若松英輔のレビュー一覧

  • 「利他」とは何か
    最大多数の最大幸福を意識した利他の考え方…同じお金があるなら、なるべく効果的に使おうとする考え方が新鮮。

    贈与は支配に容易につながりうる(pityが伴う)という点が印象的だった。

    第3.4章は哲学的で私の理解が追いつかず…
  • 詩を書くってどんなこと?
    中学生向けに書かれたシリーズの本ですが、大人が読んでも充分に楽しめます。詩の世界のことをこれだけわかりやすく書いた本は、他にないのではないでしょうか。誰でも詩人になれるという言葉に勇気づけられます。
  • 本を読めなくなった人のための読書論
    ・ひとりの時間の過ごし方を身につけることと、本を読むことは別のことではありません
    ・大切なのは、言葉に出会い、言葉を糧とできるかどうかであって、多く読むことではありません。大切なのは「たしか」に読むことです
    ・この小説を読むのには、人生の時機がある。読める人には読めるだろうが、時機が整わない人は読み...続きを読む
  • 「生きがい」と出会うために 神谷美恵子のいのちの哲学
    “神谷が精神医学を志したのは、真の意味で「人間」の姿に出会うためだった。しかし、いつしか、精神医学そのものを目的としてしまい、最初の志を忘れてしまったのではないのか”
    私も鍼灸そのものを目的としてしまい、志をつい忘れがちになる。
  • 考える教室 大人のための哲学入門
    これは名著。
    タイトルの通り”考える”ということをしっかりと見つめなおすことができた。
    各章でそれぞれ哲学者と代表作を紹介、また簡単な解釈を説明してもらえて、読みながら哲学にどんどん興味を持っていくことができた。
    巻末の哲学書の紹介も参考になった。
  • 「利他」とは何か
     「利他」の気持ちは、見返りも期待せずに、自然と沸き起こるもの。
     このことを仏教、ギリシア語、民藝、小説の作家法などの多様な観点から各論者が主張している。いわば「決定論」であり、自由意思否定論が根底にあると思われる。この意味でも、とても興味深かった。
  • 「利他」とは何か
    思ってたんとちがう。

    読後に感じたこの違和感は、この本がそれだけ私に価値ある一冊だったことを物語ります。なぜそう感じたのか、お話します。

    この本は、東京工業大学内にある、人文科学の「未来の人類研究センター」に集まった5人の研究者による合作本です。
    様々なキャリア、視点から、「利他とは何なのか」と...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    善とは利他のことではないかと常々考えていたところにぴったりの名前の本を見つけたと思い読んでみた。目論見は外れたものの、著者ごとの角度から面白い知見を得られた。特に國分氏の古代ギリシャには意思がないというのは興味深く、人間に自由意志はないとする話を思い出した。
  • 生きていくうえで、かけがえのないこと
    果てのない暗闇を感じて、
    なんでこんな人生歩まねばならないのかと思い続けていた。
    悲しみや苦しさは、いつになったら消えていくのか。意味はあるのか。

    悲しみがなければ、得られないことがあると、慰められました。困難は人生の恩籠になりうる。
    私のこのどうしようもない人生も、意味を付けられそうです。最期に...続きを読む
  • 考える教室 大人のための哲学入門
    普段、何気なく使ってる言葉や概念の本質を探る思索が面白い。個人的にはアレントの労働と仕事の話が好き。
    労働→ヒトの自然、生理的な営み(分娩、闘病も含む)
    仕事→人工的な営み、制作活動。(芸術や工作)
    この二つを包括するのが活動。
  • 本を読めなくなった人のための読書論
    読書慣れしていなかった自分にとって、無理せず色々なジャンルに挑戦し、言葉をコトバとして感じる位ゆっくりと文字を読んでみようと思った。

    そして書く事も。。。

    時間は沢山かけても良いのだから。

    言葉が優しく丁寧で、一気読みした。

    一番好きなフレーズ :
    【あなたが、私をほんとうの「わたし」にし...続きを読む
  • NHK「100分de名著」ブックス 石牟礼道子 苦海浄土 悲しみのなかの真実
    石牟礼道子の『苦海浄土』(1969年発行)の本は、読もうとしても、はねつけられる。それでも、苦労して読んでも、レビューが書けなかったが、ユージンスミス、桑原史成、石川武志の写真集をみながら、やっと自分の中にも理解できて、レビューを書いた。ただ、どうも本の芯がつかめないでいる。本の芯がつかめないと、レ...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    利他とは?を、異なるバックグラウンドの複数人の観点から追求した結果、様々な料理や素材を受け止めるような「うつわ」であると結論づける本。個人的には自分と他人を一体として捉えた自然への同化と解釈した。
  • 別冊NHK100分de名著 読書の学校 若松英輔 特別授業『自分の感受性くらい』
    タイトルになっている茨木のり子の
    詩が大好きで読んだが、
    これは、茨木のり子の詩を題材に
    詩というものが人にとって
    どういう存在かを語る、入門書。

    ラストの生徒の乾燥に触発された
    一連の詩が特に素晴らしい。
    思わず手帳に書き留めた。
  • 本を読めなくなった人のための読書論
    NHK「100分de名著」で著者を、SNSで本書を知り読んだ。丁寧かつ本質を突いた言葉が、自分の中に染み込んでいくのを読みながら感じた。

    知識を得るためだけでは終わらない、正しさを求めない、ひとりの時間を大切にするための読書を今後続けていきたい。読めなくなったらひと休みしたらいいのだから。

    著者...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    4人それぞれの「利他」についての考察が書かれていた。わかったようなところと難しいなぁと思うところがあったが、「利他」を考えるきっかけになった。
  • 本を読めなくなった人のための読書論
    読みたいときに、読みたいとこだけ。

    どこまでもあたたかなことばに包まれて、理解が及ぶ前に心が動いた。それだけで本を読むという行為へのありがたみが蘇ってきて、(そうだ、こんな感じだった)と楽しくなった。
    文体以外にも、ページの上下が余白たっぷりに取られていて、それがすごく読みやすかった。

    すきなの...続きを読む
  • 別冊NHK100分de名著 読書の学校 若松英輔 特別授業『自分の感受性くらい』
    詩を書くことは、内なる自分と向き合い、コトバを紡いでいくことなのだと教わった。

    誰かに褒められようと薄っぺらい言葉を選ぶのではなく、生きる意味を深く深く問い、真摯に書くことの大切さを教わった。

    昔出会った茨木のり子さんに、出会い直せた一冊。
  • 読書のちから
    【1回目】DMMブックスにて購入。慣れない読書アプリのため、少し難儀した。氏の著作は何作も読んでいるため、すでに「おなじみ」の論者(池田晶子やリルケなど)について論及されていて、取り立てて目新しさは感じられなかった。しかし、一篇一篇は、吟味するのにふさわしい内容であったと思う。
  • 「利他」とは何か
    昨年NHKの番組でジャック・アタリ氏が発した「利他主義とは合理的な利己主義」という言葉に私もとても共感したのだけど、この東工大の研究会のメンバーがまた豪華だし、とても面白かった。特に伊藤さん、中島さん、若松さんの章はわかりやすいし読んでいて膝を打つことが多かった。
    放送直後にもこのジャック・アタリ氏...続きを読む