吉川英梨のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「しばらく船は沈まない、そして救助も来ない、ということですね。それなら私たちでへりの中にいるはずの隊長の救助を行います」
さすがに碇はひるんだ。
「冗談 ~ あの爆炎の中に飛び込むつもりか。三次、四次災害が起きて全員死ぬぞ。あんたバカじゃないか」
「バカでいい。死んでもいい。後であんときどうして助けなかったのかと、後悔し続けて生きるくらいなら。」
「私は1993年のあの日、津波に呑まれて浮上しようとして~母にすがりつかれた。私は潜水夫だった父親としょっちゅう潜っていたから、水の中は慣れている。だけど母は泳ぎすら苦手でパニックになって、浮かび上がろうとする私の体にしがみついてき