日
  • 悲しみの秘義

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    悲しいという感情は人間が持つ、崇高な感情だと思いました。以下の文。なんて暖かく、優しい表現なのでしょうか!
    声をだに聞かで別るる魂よりも
    亡き床に寝む君ぞかなしき
    (意味)夫が仕事で遠くにいて、妻は病に襲われ亡くなろうとしている。その時に詠まれた歌。彼女は遠く離れた夫に向かって、あなたの声を聞くことが出来ずに逝こうとしている私よりも、私が逝ったあと、夜、独り寝るあなたの悲しみの方が耐え難いだろうと、

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    2025年11月12日
  • 宗教の本質

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    釈徹宗・若松英輔著『宗教の本質』の感想です。

    他の著作で目にしたことのあるお二人の新刊を見かけて購入。やはりいいですね。言葉ではうまく表現できませんが、自分の知らない斬新な視点を提示されつつ、なぜか共感できる安心感のようなものを感じます。

    マルティン・ブーバーやキルケゴールの受け売りのようですが、自分自身も「宗教の本質は不合理である」というのがしっくり来ます。イサク奉献がその代表。

    ちなみに個人的には「科学の本質は再現性である」と思っています。
    そう考えると「宗教が常に個人的体験とともにある」とすれば、やはり科学と宗教は本質的に別の世界を対象としているのではないかと思いました。
    だからと

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    2025年10月12日
  • 悲しみとともにどう生きるか

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    東畑開人さんのアジールとアサイラムの話、そして若松英輔さんの「死者は、、」という話がすごく良かった。

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    2025年10月11日
  • 「利他」とは何か

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    「利他」に偽善的なものを感じつつも、必要なものだよなあという気持ちもあり、興味のあるテーマなので読んでみた。
    正直3章以降は難しすぎたのだけれど、伊藤亜沙さん、中島岳志さんの文章に、何度も視野を広げてもらった。以下、特に印象的だった部分のメモ。

    伊藤亜沙さんの文章では、効果的利他主義という考え方を知った。徹底的な「評価と比較」をして行う利他だ。
    例えば、他者のために働きたいと考える若者が、限られた給料のNPOに就職したりせずに、ウォール街でお金を稼いで寄付する方を選ぶというような考え方となる。
    利他の原理を「共感」にしないのが目的らしい。共感によって行う利他では、ふだん出会うことのない遠い国

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    2025年10月10日