吉川英梨のレビュー一覧

  • アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希

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     「女性秘匿捜査官・原麻希」シリーズ第1作。
     かつて警視庁捜査一課に勤務し、現在は警視庁鑑識課に籍を置く原麻希。独特の感覚から理論的に犯人を突き止めていくので、今でも捜査に行き詰まった捜査一課の刑事たちが頼りにしている。
     そんな彼女の過去に関わる事件が発生し、我が子を人質に取られることに。犯人は誰で、目的は何なのか。過去との因果が明らかになることで、警察機構の暗部が見えてくる。

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    2025年08月11日
  • 桜の血族

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    吉川英梨『桜の血族』双葉文庫。

    凄まじい警察小説というよりもヤクザ小説。

    余りストーリーを複雑にせずにストレートなヤクザ小説にしてしまえば良いのにと思うくらいまどろっこしい。また得意の男女の禁断の愛かと思えば、そうでもないし。

    2人アマゾネス刑事、藪哲子と仲野誓のダブル・ヒロインが残忍なヤクザと対決する警察小説でも面白かったろう。

    銃撃により下半身不随となった刑事の仲野賢治はどうなったのか、仲野誓はこのまま刑事として生き残るのか、武闘派ヤクザの向島春刀に未来はあるのか、消化不良のままストーリーは幕を閉じる。


    警視庁組織犯罪対策部暴力団対策課の美貌のアマゾネス刑事、藪哲子とコンビを組んでいた仲野賢治は妻へのプレゼントを買いに行ったところ、ヤクザに銃撃され、下半身不随となる。

    仲野賢治の妻で元暴力団対策課の刑事だった仲野誓は犯人逮捕のために再雇用され、現場復帰を果たす。

    そんな中、日本最大の暴力団吉竹組の元組員宅で爆破事件が発生する。爆破はベトナムマフィアの仕業と思われたが、本家と関東に分裂した吉竹組の抗争が絡んでいた。

    誓は自分に思いを寄せる片腕の武闘派組長・向島春刀と共に血塗れの抗争を防ぐために奔走する。

    本体価格850円
    ★★★

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    2025年08月10日
  • 新人女警

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    吉川作品らしいダイナミックさと情緒の振れ幅の大きさ、事件の構図の面白さは変わらずある。が、段々と警察組織を描くことが上手くなる毎に、反比例するかたちで荒唐無稽さが際立ち、緻密さとエンタメが喧嘩しているような感じになっている。もっとエンタメに度合いを強めた方が面白いのかもしれん。純粋に警察小説ならば吉川氏より上手い人がいっぱいいるので、そこで勝負しなくてもよいかなと。

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    2025年08月08日
  • 新人女警

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    吉川英梨『新人女警』朝日文庫。

    新人女性警察官を主人公にした警察小説。描かれた残虐な殺人事件と相まって、所々に緩さがあるのは、吉川英梨らしい。

    11年前の一家惨殺事件の現場に遺されていた物を突然思い出すという辺りは小説ならではだろう。それが切っ掛けで迷宮入りした事件が動き出すというのも出来過ぎである。


    警察学校を卒業し、新人女性警察官となった武宮エミは11年前に八王子の住宅地で起きた一家惨殺事件の唯一の目撃者であった。当時、10歳のエミは八王子に引っ越したばかりの親友の家を訪ねて、事件の第一発見者となり、犯人と接触した唯一の人物であった。

    奇しくも八王子警察署の交番勤務となったエミは爆弾騒ぎとなった箱の中に居た蚕を見て、11年前の惨殺事件の現場にも数頭の蚕が居たことを思い出す。エミは交番勤務の合間に11年前の事件を再捜査する。

    本体価格920円
    ★★★

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    2025年07月27日
  • 朽海の城 新東京水上警察

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    超豪華客船が舞台の第3作目。犯人達の様々な思惑が重なり、単なるシージャックから、物語が進む中でどんどん複雑な事件になってしまう本作。

    更に背景には原発、東京オリンピック、都知事選が絡んできて、大きく広がっていくが、見事に一つ一つ丁寧に回収していく術は、さすがと言える。

    ただ礼子が現職の刑事達より活躍しすぎて、少し現実味が薄れた感が個人的にはあった。それも伏線回収ではあったんだけれど。

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    2025年06月22日
  • 雨に消えた向日葵

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    ネタバレ

    ある日突然消えた我が子。捜査線上に何人も怪しい人物が浮かび上がっては消え、浮かび上がっては消えの繰り返し。錯綜する証言。ドラマとは違い、遅々として進まない捜査。被害者家族に対する悪意の数々。事件そのものもですが、事件の背景にあるものや事件によって否応なく変化していかざるをえなかった家族の様子やその周囲の人々の様子がとても上手く描かれていると思います。

    事件から月日が経ち、縮小、そして解散されていく捜査本部。それでも娘を必死に探す父親の姿と、諦めない奈良刑事の姿がとても印象的でした。娘(沙希にとっては妹)が帰ってくるまでは絶対に諦めないで探し続ける家族の姿が胸に迫り、読み進める毎に切なくなっていきました。葵は、最後の方で本当に些細な証言から発見されるのですが、そこに至るまでの警察の地道な捜査に脱帽です。とても読み応えのある作品でした。

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    2025年05月31日
  • 波動 新東京水上警察

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    ようやく本シリーズを読み始めた。物語における恋愛と事件の案配は、53教場シリーズと似たようなものかな。事件ばかりを追うよりも、個人的には良いと思う。

    注目すべきは海上でのド派手なアクション。
    息もつかせぬ展開は見所。またド派手な部分だけでなく、事件を追うなかで介護の実態も、然りと読み手に伝えるのも忘れない。

    次作も海上でどれだけ暴れるか、楽しみです。

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    2025年05月13日
  • 雨に消えた向日葵

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    地道や愚直という言葉を体現するかのような小説です。
    ドラマだとあっという間に解決していく事件も、現実は途方もない時間の労力の積み重ねで一つずつ進めていくのだなと感じました。
    また、詐欺被害に遭ってしまうシーンは、こんなにも酷いことをよく出来るものだと呆れてしまいました。

    「沙希はケーキを二つしか買っていなかった。」

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    2025年04月29日
  • スワン 女性秘匿捜査官・原麻希

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    原麻希さん、二作目。新たなスタートのための、物語。
    夫と向き合い、家族を守る。
    序章、という位置づけのストーリーなので次に期待したい。

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    2025年04月24日
  • 虚心 埼玉県警捜査一課 奈良健市

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    吉川英梨『虚心 埼玉県警捜査一課 奈良健市』幻冬舎文庫。

    社会派警察小説のような題材であるが、現実に起きている様々な事件を詰め込み過ぎて、消化不良を起こしているようなつまらない作品だった。


    埼玉で大した量の雨でもないのに土砂崩れが発生する。土砂崩れは秩父のアミューズメントパークで発生し、幸い被害者は無かったと思われたのだが、清掃員の女性が行方不明になっていることが判明する。

    パーク内に雪崩込んだ瓦礫からは大量の不法投棄物が見付かり、埼玉県警は事故ではなく事件と判断する。捜査一課の奈良健市が崩れた土地を調べると、思いもよらぬ人物の名前が浮上する。その人物は迷宮入りした殺人事件で犯人と目され、逮捕直前まで迫った男だった。

    本体価格930円
    ★★★

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    2025年04月18日
  • ブラッド・ロンダリング 警視庁捜査一課 殺人犯捜査二係

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    新人刑事の真弓倫太郎。先輩刑事の汐里と捜査にあたる。生い立ちに暗いものをもつ真弓と、理由あって過去の事件の復讐を思い描く汐里。東京で起きた事件と奈良の限界集落で起きた事件のかかわりは?というお話。それぞれの人の過去ってなんだろう?血ってなんだろう?そこまでこだわるものってなんだろう?というお話だった。それぞれの登場人物が、弱い部分も持ちつつ奮闘してるのがかっこよかった。

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    2025年04月01日
  • 警官の標 警察小説アンソロジー

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    『ありふれた災厄』はもう一ひねりあるのかと思って読んでたら終了。
    『不適切な行い』はそう来たかって感じ。

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    2025年03月16日
  • 刑事の灯

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    4人の有名小説家たちの作品。
    シリアスあり、ユーモアあり、それぞれテイストの異なる味わい深い作品です。

    ・星の傷痕
    ・道案内
    ・読心刑事・神尾瑠美
    ・ファーストレディの黒子

    特に、3つ目の読心刑事は、ユーモアたっぷりでこんな刑事がいたら、事件は即解決ですね(^^;

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    2025年03月09日
  • 聖母の共犯者 警視庁53教場

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    シリーズ3作目。今回は聖母の脱走と、警察学校での立て籠りがメイン。謎解きには少し無理があったような気がするが、五味の事件への読みが冴えた一冊だった。教官も似合うが、刑事一課での活躍もみたい。

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    2025年03月02日
  • 警視庁01教場

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    ネタバレ

    恋愛小説として読んでしまった、甘粕仁子は元見当たり捜査員で、犯人追跡中の大怪我により警察学校の教官として復帰、初めての教官なのに仁子の行動は助教塩見からみて不可解の一言、仁子のよそよそしい態度や秘めた過去が徐々に明らかになる過程で、歯がゆかった読者を納得させていくのだが、情念の深さが生徒にも教官にも特にネットリ描かれている
    仁子の抱えるトラウマが全てであり最後に愛は勝つのだ

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    2025年02月25日
  • トヨタの子

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    吉川英梨さんの描くトヨタ社史?に興味を持ちながらも、
    『面白くなかったらいつでも放り出そう』というつもりで、580ページというぶ厚い作品に着手。
    経済小説なのか?社史なのか?読み進めると、
    ファンタジー・・・?となり、ずいぶん時間がかかったが読破。
    正直に言うと、無味・・・でした。

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    2025年02月20日
  • 警視庁捜査一課八係 警部補・原麻希 グリーン・ファントム

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    ネタバレ

    ハラマキはこういうやつだった、どんでん返しも
    3回転ぐらいした気分、テレビドラマで二転三転
    見せつけるに良い原作になるのではないか?
    原麻希は恐ろしい、壊滅状態となった八係、家族
    も国外に避難(移住)となったどん底状態の時か
    ら起死回生のシナリオを描いていた(リアルに)
    超法規的な作戦を完遂できるだけ原麻希に権力が
    集約されたとしたならば、彼女の突飛な思惑に振
    り回される国民が可哀そうである
    事件の前提にあったブリーダーによる悲惨なトラ
    ブルは、我が国で多発しているペット飼育の実態
    を反映しているが、ラストで計略だと分かり爽快
    なくやしさを覚えている

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    2025年02月11日
  • トヨタの子

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    ファンタジー。。。
    本の分厚さからもう少し重厚なお仕事小説かと思いきや、早々にファンタジーで、そこに実在の人物が登場するので少々混乱。
    期待した、ものづくりにかける先人の思いに触れられるのは良かった。
    トヨタの御曹司、持つ者と持たざる者、悩みは遍くあるのだなぁ。

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    2024年12月19日
  • 十三階の母

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    前作までが怒涛のような展開が続いて興奮するぐらいに面白かったので、「今回はハズレか?」と若干物足りなさを感じつつ読み進めていたけど、
    終盤あたりで挽回してくれました!
    十三階だからってそこまでのことやる!?って言うぐらいのこと今作でもやってます。

    面白くないわけじゃなくて、今作は『母』がテーマということで、黒江律子が母となり、母性が強くなり、感情の浮き沈み、葛藤する描写が細やかすぎて同じ女性として共感を通り越してしんどかった。(まだ私自身が母親になっていないからかもしれないけど...)

    でも惹きこみ力は上手な作家さんだなと思った。
    続きが気になって仕方がない終わり方。
    吉川英梨さん沼にドンドンハマっていきます!

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    2024年12月19日
  • 感染捜査

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    期待して手に取ったゾンビ、パニック小説だが少し期待外れだった。
    実際、ゾンビに追われるシーンも少なく逼迫感とか鬼気迫る感が弱い。
    主人公2人以外に思い入れが湧かないことも理由。
    ここまでの惨事を回避する術がいくつもある様に感じるのもイマイチな理由。
    「死鬼」を超えるゾンビものはなかなか見つからないな。

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    2024年12月08日