吉川英梨のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
感想
オオム真理教をモチーフにした話。
中盤から最後の章にかけて衝撃のどんでん返し!
そして、エンディングも救いようがないな。
あらすじ
黒江律子は公安課に勤めている。母親が、カルト教団でサリン事件を起こしたカイラス蓮昇会の分派した教団の一つの輪芽11に入信したと妹から相談を受ける。
一方で、上司の古池の家族と連絡が取れなくなったとして捜査を命ぜられる。13階の校長は律子の妹に教団に潜入捜査をするように命ずる。律子は妹の萌美を教団に潜入させる。
一方、律子は瀕死の古池を治療しながら匿っていた。妹の潜入は順調かに思われたが、律子が潜入させたことがバレて捕まる。輪芽11の教祖、九真は実 -
Posted by ブクログ
吉川英梨『桜の血族』双葉文庫。
凄まじい警察小説というよりもヤクザ小説。
余りストーリーを複雑にせずにストレートなヤクザ小説にしてしまえば良いのにと思うくらいまどろっこしい。また得意の男女の禁断の愛かと思えば、そうでもないし。
2人アマゾネス刑事、藪哲子と仲野誓のダブル・ヒロインが残忍なヤクザと対決する警察小説でも面白かったろう。
銃撃により下半身不随となった刑事の仲野賢治はどうなったのか、仲野誓はこのまま刑事として生き残るのか、武闘派ヤクザの向島春刀に未来はあるのか、消化不良のままストーリーは幕を閉じる。
警視庁組織犯罪対策部暴力団対策課の美貌のアマゾネス刑事、藪哲子とコンビを組 -
Posted by ブクログ
吉川英梨『新人女警』朝日文庫。
新人女性警察官を主人公にした警察小説。描かれた残虐な殺人事件と相まって、所々に緩さがあるのは、吉川英梨らしい。
11年前の一家惨殺事件の現場に遺されていた物を突然思い出すという辺りは小説ならではだろう。それが切っ掛けで迷宮入りした事件が動き出すというのも出来過ぎである。
警察学校を卒業し、新人女性警察官となった武宮エミは11年前に八王子の住宅地で起きた一家惨殺事件の唯一の目撃者であった。当時、10歳のエミは八王子に引っ越したばかりの親友の家を訪ねて、事件の第一発見者となり、犯人と接触した唯一の人物であった。
奇しくも八王子警察署の交番勤務となったエミは -
Posted by ブクログ
ネタバレある日突然消えた我が子。捜査線上に何人も怪しい人物が浮かび上がっては消え、浮かび上がっては消えの繰り返し。錯綜する証言。ドラマとは違い、遅々として進まない捜査。被害者家族に対する悪意の数々。事件そのものもですが、事件の背景にあるものや事件によって否応なく変化していかざるをえなかった家族の様子やその周囲の人々の様子がとても上手く描かれていると思います。
事件から月日が経ち、縮小、そして解散されていく捜査本部。それでも娘を必死に探す父親の姿と、諦めない奈良刑事の姿がとても印象的でした。娘(沙希にとっては妹)が帰ってくるまでは絶対に諦めないで探し続ける家族の姿が胸に迫り、読み進める毎に切なくなって -
Posted by ブクログ
吉川英梨『虚心 埼玉県警捜査一課 奈良健市』幻冬舎文庫。
社会派警察小説のような題材であるが、現実に起きている様々な事件を詰め込み過ぎて、消化不良を起こしているようなつまらない作品だった。
埼玉で大した量の雨でもないのに土砂崩れが発生する。土砂崩れは秩父のアミューズメントパークで発生し、幸い被害者は無かったと思われたのだが、清掃員の女性が行方不明になっていることが判明する。
パーク内に雪崩込んだ瓦礫からは大量の不法投棄物が見付かり、埼玉県警は事故ではなく事件と判断する。捜査一課の奈良健市が崩れた土地を調べると、思いもよらぬ人物の名前が浮上する。その人物は迷宮入りした殺人事件で犯人と目さ