若松英輔のレビュー一覧
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詩を読んで泣くという初めての経験をした。
言葉について書かれている。それは自分に贈る言葉であったり、相手に贈る言葉であったり、魂の叫びのような言葉であったり…
今まで飼ってきた魚たちのことを思い浮かべて何度も読んだ。私の声、私の祈りはあの子たちに届いていたのだろうか。そして、今いる大切な人や生きものたちに私は幸せの祈りは届いているのだろうか。
たくさん言葉にしたい。詩を書いて自分の心のことをたしかめたい。美しい言葉を求めた旅に出かけたい。
特に好きだった、印象的だった詩は
・たましいの世話Ⅱ
・彷徨う
・時にふれる
・誰の目にも見えないところで
・自分の考え
・素樸な言葉
・亡き人
・言葉の不思議
本当にどの詩もとても良くてこの一冊は一生手元に置いて何度も読み返したくなる詩集だと思った。 -
Posted by ブクログ
若松英輔さんの文章には凛とした優しさがある。この本は一回でさらっと読み終えてしまってはいけない本。
若松さんの自己開示に、そんなところまで曝け出してしまって、いいんですか?大丈夫ですか?と心配してしまう。人に話せる、文章にする、言葉にするという作業は悲しみと共にあるために、必要な過程なのでしょう。その若松さんの悲しみは、誰かの心に響き、誰かの悲しみに寄り添ってくれるのでしょう。
最後、書くことの大切さを説いていた。拙い文でも、こうして言葉にすること、自分の内だけにとどめておかないことが、自分自身の糧になっていく。より物事を思考し、クリアにしていくことになるのでしょう。とても良い読書体験になった。 -
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29歳で亡くなったキリスト者である八木重吉の詩集。
第一詩集の「秋の瞳」は復刻版が手に入りやすいが、第二詩集の「貧しき信徒」は、全集や定本詩集などの古書を探さないと読めないので、岩波文庫で手に入りやすくなったのがすごく嬉しい。
何度も読んだ詩ではあるが、やっぱりすごいなぁと毎回思う。
ただのキリスト信仰でもなく、安易な自然讃歌の詩でもない、ほんとうに人が書いたのだろうかと思うほど純真で、哲学的で神秘的な、もっと深いところにある霊性を感じました。
八木重吉の生い立ちや、創作の背景をより知りたければ、奥さんの吉野登美子が書いた「琴はしずかに」が素晴らしいのでおすすめします。 -
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「利他」はそれ単独では成立せず「自利利他」「忘己利他」…平安時代日本の仏教で成立した考え方で、西洋哲学よりはるかに古くかつエゴイズムの対極という思想ではないとうところにさすがという気持ちになった。
空海は仏教界のスーパースターであることに変わりはないが、
最澄の「利他」に対する考え方が涙が出るほど優しい。
(最澄自身は自分にも他人にも厳しい人ではあるが…)
日本人で良かった!
空海なども自利と利他は排他ではなく相互だと言っているが、
自分を愛そうということは硬派な時代なのでそんなことは言わない。
時代が進んで、ユーリッヒ・フロムの西洋哲学、心理学によって噛み砕いた、「自分を愛する即ち自分の欠点を含めて許す、受け容れる」がスタートという流れまで。
孔子、二宮尊徳の思想、西郷隆盛の思想も経由する。
利他→仁→道→天道→愛 -
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若松英輔さんの第八詩集。
以下に心を撃たれた詩を三篇載せます。
おそらく若松さんは奥様のことを想って書かれたのだと思いますが、私は認知症を患う母を想いながら拝読しました。
先日、主治医の先生に「最後は娘さんのことが誰かわからなくなりますから」と言われました。
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桜葉
いっしょに
散歩をしているときは
満開の
花にしか
気が付けなかった
でも 今は
緋色や黄や
茶色になった
さくらの葉に
見惚れています
二人で過ごした ひとつ
ひとつの時を
ゆっくりと
想い出しながら
誰も
気が付かないうちに
色を変え
風に身をあずけ
いつとも知れず
散ってゆく
一枚
一枚の葉を
愛しくさえ
感じています
空気 1
行きたい場所に
旅もしたし
欲しいものだって
買った
でも
こころに
橙の灯が
ともらない
さまざまな場所に
いろんなものに
幸せへの扉を探したけど
見つからない
でも あなたと
いっしょにいたときは
幸せになりたいなんて
考えたこともなかった
未来は見えなかったけど
今だけは
ちゃんと
感じられていた
本当のしあわせは
大切な人と時を
分かち合うところに生まれる
空気であることも
あなたがいなくなるまで
気がつけなかった
それが
私だった
自己探求
ずっと探しているのは
わたし
あなたと
いっしょにいたときは
私よりも
ずっと近くにいた
わたし
あなたが
あの日から
見えなくしたのも
わたし
あなたと生きているときだけ
咲いていた 目には
見えない 一輪の花 -
Posted by ブクログ
宗教とカルトは本当に難しい問題で、おそらく「答え」はないのでしょう。
こういう問題を考えるうえでは、このような複数人での対話が重要になる気がします。
「理解できないと重んじられない、ではなくて、理解する前に重んじる」「宗教的要素を教育から排除してきたことを見直す」といった、自分が普段から考えていることが述べられていて、深く共感しました。
若松さんが「拘束」はカルト化の原因だと述べたあとに、川島さんが宗教においてある程度の拘束は避けられないと、自身のキリスト教徒としての経験から正直な感想を述べていたのが印象的でした。では何が問題なのか、互いに共存できる考え方は何なのか。こういうのは対話によってしか歩み寄れないのだろうと思います。
皆がお互いの意見や理想を言い合い、しかしそれは現実には難しいことも認め合い、それでも譲れないところはどこなのか、着地点を見つけ出そうとする。これを続けていく選択肢しかないのでしょうし、宗教の専門家たちがこのように率先してそれを行ってくれることを期待します。 -
Posted by ブクログ
NHK「こころの時代」を興味深くチェックするようになったのは、本書のもととなった放送を見て以来。よって、本書の購入は記念的な意味だったが、各先生が放送で語られたことを一歩深めて書き下ろしているコラムが追記されていて、より深まった。
”カルト”について考察を進めると、宗教と国家、社会における個人へと問いがつながっていく。その過程が平易な語りでなされているのは、どの先生方も当事者として、危機感をもって関わってきてたからだろう。こうした番組が多くの人の目に留まり日本社会の宗教リテラシー向上につながることを願う。
①カルトの定義②宗教と国家の歴史的把握③宗教間対話の可能性④宗教の意義、役割