吉川英梨のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
読み応えある一冊だった。結果的に無関係となる人の捜査も細かく書かれているし、他の事件に出向くものまで書かれているので、奈良刑事の大変な苦労が分かる。
解説でドラマ化されていたことを初めて知り、キャストを調べてみた。すごくいい!観たい。
本筋とは関係ないけど、
これまで読んできた本って、上司に逆らっても自分の勘を貫いて単独行動する方が主人公なのが多いけど、今回はそういうのを部下に持つ方が主人公で、部下の勘はこれまで外れまくってて、しかも部下は元上司。今回の方が現実的なのかな…
あと、いたずら電話!逆探知で住所まで分かってるならすぐ捕まえてほしい。 -
Posted by ブクログ
最初星3つけてたけど余韻がすごいから4にする。
ストーリー展開はおもしろくて一気に読んだけど、倫理観が崩れてる登場人物ばかりでだれにも肩入れや共感ができなかった。
複数の女が執着するほどの辻沢の魅力が皆無。
うえってなるような描写がたくさんあってミステリー要素も薄く、後味も悪い。
改題したみたいだけど、あまりしっくりくるタイトルじゃないし、安っぽいメロドラマみたいになってるのがもったいなすぎる。
仮面の日々ってなんやねん。仮面をつける前と剥がれた後の描写しかないだろ。
とりあえず前のタイトルに戻したほうがいい。
ドロドロの平成初期の昼ドラみたいで、展開や伏線回収の良さを上回る気持ち悪い物語 -
Posted by ブクログ
公安秘密組織「十三階」、第三弾!
今回の主人公は、律子さんの上司であり、恋人らしきであり、夫になってしまった、古池さんね。
律子さんは、組織を去った設定から始まっている。
古池の家庭環境が、明らかにされます。
母方の祖父は、静岡健の警察官。実家は、静岡県の興津です。(風光明媚な良いところです。)
祖父は、三里塚闘争の援軍で反対派ゲリラに、リンチの上、殺害されていました。そして、この殉職にも、何か組織的な思惑があったようです。
そのリンチの首謀者である男を躾けて、運営して、辺野古基地移設反対過激派団体の内偵に使うという危険な作戦。
当然、律子さんは、別案件の内偵に投入中。
別案件が、上手く絡み合 -
Posted by ブクログ
公安秘密組織「十三階」、第二弾!
土瓶さん、順番間違えてません。
早くも、第二作で、主人公の女性巡査部長でスパイ、律子さんの成長が見られる。もう男がらみのことでは、揺らぎません。
遂にその手で人も殺してしまいます。
ところが、今回は大切な家族がターゲットに。
可愛い妹の事になると冷静な判断が鈍ります。
第二作は、かつて、大規模な地下鉄テロを引き起こした信仰宗教の分派団体を追い詰めます。
元教祖の死刑執行時の混乱を防ぐため、深ーい投入が行われています。いくらなんでも、深すぎる。
すごく昔、星新一か誰かの短編で、ライバル会社に入社して極秘レベルの情報を得るため、頑張って出世して社長になってしまい -
Posted by ブクログ
さあ、公安秘密組織「十三階」です。
主人公の女性巡査部長、黒江律子。自分の全てを使いテロ組織の壊滅を目指します。
なかなかスリリングな警察小説(スパイ小説?)。
普通なら寸止めで回避するところを、しない。
テロ組織も公安「十三階」も負けず劣らず、非合法。しっかり、楽しめました。
このシリーズ第一作は、まだ多少、律子さんが不安定さがあってね。警備専科教養講習の再受講をお勧めしたいと思ったのですが、これから一作ごとに非合法に成長していくんだろうなあ。次作で確認。
そして、あのちょっと天然な律子さんの同期男子は、絶対怪しい奴と確信してました。
読んでる時、ネットニュースで、某テレビ局で今回のターゲッ -
Posted by ブクログ
日本のスパイ小説は初めて読んだかもしれない。これはフィクションだろう、ありえないと思うところと知らないだけで現実あるかもしれないと思えるところが交互に押し寄せる感じだった。頭脳明晰、才能、適性限られた人だけのポジションであることは勿論、そして女性はその性も犠牲をする覚悟が必要、精神を壊すこもあり得る、そんな前提があれば手を挙げる人材は少ないだろう。律子にしても自分の忠誠心さえも揺らぐくらいすぐにのめり込んだり、レイプされることも恐れていないような危うさが漂っている。圧倒的なヒロインではないところがまた次はどうなるのだろうと期待してしまう。
-
Posted by ブクログ
吉川英梨『悪い女 藤堂玲花、仮面の日々』朝日文庫。
『ダナスの幻影』を改題、大幅加筆修正したミステリー小説とのことなのだが、前半を読んだ限りではミステリーの要素は感じられない。むしろ泥々した男女の愛憎劇が中心である。吉川英梨にしては、随分とメーターを振り切った小説であり、『十三階シリーズ』よりも過激なR指定相当の小説なのである。
作品を通じて、主人公の藤堂玲花の現在と高校時代とが交互に描かれ、前半は男女の不倫や愛憎劇が中心となる。中盤になって、何者かによる玲花への誹謗中傷が始まり、さらには殺人事件が起き、やはりミステリー小説だったのかと思い始めるのだが、再び男女の過激な性描写と愛憎劇が中心