あらすじ
プラトンから吉本隆明まで。あの哲学者たちが遺した言葉を読み解く秘義とは。「対話する」「考える」「働く」「信じる」という身近なテーマから、あなたの中にある「私の哲学」を見つけていく。人生にとって一番重要な「問い」とは何か。いま最も注目される批評家が贈る、生きるために本当に必要な哲学の教室。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
何を言うかよりも、どう言うかの方に「ほんとう」はひそんでいるという考え方がいいなと思った。学説や見解などは要約できるけれども、どう言うかということは要約できない。友人に、口ごもりながら、慎重に対話するひとがいるのを思い出し、それってひとつひとつの言葉に立ち止まっているってことでその人は学問に真摯なんだとおもった。アレントの、「知識人は「頭」を働かせるだけで「精神」を用いることはない」という考えを読んで、頭を働かせるだけでなく、手を動かして何かを作ることの大事さがわかった。よーし刺し子しようっと。
Posted by ブクログ
哲学に興味があったから読んでみたんだけど、正直ちょっと難しい。
でも哲学って楽しいなと純粋に思えた。
思考すること、人と対話すること。
それを諦めちゃいけないなと感じた。
Posted by ブクログ
哲学に興味が出てきたので、入門として読みました。4章構成で読みやすく、入門にこの本を選んで正解でした。
プラトン、ソクラテス、デカルト、ハンナアレント、日本人では吉本隆明が登場します。
著名な哲学者の著作や言葉の一部が随所ででてきますが、正直なところ、読んでも何を言っているのかあまりわかりませんでした。
そこで終わらずに、著者の若松英輔さんがそれはどんなことを言っているのか端的に伝えてくださるので置いてきぼりにならず、楽しみながら読むことができました。
この本を読んで、本を読むということは自分の中に問いを持つこと、著者と会話することなのだと知りました。
哲学への姿勢というのも、僅かですが体感できた気がしています。何度も読み返したい。
Posted by ブクログ
書店屋で,たまたま目に止まって買ったまま積読でしたが,連休中に読みました.
哲学は,前々から興味はあったものの,どうにも型苦しいと言うか,変に難しく考えている様な感じがあって,少々敬遠気味だったのが本音でしたが,この本を読んだ,私なりの感覚としては,考えるとは何かを考えるのが哲学と言うものかも知れないと思いました.また,自分が実体として思っていることも,実は多数の考え方によるもので,実体とは言い切れない面があることも,本書を読んだ気づきです.
この本はあくまで入門本で,深く学びたいならば,それ相応の書籍を読んだり実践の中で体得すべきなのでしょうけれど,哲学とは何か(を読者が自分自身で考える)について,本書籍のタイトル通り,良い入門本だと思います.
Posted by ブクログ
「書き手」と「読み手」の対話としての「読む」を掘り下げるもので、感動的です。ここで取り上げられているソクラテスの弁明、方法序説、人間の条件、共同幻想論の4冊、最後の吉本隆明を除いて、いずれも私も折に触れて読み直す本ですが、また改めて読もうと思いました。
吉本隆明はなぜか、正面から取り組んだことがありません。これを機に読もうと思います。
Posted by ブクログ
私が本を読むのは、
自分や世界に問いを投げかけ続けたいからだろうとこの本を読んで気づいた。
最近哲学という分野に興味を持って足がかりとして読んだんだけど、思ったよりも心に響く言葉が多かった印象。
個人的に若松さんは詩集全部読むくらい好きなので、それもあってか読みやすく素直にふむふむと考えながら読めた気がする。
私も手を動かしながら考え続けていたいな〜
Posted by ブクログ
哲学ということで理解に難しい分野ではあるのだが、ソクラテスを始め各哲学者の言葉を若松さんがわかりやすく解説してくれて、哲学入門書としてよいと思いました。
人は誰もが不完全です。ですから、自分が絶対に正しいと思うとき、その人は絶対的に誤っている。
Posted by ブクログ
凡百の「哲学入門」とか「読んだ気になる」的な本よりも信頼感のある内容に感じた。
その根拠は4冊の哲学史上の名著の肝を単に抜き出すのではなく、原典に触れてみたくなるように働きかけ、読者に思考してみるように、"対話"してみるように促す文章の誠実さがあるため。
『方法序説』を、『共同幻想論』を、「読まねば」でなく「読んでみたい」となった。必読リストに加わった。
Posted by ブクログ
いつも生き急いでいて、考えることすら短い時間でしようとする自分にとってはいい教訓となった。
本を読む時も速読をしてしまうが、一文一文向き合って読もうと思った。
Posted by ブクログ
ソクラテス、デカルト、アレント、吉本隆明を2時間で理解する本ではなく、それらを題材にして「考える」ということの面白さや、読書をすることの面白さ、またその手掛かりを提示してくれる本。
読書にはいろんな楽しみ方があるけど、本を読むという行為を少し分解して考えてみると、読書とはページに書いてある文字の羅列から情報を読み取ることではなくて、ページに書いてある情報をもとに自分の中で考えをめぐらすこと、ともいえるのかもしれない。
だから極端な話、書いてある内容や情報をそのまま理解しなくてもよくて、読書という行為の主体はあくまでも読者でしかなくて、そういう意味では読書という行為はすごく自由な体験といえるのかもしれない。
ハンナ・アレントの段に「『生命の祝福』は、生きる意味の発見というよりも、いのちのちからをありありと感じることなのかもしれません」という一文があるけど、読書という体験は、まさに、生きる意味の『発見』というよりも、いのちのちからをありありと『感じる』ことのできる体験の一つなのかもしれないと思った。
Posted by ブクログ
これは名著。
タイトルの通り”考える”ということをしっかりと見つめなおすことができた。
各章でそれぞれ哲学者と代表作を紹介、また簡単な解釈を説明してもらえて、読みながら哲学にどんどん興味を持っていくことができた。
巻末の哲学書の紹介も参考になった。
Posted by ブクログ
普段、何気なく使ってる言葉や概念の本質を探る思索が面白い。個人的にはアレントの労働と仕事の話が好き。
労働→ヒトの自然、生理的な営み(分娩、闘病も含む)
仕事→人工的な営み、制作活動。(芸術や工作)
この二つを包括するのが活動。
Posted by ブクログ
めんどくさがりの私でも読み切れる安心感のある「学びのきほん」シリーズ。哲学書って興味はあるけど敬遠してたので、飛びつきました。色んな本のしおりがいっぱい挟まってる感じで、カッコつけたいだけのおナカマにも本気の10代にもお薦め。
Posted by ブクログ
「悩む」と「考える」のは、違う。そんなことは、分かっている。
多くの人は、そう思っているだろう。
私自身も、「悩む」と「考える」のは違うと思っている。
違うと思っていても、悩むことを辞めるのは難しい。
悩むのではなく、考えるへ切り替えるのも難しい。
若松英輔さんの「考える教室 大人のための哲学入門」は、
自分の考えを深めていくためのヒントが詰まっている。
本書の中に、次の指摘がある。
『人は誰も、迷っているとき、早急に答えを得たくなるものです。すると人は、その答えに多少の毒があっても、それを飲み込んでしまう。哲学の力をつけるには、喉が渇いたからといって毒を飲むのではなく、その渇きに耐えることを学ばなければなりません。
心の渇きを真に癒すのは、世に流布する「甘い」言葉ではありません。
自分の手で掘り出したコトバです』
著名な学者や作家の言葉
SNSなどで多くのフォロワーがいる人の言葉
それらの言葉を見聞きして、腑に落ちたり、賛同したりすることがある。
そのことが悪いわけではない。
ただ、上記の指摘を読んだ後で、
自分が答えだと思ったことや、腑に落ちたこと、共感したことについて、
それらが、本当に自分自身のものなのか。疑ってみる必要がある気がした。
「悩む」と「考える」のは違う、と言う時、
「考える」ことは、目的がハッキリしていて、
答えを出すというゴールに向かって、進んでいくことであるように思う。
答えを出せない状態は、「悩んでいる」ように思い、
答えを出せない状態が続くと、「考える」のではなく、「悩む」に陥ってしまいそうで、不安になる。
しかし、答えを出せない状態は、「考えている」時にも存在することを忘れてはいけないだろう。
Posted by ブクログ
4章に分けて哲学の基本が読める
1.ソクラテスとプラトン
2.デカルト
3.ハンナ・アレント
4.吉本隆明
無知の知の力量をつけるためにすすめたいことや、ソクラテスが人生を賭して考えたものが書いてあり。
何度殺されることになってもこれ以上のことはしない。とは。
読んでみてください。
Posted by ブクログ
哲学って、硬いイメージが強い。20代までそれに触れることを無意識に避けてきたと思う。
いろんな人と話をしたり、テレビや映画を見たり、音楽を聞いたり、本を読んだり・・・その中で感じたことや考えたことと、いわるゆ哲学はそんなにかけ離れたものではないと、30代になってようやく気づいた。
初めて哲学に触れるとき、難解すぎる本では挫折してしまうだろう。だとするならば、この本はちょうどいい塩梅だ。この本から気になったキーワードや人物について、他の本にステップアップするように深めていったらいい。
個人的には”考えること”と”働くこと”について深めていきたい。
「旅とは、どこかに行く行為ではなく、ここに帰ってくるために出かけるための行為だ。」
Posted by ブクログ
ソクラテス、デカルト、アレント、吉本隆明の4人の哲学者について著者の思いが語られていた。
読んだことがある本についても、自分で読んだ時よりも深く分析されていて、さらに理解が進んだ。
何を考えても何を読んでも結論が出ることはないが、考え続けることが哲学なのだ。
無知の知のように、自分が知らないことに対する知的欲求を持ち続けたい。
Posted by ブクログ
若松さんの本はなんだかんだ初。本を、ただ読むのでなくて、じっくり読むことの大事さを学んだ。ソクラテスの弁明、方法序説、人間の条件、共同幻想論が紹介される。
Posted by ブクログ
読書は心の旅のようなもの。
正解はない。自分の哲学は自分で見つける、考える。でも、対話は大切。
死がいい例だが、わからないことを考え続けるのは人間の矜持。
国家は幻想。自分たちの社会の上に漂うもの。
読書メモにタイトルをつけるといい。
砂漠が美しいのは、それはどこかに井戸を隠しているからだよ 星の王子さま
Posted by ブクログ
ソクラテス、デカルト、アレント、吉本隆明を採り上げる。
ソクラテスの弁明は読んだから、著者の言わんとすることは大方わかったし、染み込むものがあった。
ほかは、特に吉本は結局どういうことなのかいまいち理解できなかった。
これを入り口に、もっと哲学に触れていきたい。
Posted by ブクログ
ソクラテス、ルネ・デカルト、ハンナ・アレント、吉本隆明の書が紹介されている。
対話や、自ら体験することでしか得られないものがあるというのは意外だった。
労働と仕事の区別、自己幻想や共同幻想などちゃんと理解できたかは怪しいが、一つ一つの説がとても人間的に思えた。これもまた私には意外だった。
ソクラテスも吉本隆明も、相手によって話し方や話題を変えたりはしないというのには驚いた。無意識にやってしまいがちだし「よいこと」くらいに思っていたが、哲学の観点から見ると勿体ないことをしているんだろうな。せっかく話す機会があるのに、上辺だけの会話をする。思えば上辺の会話しかしていない。私はできれば本と対話したいが、それだけでは足りないのだろう。
哲学書に解答を求めず、自分で考えていく。この本を読んでいると、考えることは悪いことじゃないと思えた。哲学への偏った思い込みがあったのだと分かった。
本の締めくくりに書かれている読書ノートのすすめを真似してみたい。向き合い、読み続けていつか血肉になるような本に私も出会いたい。
Posted by ブクログ
哲学は、系統立てて勉強したいってのはずっとあって、その取っ掛かりにも打ってつけかもっていう本書。信の置ける著者もあって、なかなかに味わい深い内容でした。それにしても、やっぱり”自分で問いを立てる”って、難しいですな。
Posted by ブクログ
"読む"という行為は言葉を扉にした書き手と読み手の対話である。という記述から筆者のメッセージ性を感じた。
この本を通じて何かを伝えるのではなく、内容を知った上で読者がどう考えるのかを知りたいという気持ちが随所で述べられており、自分の頭の中に落とし込む意識を持てた。
過去の哲学者の著書を分かりやすく記述しておりとっつきやすく哲学に興味を持てるような内容だった。
Posted by ブクログ
【所感】
「考える」「信じる」って何だろう…、本を読みながら自分の思考がぐるぐるになって、ページが進まない。そこで途中の一説にハッとする「他人が20年かけて考えた事は私たちも20年かけて考える必要がある。せめてその準備をしなくてはならない」。大切なのは「早くわかること」ではなく「長く考えること」の大切さを教えてくれました。
【あらすじ】
4つの章立てで、偉人たちの問いと解釈について著者の言葉で解説してくれる。ここで大切なのは偉人の問いに対する解釈は、一つの見方に過ぎずあくまで自分自身が問うことを求められる。
第一章:「対話する」ことについてプラトン『ソクラテスの弁明』第二章:「考える」ことについてルネ・デカルト『方法序説』第三章:「働く」ことについてハンナ・アレント『人間の条件』第四章:「信じる」ことについて吉本隆明『共同幻想論』
【心に残ったもの】
・無知の知を実践するにはとても勇気がいる。
・嫌いな人が大切なことを教えてくれることは少なくない。でもそれを認めるには勇気がいる。
・「眼光紙背に徹す」とは書物を読み、その中にある非言語なものを認識すること
・世界を変えることではなく自分を変えることを意識する。他人を変えようとするときそこには愚かな何かが潜んでいる。
Posted by ブクログ
私なんかに想像もつかないほどたくさん勉強した人なら、答えをくれるだろうと。
偉い人たちの知恵をお借りして、少し賢くなろうと。
さぁ教えてよどんなふうに生きればいい?と開いてみたら。
自分で考えなさい、と記してあった。
それしか私は読み取れなかった。
人が20年かけて生み出したものはたった2、3時間では受け取れない。それなりに、やはり20年かけて自分で体験しないと得られない。
自分に問うこと、考え続けることを勧める。
答えは他人は用意してくれない。
自分で生み出すしかない。
この本に自分の欲しい答えは書いてなかった。
じゃあ自分の欲しい答えって何だ?
それは幸せとはこういうものだ、って生き方の提示。
私が幸せに生きるためにはこういう考え方をすればいい、って言ってほしい。行動ではなくて考え方を示してほしいのは、動く気が無いから。
どうしても今の私には70まで働き続ける人生を受け入れられない。アルバイトも含めると十以上の仕事に就いてきたけど、どれひとつ続けられると思わない。
働かなくて良い、または働くことを受け入れられるように自分が変わる方法を探して今日も本を読む。
私が望むようにするのに必要なことは読書ではないって答えも薄々感じつつ。
"おわりに"より
「星の王子さま」途中までしか読んだことないですが、ちゃんと全部読もうと思いました。