若松英輔のレビュー一覧
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八木重吉の詩集ですね。
八木重吉(1898~1927、東京生まれ)二十九歳で亡くなった近代詩の彗星。
編集は、若松英輔さん(1968年、新潟県生まれ)
生前に発表された詩集は『秋の瞳』一冊だけです。
自分で編集した『貧しき信徒』は、亡くなられてから発刊されました。それと、残された多くの『詩稿』とキーツ、ブレイクの『訳詩』から精選された詩集です。
いずれも短い詩は、『生きること、在るへの愛しみとかなしみに満ちている。人間の内奥にある霊性が、読む者にはたらきかけてくる。』と、編者が語り掛けています。
「胡蝶」
へんぽんと ひるがへり かけり
胡蝶は そらに まひのぼる -
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「贈与」や「利他」がタイトルに含まれる本が増えていますね。
現代に生きる私たちは、交換や利己によっぽど疲れているのでしょうか。
ただ「贈与」や「利他」に漂う胡散臭さがあるのも事実。
結局人間は純粋に利他的には生きられないのではないか。
最近、私の考えていたことです。
この本を読んで、その考えは合っていると感じるとともに、
利他は意図せずしっかりと存在することも実感できました。
それは自分という器を誠実に生きるということ。
自分が全力になれることを全力でやることが、人類の歴史や系譜に奉仕することになるという作家・磯﨑憲一郎さんの言葉は、私たちの迷いを幾分和らげてくれるのではないでし -
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いまこうして言葉にするのがとても難しいです。
どんな言葉を出しても、野暮ったくて、じれったくて。無理やり言葉にすること自体、どこか間違いのような気さえしてしまいます。
以前、Eテレの「理想的本箱」という番組で、「もう死にたいと思った時に読む本」の一冊として紹介されていた本書。その時の印象が強く、そう思った時に読んだらいいと思っていたけど、いつ来るかわからないし、「死にたいと思った時に読め」と言われる本とは、一体どういう本なのか、気がつけば、読む手が伸びていました。
一番心に残っているのは、「愛すること」と「悲しむこと」は表裏一体であるということ。愛することで、すでにその内側で悲しみも育んで -
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釈徹宗・若松英輔著『宗教の本質』の感想です。
他の著作で目にしたことのあるお二人の新刊を見かけて購入。やはりいいですね。言葉ではうまく表現できませんが、自分の知らない斬新な視点を提示されつつ、なぜか共感できる安心感のようなものを感じます。
マルティン・ブーバーやキルケゴールの受け売りのようですが、自分自身も「宗教の本質は不合理である」というのがしっくり来ます。イサク奉献がその代表。
ちなみに個人的には「科学の本質は再現性である」と思っています。
そう考えると「宗教が常に個人的体験とともにある」とすれば、やはり科学と宗教は本質的に別の世界を対象としているのではないかと思いました。
だからと -
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「利他」に偽善的なものを感じつつも、必要なものだよなあという気持ちもあり、興味のあるテーマなので読んでみた。
正直3章以降は難しすぎたのだけれど、伊藤亜沙さん、中島岳志さんの文章に、何度も視野を広げてもらった。以下、特に印象的だった部分のメモ。
伊藤亜沙さんの文章では、効果的利他主義という考え方を知った。徹底的な「評価と比較」をして行う利他だ。
例えば、他者のために働きたいと考える若者が、限られた給料のNPOに就職したりせずに、ウォール街でお金を稼いで寄付する方を選ぶというような考え方となる。
利他の原理を「共感」にしないのが目的らしい。共感によって行う利他では、ふだん出会うことのない遠い国 -
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今の自分に必要だと思うところから読み始めていいのだ、とはじめに断りがあった。そして、願うならば読み終わらないこと。私という読み手はそういうことができずに、順番に読み、あっという間に読み終えてしまった。
若松英輔さんの本を読んでいると、その時その時で気になる人が出てくる。今は神谷美恵子さんがその人のようだ。若松英輔さん月間と決めたが、神谷美恵子さんの本を、言葉を欲しているなぁと思いながら読み進める。来月は神谷美恵子さん月間かな。
私の読書は興味の趣くままに、なのであちらこちらに飛んでしまう。だから、じっくり読むということが苦手。それで1人の作家にじっくり向き合うことを目的に今月は若松英輔さんと決 -
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今月は、若松英輔さん月間にしようと思っています。とはいえ、既に月半ばではありますが。神谷美恵子さんの本はこれまでにも何冊か読んできています。そもそもの出会いが100分de名著で若松英輔さんが解説しているのを見て、読み始めたのがきっかけです。そんな経緯もあり、若松英輔さん月間の始まりは神谷美恵子さんで、と思っていました。
いつもの通り、神谷美恵子さんの文章を若松さんが深い洞察力と読解力で解説してくれています。噛み砕いて言い換えをし、さらに引用し神谷美恵子さんの言わんとしていることを、さらに熱い言葉で言い換えしてくれています。
自分の読解力の薄さを感じつつ、そういうことでいいんだね、そういう観点か -
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ネタバレ・一見すると希望にあふれた者のように見えてもそんなとき人は、人生の問いから遠いところにいる。人は、自分の心の声が聞こえなくなると他者からの声も聞こえなくなる。
・祈ることと、願うことは違う。願うとは、自らが欲することを何者かに訴えることだが、祈るとは、むしろ、その何者かの声を聞くことのように思われる。
・現代人は、情報を手に入れると安心する。分かったと思い込む。だが、情報に心を領された者は考えることを止めてしまう。考えるとは、情報の奥にあることを見極めようとする営みであるからだ。
・人は二つの道を同時に考えることはできても、同時に歩むことは決してできません。(『遺稿集「南無アッパ」』の祈 -
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若松英輔さんと平野啓一郎さんの名前があるし、と軽い気持ちで手にした本。そして、長らく積読本。今回、ようやく読み始め、初めて世田谷事件の被害者家族である入江杏さん主催のミシュカの森という会があることを知った。そして、その会の講演をまとめたのがこの本であることも初めて知り、心して読まねば、との気持ちになって読んだ。
平野啓一郎さんの話では、死刑について考えさせられ、東畑開人さんの話では、居場所についてを考えた。特に居場所の話は自分レベルで考えられたと思う。そして、自分にとっての居場所について考えられた。もっと居場所を作らなくては、とも思う。居場所、座っていられる場所。立っている場所は落ち着かず、疎 -
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ゆっくりと1人の寂しさと向き合う夜に何度も読みたくなる本でした。
特に七章の「勇気とは何か」が胸に刺さりました。筋ジストロフィーで幼少より寝たきりの方が書いた詩が引用されてるのですが…私はその方とは比べ物にならないけれども、体がだいぶ弱い方で体調不良で諦めたことがいくつもあります。
だからこそ、「どんな微細な光をも捉える眼を養うためのくらやみ」という詩が今のくらやみを諦めずに受け止めて生きようと…うまく言えないのですが章のタイトルの通り勇気を自分も出そうと力をもらいました。
今まで詩歌をあまり読んだことがなかったのですが、小説とまた違って言葉が少ない分、より作者の中で自分の気持ちにぴったり合う