若松英輔のレビュー一覧
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この世界そのものはひとつであっても、100人の人間がいれば、そこには100通りの「認識された世界」があるという考え方が印象的でした。
そう考えると、真理そのものはひとつであっても、人それぞれが認識する真理は、やはり100通りあるということなのだろうか。
そして、一見するとばらばらに存在しているように見える世界も、実はすべてがつながり、ひとつのものとして存在しているのかもしれない。
そうであるならば、世界は自分の外に広がっているのではなく、すべてが自分の内にありながら、同時に世界全体へと広がっているとも考えられるのではないかと思いました。
3.9 -
Posted by ブクログ
利他とは何か、という題名だったので利他の本質について追求していく本なのだと思っていたが、「利他」という事柄をそれぞれの専門家がそれぞれ定義づけし、考察するような内容となっており、「利他についての諸考察」等の題名の方がしっくりとくる気がしている。
様々な角度から利他を語り、全体を俯瞰して見るとぼんやりと全体像が見えてくるような。
まるで、ピカソの多視点画をみながら全体像を探っているような本だと思った。
しかし、この本を読んで最終的に絵の全体像が見えてこない気がするのは、各専門家が利他について相互に刺激を受け、お互いの観点を踏まえた一段上の視点を提示するのが少ないからだろう。
せっかくこれだ -
Posted by ブクログ
NHKラジオで放送された内容をもとにした本で、柳宗悦の著作を年代順に紹介しつつ、著者自身の解釈が展開されています。
柳といえば、民芸運動の指導者としてその名をひろく知られていますが、若いころの彼は白樺派のメンバーとして評論活動をおこない、詩人のウィリアム・ブレイクに傾倒していました。そこに見られる彼の宗教に対する関心は、晩年における一遍や妙好人の発見へとつながっています。こうした柳の宗教にかんする思想は、浄土教の思想にかんする多くの著作がある阿満利麿もとりあげていました。一方本書は、かならずしも浄土教だけに限定されることなく、信仰そのもののありかたにかんする柳の独創性に光をあてているところに -
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読む前
利他はほとんど存在しないでしょう
見返りを求めたり、「利他」的な行為をする自分に酔ったりしてるだけなのでは→結局は利己
でも、親が小さな子を守るみたいな行動は利他だといってもいい?
↓
いずれの章にも共通するものとして、「余白」「うつわ」、つまり自分の意志以外のものの介入を許しているということがあった。逆に、その介入を許さない場合、それは利他ではない
利他が「生まれる」(「する」ではない)時は、自然に、すなわち「オートマチックに」生まれるものであり、それは自分の意志ではなく何か大きな力がはたらいてこそのものである
3章〜5章で論じられていることが利他に結びついているのかあまりわからな -
Posted by ブクログ
利他に関する論考集。
第一章の伊藤亜紗氏は、合理的利他主義や効果的利他主義といった利他についてのトレンドを概観し、その根底には利他の効果の数値化があること、数値化により漏れてしまったり失われてしまったりすることがあると説く。利他の効果を数値化することは、自らの利他的行為が相手に与える影響を規定することに繋がり、押しつけや他者の支配に繋がる。そうではなく、予測不可能性を受け入れること。予想外の他者の反応によって、自らの方が変わること。これを「うつわ的利他」と表現しているが、相手を享けることのできる利他が、良き利他ではないかと述べている。
第二章では、中島岳志氏が、贈与論から利他を考察している。