吉川英梨のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
吉川英梨さんの著書を読んだのは「雨に消えた向日葵」が最初でその1冊で好きになり、「ハイエナ」が2冊目でした。
家庭を顧みず仕事一筋で、その仕事上の失敗から今までの地位を失った刑事が詐欺集団に潜入して捜査することになるのですが、ここまでやるか?と思うほどの入れ込みようでした。
仕事人間と家庭人間は両立できないものかもしれませんね。特に警察組織の最前線で戦っている方たちは。
この本で詐欺集団の構成や役割分担、リスク管理の周到さを知り、怖さについても改めて思い知らされました。
高齢者がターゲットになりやすく、騙されないように注意喚起や広報を目にする機会が増えましたが、それでも毎日のように被 -
Posted by ブクログ
皆さんのレビューを見て読んでみたくなりました。
海上保安官ながら今や中年メタボで主に事務系の職務につく冴えない桃地と、海上保安学校時代の憧れのマドンナでその後颯爽と救難ヘリを操り女性海上保安官の道を切り拓いて来たシングルマザーの彩子、その息子の悠希。彩子が余命1年との告白を受けて桃地が舞鶴の保安学校の教官になるところからの、彼等と桃地の教え子、同僚達との波瀾万丈な中でも濃密な人間関係が紡がれていく1年間の物語。
其々悩みを抱え理解し合えずに苦しみながらも、最後は自分を曝け出すところから解決の糸口が見つかり信頼関係が築かれて行く様は、清々しく感動的でした。
桃地の相手に一歩踏み込んだ思い遣りっぷ -
Posted by ブクログ
レビューに惹かれて吉川英梨さん、初読みです
現実的で地道な捜査過程を描いた警察小説
フィクションなのにミステリーの様な刺激的な話ではなく、エンタメ性も控えた作品なので、より現実感のある作品だった
激しい雨の中失踪した美少女葵ちゃん
探す家族と奈良刑事の執念の三年間の話
そして並行して時が過ぎて行く奈良刑事と妹の人生
捜査が難航し、不確かな望みと不安を常に抱えながら葵ちゃんの情報収集に費やす家族の日常が克明に描かれていて、いつまでもやまない雨の中にいる様でなかなか辛いものがあった
しかし悪い事ばかりではなく、離れていた家族は次第に歩み寄り、捜査が打ち切られても周りの人や刑事が協力を惜しま