若松英輔のレビュー一覧
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29歳で亡くなったキリスト者である八木重吉の詩集。
第一詩集の「秋の瞳」は復刻版が手に入りやすいが、第二詩集の「貧しき信徒」は、全集や定本詩集などの古書を探さないと読めないので、岩波文庫で手に入りやすくなったのがすごく嬉しい。
何度も読んだ詩ではあるが、やっぱりすごいなぁと毎回思う。
ただのキリスト信仰でもなく、安易な自然讃歌の詩でもない、ほんとうに人が書いたのだろうかと思うほど純真で、哲学的で神秘的な、もっと深いところにある霊性を感じました。
八木重吉の生い立ちや、創作の背景をより知りたければ、奥さんの吉野登美子が書いた「琴はしずかに」が素晴らしいのでおすすめします。 -
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「利他」はそれ単独では成立せず「自利利他」「忘己利他」…平安時代日本の仏教で成立した考え方で、西洋哲学よりはるかに古くかつエゴイズムの対極という思想ではないとうところにさすがという気持ちになった。
空海は仏教界のスーパースターであることに変わりはないが、
最澄の「利他」に対する考え方が涙が出るほど優しい。
(最澄自身は自分にも他人にも厳しい人ではあるが…)
日本人で良かった!
空海なども自利と利他は排他ではなく相互だと言っているが、
自分を愛そうということは硬派な時代なのでそんなことは言わない。
時代が進んで、ユーリッヒ・フロムの西洋哲学、心理学によって噛み砕いた、「自分を愛する即ち自分 -
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若松英輔さんの第八詩集。
以下に心を撃たれた詩を三篇載せます。
おそらく若松さんは奥様のことを想って書かれたのだと思いますが、私は認知症を患う母を想いながら拝読しました。
先日、主治医の先生に「最後は娘さんのことが誰かわからなくなりますから」と言われました。
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桜葉
いっしょに
散歩をしているときは
満開の
花にしか
気が付けなかった
でも 今は
緋色や黄や
茶色になった
さくらの葉に
見惚れています
二人で過ごした ひとつ
ひとつの時を
ゆっくりと
想い出しながら
誰も
気が付かないうちに
色を変え
風に身をあずけ
いつとも知れず
散ってゆく
一枚
一枚 -
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宗教とカルトは本当に難しい問題で、おそらく「答え」はないのでしょう。
こういう問題を考えるうえでは、このような複数人での対話が重要になる気がします。
「理解できないと重んじられない、ではなくて、理解する前に重んじる」「宗教的要素を教育から排除してきたことを見直す」といった、自分が普段から考えていることが述べられていて、深く共感しました。
若松さんが「拘束」はカルト化の原因だと述べたあとに、川島さんが宗教においてある程度の拘束は避けられないと、自身のキリスト教徒としての経験から正直な感想を述べていたのが印象的でした。では何が問題なのか、互いに共存できる考え方は何なのか。こういうのは対話によっ -
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NHK「こころの時代」を興味深くチェックするようになったのは、本書のもととなった放送を見て以来。よって、本書の購入は記念的な意味だったが、各先生が放送で語られたことを一歩深めて書き下ろしているコラムが追記されていて、より深まった。
”カルト”について考察を進めると、宗教と国家、社会における個人へと問いがつながっていく。その過程が平易な語りでなされているのは、どの先生方も当事者として、危機感をもって関わってきてたからだろう。こうした番組が多くの人の目に留まり日本社会の宗教リテラシー向上につながることを願う。
①カルトの定義②宗教と国家の歴史的把握③宗教間対話の可能性④宗教の意義、役割 -
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そうそうたる顔ぶれがそれぞれに「利他」について説いているんだけど、何となく見えてくるものがある。特に、伊藤亜紗と中島岳志の利他論に学ぶところが大きい。すなわち……。
利他とは、人のためになることのようなとらえ方が一般的だと思うけど、それを意識的にするのは「利他」ではない。何らかの気持ちのメカニズムが働くにせよ、本人的には説明がつかないうちに、自分のためでなく動いてしまうことが利他なのだ。
一生懸命に利他的なよき人物であろうなどと努めてしまうが、そんなことを考えているうちはまだまだということだろう。考えてみれば、利己的な言動だってわざとそうしているのではなく、自然とそうしてしまうからこそ利己的な