若松英輔のレビュー一覧

  • ひとりだと感じたときあなたは探していた言葉に出会う

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    日本語の美しさと人生を深堀りする面白さを表した非常に上品で上質な本 かなり上質な文章。文字面だけを追っても分からない言葉もあれば、意図している意味も掴むにはこちらに深さがないと汲み取れない。歳を重ねて読むたびに、それまでの自分の力量が試される、今後に非常に楽しみな1冊。

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    2026年03月14日
  • 詩集 美しいとき

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    詩が纏う別れや死の匂いが、自分の中の悲しい記憶を引き出し、その詩に結びつけてきた。詩人の青く熱い魂を感じた。「言葉を編む」という表現がとてもしっくりきた。

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    2025年04月13日
  • 悲しみの秘義

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    救われる崇高な1冊 上質な文章。それを構成する美しい言葉。古き良きものと新しい見地による洗練された考察。何度も読み返して深堀りしたい1冊。

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    2026年03月14日
  • 八木重吉詩集

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    29歳で亡くなったキリスト者である八木重吉の詩集。

    第一詩集の「秋の瞳」は復刻版が手に入りやすいが、第二詩集の「貧しき信徒」は、全集や定本詩集などの古書を探さないと読めないので、岩波文庫で手に入りやすくなったのがすごく嬉しい。

    何度も読んだ詩ではあるが、やっぱりすごいなぁと毎回思う。
    ただのキリスト信仰でもなく、安易な自然讃歌の詩でもない、ほんとうに人が書いたのだろうかと思うほど純真で、哲学的で神秘的な、もっと深いところにある霊性を感じました。

    八木重吉の生い立ちや、創作の背景をより知りたければ、奥さんの吉野登美子が書いた「琴はしずかに」が素晴らしいのでおすすめします。

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    2025年03月31日
  • 悲しみの秘義

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    ネタバレ

    正直な感想は、凄い本に出会ってしまったなというものだ。テンションが上がっていたり、人生が上手くいっているときには読まない方がいいかもしれない、というか、多分そんなときは響かない。恐ろしい喪失感のただ中にいる人には是非手に取って欲しい。どの章にも視点を変えて見せてくれるような気づきがあった。人生のこの時点で出会えて良かった言葉たちだ。
    ひとつひとつの章の内容が重たく、とても一気に読むことができなかった。これからも携えておきたい1冊となった。

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    2025年03月29日
  • 弱さのちから

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    ネタバレ

    哲学関係の本からの紹介であった。ケアの13の場面を巡った記録である。病院だけでなく、尼さんやお坊さん、2丁目、健康ランド、性感マッサージなど今までのケアと考えている場所とかけ離れたところでのケアであり、そうしたところでもケアがなされているということを知るだけでも価値がある。

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    2025年03月26日
  • はじめての利他学

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    「利他」はそれ単独では成立せず「自利利他」「忘己利他」…平安時代日本の仏教で成立した考え方で、西洋哲学よりはるかに古くかつエゴイズムの対極という思想ではないとうところにさすがという気持ちになった。

    空海は仏教界のスーパースターであることに変わりはないが、
    最澄の「利他」に対する考え方が涙が出るほど優しい。
    (最澄自身は自分にも他人にも厳しい人ではあるが…)

    日本人で良かった!

    空海なども自利と利他は排他ではなく相互だと言っているが、
    自分を愛そうということは硬派な時代なのでそんなことは言わない。
    時代が進んで、ユーリッヒ・フロムの西洋哲学、心理学によって噛み砕いた、「自分を愛する即ち自分の欠点を含めて許す、受け容れる」がスタートという流れまで。

    孔子、二宮尊徳の思想、西郷隆盛の思想も経由する。

    利他→仁→道→天道→愛

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    2025年03月10日
  • 14歳の教室 どう読みどう生きるか

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    入りは分かりやすく、すっと自分の中に入ってきたので借りたのだけど、一気に読み進めると頭が混乱してきたので、整理しながら何日にも分けて読んだ。また関連の本も読んでみたい。
    時間をあけてまた手に取ってゆっくり読んでみたいなと思う本。

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    2025年02月04日
  • 詩集 見えないものを探すために ぼくらは生まれた

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    若松英輔さんの第八詩集。


    以下に心を撃たれた詩を三篇載せます。
    おそらく若松さんは奥様のことを想って書かれたのだと思いますが、私は認知症を患う母を想いながら拝読しました。
    先日、主治医の先生に「最後は娘さんのことが誰かわからなくなりますから」と言われました。



    ーーーーーー


    桜葉


    いっしょに
    散歩をしているときは
    満開の
    花にしか
    気が付けなかった
    でも 今は
    緋色や黄や
    茶色になった
    さくらの葉に
    見惚れています


    二人で過ごした ひとつ
    ひとつの時を
    ゆっくりと
    想い出しながら


    誰も
    気が付かないうちに
    色を変え
    風に身をあずけ
    いつとも知れず
    散ってゆく
    一枚
    一枚の葉を
    愛しくさえ
    感じています




    空気 1


    行きたい場所に
    旅もしたし
    欲しいものだって
    買った


    でも
    こころに
    橙の灯が
    ともらない
    さまざまな場所に
    いろんなものに
    幸せへの扉を探したけど
    見つからない


    でも あなたと
    いっしょにいたときは
    幸せになりたいなんて
    考えたこともなかった


    未来は見えなかったけど
    今だけは
    ちゃんと
    感じられていた


    本当のしあわせは
    大切な人と時を
    分かち合うところに生まれる
    空気であることも


    あなたがいなくなるまで
    気がつけなかった
    それが
    私だった




    自己探求


    ずっと探しているのは
    わたし
    あなたと
    いっしょにいたときは
    私よりも
    ずっと近くにいた
    わたし


    あなたが
    あの日から
    見えなくしたのも
    わたし
    あなたと生きているときだけ
    咲いていた 目には
    見えない 一輪の花

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    2025年01月17日
  • 詩集 美しいとき

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    多くの人と話をしたから
    あなたに出会ったのではなかった

    あなたも探していてくれたから
    やっとめぐりあったのだ

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    2024年11月19日
  • 悲しみとともにどう生きるか

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    【目次】

    まえがき(入江杏)

    第一章 「ゆるやかなつながり」が生き直す力を与える(柳田邦男)

    第二章 光は、ときに悲しみを伴う(若松英輔)

    第三章 沈黙を強いるメカニズムに抗して(星野智幸)

    第四章 限りなく透明に近い居場所(東畑開人)

    第五章 悲しみとともにどう生きるか(平野啓一郎)

    第六章 悲しみをともに分かち合う(島薗進)

    あとがき(入江杏)

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    2024年10月11日
  • 日本人にとってキリスト教とは何か 遠藤周作『深い河』から考える

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    先に『深い河』を読んだ方が良かったのか、先に読んだから良かったのか、、
    兎に角読み進めながら『深い河』を読みたい衝動にかられました。
    暫く遠藤さんにハマりそうです。

    気に入った言葉集
    人生的〇〇、生活的〇〇
    恐れと畏れ
    魂とたましい
    読むべきときに読む。
    どんどん読めるようなときは、あえてページを閉じる。
    好奇心で読み進めることは可能だが、読み深めることは難しい。
    思い、憶い、懐い、念い
    共苦

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    2024年10月03日
  • 徹底討論 ! 問われる宗教と“カルト”

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    宗教とカルトは本当に難しい問題で、おそらく「答え」はないのでしょう。
    こういう問題を考えるうえでは、このような複数人での対話が重要になる気がします。

    「理解できないと重んじられない、ではなくて、理解する前に重んじる」「宗教的要素を教育から排除してきたことを見直す」といった、自分が普段から考えていることが述べられていて、深く共感しました。

    若松さんが「拘束」はカルト化の原因だと述べたあとに、川島さんが宗教においてある程度の拘束は避けられないと、自身のキリスト教徒としての経験から正直な感想を述べていたのが印象的でした。では何が問題なのか、互いに共存できる考え方は何なのか。こういうのは対話によってしか歩み寄れないのだろうと思います。

    皆がお互いの意見や理想を言い合い、しかしそれは現実には難しいことも認め合い、それでも譲れないところはどこなのか、着地点を見つけ出そうとする。これを続けていく選択肢しかないのでしょうし、宗教の専門家たちがこのように率先してそれを行ってくれることを期待します。

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    2024年09月23日
  • いのちの政治学 リーダーは「コトバ」をもっている

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    政治に疎いですが、コロナ禍での各国のリーダーのコトバや歴史に残る人たちのコトバも大変勉強になりました。

    コトバを失うと、どうなるかを知ることができました。安心とは、信頼とは何かを考えるよい機会になりました。

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    2024年09月09日
  • NHK「100分de名著」ブックス 石牟礼道子 苦海浄土 悲しみのなかの真実

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    ネタバレ

    「苦海浄土」を読み終えたので、こちらを読みました。すでにNHK放送「100分で名著」視聴済。今までも若松さんの本は何冊も読んでいますが、心に染み入ります。そして100分名著の紹介指南役ではとてもわかりやすく理解を深めることができます。印象に残った一文を一つ(沢山ありますが)
    ”知性が、感情や道徳との関係を振り切って暴走するとき、どれほど悲劇的な出来事がそこに生まれ得るのか、このことを私たちは今日の問題として考えてみる必要があるのではないでしょうか。”

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    2024年07月11日
  • 詩集 ことばのきせき

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    心が折れそうな時に
    そばにいて欲しい本

    言葉への真摯な態度が
    伝わってくる

    リルケの詩集も読んでみたいと
    思った

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    2024年03月31日
  • 詩集 美しいとき

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    なんども読み返しています。時々は朝、ひとり部屋の中で声に出して読んだりもします。大切な人に自分の言葉で綴った詩を贈りたくなります。まだ書いたことはありませんが、、そう思わせてくれるとても大切な詩集です。

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    2024年02月27日
  • NHK「100分de名著」ブックス 石牟礼道子 苦海浄土 悲しみのなかの真実

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    フセンめちゃくちゃ張った……『夜と霧』などといっしょに近代化の最悪の顛末の事例とそこから生まれた思想、言葉として(こう、前向きなまとめ方をするのはあまりよろしくない事例だとも思うのですが)して数多くの人に読んで欲しいですね……

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    2024年02月18日
  • 徹底討論 ! 問われる宗教と“カルト”

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    NHK「こころの時代」を興味深くチェックするようになったのは、本書のもととなった放送を見て以来。よって、本書の購入は記念的な意味だったが、各先生が放送で語られたことを一歩深めて書き下ろしているコラムが追記されていて、より深まった。

    ”カルト”について考察を進めると、宗教と国家、社会における個人へと問いがつながっていく。その過程が平易な語りでなされているのは、どの先生方も当事者として、危機感をもって関わってきてたからだろう。こうした番組が多くの人の目に留まり日本社会の宗教リテラシー向上につながることを願う。

    ①カルトの定義②宗教と国家の歴史的把握③宗教間対話の可能性④宗教の意義、役割

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    2023年09月02日
  • 「利他」とは何か

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    そうそうたる顔ぶれがそれぞれに「利他」について説いているんだけど、何となく見えてくるものがある。特に、伊藤亜紗と中島岳志の利他論に学ぶところが大きい。すなわち……。
    利他とは、人のためになることのようなとらえ方が一般的だと思うけど、それを意識的にするのは「利他」ではない。何らかの気持ちのメカニズムが働くにせよ、本人的には説明がつかないうちに、自分のためでなく動いてしまうことが利他なのだ。
    一生懸命に利他的なよき人物であろうなどと努めてしまうが、そんなことを考えているうちはまだまだということだろう。考えてみれば、利己的な言動だってわざとそうしているのではなく、自然とそうしてしまうからこそ利己的なのだ。利他がその対極にあるのだとすれば、やはり自然と自分のためにならないこと、人のためになることをしてしまうのが利他というわけ。これが大きな学びだった。

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    2023年08月15日