若松英輔のレビュー一覧

  • 「利他」とは何か
    以前に『借りの哲学』を読んだので、恩を受けると負債の考えが生じるというのは何となく理解してました。利他は自己満足を満たすため、というのも。震災で炊き出しをしていた某有名人に対して「偽善」、「売名か?」というコメントを思い出します。

    思いやりに満ちた世界の方が良いに決まっていても、なかなか利他には難...続きを読む
  • 悲しみの秘義
    こういうタイプの本は初めて

    押し付けがましくなく、悲しみ 愛しみに寄り添った表現や一説、そして背景。
    よっぽどじゃないと作者の書いた背景やシチュエーションがわからないから、一節がすっと入ってくる。

    いいなーこういうの。
  • いのちの政治学 リーダーは「コトバ」をもっている
    大平正芳については、中島岳志さんが以前評価されいたのを知って、「あー、うー」の人が?と意外な感じだった。この本を読んで、確かにリーダーにふさわしい人だったと思った。誰かに書いてもらった原稿を読み上げるだけの政治家、自分の主張だけをペラペラ喋りまくる政治家と比べて、「あー、うー」と逡巡しながら自分の言...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    「利他」について5人が違うアプローチで切り込んでくる。「利他」を推奨するような本なのかと思っていたが、純粋に「利他」を科学している内容で、これはこれで大変興味深い。仏教的なアプローチはありそうだが、言語的なアプローチなど思いもしなかった。能動でも受動でも無い「中動態」も考えさせられる内容だった。おす...続きを読む
  • はじめての利他学
    利他や愛について知ることができた。知るにとどまらず、実践につなげることの大事さも強調されている。
    【私たちは、なぜ成功や名誉、富、権力に飲み込まれていくのか。それは、自分自身や他者と「つながる」前に、社会の価値と「つながる」からです。造られた成功、作られた幸福を真実だと思い込むからです。】
    【自分の...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    利他: うつわになること。意図的な行為ではなく人知を超えたオートマティカルなものであり、そこに利他が宿る。
  • はじめての利他学
    仏教・儒教・西洋思想をベースに今の「利他」の成り立ちがわかる入門書。

    ただし、二宮尊徳の「智者」の話にもあったが、知識として得るだけではなく、自分の中で利他をさらに深いものにするために、さらに実践する必要があると感じた。

    「利他」という言葉から外に意識が向きがちだが、「自利利他」という言葉が知れ...続きを読む
  • 考える教室 大人のための哲学入門
    ソクラテス、デカルト、アレント、吉本隆明を2時間で理解する本ではなく、それらを題材にして「考える」ということの面白さや、読書をすることの面白さ、またその手掛かりを提示してくれる本。
    読書にはいろんな楽しみ方があるけど、本を読むという行為を少し分解して考えてみると、読書とはページに書いてある文字の羅列...続きを読む
  • 考える教室 大人のための哲学入門
    考えるって大事。自分はこう考えるということを常に意識していたい。「誰が語っているのかではなく、何が語られているのか」。こころ踊り。
  • 「利他」とは何か
    専門が異なる著者らの視点から「利他」を考察する。利他は主義にすると怖い。なぜって「私の思い込み」でやったことが、結果的に他者の助けになれば「利他」だろうが、時として「余計なお世話」にも「押しつけ」にもなる。自分の思いを正当化して、相手の言葉や反応にほとんど耳を傾けず、独善的な「支配」でしかなかったと...続きを読む
  • 生きていくうえで、かけがえのないこと
    生きることは、これまで己に紡がれた言葉を他者に共有する行為とも言える。
    自分が郵便箱になって、脈々と受け継がれる意志を伝えていきたい。

    気になった本は積読して読む時が来るまで待つとしよう。
    大事な人の存在を理解し、金を切り離した働くの意味を考えよう。
  • 悲しみの秘義
    「悲しみ」についての27篇のエッセイ。自身の内的な体験について焦点が絞られているから、劇的な言葉やハッキリした理論があるわけじゃない。それでもなんとなく言いたいことは分かるというか、受け取ったこの「感情」みたいなものが、作者が柔らかな言葉を賭して伝えたかったものなのかな、という感じがする。
    あまりに...続きを読む
  • はじめての利他学
    空海・最澄から語り起こされ、鎌倉新仏教へと繋げられていく。更には西郷どんや二宮尊徳にまで話題が及ぶんだけど、通底するのは、”利他”とは相反するどころか不可分たる”自利”の概念。いや~、やっぱ良いですね、この”学びのきほん”シリーズ。他のも読まんと。
  • 日本人にとってキリスト教とは何か 遠藤周作『深い河』から考える
     遠藤周作の『深い河』にたいへん感銘を受け、この著書に出合いました。


    『深い河』の魔力は、霧のようにわたしにまとわり付き、心を浸食していきました。 脆弱な感受性のわたしでさえ、深層のわたしに気づき、救われました。


     そして、本書ですが、わたしが読み解くことができなかった数々の遠藤周作の思いを...続きを読む
  • 本を読めなくなった人のための読書論
    本を読めなくなった時は無理に読もうとせず、心の中で思っている事をテキストで書きだすと良い、という部分が読んだ時は説教ぽく感じて違和感があったけど今はむしろ助けになっている。自身が感じている問題を文章にして頭を整理する大切さを説いていると感じた。
  • 「利他」とは何か
    「器」のような人に自分はなれるだろうか?

    人間は意志の保有者ではなく、思考が留まる「場所」なのだということ。自分が人生に対して抱いている不可抗力的な恐ろしさの断片を言語化してくれているように感じた。
  • 日本人にとってキリスト教とは何か 遠藤周作『深い河』から考える
    遠藤を通して、そして遠藤の著作『深い河』を読み解くことを通して、キリスト教を日本人の感性でどう感じて信じていくのか、信仰とはどういう心の動きか、さらには生きるとは、人生とはという問いに迫ることができる良書。
    キリスト教に、イエスに出会って生きるとはどういうことかを知ることができる。
  • 弱さのちから
    コロナ禍で人との関わりを見直さざるを得なくなった今、弱さに着目し向き合う事で、新しい繋がり方を考える一冊。
  • 「利他」とは何か
    「利他」とは何か。
    タイトル通り、利他的であることについて様々な観点から論ずる。本質的に絶対の利他は存在しうるのか、利己的な利他の点から。あるいは、利他はどこからやってくるのか。利他を民藝の観点から。意思を超えた中動態から利他を考える。そして、小説ははたして作者のものなのかという点から利他を考える。...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    「利他」の対義語は「利己」だが、両者はメビウスの輪のような関係性。
    この世界の全てを「利己」と「利他」に分けたら、98%が「利己」で、残りの2%が「利他」、そのくらい利他というものは貴重。
    「情けは人のためならず」という諺は、利他ではなく利己を表している典型的なものだと思う。ボランティアも同様。愛も...続きを読む