若松英輔のレビュー一覧

  • 悲しみの秘義

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    悲しみ、特に愛する人を喪った悲しみを知る人に、強くお勧めできる一冊。
    悲しみを知ることで、初めて本当の生を知る。
    悲しみを知ることで、本当の私に初めて出会う。
    強い悲しみを経験することは、何か簡単には言葉にできない、ある種の究極的な真理に、気づく権利が与えられるということなのかもしれない。
    この本では、悲しみについての様々な思索が、古今東西の哲学や文学、特に詩歌をよすがに、とても豊かな情感とともに、そしてとても優しい筆致で、したためられている。
    「悲しい」と書いても、「愛しい」と書いても、「かなしい」とよめる。悲しみには、その深い深いところで、ただ悲痛なだけではない何かがあって、そしてそれは、

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    2025年11月30日
  • 読書のちから

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    ネタバレ

    一編一編に重みがあるエッセイ集だった。サラッと読んでしまうには勿体ない。就寝前に毎日一編ずつ読みたいと思える、そんな本だった。
    良書誕生の条件が面白かった。条件のうちのひとつに「その本が読む者の変化に耐えうること」とある。その視点で考えたことがなかったので新鮮だった。読み手の変化に耐えられるとは、器が大きくないと達成できない。年月を経て何度読んでも新たな発見があるような本は、そう出会えるものではなく、だからこそ大事にしなければと思う。
    私は読み通すことを自分に課しているので、著者の域にはまだ達せない。ここで紹介されている書籍は、なかには読んだことのあるものがあったけれど、私には深く読み解くこと

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    2025年11月18日
  • 宗教の本質

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    心に沁み渡るような言葉が随所に散りばめられていた。
    必死で言葉を追って、二人の思考の跡を辿れて良かった。沢山引用してくれるのも嬉しいところ。

    ここからまた自分なりに考えて思考を打ち立てるのはまた別の作業になるんだろうな、じゃないとあまりに時を要する笑

    とにかく、難しいテーマをこれだけサクサクと読み進めやすくまとめてくれたことに感謝。良い体験だった!

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    2025年11月06日
  • 悲しみの秘義

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    先月の中頃、平日の17時ごろに母の入院している病院より連絡があった。
    癌で緩和ケアを受けていた母の容体が思わしくないと。
    看護師さん曰く、明日を迎えるのは難しいだろうとの事だった。

    急いで準備をして電車に乗ったが、思考が停止してしまっており、病院の最寄駅に向かう最中も不思議と気持ちは凪いでいたのを覚えている。
    ただどうにもこうにも心細くて、少しでも気の紛れるものはないかと近くの本屋さんに立ち寄った際、最初に目に留まったのがこの本だった。

    悲しみの秘義とはなんだろう。
    なんと無く、底の見えない悲しみを閉じ込める秘密が書かれているような気がして、ぼーっとした頭で購入した。

    病室に到着して目に

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    2025年10月24日
  • 詩集 愛について

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    愛について、柔らかく優しく落ち着いた言葉で表現されていて、非常に素敵だった。愛とは何か改めて考えるきっかけとなった。

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    2025年10月20日
  • 悲しみの秘義

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    宝物にしたい本と出会った。
    心をぎゅっとつかまれ、涙がこみ上げてくるような言葉がたくさん散りばめられてる。
    とてつもない暗闇に沈んだとき自分はもう一度この作品を読んでどう感じるだろう。

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    2025年10月11日
  • 悲しみの秘義

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    様々な作品からの引用を若松さん独自の視点で解説した本。
    悲しみとは何なのか、ことばとは何なのか、読んでいると心にグッときます。
    読み終わったあとには、どこか気持ちがスッキリして自分の中にあることばを書き出してみたくなる、そんな本です。

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    2025年10月01日
  • 悲しみの秘義

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    若松さんは、私たちが何気なく使っている言葉を、自分の言葉として定義づける力が、本当のあるのだと痛感させられる…

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    2025年09月22日
  • 藍色の福音

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    今の私をハッとさせる言葉に満ちた本だった。美しい装丁を裏切らない美しい言葉で語られる若松英輔さんの人生の歩み。若き頃の若松さんと今の自分が重なって、一つひとつの言葉が心に沁みた。
    20代のころの若松さんと50になろうとする私が同じ、ということには苦笑せざるを得ないが、久々に付箋を貼り、ペンを引きながら一気に読んだ。

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    2025年09月15日
  • 悲しみの秘義

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    いろんな格言が気づきも!驚きも!暖かみも!
    もらえた気がする。

    自分にとってはほんと悲しみの秘技だった。

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    2025年09月11日
  • 詩集 ことばのきせき

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    彼の言葉が紙片を通して私の身に染みとおるようだった。「ことば」が直にたましいに触れ熱く溶ける感覚は何ものにも代え難い。

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    2025年09月11日
  • 本を読めなくなった人のための読書論

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    何度も反芻したい。
    タイトルに、そして中身に救われた。
    遅読ともまた違う、内省と対話のための取捨選択、そしてまた出会うための保存?という感じ。
    本自体を、全般を、嫌いにならないため、仲直りするための本とも言える。

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    2025年09月09日
  • 悲しみの秘義

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    深い深い悲しみに寄り添うような言葉が綴られている。ここまでの深い悲しみを、おそらく母が亡くなったときに、自分も経験しなければならないのだろうと想像する。その時に、この本が手元にあれば少し救われるかもしれない。そう思うと、少し心強くなる。手元に置いておきたい一冊。

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    2025年08月15日
  • 詩集 美しいとき

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    研ぎ澄まされた、清らかな言葉を紡ぐ方だなぁと感じました。
    短い意味の連なりで、人生のかなしさと美しさが深く語られています。

    悩んで、立ち止まったときにふと読み返したくなる大切な本です。

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    2025年08月14日
  • 詩集 美しいとき

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    はっとさせられる言葉の数々。

    誰かのまねをしたり
    誰かをうらやんだり妬んだり

    生きていればそういう感情を避けられない。

    でも自分にしか生きられない毎日を重ねて、
    今という瞬間を感じたい。

    単純で素朴なことほど難しく
    すぐに忘れてしまう。

    心の奥底で確信をもちたかったことが
    美しい文章で綴られている。


    現代は色々な情報に振り回され心を無くし
    雑多な日々を過ごしがち。

    少し立ち止まってこの本を読んだら
    本当に大切な感覚を取り戻すことができる。

    一気に読み終えて
    心地よい透明感に包まれた。

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    2025年08月07日
  • 詩集 美しいとき

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    詩を読んで泣くという初めての経験をした。
    言葉について書かれている。それは自分に贈る言葉であったり、相手に贈る言葉であったり、魂の叫びのような言葉であったり…

    今まで飼ってきた魚たちのことを思い浮かべて何度も読んだ。私の声、私の祈りはあの子たちに届いていたのだろうか。そして、今いる大切な人や生きものたちに私は幸せの祈りは届いているのだろうか。
    たくさん言葉にしたい。詩を書いて自分の心のことをたしかめたい。美しい言葉を求めた旅に出かけたい。

    特に好きだった、印象的だった詩は
    ・たましいの世話Ⅱ
    ・彷徨う
    ・時にふれる
    ・誰の目にも見えないところで
    ・自分の考え
    ・素樸な言葉
    ・亡き人
    ・言葉

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    2025年08月03日
  • 悲しみの秘義

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    若松英輔さんの文章には凛とした優しさがある。この本は一回でさらっと読み終えてしまってはいけない本。
    若松さんの自己開示に、そんなところまで曝け出してしまって、いいんですか?大丈夫ですか?と心配してしまう。人に話せる、文章にする、言葉にするという作業は悲しみと共にあるために、必要な過程なのでしょう。その若松さんの悲しみは、誰かの心に響き、誰かの悲しみに寄り添ってくれるのでしょう。
    最後、書くことの大切さを説いていた。拙い文でも、こうして言葉にすること、自分の内だけにとどめておかないことが、自分自身の糧になっていく。より物事を思考し、クリアにしていくことになるのでしょう。とても良い読書体験になった

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    2025年07月30日
  • 考える教室 大人のための哲学入門

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    何を言うかよりも、どう言うかの方に「ほんとう」はひそんでいるという考え方がいいなと思った。学説や見解などは要約できるけれども、どう言うかということは要約できない。友人に、口ごもりながら、慎重に対話するひとがいるのを思い出し、それってひとつひとつの言葉に立ち止まっているってことでその人は学問に真摯なんだとおもった。アレントの、「知識人は「頭」を働かせるだけで「精神」を用いることはない」という考えを読んで、頭を働かせるだけでなく、手を動かして何かを作ることの大事さがわかった。よーし刺し子しようっと。

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    2025年05月04日
  • 詩集 美しいとき

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    詩が纏う別れや死の匂いが、自分の中の悲しい記憶を引き出し、その詩に結びつけてきた。詩人の青く熱い魂を感じた。「言葉を編む」という表現がとてもしっくりきた。

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    2025年04月13日
  • 八木重吉詩集

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    29歳で亡くなったキリスト者である八木重吉の詩集。

    第一詩集の「秋の瞳」は復刻版が手に入りやすいが、第二詩集の「貧しき信徒」は、全集や定本詩集などの古書を探さないと読めないので、岩波文庫で手に入りやすくなったのがすごく嬉しい。

    何度も読んだ詩ではあるが、やっぱりすごいなぁと毎回思う。
    ただのキリスト信仰でもなく、安易な自然讃歌の詩でもない、ほんとうに人が書いたのだろうかと思うほど純真で、哲学的で神秘的な、もっと深いところにある霊性を感じました。

    八木重吉の生い立ちや、創作の背景をより知りたければ、奥さんの吉野登美子が書いた「琴はしずかに」が素晴らしいのでおすすめします。

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    2025年03月31日