若松英輔のレビュー一覧

  • NHK「100分de名著」ブックス 石牟礼道子 苦海浄土 悲しみのなかの真実

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    『苦海浄土』はまだ読んだことがない。まだそこまで手が出ない。熊本という場所に生まれ育ち、小さいころからその病の名前を聞いていて、石牟礼さんの名前もどこそこで聞いてきたのに、ようやくそちらに意識が向くようになったのは最近のことだ。
    このあいだ、高群逸枝さんについて書かれた(というか厳密にはそのご主人との交流の部分が大きかったが)本を読んで、石牟礼さんにも最初の一歩というものがあったのだという「親しみ」のようなものを感じ、ようやくすこしだけ近づくことができてきたような気がする。でも、まだ全集を手に取るには畏れ多い。そんな私みたいな人間が入門書としてこの本を手に取るのは非常に有益だと思った。

    そし

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    2020年11月07日
  • 霧の彼方 須賀敦子

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    霧の向こうに住みたい、だよね、と思って読んだら結構違った。そうか、私が読まなくなった時期がちょうど亡くなった時期だったから気がつかなかったんだ。久しぶりで評伝をちゃんと読んだ。

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    2020年11月06日
  • 詩集 愛について

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    何気ない言葉の連なりなのに
    想う人への愛おしさ、引き裂かれた苦しみ、その人の得難さが切々と痛いほど伝わってきます。
    だからでしょうか、愛する事の豊かさを教えてくれた気がします。
    装丁も丁寧に美しく作られていて宝物のような本です。

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    2020年09月13日
  • 霧の彼方 須賀敦子

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    大好きな須賀敦子さんのことを若松英輔さんがお書きになるって読まずにはいられない。
    大喜びで読み始めたが、いきなりガーンと来た。
    もちろん須賀さんが熱心なカトリックの方とわかって読んではいたのだが、そもそもカトリックに関する素養も知識も、もっと言えば関心もほぼない私。それを抜きにして読んで、それで読んだと言えるのか。何を持って好きと言ってるのか。全くわかってないではないかとショックを受けた。ほんとに。今、私のやるべきことは、この若松さんの評伝を横に置きながら、須賀さんを読み直すことと思われる。
    でも、もっと意識をして読むからと言って、カトリックの素養のない私は深くは読めないってことなのか。それを

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    2020年08月01日
  • 考える教室 大人のための哲学入門

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    書店屋で,たまたま目に止まって買ったまま積読でしたが,連休中に読みました.
    哲学は,前々から興味はあったものの,どうにも型苦しいと言うか,変に難しく考えている様な感じがあって,少々敬遠気味だったのが本音でしたが,この本を読んだ,私なりの感覚としては,考えるとは何かを考えるのが哲学と言うものかも知れないと思いました.また,自分が実体として思っていることも,実は多数の考え方によるもので,実体とは言い切れない面があることも,本書を読んだ気づきです.
    この本はあくまで入門本で,深く学びたいならば,それ相応の書籍を読んだり実践の中で体得すべきなのでしょうけれど,哲学とは何か(を読者が自分自身で考える)に

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    2020年05月03日
  • 別冊NHK100分de名著 読書の学校 若松英輔 特別授業『自分の感受性くらい』

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    自分の人生を支えていく言葉を、どこからか見つけるだけでなく、自分で手作りしてもよいのだなという発見があった。気恥ずかしいと思いつつも詩を書き始めたくなる。誰に見せるわけでもなく自分のために。

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    2019年11月30日
  • 考える教室 大人のための哲学入門

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    「書き手」と「読み手」の対話としての「読む」を掘り下げるもので、感動的です。ここで取り上げられているソクラテスの弁明、方法序説、人間の条件、共同幻想論の4冊、最後の吉本隆明を除いて、いずれも私も折に触れて読み直す本ですが、また改めて読もうと思いました。
    吉本隆明はなぜか、正面から取り組んだことがありません。これを機に読もうと思います。

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    2019年09月09日
  • 内村鑑三 悲しみの使徒

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    帯に「その霊性はいまも響きつづける」とあるとおり。内村鑑三の言葉を読めば読むほど、その深さが静かに心に染みいる。

    第6章「宇宙」の章の最後に著者が
    「彼はやはり、遅れてきたイエスの直弟子である使徒のひとりだったのではないだろうか」と記している。その言葉に心が震えた。その通りだと私も思う。

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    2018年10月08日
  • 生きていくうえで、かけがえのないこと

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    日常的に使う、食べる、眠る、悲しむ、祈る等25の動詞を主題としたエッセイ集。一つの言葉に対するエッセイはとても短いものですが、でも、深いのです。心に静かに染みいる何かを感じます。

    私も著者もキリスト教の信仰をもっているせいかもしれませんが、彼の言葉を読む時によく想うのが聖書のヨハネによる福音書の1章「はじめにことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。」という一節。

    それほど”ことば”というものは人には絶対に必要なのものだと感じます。

    折に触れて読み返したい一冊です。

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    2018年10月08日
  • 内村鑑三 悲しみの使徒

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    著者が昔日経に連載していたコラムが魅力的で、手に取った一冊。本書を読んでも内村鑑三が何を成し遂げたかはわからない(勉強不足でごめんなさい)けれど、様々な切り口で内村鑑三や携わる人々の霊性(著者のキーワード?)には触れられた気がする。本書で書かれた時代と比較して、現代は宗教が力を失った(少なくとも日本では)ことを実感。

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    2018年09月17日
  • 生きていくうえで、かけがえのないこと

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    人からすすめられて読み出した本だったけど、それも全てこの本に呼ばれていたからではないかと思えた。

    日々の営みについて、こんなに深く、広い懐をもって書かれたエッセイを、わたしは今までに読んだことがない。

    「辛い時こそ、どの一篇でもいいから読んでみてほしい」という吉村萬壱の言葉どおり、少しでも心の器にはってある水面が揺れたら、読み返そうと思う。とても良かった。

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    2016年09月18日
  • 悲しみの秘義

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    数々の引用と共に進んでいくエッセイ。
    静謐な雰囲気の漂う美しい文章。

    ー 読み手は、書き手とは異なる視点から作品を読み、何かを創造している ー

    という一文が、読書の楽しみをひと言で表しているような気がして何だか嬉しくなる。

    愛する妻を失った筆者の物語のパートは、
    悲しく、愛しかった。

    ストレス社会に生きて日々擦り切れている私たちの心に寄り添って癒してくれる一冊です。

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    2026年02月06日
  • 光であることば

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    光だったー、人生が四季なら今はいつだろう。春の終わりくらいかな、それとも夏の真っ只中か。おもしろいなー。

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    2026年01月31日
  • 探していたのはどこにでもある小さな一つの言葉だった

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    「人は捜しているものを見つける」という言葉のとおり、私は、このようなエッセイを捜していたのだと感じた。

    抽象的な表現を理解するのが苦手だ。詩は私にとって難しい。かと言って、小説ではなく、もっと端的に、作家たちの考えに触れたいと思ってきた。エッセイを読めばいいのかと気づいた。

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    2026年01月18日
  • 宗教の本質

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    「概念の鍵では「宗教」の扉は開かない。」P306


    往復書簡してみてぇーって思った笑
    宗教関連のテーマに沿って仏教徒とキリスト教徒がそれぞれ手紙でやり取りする形式になっている。持ち合わせている知識と考え方が非常に深い。そんな感想しか出ない俺が浅い。

    結局、宗教は知識として勉強できるような類のものではなくて、それ自身を全身全霊で「生きる」ような飛躍が宗教の語りには必要になる。有無ではなく要不要に関わるから、現代社会のような道具としての宗教は本質を外していて「死せる概念」となってしまっている。イサク奉献のエピソードは、常に宗教観に影響を与えてくれそう。


    俺の勘違いは以下の部分。

    「宗教は

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    2026年01月02日
  • 宗教の本質

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    僧侶にして宗教学者としても著名な釈先生と、生まれる前からのキリスト者である若松さんが交わした書簡による対話。「話す」「施す」「笑う」など、挙げられたキーワードを宗教的視点で語り合う。

    釈先生の書簡に対し若松さんが応えるという形式なので、どうしても後から述べる若松さんの意見のほうが強めに残る。個人的に興味深いと思ったのは「共同体」というテーマだが、いずれのテーマも一度のやり取りで終わる。深める、掘り下げるというところまではいかないのが少し残念。

    私が本書で宗教の本質を垣間見たと思ったのは、最後に収録された対面での会話である。釈先生が述べた教え子のエピソードに対して、若松さんが「私たちの生は現

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    2025年12月30日
  • 自分の人生に出会うために必要ないくつかのこと

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    日本経済新聞に2023年4月から2024年3月まで、「言葉のちから」として連載されたものから27篇を選び一冊の本にしたもの。

    〝言葉〟の持つちから、面白さが詰まっていて、何度でも手に取りたくなる本でした。

    一篇はどれも「誰かの言葉を引用した作品」になっており、例えば…
    武者小路実篤『沈黙の世界』より引用
    ──言葉の世界に住んでいると、沈黙の世界がなつかしくなる

    など、作家や哲学者の言葉が多く取り上げられている。

    他に面白いと思ったのは、
    『念い(おもい)を深める』
    の一篇で「おもい」を表現する漢字が沢山あるということ。
    思い、想い、意い、憶い、惟い、顧い、懐い、忖い、恋い…
    それらを熟

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    2025年12月29日
  • 八木重吉詩集

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    八木重吉の詩集ですね。
    八木重吉(1898~1927、東京生まれ)二十九歳で亡くなった近代詩の彗星。
    編集は、若松英輔さん(1968年、新潟県生まれ)
     
     生前に発表された詩集は『秋の瞳』一冊だけです。
     自分で編集した『貧しき信徒』は、亡くなられてから発刊されました。それと、残された多くの『詩稿』とキーツ、ブレイクの『訳詩』から精選された詩集です。
     いずれも短い詩は、『生きること、在るへの愛しみとかなしみに満ちている。人間の内奥にある霊性が、読む者にはたらきかけてくる。』と、編者が語り掛けています。

          「胡蝶」

     へんぽんと ひるがへり かけり
     胡蝶は そらに まひのぼる

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    2025年12月19日
  • 本を読めなくなった人のための読書論

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    「印象に残った言葉をノートに書き写す。引用ノートを作る」

    まさに私が日頃やっていることです。本を読んで共感した言葉をノートに書き出しています。私の方法は間違っていなかったと確認できました。

    「『読む』と『書く』は呼吸の関係。よく吸う(読む)ためには、よく吐く(書く)ことが重要」

    なるほどそういう関係なのかとわかりました。手前みそですが、私はそれができている方なのではないかと思います。

    今現在、私は本を読めなくなっていませんが、読めなくなったって焦らずにその気持ちに向き合っていけばいいとわかりました。

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    2025年11月15日
  • 「利他」とは何か

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    「贈与」や「利他」がタイトルに含まれる本が増えていますね。

    現代に生きる私たちは、交換や利己によっぽど疲れているのでしょうか。

    ただ「贈与」や「利他」に漂う胡散臭さがあるのも事実。

    結局人間は純粋に利他的には生きられないのではないか。

    最近、私の考えていたことです。

    この本を読んで、その考えは合っていると感じるとともに、
    利他は意図せずしっかりと存在することも実感できました。

    それは自分という器を誠実に生きるということ。

    自分が全力になれることを全力でやることが、人類の歴史や系譜に奉仕することになるという作家・磯﨑憲一郎さんの言葉は、私たちの迷いを幾分和らげてくれるのではないでし

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    2025年11月13日