若松英輔のレビュー一覧

  • 日本人にとってキリスト教とは何か 遠藤周作『深い河』から考える
    著者の若松英輔氏の日経新聞の連載が面白く、興味を持って本書を手に取る。共感できたり、勉強になったりすることは多かった。特に、「生活」と「人生」の違いというところは印象に残った。ただ、本書に含まれる多様なテーマの繋がりというか、本書全体のテーマというのが捉えにくく感じた。タイトルの「日本人にとってのキ...続きを読む
  • NHK「100分de名著」ブックス 石牟礼道子 苦海浄土 悲しみのなかの真実
    原本がなかなか読めないので、ガイド本としてこちらを読んでみた。こちらだけでも十分というかかなりの情報量…といった感じ。感想を文字にするのが難しい…人間の崇高な一面を感じた。
  • 光であることば
    若松さんと秋満さんのトークイベントにて。サインしていただいた大切な本。「君たちはどう生きるか」という映画が去年ヒットしていた。逆にと言ったら語弊があるが、当著書には、どう生きるかということだけを考えているとき、その人の「人生」は「生活」という幕に覆われて見えにくくなる。と書かれている。自分にとって大...続きを読む
  • 読書のちから

    苦しみや「かなしみ」が私たちに教えるのは、答えではなく問いの深まりである。-情愛の泉

    自分の生きる意味を探して、自分のために時間を費やすのではなく、他者に「時」をささげ、共感と理解を深めるなかにこそ人は、自らの「傷」を「愛」へと変容させる道を見出す。-いのちを生きる

    だが、よく考えてみれば私た...続きを読む
  • 本を読めなくなった人のための読書論
    読書が出来なくなった人向けなのに、それについて本で読むという若干の矛盾を面白く感じながら読書。
    私も少し読書が進まない状態だったので、丁度よかった。
    文字もびっちりではなく、文章も読みやすくて、
    優しいスープのような1冊。

    全部読まなくてもよい、
    読み切る必要もない、
    好きなところから読んでもいい...続きを読む
  • 読み終わらない本
    自分にとって大切な「ことば」。
    それを読書していくうえで、感じ取っていければと思った。そしてもし、そんなかけがえのない言葉に出会えたら、書き出していこう。
    「読み終わらない本」。そんな本に出会えると思うし、もう出会っているかもしれない。
  • ひとりだと感じたときあなたは探していた言葉に出会う
    たまたま本屋の棚に陳列されているのを見かけて、まずタイトルに一目惚れして思わず買ってしまいました。

    自分が本を読んでいるときは、文章を頭の中で音声として再生する音量感みたいなものも無意識に設定しているのですが、若松さんの文章は「とても小さな声で大事な話をしてくれている」という印象を受けます。
    ひと...続きを読む
  • 本を読めなくなった人のための読書論
    速く多く読もうとしなくていい
    読めなくなったら書けばいい
    ジャーナリングを始めてから、
    ジャーナリングをしている方の多くは
    読書が好きだったり、その逆だったり
    2つとも好きな方が多いなと感じていましたが、
    その答えがこれか、と気付かせてもらえる一冊。

    本当に素敵な言葉がたくさん。
    途中で本が読めな...続きを読む
  • 読み終わらない本
    ある想定したひとりの若い人への長い長い手紙。
    生きるということ、自立と孤独、詩の力、人生が問いかけてくるもの、著者がひとりの若い人を通して私たちに伝えたいこと、知っておいてほしいことが丁寧に心を込めて愛情深く、時には厳しく綴られています。今生きていることの重みを感じる本でした。
    著者の言う読み終わら...続きを読む
  • はじめての利他学
    利他とは何か。東洋、西洋の哲学や宗教を横断し、様々な観点からスポットライトを当てる。

    仏教から「自利利他」「菩提心」、「愛語」、儒教から「仁」、「知行合一」、キリスト教からパウロの「愛」、そしてフロムの「愛」へと、論は飛び回る。

    結局、人間は社会的生物であることからは逃れられず、古今東西あらゆる...続きを読む
  • 考える教室 大人のための哲学入門
    哲学ということで理解に難しい分野ではあるのだが、ソクラテスを始め各哲学者の言葉を若松さんがわかりやすく解説してくれて、哲学入門書としてよいと思いました。
    人は誰もが不完全です。ですから、自分が絶対に正しいと思うとき、その人は絶対的に誤っている。
  • 詩集 美しいとき
    素朴な言葉
    「ほんとうに わたしを なぐさめてくれる ことば」
    みつけられるといいな。
    若い人たちへ
    「分かることだけで、自分を塗りつぶして、何かをわかったように思いこんではいけない」
    わからないこともある、それが世の中なんだな。
  • 弱さのちから
    痛みに耐えられる心なんて
    もった人間は居ない。
    なるべく痛みに出逢わない人生がいい。
    でも現実は、そうもいかない。
    果てしなく痛々しいのが人間ならば
    弱いまま生きるということ以上に
    強いことはない。

    人間はもろいけどさ、つよいんだって。
    愛がある。
  • 危機の神学 「無関心というパンデミック」を超えて
    祈る、そして感じること。
    読み直しから始めて改めて原点に戻る。コロナはそれに気づかせてくれたのかもしれません。
  • 14歳の教室 どう読みどう生きるか
    とある知人に貸していただいて。
    若松英輔さんの本は、わかりやすいようで、わかりにくい。
    易しい言葉で難しいことが書かれている。
    若松さんの敬愛する池田晶子の本を読んだときも、空を掴むようなわかったようなわからないような感覚になったけど、この本も似たような感じ。
    もうすこし、大切な人が大変なときに仕事...続きを読む
  • 悲しみの秘義

    私が若松氏と出会ったのは(もちろん一方的な出会い)
    100de名著「善の研究」の解説をされておられたとき
    失礼ながらどういう方か存じ上げなかったのだがこの時の印象が圧巻で忘れられない
    この人は一体どんな人生を歩んできたのだろう
    第一印象は静かで穏やかな好感持てる方であった
    しかしお話しをされると...続きを読む
  • 沈黙のちから
    詩は声に出して読むものとあり、実際声に出して読んでみたら、全く違って響き驚きました。言葉がゆっくりお腹、喉を通って耳に響くこと、呼吸をしながらなので沈黙が入って余韻が加わり、言霊とはこういうことかもしれないと実感しました。
  • 読書のちから
    自分の生きる意味を探して、自分のために時間を費やすのではなく、他社に「時」をささげ、共感と理解を深めるなかにこそ人は、自らの「傷」を「愛」へと変容させる道を見出す。
  • 考える教室 大人のための哲学入門
    凡百の「哲学入門」とか「読んだ気になる」的な本よりも信頼感のある内容に感じた。
    その根拠は4冊の哲学史上の名著の肝を単に抜き出すのではなく、原典に触れてみたくなるように働きかけ、読者に思考してみるように、"対話"してみるように促す文章の誠実さがあるため。
    『方法序説』を、『共同幻想論』を、「読まねば...続きを読む
  • 徹底討論 ! 問われる宗教と“カルト”
    安部元首相殺害で関心が集まる宗教、カルトの世界。容疑者家庭における母親の一億円寄付、家庭崩壊がいわれるが、ではなぜ宗教にそこまで入れ込んだかという視点も必要ではないか、というのが冒頭の問題意識としてあった。読んでいくと、本来宗教とは、そういうものではないんだな、と思ったね。ただ、宗教の力を利用して、...続きを読む