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これから僕は君に、少し長い手紙を書こうと思う――。
「今、ぼくたちは、とても困難な時代を生きている。ひとがひととのつながりを見失いつつある時代に生きている。ある意味では、ひとを信頼するという当たり前のことが、こんなにむずかしくなった時代はないかもしれない。でも君が、個人を信頼することがむずかしいことがあっても、人間への信頼を失わないでいてくれたら――今という時代に失望を感じることがあっても、絶望のなかにさえも希望を見い出そうとしたひとが、かつていたことを忘れないでいてくれたら。そう願ってやまない」――「小さなひと」)
サン=テグジュペリ、石牟礼道子、岡倉天心、神谷美恵子、吉野源三郎、リルケ、ミル、小林秀雄、河合隼雄
【目次】
小さなひと
春の使者
言葉の花束
悲しみの弦
コペル君と網目の法則
愛と「生きがい」
コトバのちから
自由の危機
いつくしみの手仕事
「空」の世界と「いのち」のちから
読書の扉
愛しいひと
おわりに
参考文献/ブックガイド
Posted by ブクログ 2023年08月06日
言葉の持つ力について、考えさせられた。著者の言うことは、自分にハマっている。
読書することは、孤独になること。孤立ではなく。自分に向き合う時間になる。でも、言葉を書くことは、もっと自分に向き合う厳しくも慈しみ深い時間である。と、理解した。
そのほかにも、沢山の言葉が心に響いてきたのでメモしておく。...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月04日
若松英輔さんが繰り返し引用する、石牟礼道子(いしむれみちこ)さんの「苦海浄土」や神谷美恵子さん、小林秀雄さんの作品とともに、読むこと、人生の目的について語りかける文章がやさしく心に届く。
ショーペンハウエルの「読書について」にまつわる読書における「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」についての文章が興味...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月11日
若年層に向けて書かれた本だと思いますが大人が読んでも大変心に染みる言葉がたくさんありました。
大変読みごたえがあり、二百数ページの本ですがじっくり読んだので三日かかりました。
人によってこの本で大事だと思うところはさまざまあると思いますが、私がメモしたところを少しだけ書いておきます。
私も自分だ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月10日
ある想定したひとりの若い人への長い長い手紙。
生きるということ、自立と孤独、詩の力、人生が問いかけてくるもの、著者がひとりの若い人を通して私たちに伝えたいこと、知っておいてほしいことが丁寧に心を込めて愛情深く、時には厳しく綴られています。今生きていることの重みを感じる本でした。
著者の言う読み終わら...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月15日
2023年初版。著者が青少年に向けて、本を読むということを手紙の形で伝えようとする本です。文章には優しさや愛が溢れています。著者よりも長く生きている私は、読み終わらない読み返したい本と出会うより一冊でも多くの本を読むことに注力しています。心も血を流すと言うのは、そうだなあと思えました。詩を書くという...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月09日
若い人にあてた手紙という形をとっているけれど、本に日常的に接している身に沁みてくるような気がした。
「君にたくさんの本を読んでほしいとは思っていない。でも、簡単に「読み終わらない本」には出会ってほしい。そして、君を変えるだけでなく、変わっていく君と共に「生きて」くれるような本に出会ってほしい。」
...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月03日
エッセイストで詩人の若松英輔が若い人に向けた書簡の形で自分が影響を受けた本や著者について話し、それがどのように自分の思想を作っていったかを書いた本。
序盤と最後はとても良かったが、途中は少し言葉遊びのように感じてしまった部分がある。
それでも心の動きを大切にする著者らしく、温かみに溢れる読書エッ...続きを読む
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