【感想・ネタバレ】読み終わらない本のレビュー

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Posted by ブクログ

言葉の持つ力について、考えさせられた。著者の言うことは、自分にハマっている。
読書することは、孤独になること。孤立ではなく。自分に向き合う時間になる。でも、言葉を書くことは、もっと自分に向き合う厳しくも慈しみ深い時間である。と、理解した。

そのほかにも、沢山の言葉が心に響いてきたのでメモしておく。

「さようなら」と彼は言いました。
「さようなら」と狐は言いました。
「僕の秘密を教えてあげよう。とても簡単なことだ。心で見なくちゃよく見えない。大切な事は目には見えないんだよ。」
「大切な事は、目には見えない」と、小さな王子様はよく覚えておこうと繰り返しました。
「君のバラをそんなにも大切なものにしたのは、君が君のバラのためにかけた時間だよ。」
「僕が僕のバラのためにかけた時間・・・」と、小さな王子様はよく覚えておこうと繰り返しました。
「人間たちは、この真実を忘れてしまった」と、狐は言いました。
「でも、君がそれを忘れてはいけない。君は自分が飼い馴らしたものに永遠に責任を負うことになる。君は君のバラに責任がある…」
「僕は僕のバラに責任がある…」と、小さな王子様はよく覚えておこうと繰り返しました。

これから
世の中に出ていく
君たちの胸には
たくさんの

希望や喜びの
予感があるのかも
しれない

でも ぼくは
君たちが
希望と喜びと一緒に
いくつかの

大切な悲しみに
出会うことを
願って止まない


真の悲しみは
本当に愛した者を
失ったときにだけ 経験できる
稀有な出来事

悲しみは いつの日か
愛しみとなって 美しみへと
姿を変じる

そのとき君は
君のままでありながら
新しい君に 生まれかわるんだ

自由は無私の精神と置き換えてもよいのかもしれない。自由の地平にもっとも早く、確実にたどり着けるのは自己犠牲的であろうとすることよりも、無私であろうとすることなのかもしれない。
自己犠牲的であるとき、人は、他者を大切にしているが、自分を苛んでいることもある。だが、無私であるとき、人は己の人生への愛を失うことなく、他者にも愛を注ぐことができる。無私の人は見返りを求めない。そして、自分が何をしたのかを覚えていない。

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2023年08月06日

Posted by ブクログ

若松英輔さんが繰り返し引用する、石牟礼道子(いしむれみちこ)さんの「苦海浄土」や神谷美恵子さん、小林秀雄さんの作品とともに、読むこと、人生の目的について語りかける文章がやさしく心に届く。

ショーペンハウエルの「読書について」にまつわる読書における「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」についての文章が興味深い。
まえに「読書について」を読んだとき、"多読に人生を費やす人間は自分で考える力を失う"の文章を読んで悲しくなって読書の意味ってなんだ?読まずに1人で考えた方がいいのか?とわからなくなっていた。
思索(≡咀嚼)しながら読むことで、紙に書かれた思想の足跡以上のものを見て、未知なる自己への道が開かれるという流れが綺麗だった。
今まで読んだ本を振り返って、思索できていただろうか?と思った

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2023年06月04日

Posted by ブクログ

改めて慈しむことの大切さを、噛み締めた一冊…。対人への向かい方を、また、精進していこうと、思えました。
著者の書物はまた、手にとりたいですし、様々な、書籍に触れていこうと、思いました

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2023年04月11日

Posted by ブクログ

若年層に向けて書かれた本だと思いますが大人が読んでも大変心に染みる言葉がたくさんありました。
大変読みごたえがあり、二百数ページの本ですがじっくり読んだので三日かかりました。

人によってこの本で大事だと思うところはさまざまあると思いますが、私がメモしたところを少しだけ書いておきます。

私も自分だけの一冊をみつけたいと思いました。


○「読書とは、信頼する人間と交わる楽しみであった」(伊藤仁斎)
本はいかに多く読むかが問題ではない。むしろ、どうやって「読み終わらない本」に出会うかが問題。
仁斎が『論語』を見つけたように、ぼくたちも「わたしの古典」を見つけて行かなくてはならない。

○「人は心からも血を流します」(高橋巌)
言葉で世界が変わるなんて、大げさに聞こえるかもしれない。でもほんとうだ。言葉は世界を変え得る。むしろ、言葉こそ、世界の在りようを根底から変える「ちから」を持っている。

○これからの時代、人を死に追いやるのは、病より孤独だという研究がある。言葉との波長が合いづらいこともある。エッセイを読むことも、一篇の詩を受け容れることも、むずかしく感じることがある。そんなときは、目にしている言葉を全部、読もうなどしなくていい。そのとき、ほんとうに必要な言葉を摂りいれればそれでいい。

○高村光太郎は詩は人間が「書く」のではなく、人間から「生まれてくる」ものだという。人間の力で「作った」ものではなく、「いのち」から言葉が「生まれてくる」とき、それは自ずと詩になっていく。人生の困難にあるとき、ぼくたちを救うのは「作る」力だけではなく、さらにいえば「作る」力よりも「生む」ちからだ。

○君にたくさんの本を読んでほしいとは思っていない。でも簡単に「読み終わらない本」には出会ってほしい。そして、君を変えるだけでない変わっていく君と共に「生きて」くれるような本に出会ってほしい。

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2023年03月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分にとって大切な「ことば」。
それを読書していくうえで、感じ取っていければと思った。そしてもし、そんなかけがえのない言葉に出会えたら、書き出していこう。
「読み終わらない本」。そんな本に出会えると思うし、もう出会っているかもしれない。

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2023年11月06日

Posted by ブクログ

ある想定したひとりの若い人への長い長い手紙。
生きるということ、自立と孤独、詩の力、人生が問いかけてくるもの、著者がひとりの若い人を通して私たちに伝えたいこと、知っておいてほしいことが丁寧に心を込めて愛情深く、時には厳しく綴られています。今生きていることの重みを感じる本でした。
著者の言う読み終わらない本を持てるように、いつも自分を助け、成長の糧となるような本を見つけたいです。

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2023年10月10日

Posted by ブクログ

2023年初版。著者が青少年に向けて、本を読むということを手紙の形で伝えようとする本です。文章には優しさや愛が溢れています。著者よりも長く生きている私は、読み終わらない読み返したい本と出会うより一冊でも多くの本を読むことに注力しています。心も血を流すと言うのは、そうだなあと思えました。詩を書くということに興味を持ちました。青少年が読むと大きな影響を受けるでしょう。でも、もっと高齢の人にとっても読書に対する認識を変えることに意味のある本だと思います。

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2024年01月15日

Posted by ブクログ

若い人にあてた手紙という形をとっているけれど、本に日常的に接している身に沁みてくるような気がした。

「君にたくさんの本を読んでほしいとは思っていない。でも、簡単に「読み終わらない本」には出会ってほしい。そして、君を変えるだけでなく、変わっていく君と共に「生きて」くれるような本に出会ってほしい。」

 読み終わらない、とは必ずしも最後まで行きつけない、ということではないだろう。何度も繰り返し読み、そのたびになにかを感じられる。そういう意味での読み終わらない、ではないかな。本というのは、もともと何度も読み、そのたびに新たな何かを感じさせれくれるものである、とは思うけどさ。

 ちょっと地味っぽい本で、俺自身がこの本を「読み終わらないんじゃないか」と思ったけど、最後まで読むことはできた。ときにまた、読み返す魅力もある本なんじゃいか、と思う。

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2023年07月09日

Posted by ブクログ

青少年に向けた大人からの手紙という感じの
本。
いわゆる、最近はやった君はどう生きるかと同じ感じの
本。
詩を書くこと、言葉を紡ぐことの大事さを説いている感じですが。少し自分にはあまり響かなかったかなと思いました。

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2023年06月08日

Posted by ブクログ

エッセイストで詩人の若松英輔が若い人に向けた書簡の形で自分が影響を受けた本や著者について話し、それがどのように自分の思想を作っていったかを書いた本。

序盤と最後はとても良かったが、途中は少し言葉遊びのように感じてしまった部分がある。

それでも心の動きを大切にする著者らしく、温かみに溢れる読書エッセイであった。

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2023年04月03日

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